※本記事は、株式会社ライフフーズの有価証券報告書(第40期、自 2025年3月1日 至 2026年2月28日、2026年5月26日提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準はJapan GAAPです。
1. ライフフーズってどんな会社?
ライフフーズは、主に関西・中部地区で和食レストランチェーンを展開する外食企業です。
■(1) 会社概要
1986年に和風カフェテリア「ザめしや」の展開を目的にエル・フーズとして設立されました。1991年にライフフーズへ商号を変更し、2006年にジャスダック証券取引所へ上場しました。その後、「街かど屋」や「めしや食堂」、「讃岐製麺」など多様な業態を開発して事業を拡大し、現在はスタンダード市場に上場しています。
現在の従業員数は単体で173名となっています。筆頭株主はライフスポーツの普及等を行う公益財団法人ライフスポーツ財団で、第2位は清久商事、第3位は創業家の清水三夫氏となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 公益財団法人ライフスポーツ財団 | 18.41% |
| 清久商事 | 16.10% |
| 清水三夫 | 12.55% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は菅本祥宏氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 菅本祥宏 | 代表取締役社長 | 1988年エル・フーズ(現ライフフーズ)入社。営業本部第三事業部ディストリクトマネージャー、営業本部商品部次長、営業本部商品部長等を経て、2018年より取締役。2025年より現職。 |
| 大平毅 | 取締役会長兼管理本部長兼開発建設部長兼業態開発部長 | 1990年エル・フーズ(現ライフフーズ)入社。営業第一事業部長、常務執行役員営業本部長、代表取締役社長等を歴任。2025年代表取締役会長を経て2026年より現職。 |
| 清水哲二 | 取締役 | 2000年ライフビューティー入社。同社代表取締役社長、ライフビューティープロダクツ代表取締役社長を経て、2018年より現職。 |
| 仁科孝之 | 取締役兼営業本部長兼FF事業部長 | 1990年エル・フーズ(現ライフフーズ)入社。ザめしや橿原店店長、監査室長、営業本部店舗運営第二部長を経て、2025年より現職。 |
社外取締役は、柴田昇(ミカタコンサルティング代表取締役社長CEO)、長澤哲也(弁護士法人大江橋法律事務所社員)です。
2. 事業内容
同社は「外食事業」の単一セグメントであるため、展開している主要な業態ごとに解説します。
■ザめしや
「家庭料理」を中心とした約120種類の豊富なメニューから自由に料理を組み合わせるカフェテリア方式の和食レストランです。客席回転率の高いファーストフード方式と、くつろぎのあるレストランタイプの要素を併せ持っています。
収益は、店舗を利用する顧客からの飲食代金から得ています。運営は同社が行っており、郊外型幹線道路立地を中心に展開し、多様な顧客ニーズに応える多彩なサービスと高い満足度を提供しています。
■街かど屋
「丼・定食」にメニューを絞り込んだ、ファーストフードタイプツーオーダー方式の和風定食屋です。フライ物などの提供によるメニューの充実や、安心感のある低価格と明るい店づくりで、家族連れや会社員、学生などをターゲットにしています。
収益は、店舗での飲食代金から得ています。運営は同社が行っており、都心型のビルイン立地などへの出店も進め、幅広い顧客層を対象に熱々の美味しい料理を素早く提供しています。
■讃岐製麺・めしや食堂
讃岐製麺は、店内製麺所で毎日製麺したうどんや自家製おむすびを提供する本物志向の専門店です。一方、めしや食堂はザめしやのノウハウを生かし、小型化と少ないスタッフによる効率的な運営を目指す店舗です。
収益は、各店舗での飲食代金から得ています。運営は同社が行っており、生活道路型小商圏への出店など立地の多様化を図りながら、「ヘルシー和食をさらに気軽に」というコンセプトで展開しています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は90億円台後半から100億円前後で推移しています。経常利益は一時赤字を計上したものの、その後は黒字に回復しています。当期は原材料価格や人件費の高騰等の影響を受け、売上高96億円、経常利益1億円にとどまっています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 87億円 | 99億円 | 104億円 | 98億円 | 96億円 |
| 経常利益 | 1億円 | -2億円 | 0.1億円 | 4億円 | 1億円 |
| 利益率(%) | 1.7% | -2.1% | 0.1% | 4.2% | 1.3% |
| 当期純利益 | 0.6億円 | -4億円 | -7億円 | 4億円 | 0.4億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は98億円から96億円へと減収となり、それに伴い売上総利益も減少しています。一方で、店舗の最適化によるコスト抑制を進めたものの販売費及び一般管理費は高止まりしており、結果として営業利益の減益につながっています。
