【平均年収553万円】市進ホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

【平均年収553万円】市進ホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

市進ホールディングスは、市進、敬愛などを傘下に持つ持株会社です。教育サービスと介護福祉サービスを展開し、グループ全体で事業を広げています。直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社市進ホールディングス の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


市進ホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は56名、グループ連結従業員数は924名です。

同社グループは、教育サービス事業と介護福祉サービス事業の2つを主要なビジネスセグメントとして事業展開を行っています。小学生から高校生を対象とした学習塾運営や小学校受験、学童保育、映像授業コンテンツ提供などの教育事業、および訪問介護、デイサービス、有料老人ホームなどの介護福祉サービスを提供しています。連結子会社21社を中心に事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、市進(教育サービス・事業)、敬愛(介護福祉・サービス事業)、GIビレッジなどです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社市進ホールディングスは、教育サービスと介護福祉サービスを主要事業とする同社グループを統括する持株会社です。同社グループは「人を創る、ともに創る」をビジョンに掲げ、人材育成を重点テーマの一つとしています。多様な人材が活躍できる環境整備にも力を入れており、社員一人ひとりの成長を支援する働き方を推進しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


市進ホールディングスでは、平均年齢が45.0歳、平均勤続年数が18.7年となっており、比較的落ち着いた年齢構成と長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。従業員が長く働き続けられるよう、安定した雇用環境が整えられていると考えられます。

なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 5,531,371円
平均勤続年数 18.7年
平均年齢 45.0歳
単体従業員数 56人
連結従業員数 924人
単体のグループ内比率 6.1%


市進ホールディングスグループは、従業員に対して確定給付型の退職一時金制度と確定拠出年金制度を設けています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、当連結会計年度末における退職給付債務は9.0億円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


市進ホールディングスグループは、「人を創る、ともに創る」をビジョンに掲げ、人材育成をグループ全体の重点テーマの一つとしています。多様な人材の確保に力を入れており、年齢・性別・国籍を問わず潜在能力の高い人材の採用・登用を進めています。特例子会社での障がい者雇用推進や高年齢者の活用も積極的に行っています。

2022年度からはHRD(Human Resource Development)本部を設置し、「市進グループで働く一人ひとりが主体的に培った自らの力に誇りと自信を持ち、生き生きと活躍し続ける」という理念のもと、人材育成に取り組んでいます。具体的には、グループ各社の教育体系構築支援、社員個別の自律的・主体的なキャリア形成支援、グループ横断の育成施策実施を主要なテーマとしています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定に基づく公表義務項目として選択しておらず、記載を省略しています。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 株式会社市進

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 8.8%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 56.5%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 88.4%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 59.9%


▼ 株式会社茨進ホールディングス

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 6.1%
男性労働者の育児休業取得率 50.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 77.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 77.9%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 73.9%


▼ 株式会社茨進

賃金差異の理由は、管理職層の男女の人数比率などによるものです。

指標 数値
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 78.7%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 78.7%

多様性・登用

指標 数値
株式会社市進 正社員に占める女性割合目標 40%
株式会社茨進 全社員に占める女性割合目標 45%

育児・介護支援

指標 数値
女性の育児休業取得率 100%
男性の育児休業取得率 40%
ペアレントバックアップ制度年間利用者目標 10名

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


市進ホールディングスグループは、教育サービス事業と介護福祉サービス事業の二つの柱で社会に貢献しています。それぞれの事業を通じて、人々の「学び」と「生活」を支えるサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


市進ホールディングスグループは、「一生涯を通じた幅広い『学び』の機会を提供することで、ともに人間力を高め、笑顔あふれる社会を実現する」を基本理念として事業を展開しています。教育サービス業界の少子化や大学入試制度改革、教育のデジタル化、介護福祉サービス業界の高齢者人口増加や人材確保といった経営環境の変化に対応しながら、サービスの提供と品質向上に努めています。

教育サービス事業

小学生から高校生を対象とした学習塾の運営を主軸としています。具体的には、「市進学院」「個太郎塾」「茨進」といった学習塾のほか、小学校受験の「桐杏学園」、学童保育の「ナナカラ」の運営も行っています。また、映像授業コンテンツ「ウイングネット」による塾事業のトータルサポートも手掛けています。
収益は、学習塾や各種教育サービスの提供、映像コンテンツの販売などから得ています。同事業は前期に比べて売上高が増加しています。

