※本記事は、株式会社東天紅 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
東天紅は、レストラン及び宴会場の経営を主たる業務としています。中国料理による飲食店や宴会場の経営、不動産の賃貸などを展開しています。
単体従業員数は145名です。セグメントは飲食業、賃貸業の2つです。
東天紅は、レストラン及び宴会場の経営を主たる業務としています。中国料理による飲食店や宴会場の経営、不動産の賃貸収入などを手掛けています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
東天紅は、飲食業を主軸とする企業です。従業員の定着や働きやすい環境づくりに力を入れており、長期的なキャリア形成を支援する方針が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が長く働き続けられる環境が整っている傾向が見られます。平均年齢と平均勤続年数から、幅広い年代の従業員が安定して活躍している様子がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,163,000円 |
| 平均勤続年数 | 18.5年 |
| 平均年齢 | 41.6歳 |
| 単体従業員数 | 145人 |
同社は確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職給付制度を設けており、国内グループ会社に適用されています。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は354百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、安定した収益を創出し続けられる企業として、高効率・高収益経営の実現を経営指針に掲げ、企業価値向上に向けた人材戦略を推進しています。特に、年功序列から脱却し、貢献度に応じた評価と処遇を整合させることで、評価の納得性を高め、必要な人材の確保と企業価値向上を目指す方針です。
創業以来、企業理念に基づいた人材育成と教育訓練を最優先課題とし、美味しい料理と心のこもったおもてなしを提供できる人材の育成に注力しています。また、労働力人口の減少に対応するため、システム投資による省人化・省力化を図り、全従業員が営業に専念できる環境整備を進めています。
従業員の適性や能力に応じた配置による能力開発、戦力化にも取り組み、実績に基づく積極的な女性活躍の推進や次世代人材の登用ができる環境を整備しています。これにより、今後の事業展開に対応できる体制強化、人と技術の次世代への伝承、永続発展に向けた世代交代を推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 7.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 50.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 83.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 79.9% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
東天紅は、レストランおよび宴会場の経営を主たる業務としています。同社の事業は、主に飲食業と賃貸業の二つのセ柱で構成されています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、レストランや宴会場の運営を通じて、顧客に食事と会食の場を提供しています。収益は、これらのサービス提供から得られています。
飲食業
飲食業では、宴会部門、婚礼部門、グリル部門を展開しています。宴会部門ではウェブでの訴求強化や法人向け営業に注力し、婚礼部門では体験価値や接客力、デジタル戦略の強化を進めています。グリル部門ではウェブを中心にプランを訴求し、新規顧客の獲得に努めています。この事業は、前期から売上高が増加しています。
賃貸業
賃貸業では、安定的に賃貸収入を確保しています。この事業も、前期から売上高が増加しています。
同社は本邦以外の外部顧客への売上高はなく、海外での事業展開は行っていません。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| 飲食業 | 45.2億円 | 46.1億円 |
| 賃貸業 | 1.9億円 | 1.9億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の事業年度において、同社の売上高、営業利益、経常利益は前期から増加しました。特に当期純利益は、前期と比較して大きく増加しています。この当期純利益の増加には、繰延税金資産の計上が影響しています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
東天紅の財務状況は、同社がどのような経営基盤を持ち、安定して事業を継続できるかを示す重要な情報です。自己資本や手元資金の厚み、キャッシュフローの動きから、同社の現在地を把握できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
東天紅の財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から増加し、安定性が高まっていることが示されています。手元資金も確保されており、不況時への耐性も一定程度あると考えられます。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 66億9,253万円 | 73億8,736万円 |
| 自己資本比率 | 61.4% | 65.4% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 16億5,895万円 | 18億7,380万円 |
※自己資本比率は、プライム市場上場の非製造業平均24.2%と比較して高い水準にあります。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
東天紅のキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行っている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローはプラスを維持しており、事業で着実に資金を稼ぎ出していることがうかがえます。投資活動によるキャッシュフローはマイナスで、既存店舗の改装など有形固定資産の取得に資金を投じている状況です。フリーキャッシュフローもプラスを維持しており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態です。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 7億2,677万円 | 6億2,713万円 |
| 投資CF | △1億1,165万円 | △1億5,023万円 |
