※本記事は、株式会社昴 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
昴は、幼児、小学生、中学生、高校生、高校卒業生を対象とした学習塾の企画・運営を行っています。同社は学習塾事業の単一セグメントとして、幅広い年代の教育ニーズに応えています。
単体従業員数は300名です。同社の事業は学習塾事業の単一セグメントとなっています。
昴は、幼児から高校卒業生までを対象とした学習塾の企画・運営を本体で行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社昴は、学習塾事業を単一セグメントとする企業です。従業員の平均年齢や勤続年数から、一定の定着感と経験豊富な人材が活躍している環境がうかがえます。給与水準や働き方に関する具体的なデータを通じて、同社の職場環境を見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い水準にあります。これは、長期的なキャリア形成が可能な環境であり、経験を積んだ人材が定着している傾向を示していると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,212,000円 |
| 平均勤続年数 | 13.8年 |
| 平均年齢 | 43.2歳 |
| 単体従業員数 | 300人 |
同社は退職給付制度として確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職一時金制度を採用しています。この制度は国内の従業員を対象としています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は7.0億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、生徒の興味とやる気を引き出す「師 心に灯をともす人」を講師の理想像として掲げ、人財の確保と育成を最も重要な経営資源と位置付けています。講師の成長が生徒の未来を作り、会社の発展につながると考えています。
人財の確保と育成のため、アルバイト講師の社員登用強化による即戦力化や、卒業生へのリクルート案内強化を進めています。また、社内ライセンス制度による講師の教科力・指導力向上、生徒アンケートを活用した授業満足度向上、プロコーチ制度による指導力強化とインセンティブ効果にも取り組んでいます。
多方面での研修(教科研修、職員研修、教室責任者研修など)を実施し、性別や年齢、国籍等に関わらず多様な人財が力を発揮できる環境づくりを進めています。残業の削減や育児休暇、有給休暇の取得促進など、働きやすい環境づくりにも注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合および男性労働者の育児休業取得率は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定に基づき算出されています。労働者の男女の賃金の差異については、管理職層に女性の人数が少ないことや、職種及び等級ごとの人数構成の差が主な要因と説明されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 44.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 79.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 71.3% |
指標及び目標
同社がサステナビリティに関する取り組みの中で開示している人的資本に関する指標と目標、実績は以下の通りです。
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 管理職に占める女性比率 | 2026年までに11% | 4.3% |
| 女性の育児休業取得率 | 100% | 100% |
| 勤続年数 | 2026年までに14年以上 | 13.8年 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
昴は、幼児から高校卒業生までを対象とした学習塾の企画・運営を主軸とする会社です。教育サービスを通じて、生徒の学力向上と進学を支援しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は学習塾事業を単一セグメントとして展開しており、幼児、小学生、中学生、高校生、高校卒業生向けの学習塾の企画・運営を行っています。収益は、主に各部門の授業料や関連サービスから得ています。
部門別売上高では、中学部が最も大きな割合を占めており、次いで幼児・小学部が続きます。高等部は前年同期比で増加傾向にあり、個別指導や合宿収入等も収益源となっています。
同社は、多様化する大学入試制度への対応や、AIを活用した自立学習支援システム「昴LMS」の導入、質の高い映像配信授業の提供など、教育環境の変化に対応した取り組みを進めています。また、校舎の統廃合やオンライン個別指導「すばる個別オンライン」の開始など、効率的な運営とサービス拡充を図っています。
海外の外部顧客からの売上高に関する記載はないため、国内事業が中心となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの連結経営指標は、第64期(2022年2月期)のみ開示されており、それ以降の連結データはありません。第64期においては、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を計上しています。
単体の経営成績を見ると、当事業年度の売上高は前事業年度に比べ減少しています。一方で、営業利益と経常利益は前事業年度から増加しています。当期純利益は前事業年度に比べ減少となりました。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 38.4億円 | - | - | - | - |
| 経常利益 | 3.5億円 | - | - | - | - |
| 経常利益率 | 9.1% | - | - | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.4億円 | - | - | - | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | 230.91 | - | - | - | - |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、事業の安定性と将来性を見極める上で重要な情報となります。自己資本の厚みや手元資金の状況、キャッシュフローの流れから、同社の経営の現在地を把握できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率の高さに特徴があります。手元資金は安定的に確保されており、事業運営に必要な流動性を維持している状況です。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 3,571百万円 | 3,621百万円 |
| 自己資本比率 | 51.6% | 52.7% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 1.1% |
| 現金及び現金同等物 | 771百万円 | 752百万円 |
同社の自己資本比率は、当期で52.7%となっています。これはプライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して高い水準を示しています。
純資産は前期から増加しており、財務の安定性につながる要素です。一方で、ROE(自己資本利益率)は当期で1.1%となっており、プライム市場平均(9.4%)と比較すると低い水準にあります。
