ライフフーズ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ライフフーズ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

同社は東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、「ザめしや」「街かど屋」などの和食レストランチェーンを関西・中部地区中心に展開する企業です。直近の決算では、不採算店舗の閉店等により減収となりましたが、不採算店の整理やコストコントロールが進み、経常利益・当期純利益ともに黒字転換を果たしました。


※本記事は、株式会社ライフフーズ の有価証券報告書(第39期、自 2024年3月1日 至 2025年2月28日、2025年5月23日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ライフフーズってどんな会社?


和食カフェテリア「ザめしや」や定食屋「街かど屋」等を展開し、関西・中部圏でドミナント出店を行う外食チェーンです。

(1) 会社概要


1986年にエル・フーズとして設立され、和風カフェテリア「ザめしや」の事業展開を開始しました。1991年に現在のライフフーズへ商号変更し、2000年には「ザめしや24(現・街かど屋)」などの新業態も開始しました。2006年にジャスダック証券取引所へ上場を果たし、現在は東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。

2025年2月28日現在、同社は連結子会社を持たず単体で事業を行っており、従業員数は176名です。大株主については、筆頭株主は公益財団法人ライフスポーツ財団で、第2位は清久商事、第3位は創業家一族と思われる個人株主となっています。

氏名 持株比率
公益財団法人ライフスポーツ財団 18.41%
清久商事 16.10%
清水 三夫 12.55%

(2) 経営陣


同社の役員は男性6名、女性0名の計6名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長は大平毅氏、代表取締役社長は菅本祥宏氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
大平 毅 代表取締役会長兼執行役員管理本部長兼開発建設部長兼業態開発部長 1990年同社入社。営業本部長、FF事業部長等を歴任し、2013年代表取締役社長に就任。2020年より現職。
菅本 祥宏 代表取締役社長 1988年同社入社。商品部長、店舗運営部次長等を歴任。2018年取締役営業本部長等を経て、2025年3月より現職。
清水 哲二 取締役 2000年ライフビューティー入社。同社及びライフビューティープロダクツ代表取締役社長を経て、2018年より現職。
仁科 孝之 取締役 1990年同社入社。店舗運営部リージョナルマネージャー、監査室長を経て、2010年営業本部店舗運営第二部部長(現任)。


社外取締役は、新家祥孝(元同社常勤監査役)、柴田昇(ミカタコンサルティング代表取締役社長CEO)、長澤哲也(弁護士法人大江橋法律事務所社員)です。

2. 事業内容


同社グループは、「外食事業」および「その他」事業を展開しています。

(1) ザめしや


家庭料理を中心とした約120種類のメニューから、顧客が自由に料理を組み合わせることができる和食カフェテリア方式のレストランです。ファーストフードの利便性とレストランのくつろぎを兼ね備えています。
収益は、来店客からの飲食代金によって構成されています。運営はライフフーズが行っています。

(2) 街かど屋(ザめしや24)


丼や定食に特化したファーストフードタイプの定食屋です。24時間営業の「ザめしや24」から転換を進め、幅広い顧客層を対象としています。
収益は、来店客からの飲食代金によって構成されています。運営はライフフーズが行っています。

(3) めしや食堂


「ザめしや」のノウハウを活かしつつ店舗を小型化し、少人数運営による効率化を図った業態です。「ヘルシー和食をさらに気軽に」をコンセプトとしています。
収益は、来店客からの飲食代金によって構成されています。運営はライフフーズが行っています。

(4) 讃岐製麺


店内製麺所で毎日製麺する讃岐うどんを提供するセルフ方式のうどん店です。うどんのほか、おむすび、天ぷら、おでんなども取り揃えています。
収益は、来店客からの飲食代金によって構成されています。運営はライフフーズが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は90億円台から100億円前後で推移しています。利益面では、過去には大幅な赤字を計上する時期もありましたが、直近の2025年2月期では経常利益4.1億円、当期純利益4.0億円となり、黒字転換を果たしました。利益率は4.2%まで回復しています。

項目 2021年2月期 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期
売上高 92億円 87億円 99億円 104億円 98億円
経常利益 -11.7億円 1.4億円 -2.0億円 0.1億円 4.1億円
利益率(%) -12.6% 1.7% -2.1% 0.1% 4.2%
当期利益(親会社所有者帰属) -16.9億円 0.6億円 -4.5億円 -7.3億円 4.0億円