| 財務CF | △1億7,752万円 | △2億6,204万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 6億1,512万円 | 4億7,690万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社の経営成績は景気動向、特に法人需要の動向に大きく影響を受ける傾向があります。外食市場における新規参入や中食の台頭により、競争が激しさを増している状況です。また、良質な食材の安定的確保も重要な要素であり、外的要因による食材の安全性への疑義や仕入コストの変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
販売費及び一般管理費の増加要因として、人手不足による人件費の増加が挙げられています。これは、人材の確保や維持に関する課題を示唆している可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
東天紅は、「食」を通じて経済的、文化的に社会へ貢献することを企業理念としています。複合レストランの展開により外食産業界における卓越性を築き、社員とその家族の幸福向上にも努めることを目指す会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、社会に対して上場会社としての責任を果たすとともに、「食」を通じて経済的、文化的に貢献することを企業理念としています。複合レストランの展開により外食産業界における卓越性を築くことを目指しています。
また、社員とその家族の幸福の向上に努力し、お客様、株主、取引先との連携を一層強化することも掲げています。新時代のリーダーシップ育成に必要な人間完成を目指す自己開発を推進し、労使一体となって東天紅の永続のために経営強化を図ることを企業理念としています。
同社の企業使命は「豊かな食事文化を創造、提供する」ことです。多目的な会食空間でお客様に食事の豊かさと楽しさを提供するホスピタリティの充実に努めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、企業理念と企業使命を基本とした人材育成、教育訓練に重きを置いています。お客様との「4つのお約束」として、美味しい料理、心のこもったおもてなし、快適な設備・雰囲気、食事を楽しむための知識・情報を提供することを実践できるよう、人材への投資・教育を最優先課題としています。
「企業理念・企業使命・八徳を基にした人材採用・人材育成への取組強化」も掲げられています。労働環境の改善と働きやすい職場環境の実現を目指し、システム投資による省人化・省力化を図り、全従業員が一丸となって営業に専念できる環境を整備しています。
年功序列から脱却し、貢献度に応じた評価と処遇を整合させることで、評価の納得性を高めることを推進しています。従業員が自身を客観的に見つめ直し、自らの価値を高め、企業価値向上が達成できるよう、評価制度の活用を推進している会社です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、国内における原油価格や物価の上昇、人件費の高騰、人手不足といった課題に直面しています。外食業界ではロボット化、オートメーション化、生成AIによる変革が進んでいる状況です。
このような環境に対応するため、人手不足への対策として、同社の魅力を打ち出す採用戦略をより一層強化しています。離職防止や職場環境の改善の一環として、調理部門での一部機械化を実施し、作業軽減につなげています。
今後はAI活用により持続的な成長と競争力の強化につなげていく方針です。また、高効率な店舗運営を目指し、更なるシステム化の推進及び効率化を図っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の意思決定と監督を担う体制となっています。経営の透明性・健全性・効率性の追求を通じて、ステークホルダーの信頼を得ることを重視しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は小泉グループであり、創業家や関連会社が経営を支える体制であることがうかがえます。上位株主には金融機関や事業会社も名を連ねており、多様な株主によって支えられています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 小泉グループ | 30.06% |
| みずほ銀行 | 4.95% |
| 九州アフリカ・ライオン・サファリ | 2.46% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は小泉和久氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小泉 和久 | 取締役社長(代表取締役) | 1977年3月同社代表取締役社長就任。小泉グループ代表取締役社長、アブアブ赤札堂代表取締役社長、ジーエムシー代表取締役社長、九州アフリカ・ライオン・サファリ代表取締役社長、塩沢リネンサプライ代表取締役社長を現任。 |
| 藤井 修造 | 専務取締役 | 1980年4月株式会社富士銀行(現株式会社みずほ銀行)入行。みずほインベスターズ証券取締役副社長、みずほ証券常務取締役兼常務執行役員、みずほフィナンシャルグループ常務執行役員等を経て、2019年5月同社専務取締役就任。 |
| 松本 恵司 | 取締役上野店営業部長 | 1983年3月同社入社。上野店支配人、上野店営業部長を経て、2012年5月取締役上野店営業部長就任。 |
| 佐藤 昇 | 取締役管理部長 | 1986年3月同社入社。管理本部経理部長、管理部長、執行役員管理部長を経て、2019年5月取締役管理部長就任。 |
社外取締役は、北村吉男氏(元東京消防庁消防総監)、源川暢子氏(エディター/ライター)です。
同社は監査役制度を採用しており、取締役会は社内取締役4名と社外取締役2名で構成されています。監査役会は常勤監査役1名と社外監査役2名で構成され、監査の公正性・透明性を確保しています。社外取締役は取締役会に出席し、監査役や内部監査室と連携しながら業務執行を監督しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、月例の固定報酬を基本としています。役位、職責、在任年数に加え、同社の業績や従業員給与の水準を考慮して決定されています。監査役の報酬は、株主総会で決定された総額限度内で、監査役の協議により個別の額が決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 57百万円 | 14.1百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 5百万円 | 4.5百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 8百万円 | 1.9百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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