現金及び現金同等物は、当期末で752百万円を確保しています。前期と比較すると減少していますが、事業活動に必要な資金は手元に保持されている状況です。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は本業で安定的に資金を生み出し、その資金を投資や財務活動に充てています。事業活動で得た資金が投資活動による支出を上回っており、余剰資金を生み出している状況です。
当事業年度における営業活動によるキャッシュフローは274百万円のプラスとなりました。これは主に減価償却費や税引前当期純利益の計上、減損損失などによるものです。
投資活動によるキャッシュフローは△125百万円のマイナスとなっています。有形固定資産の売却による収入があったものの、有形固定資産の取得による支出が上回ったことが主な要因です。
財務活動によるキャッシュフローは△169百万円のマイナスとなりました。長期借入金の返済による支出が収入を上回ったことや、配当金の支払いなどによるものです。
これらの結果、フリーキャッシュフローは当期で149百万円のプラスとなっています。本業で稼いだ資金が投資を上回っており、事業の安定的な運営と将来への再投資の余力を示しています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 162百万円 | 274百万円 |
| 投資CF | △117百万円 | △125百万円 |
| 財務CF | △232百万円 | △169百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 45百万円 | 149百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は学習塾業界において、少子化による学齢人口の減少という問題に直面しています。これにより、入学試験の平易化や生徒獲得競争の激化が業績に影響を与える可能性があります。
また、地価の下落や少子化による競合激化により、営業活動による収益が悪化する場合には、減損損失が発生する可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社昴は、「子どもの可能性は無限」という信念のもと、教育を通じて社会に貢献することを目指しています。生徒一人ひとりの成長を重視し、豊かな人間性と自ら挑戦する力を育むことを大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「子どもの可能性は無限」という考えを基盤とし、「我が子、我が事と思い、厳しく指導する」「学力、気力、体力を養成する」「責任をもって一人残らず第一志望校に合格させる」を指導理念としています。
一人ひとりの子供たちが豊かな人間性を備え、優れた創造力、逞しき意志、柔軟な思考力と応用力を持った人間に成長することを願っています。子供たちが自己の能力を最大限に発揮し、大きな目標に向かって挑戦するエネルギーを持って成長していくことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、変化の激しい経営環境に迅速に対応する企業風土の醸成に取り組んでいます。サステナビリティ課題に取り組むにあたり、企業行動憲章を掲げており、法令・ルール・コンプライアンスを遵守し、高い倫理観と責任感を持って行動することを謳っています。
生徒保護者、取引先、株主、そして従業員を含むすべてのステークホルダーに対し、公正かつ適正な対応を重視する価値観を持っています。また、生徒の興味とやる気を引き出す「師 心に灯をともす人」を講師の理想像とし、人財の確保と育成を最も重要な経営資源と位置づけています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、AIやデジタル技術を活用した教育サービスの需要の高まりに対応するため、DXへの取り組みを強化しています。これにより、効率的な学習機会の提供と顧客満足度の向上を図っています。
少子化と学力低下への対応として、高校入試だけでなく、大学進学や将来の職業を見据えた「学ぶことの大切さや必要性」の啓蒙に取り組んでいます。
また、求職者の売り手市場が続く中で、採用活動の強化を重点テーマとしています。インターンシップ活動の機会検討や就職イベントへの参画を通じて優秀な人材の確保に努め、アルバイト学生の研修による人材育成と社員登用の強化も図っています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能を強化し、かつ監督と執行の分離を進めつつ経営の機動性を高めることを目指しています。これにより、企業価値の向上を図る観点からも取締役会の監査・監督機能を強化している体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は有限会社学友社であり、発行済株式の40.99%を所有しています。上位株主には有限会社学友社のほか、日本カストディ銀行(信託E口)、鹿児島銀行が名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社学友社 | 40.99% |
| 日本カストディ銀行(信託E口) | 5.54% |
| 鹿児島銀行(常任代理人 日本カストディ銀行) | 4.95% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.6%です。代表取締役社長は西村秋氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 西 村 秋 | 代表取締役 社長 | 2001年1月有限会社学友社取締役。2005年3月同社入社内部監査室長。同社取締役人事総務部長、代表取締役副社長兼人事総務部長を経て、2021年5月より同社代表取締役社長現職。 |
| 西 村 道 子 | 取締役 会長 | 1973年10月有限会社教学社鶴丸予備校(現同社)取締役に就任。同社常務取締役、専務取締役、代表取締役専務、代表取締役社長教務本部長、代表取締役社長を経て、2025年5月より同社取締役会長現職。 |
| 松葉口 哲 | 取締役 教務本部長兼沖縄統括部長 | 1984年3月有限会社鶴丸予備校(現同社)入社。同社教務部教務指導担当部長、管理部情報システム・教務事務担当部長兼教務部模試開発担当部長、教務副本部長を経て、2023年5月より同社取締役教務本部長兼沖縄統括部長現職。 |
社外取締役は、厚地実氏(元南日本銀行業務監査部指導役・監査等委員)、前田義人氏(元南日本新聞社取締役・監査等委員)、本木順也氏(本木法律事務所弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、全員が社外取締役で構成される監査等委員会が、取締役会の外部からの業務執行の適法性、妥当性の監視及び監査等を担うことで、取締役会の監督機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、職責を果たすことへの対価として、金銭による固定報酬100%を支給する方針です。監査等委員である取締役の報酬も、独立性確保の観点から金銭による固定報酬100%を支給する方針となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 84百万円 | 21.1百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 6百万円 | 2.0百万円 |
同社の役員報酬等の総額は90百万円であり、対象となる役員の員数は7名です。報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示は行われていません。
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