※本記事は、クオンタムソリューションズ株式会社 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
クオンタムソリューションズは、AIソリューション事業、ウェルネス事業、デジタルアセット投資及び運用関連事業をグループ各社とともに展開しています。AIソリューションではAIインフラやAIゲーム、企業向けAIソリューションを手がけ、ウェルネス事業ではまつげエクステンションサロンの運営などを行っています。
単体従業員数は9名、連結従業員数は41名です。セグメントはAIソリューション事業、ウェルネス事業の2つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)プロケアラボ(ウェルネス事業)、(連結子会社)コンパスクラウドAIジャパン(AIソリューション事業)などです。
同社グループは、当連結会計年度よりイーサリアムを中心とするデジタルアセット投資及び運用関連事業を開始しました。また、従来のアイラッシュケア事業は、サービス領域の拡大に伴いウェルネス事業へ名称を変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
クオンタムソリューションズは、AIソリューション事業とウェルネス事業を展開しており、従業員数は連結で41名、単体で9名となっています。同社グループの給与水準や働き方に関するデータからは、現在の組織体制や人材構成の傾向を把握することができます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社単体の平均勤続年数は1.7年であり、平均年齢は41.9歳となっています。これらの数値から、比較的若手から中堅層が中心となり、組織の流動性がある傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,557,000円 |
| 平均勤続年数 | 1.7年 |
| 平均年齢 | 41.9歳 |
| 単体従業員数 | 9人 |
| 連結従業員数 | 41人 |
| 単体のグループ内比率 | 22.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材の多様性の永続的な確保を重要な要素と位置づけています。多様な視点や様々な価値観を取り入れることが、今後の同社グループの成長に必要であると考えています。
この考えに基づき、多様な人材が継続して勤務できるような環境作りの整備に積極的に取り組んでいく方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
当社グループは、現時点ではサステナビリティ関連の具体的な指標や目標等については定めておらず、その具体的な目標設定や状況の開示は今後の課題として検討したいと考えています。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
クオンタムソリューションズは、AIソリューション事業とウェルネス事業を主軸に展開しています。これらに加えて、デジタルアセット投資及び運用関連事業も手掛けています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
クオンタムソリューションズグループは、AIソリューション事業、ウェルネス事業、そしてデジタルアセット投資及び運用関連事業を展開しています。当連結会計年度の売上高はウェルネス事業がAIソリューション事業を上回りましたが、前期はAIソリューション事業が最大の事業でした。デジタルアセット投資及び運用関連事業は当連結会計年度より開始されました。
AIソリューション事業
AIソリューション事業では、AIインフラ事業、AIゲーム事業、企業向けAIソリューション事業の3領域を中心に事業を展開しています。AIインフラ事業ではGPU設備の調達やデータセンター拠点確保が重要であり、AIゲーム事業では既存ゲーム事業の収益を基盤にWeb3ゲームメカニズムの研究開発を進めています。企業向けAIソリューション事業では、潜在顧客とのコミュニケーションを通じてニーズ検証を行っています。
収益は、機器販売やゲームサービスから得ています。運営は、クオンタムソリューションズ、コンパスクラウドAIジャパン、FASTEPS SINGAPORE PTE. LTD.、Quantum Solutions Asia Limited、Quantum FOMM Limited、GPT Pals Studio Limitedが行っています。
ウェルネス事業
ウェルネス事業は、まつげエクステンションサロンの運営、まつげエクステンションスクール運営、関連化粧品の販売を展開しています。この事業は、サービス領域の拡大を視野に入れ、これまでのアイラッシュケア事業から名称が変更されました。当連結会計年度においては、従業員体制の安定化や運営効率の改善に取り組み、収益改善と黒字転換を実現しています。
収益は、サロン運営、商材販売、ロイヤリティから得ています。運営は、株式会社プロケアラボが行っています。
デジタルアセット投資及び運用関連事業
当連結会計年度より開始されたデジタルアセット投資及び運用関連事業では、連結子会社を通じてイーサリアムを中心とするデジタルアセットの取得、保有、運用を行っています。外部投資家との関係構築を進め、資金調達基盤の形成に資する取り組みを進めています。一方で、デジタルアセット価格及び為替相場の変動が財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
収益は、デジタルアセットの運用から得ています。運営は、GPT Pals Studio Limitedが行っています。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| ウェルネス事業 | 1.6億円 | 1.5億円 |
| AISolutionReportableSegmentsReportableSegment | 5.4億円 | 1.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、当連結会計年度において前期から大きく減少しました。経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失は、当連結会計年度に大幅な赤字幅の拡大となっています。この損失の大幅な増加は、主に暗号資産にかかる評価損の計上によるものであり、これは非現金性要因が主であると同社グループは説明しています。営業活動によるキャッシュ・フローは5期連続でマイナスを計上しており、投資活動によるキャッシュ・フローも当連結会計年度に大幅な減少となりました。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2.6億円 | 2.6億円 | 2.1億円 | 7.0億円 | 2.7億円 |
| 経常利益 | △3.1億円 | △1.6億円 | △7.8億円 | △4.6億円 | △25.3億円 |
| 経常利益率 | △121.5% | △59.2% | △381.5% | △66.5% | △947.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △2.8億円 | △9.5億円 | △9.0億円 | △3.2億円 | △25.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △8.26 | △25.41 | △21.67 | △7.13 | △54.07 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、当連結会計年度において前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期に比べて赤字幅が拡大する結果となりました。これは、当連結会計年度における売上高の減少と、暗号資産評価損の計上を含む営業損失の拡大が影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 13.2百万円 | 6.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △9.0百万円 | △17.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、積極的な投資活動とそれに伴う資金調達によって特徴づけられています。これは、事業の成長に向けた投資フェーズにあることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は前期から大きく変動し、当期はマイナスとなっています。純資産も当期はマイナスを示しており、財務基盤の安定性には注意が必要です。ROE(自己資本利益率)は当期に高い数値を示していますが、これは純資産がマイナスであることによるものです。手元資金である現金及び預金は増加傾向にあります。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 2.4億円 | △3.4億円 |