介護福祉サービス事業

訪問介護、居宅介護支援、デイサービス、認知症グループホーム、小規模多機能型居宅介護、障がい者総合支援、有料老人ホーム、介護研修など、地域ニーズに応じた多様な介護サービスを提供しています。
収益は、各種介護サービスの提供から得ています。同事業は前期に比べて売上高が増加しています。

同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が90%を超えており、国内市場が主要な収益源となっています。特定の顧客への収益集中は見られません。

セグメント 売上高(2025年2月期) 売上高(2026年2月期)
教育サービス 155億円 156億円
介護福祉サービス 29.5億円 30.4億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


市進ホールディングスグループの連結業績は、直近5年間で売上高は増加傾向にあり、経常利益も安定して推移しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として投資有価証券売却益を計上したことで、当期に大きく増加しました。

項目 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2026年2月期
売上高 173億円 173億円 179億円 185億円 187億円
経常利益 6.9億円 7.3億円 7.6億円 7.2億円 7.5億円
経常利益率 4.0% 4.2% 4.2% 3.9% 4.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 4.2億円 3.7億円 3.6億円 3.2億円 6.3億円
1株当たり当期純利益(円) 41.72 36.19 36.55 35.84 77.27

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


市進ホールディングスグループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して増加しています。これは、同社グループ全体の効率性が向上している傾向を示しています。
また、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から横ばいで推移しています。これは、売上高の増加に対して営業利益の伸びが緩やかであったことを示しており、今後の収益性向上が注目されます。

指標 2025年2月期 2026年2月期
従業員1人あたり売上高(連結) 19.6百万円 20.2百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.0百万円 1.0百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


財務の安定性の観点から、同社グループの現在地を示します。本業で安定して資金を稼ぎつつ、投資活動による収入も得ている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は18.4%となっており、前期の15.7%から上昇しています。これはプライム市場の非製造業平均と比較すると低い水準です。ROE(自己資本利益率)は27.2%と、前期の13.1%から大きく上昇しており、プライム市場平均を上回る水準を示しています。

手元資金である現金及び預金は51.4億円と、前期の43.9億円から増加しています。これらの財務基盤は、事業活動を支える安定性を示す指標であり、従業員の雇用や給与の安定性にも影響を与える要素です。

指標 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
純資産 22.0億円 25.2億円
自己資本比率 15.7% 18.4%
ROE(自己資本利益率) 13.1% 27.2%
現金及び預金 43.9億円 51.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは13.7億円の収入となり、前期から増加しています。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費、減損損失が収入要因となったことによるものです。本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。

投資活動によるキャッシュ・フローは2.8億円の収入となり、前期の支出から収入へと大きく増加しました。これは投資有価証券の売却による収入が主な要因であり、有形固定資産の取得や映像授業コンテンツの制作による支出を上回っています。

財務活動によるキャッシュ・フローは9.3億円の支出となり、前期から支出が増加しています。長期借入による収入があったものの、長期借入金の返済やリース債務の返済が主な支出要因となっています。

これらの結果、フリーキャッシュ・フローは16.5億円の収入となり、前期から大幅に増加しています。本業で安定した資金を稼ぎ、投資有価証券の売却により資金を確保していることから、事業活動に必要な資金を自力で賄い、さらに余剰資金を生み出している状況です。これは、入社後の雇用や給与の安定性、そして将来的な事業成長への投資余力があることを示しています。

項目 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
営業CF 11.9億円 13.7億円
投資CF △7.6億円 2.8億円
財務CF △3.6億円 △9.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 4.3億円 16.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの主要事業である教育サービス事業では、少子化による市場縮小や同業他社との競争激化がリスクとして挙げられています。また、行政による教育制度や入試制度の変更、学習指導要領の改訂への対応も重要です。海外事業においては、各国の法律や規制、政治・経済情勢の変化などが事業継続に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、質の高いサービス提供と継続的な成長のため、人材の採用と育成を重要な課題としています。経済情勢や雇用情勢の変化により、必要な人材が十分に確保できない場合や、人材育成が計画通りに進まない場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