(2) 損益計算書


直近2期間の損益構成を見ると、売上高は減少していますが、売上原価および販売費及び一般管理費の削減が進んでいます。特に営業利益は前期の赤字から3.5億円の黒字へと大きく改善しました。コストコントロールが奏功し、収益性が向上していることが分かります。

項目 2024年2月期 2025年2月期
売上高 104億円 98億円
売上総利益 69億円 67億円
売上総利益率(%) 66.0% 68.9%
営業利益 -0.3億円 3.5億円
営業利益率(%) -0.2% 3.6%


販売費及び一般管理費のうち、賃金が21億円(構成比33%)、賃借料が12億円(同19%)を占めています。売上原価については、原材料仕入高等の合計が売上原価の大部分を占めています。

(3) セグメント収益


各業態の売上高を見ると、主力の「街かど屋」は42億円で横ばい、「讃岐製麺」は増収となりましたが、「ザめしや」「めしや食堂」は店舗数の減少等により減収となりました。全体としては不採算店舗の整理等により減収となっています。

区分 売上(2024年2月期) 売上(2025年2月期)
ザめしや 38億円 34億円
街かど屋(ザめしや24) 42億円 42億円
讃岐製麺 11億円 12億円
めしや食堂 8億円 7億円
その他 5億円 3億円
連結(合計) 104億円 98億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標

ライフフーズのキャッシュ・フローの状況についてご説明します。

同社は、営業活動により資金を生み出しており、これは主に事業の利益によるものです。投資活動では、店舗改装のための設備投資や定期預金の増減などにより、資金の支出が見られました。財務活動では、借入金の返済などにより、資金の支出が続いています。

項目 2024年2月期 2025年2月期
営業CF 2.5億円 3.1億円
投資CF 1.8億円 -1.1億円
財務CF -8.4億円 -8.2億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は創業以来、「食文化を創造する」「お客様のニーズに応える」「人を育てる」を目指す企業としてレストラン事業を展開しています。顧客が自由に料理を選べる楽しさや、できたての美味しい料理を迅速に提供することで、競争の激しい外食産業の中で勝ち残ることを目指しています。

(2) 企業文化


「お客様第一主義の徹底」を掲げ、「Q・S・C+C」(クオリティ・サービス・クレンリネス+チョイス)のレベル向上を基本方針としています。カフェテリア業態の特性である「C(チョイス)」、すなわち料理を選ぶ楽しさを重視しつつ、多彩なサービスと満足度の提供に努めています。

(3) 経営計画・目標


継続的な企業価値向上のため、売上高及び経常利益を重要指標としています。具体的な数値目標は明示されていませんが、これらの指標の向上を図るための諸施策を実施していく方針です。

(4) 成長戦略と重点施策


中長期的な戦略として、「街かど屋」業態の積極的な出店、新業態の開発、スクラップ&ビルドを掲げています。新業態開発では多様な顧客ニーズに対応するビジネスモデルの確立を目指し、スクラップ&ビルドでは不採算店舗の閉店と生活道路や小商圏への新規出店を推進します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


「人を育て、人を活かす企業風土を築く」を方針とし、持続可能な社会の実現と企業の成長の両立を目指しています。多様な人材が能力を発揮できる環境整備に努め、階層別研修やオンデマンド研修等の教育制度、職務等級制度、外国人や女性、高齢者、障害者の雇用推進など、多様性を尊重した職場作りを行っています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年2月期 45.4歳 21.8年 5,283,558円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 2.6%
男性育児休業取得率 33.3%
男女賃金差異(全労働者) 58.7%
男女賃金差異(正規雇用) 85.5%
男女賃金差異(非正規雇用) 111.2%


また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性社員比率(2.2%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 事業環境の変動リスク


外食産業は市場縮小傾向にあり、競合他社との競争が激化しています。同社の主力である和食カフェテリア業態においても類似企業の出現により競合が生じています。また、原材料価格や光熱費、人件費の上昇が業績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(2) 店舗展開と出退店に関するリスク


新規出店に際しては採算性を慎重に検討していますが、適切な物件が見つからない場合や、出店後の初期投資負担等が業績に影響する可能性があります。また、不採算店舗の閉店や業態転換を行う際、違約金や固定資産除却損等の損失が発生し、業績に悪影響を与える可能性があります。

(3) 食材調達と仕入先依存のリスク


天候不順等による農作物の不作で原材料価格が高騰した場合、業績に影響が出る可能性があります。また、食材の物流等をケイ低温フーズに大きく依存(仕入高の約45%)しており、同社との関係悪化や配送センターでの事故等が発生した場合、店舗運営に支障をきたす恐れがあります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。