| 自己資本比率 | 34.9% | -22.3% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 4822.8% |
| 現金及び預金 | 1.4億円 | 1.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失や暗号資産評価損の計上、前払費用の増加により、資金の減少となりました。投資活動によるキャッシュ・フローも、主に暗号資産の取得による支出により、資金の減少幅が拡大しています。フリーキャッシュ・フローはマイナスとなっており、本業の稼ぎだけでは投資を賄えていない状況です。
一方で、財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権付社債の発行や新株予約権の行使による株式の発行収入により、大幅な資金増加となっています。これは、外部からの資金調達によって、デジタルアセットへの積極的な投資を進めている状況を示しています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △5.2億円 | △7.0億円 |
| 投資CF | △12百万円 | △39.9億円 |
| 財務CF | 5.3億円 | 47.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △5.3億円 | △46.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、暗号資産市場の価格変動に伴う期末評価損を計上しており、デジタルアセット領域における市場リスクを抱えています。また、AIインフラ領域では設備投資負担が大きく、顧客需要の具体化と収益性の見通しが一定程度確認された案件に限定して投資判断を行う方針を示しています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループでは、前連結会計年度末に比べ従業員数が減少しており、業容の縮小や業務効率化に伴う退職者が出たことが主な理由とされています。これは、人材の維持・定着に関する課題を示している可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
クオンタムソリューションズは、AIソリューション、ウェルネス、デジタルアセット関連事業を主要な事業領域として推進しています。グローバルな視点から「最先端のAIソリューションでよりよい明日の実現」と「革新技術で今日を変え未来を彩る」を掲げ、国際社会への貢献を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、事業全体の収益改善の早期実現、財務基盤の安定化、企業価値の向上を重要な経営課題としています。AIソリューション、ウェルネス、デジタルアセット関連事業を主要な事業領域として推進しています。
グローバルな観点から「最先端のAIソリューションでよりよい明日の実現」と「革新技術で今日を変え未来を彩る」を掲げています。常に最新のサービスを提供し続け、国際社会に貢献する企業であることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、適切なリスク管理とガバナンス体制を重視しています。市場環境や資産価格、流動性、資金需要などを踏まえ、能動的な管理方針に基づき資産配分や運用方針を慎重に見直すことを大切にしています。
人材の多様性の永続的な確保を、多様な視点や価値観を取り入れる上で必要かつ重要な要素と考えています。多様な人材が継続して勤務できる環境作りの整備に積極的に取り組む方針です。
サステナビリティに関するリスク管理体制では、社長が対策責任者を任命し、全社的なリスクマネジメント対応に沿って総合的に分析・把握を行い、リスク軽減に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
クオンタムソリューションズは、取締役会と監査等委員会を設置する体制を採用しています。取締役会は社外取締役を含む構成で、経営の監視機能を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
クオンタムソリューションズの株主構成を見ると、上位には海外の金融機関や証券会社が名を連ねています。特定の創業家や事業会社が上位を占める形ではなく、多様な機関投資家によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| KGI ASIA LIMITED-CLIENT ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行東京支店 セキュリティーズ・サービシズ・オペレーションズ部長) | 16.50% |
| OKASAN INTERNATIONAL(ASIA)LIMITED A/C CLIENT(常任代理人 岡三証券 代表取締役社長) | 15.90% |
| FUTU SECURITIES INTERNATIONAL (HONGKONG) LIMITED (常任代理人 moomoo証券 代表取締役) | 9.90% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長は大澤梅嘉氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大澤 梅嘉 | 代表取締役社長 | 2001年一般社団法人日本内部監査協会、EY新日本有限責任監査法人エグゼクティブディレクター、PwC Japan中国業務支援室責任者を経て、2025年7月オスマンサス・ユナイテッド合同会社代表社員、ゼネラホールディングズ非常勤監査役より現職。 |
| PENG LINYUAN | 取締役 | 2005年湘財証券国際業務部アソシエイト、三越伊勢丹中国投資有限公司コマーシャル・アドバイザー、上海楽越黄金有限公司起業などを経て、2024年5月同社取締役より現職。 |
| Francis Bing Rong Zhou | 取締役 | 2018年Silk Road Energy President、Madison Holdings CEO/Executive Director、Risecomm Executive Directorなどを経て、2024年5月同社代表取締役社長、2026年5月同社取締役より現職。 |
| TUNG CHUN FAI | 取締役 | 2005年CAF Securities入社、DBS Bank、Piper Jaffray、Credit Venture Partnersを経て、2020年よりQuantum Solutions Asia Limited Director、2021年5月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、福田祐士氏(タキロンシーアイ代表取締役社長)、荒井裕樹氏(Wealth Management法律事務所代表弁護士・監査等委員)、福島昇氏(タキロンシーアイ取締役常務執行役員・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は監査等委員である社外取締役が経営の妥当性、効率性及び公正性について監視機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
クオンタムソリューションズの役員報酬は、株主総会決議に基づき、取締役(監査等委員を除く)と監査等委員である取締役それぞれに年額上限が定められています。報酬額の決定には、ストックオプションとして割り当てる新株予約権に関する報酬額も含まれており、取締役会や監査等委員である取締役の協議によって個別の報酬額が決定される仕組みとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 44百万円 | 14.7百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 1百万円 | 0.6百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 22百万円 | 5.4百万円 |
連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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