| 項目 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 98億円 | 96億円 |
| 売上総利益 | 67億円 | 64億円 |
| 売上総利益率(%) | 68.9% | 66.4% |
| 営業利益 | 3億円 | 0.9億円 |
| 営業利益率(%) | 3.6% | 0.9% |
販売費及び一般管理費のうち、賃金が21億円(構成比33%)、賃借料が12億円(同19%)を占めています。売上原価は32億円で、そのうち当期原材料仕入高が31億円(売上原価に対して96%)を占めています。
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業活動によるキャッシュ・フローはプラス、投資活動と財務活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなっており、営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う健全型のキャッシュ・フロー状況を示しています。
| 項目 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 3億円 | 5億円 |
| 投資CF | -1億円 | -2億円 |
| 財務CF | -8億円 | -5億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は2.1%で、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は43.6%であり、いずれも市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は「食文化を創造する」「お客様のニーズに応える」「人を育てる」を目指す企業として、レストラン事業を展開しています。社会のニーズに対応しながら、持続可能な社会の実現と企業の成長の両立を目指しています。
■(2) 企業文化
「お客様第一主義の徹底」のもと、「Q・S・C+C」(クオリティ・サービス・クレンリネス+チョイス)のレベル向上を重視する文化があります。お客様が自由に料理を選べる楽しさを提供することで、外食産業の中で勝ち残ることを目指しています。
■(3) 経営計画・目標
同社は継続的な企業価値向上のため、売上高及び経常利益を重要指標として掲げています。各業態のブランド力強化などの諸施策を実施することでこれらの指標の向上を図り、安定した利益水準の維持を目指しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
中長期的な経営戦略として、街かど屋業態の積極的な出店、新業態の開発、スクラップ&ビルドの3点を掲げています。多様な顧客ニーズを満たす新しいビジネスモデルの確立を目指しつつ、生活道路や小商圏への新規出店と不採算店舗の退店を進めています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
「人を育て、人を活かす企業風土を築く」という人材育成方針を掲げています。多様な人材がそれぞれの能力を発揮できる働きやすく働きがいのある職場環境を整備するため、階層別研修や職務等級制度の導入、多様な社員制度の推進などに取り組んでいます。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年2月期 | 45.2歳 | 21.0年 | 5,571,340円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 5.1% |
| 男性育児休業取得率 | - |
| 男女賃金差異(全労働者) | 60.1% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 71.8% |
| 男女賃金差異(パート有期) | 112.6% |
※男性労働者の育児休業取得率については、有報に実績の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 事業環境の変動とコスト上昇
外食産業は消費動向の低迷や競合激化により厳しい環境にあります。さらに、原材料価格(特に米価)やエネルギーコストの高止まり、人手不足による人件費の上昇が、同社の業績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 店舗展開と出退店に伴う影響
出店基準を満たす物件の不足や、新規出店に伴う初期投資・減価償却負担がリスクとなります。また、不採算店舗の閉店時には違約金の発生や保証金が回収できない可能性があり、業態転換時の設備除却等も業績に影響を与える可能性があります。
■(3) 仕入食材の安定調達と特定の仕入先への依存
提供するメニューが幅広く食材の種類も多岐にわたるため、天候不順による農作物の不作などで原材料価格が上昇し供給量が減少した場合、食材調達コストが上昇します。また、特定の食品卸業者への物流依存度が高く、不測の事態が店舗運営に支障をきたすリスクがあります。



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