市進ホールディングスは、「人を創る、ともに創る」というビジョンを掲げ、教育と介護福祉の二つの事業を通じて社会に貢献することを目指しています。顧客のニーズに丁寧に応え、企業価値の向上を図ることを重視する会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは「人を創る、ともに創る」をビジョンに掲げています。学びの場と生活支援の場を通じて、豊かな人生と笑顔あふれる社会の実現を目指しています。教育サービス事業と介護福祉サービス事業を主要なビジネスセグメントとして展開しています。

教育サービス事業では、対象年齢層や地域、サービス内容の拡大を図り、介護福祉サービス事業では地域に根差した質の高い介護サービスを提供しています。両事業ともにM&Aによる事業拡大も積極的に進めています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、経営の健全性、透明性、迅速性を高め、法令遵守を徹底することをコーポレート・ガバナンスの基本方針としています。社員行動規範では「組織目標5項目」を掲げ、社会貢献、顧客満足の向上、会社発展、社員の自己実現、継続企業としての発展を追求しています。

グループ全体の重点テーマとして「マーケティング」「イノベーション」「人材育成」の3つを設定し、日々の活動を推進しています。また、年齢・性別・国籍などの属性情報を問わず、潜在能力の高い人材の採用・登用を検討・実施し、多様性の確保を重視しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、教育サービス業界における少子化やオンライン教育の需要増加、介護福祉サービス業界における高齢者人口増加と人材確保の課題に対応しています。これらの環境変化に対し、迅速かつ柔軟な対応力が求められると考えています。

グループ全体の重点テーマとして「マーケティング」「イノベーション」「人材育成」を設定し、グループ会社間の連携を深めることにも注力しています。特に教育サービス事業ではBX(ビジネストランスフォーメーション)によるサービス向上と業務効率化、介護福祉サービス事業では人材の採用と育成を最重要課題としています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


市進ホールディングスは、取締役会を中心とした経営体制を構築し、経営の健全性と透明性の確保に努めています。グループ全体の企業価値向上を目指し、迅速な意思決定と業務執行を推進するガバナンス体制です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


市進ホールディングスの筆頭株主は学研ホールディングスであり、事業会社が主要な株主として同社グループを支えています。上位株主には個人株主や社員持株会も名を連ねており、多様な株主によって構成されています。

株主名 持株比率
学研ホールディングス 49.66%
梅田 威男 4.47%
市進グループ社員持株会 2.91%


(注)上記のほか同社保有の自己株式2,563,793株があります。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は福住一彦氏が務めています。社外取締役比率は12.5%です。

氏名 役職 主な経歴
下屋 俊裕 代表取締役 会長 1977年4月同社入社、2011年5月同社代表取締役社長、2020年5月同社代表取締役会長より現職。
福住 一彦 代表取締役 社長 2010年7月学研エデュケーショナル代表取締役社長、2020年5月同社代表取締役社長より現職。
荻原 俊平 取締役副社長 2016年3月ウイングネット代表取締役社長、2020年5月同社取締役に就任、2025年5月同社取締役副社長より現職。
土坂 恭司 専務取締役 1988年3月同社入社、2013年3月市進代表取締役社長、2022年5月同社専務取締役より現職。
原園 明宏 常務取締役 1988年4月同社入社、2020年3月市進代表取締役社長、2022年5月同社常務取締役より現職。
尾和 保弘 取締役統括本部本部長 2012年3月同社経営企画室室長、2020年3月市進アシスト代表取締役社長、2022年5月同社取締役統括本部本部長より現職。
小野 有紀子 取締役 2015年4月学研ホールディングス広報室長、2022年5月同社取締役より現職。


社外取締役は、小幡績氏(慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役1名を含む8名で構成されています。監査役3名のうち2名が社外監査役であり、客観的かつ中立的な立場から経営の監視監督に努めています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社は、取締役(社外取締役を含む)および監査役(社外監査役を含む)の報酬について、基本報酬と譲渡制限付株式報酬により構成しています。株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で、職責と業績を勘案して決定される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 1.2億円 19.8百万円
監査役(社外除く) 1名 9百万円 9.4百万円
社外役員 3名 12百万円 4.1百万円


非金銭報酬等の総額の内訳は譲渡制限付株式報酬であり、その割当て対象は、同社の取締役(社外取締役を含む)及び監査役(社外監査役を含む)であります。
個人別報酬が開示されている役員は存在しません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。