※本記事は、株式会社エスエルディー の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
エスエルディーは、「音楽」「アート」「食」などのカルチャーコンテンツを企画・融合させ、店舗運営を通じて豊かなライフスタイルを提案するカルチャーコンテンツ提供事業を展開しています。飲食サービスとコンテンツ企画サービスを主軸としています。
単体従業員数は137名です。同社は単一セグメントで事業を展開しています。
エスエルディーは、飲食サービスとして「kawara CAFE&DINING」などのカフェダイニング業態を直営で展開し、関東、東北、東海、近畿、九州地域の主要都市繁華街エリアを中心に店舗を運営しています。また、コンテンツ企画サービスでは、他社店舗の開業支援や運営受託、コラボカフェなどを手掛けています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社は、エンターテイメントと食を融合させた事業を展開しており、お客様に「楽しみに溢れた豊かなライフスタイル」を提案することを経営方針としています。人材育成を重視し、多様な働き方を支援することで、従業員が長く活躍できる環境づくりに注力していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数と平均年齢から、比較的若年層の従業員が多く活躍している傾向が見られます。人材育成に力を入れ、多様な働き方を提供することで、従業員の定着を促していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,217,490円 |
| 平均勤続年数 | 5.2年 |
| 平均年齢 | 32.4歳 |
| 単体従業員数 | 137人 |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、「To Entertain People~より多くの人々を楽しませるために~」という企業理念のもと、人材育成を今後の成長エンジンと位置付けています。お客様に接する従業員を最も重要な存在と考え、人的資本を競争優位性を築くうえで重要な非財務資本としています。
「社員一人一人が経営目線を養うことで、自立した『個』自立した『組織』を創造する」という意識・企業文化の下、新入社員向けと幹部候補生向けの社内研修制度「SLDアカデミー」を設けています。年代やキャリア志向に応じた重畳的な人材育成に取り組んでいます。
人事評価制度では、業績に基づく評価だけでなく、成果につながるコンピテンシーモデルを設定し、それを評価の軸としています。また、人材の多様性を重視し、外国人の採用や女性管理職の登用を積極的に行っています。ワーク・ライフ・バランスを尊重し、育児・介護等のライフサイクルに合わせた柔軟な就業を可能とするため、フレックスタイム制や短時間勤務制度等の諸制度を拡充しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 33.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 25.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 88.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 84.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 104.1% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
エスエルディーは、「音楽」、「アート」、「食」といったカルチャーコンテンツを融合させ、店舗運営を通じて人々に豊かなライフスタイルを提案する事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、「To Entertain People~より多くの人々を楽しませるために~」という企業理念のもと、カルチャーコンテンツ提供事業を行っています。具体的には、飲食サービスとコンテンツ企画サービスの二つの柱で事業を展開しています。
飲食サービスでは、業界の変化に迅速に対応する現場主義経営を重視し、店舗物件の特性に合わせた多様なブランドを展開しています。「kawara CAFE&DINING」ブランドをはじめとするカフェダイニング業態を、関東、東北、東海、近畿、九州地域の主要都市で直営しています。お客様に楽しんでいただくことをポリシーとし、IPコンテンツとのコラボレーションイベントを実施する店舗運営も行っています。店舗では、独自のノウハウで選定した音楽、内製化した設計によるアート、現場参加型のメニュー開発による食を提供しています。
コンテンツ企画サービスでは、これまでの飲食サービスで培ったノウハウと実績を活用しています。他社店舗の開業支援や運営業務の受託といった企業間取引(BtoB)のプロデュース事業を主軸としています。また、アニメやゲーム、漫画、アイドル、音楽アーティストなどの優良コンテンツを活用した常設のコラボカフェも展開しています。当事業年度においては、運営受託店舗のキャラクターカフェがインバウンド需要により好調に推移し、売上高の拡大に貢献しました。さらに、コラボレーションカフェにおける物販の内製化を進め、収益性の向上を図っています。
同社は、本邦以外の外部顧客への売上高がないため、海外での事業展開は行っていません。特定の取引先への売上集中については、当事業年度において株式会社ポケモンへの販売実績が総販売実績の15.9%を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の当事業年度における経営成績は、売上高が前年同期からわずかに減少しました。営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも前年同期を下回る結果となっています。特に当期純利益は、特別損失の計上により減益となりました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社エスエルディーの経営の安定性を評価する上で、財務基盤と資金の流れは重要な指標となります。同社は本業で着実に資金を生み出しながら、事業への投資も行っています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率とROE、そして手元資金の状況から確認できます。自己資本比率は企業の安定性を示す指標であり、同社の自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。
ROE(自己資本利益率)は、自己資本をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかを示す指標であり、同社のROEはプライム市場平均を上回る水準となっています。手元資金の厚みは、不測の事態や事業拡大への対応力を示すため、雇用や給与の安定性を考える上で重要な要素です。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 4.98億円 | 5.52億円 |
| 自己資本比率 | 46.4% | 54.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 28.7% | 15.8% |
| 現金及び預金 | 3.16億円 | 2.24億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動の3つの側面から資金の流れを示しています。当期における営業活動によるキャッシュフローはプラスとなっており、本業で安定的に資金を生み出している状況がうかがえます。これは、事業運営を通じて着実に収益を上げていることを示しています。
投資活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、事業の成長や効率化に向けた投資を行っていることが分かります。具体的には、有形及び無形固定資産の取得による支出などが見られます。財務活動によるキャッシュフローもマイナスであり、短期借入金の返済などにより資金を社外に流出させている状況です。
これらのキャッシュフローの状況から、同社は本業で得た資金を元手に事業投資を行い、同時に負債の返済も進めていることが読み取れます。本業の稼ぎが投資を上回るフリーキャッシュフローはプラスであり、事業の安定性と将来への投資余力を示しています。これは、入社後の雇用や給与の安定性、そして会社の持続的な成長を考える上で前向きな要素であると言えます。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 87百万円 |
| 投資CF | - | △48百万円 |
| 財務CF | - | △132百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 39百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は飲食業界の厳しい競合環境に直面しており、カルチャーコンテンツ企画力の低下や他社による優位性の高いコンテンツ開発が進んだ場合、顧客数の減少等により経営成績に影響を与える可能性があります。また、新規出店における立地条件や賃貸条件に合致する物件の確保が難しい場合や、業績不振店舗の退店に伴う費用が想定以上に発生するリスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は今後の事業展開において、正社員およびアルバイトスタッフの十分な人材確保が不可欠であると認識しています。人材の確保や育成が計画通りに進まない場合、事業展開が制約されるリスクがあります。また、社会保険加入義務化の適用基準拡大や最低賃金の引き上げにより、人件費が増加する可能性も指摘されています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
エスエルディーは、「楽しみに溢れた豊かなライフスタイルをより多くの人々に提案する」ことを目指し、多様なカルチャーコンテンツを融合させる企業です。人々に感動体験を提供することを重視し、社員一人ひとりの創造力と成長を大切にする文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社の企業理念は「To Entertain People~より多くの人々を楽しませるために~」です。この理念のもと、「音楽」、「アート」、「食」をはじめとする様々なカルチャーコンテンツを企画・融合させています。
「楽しみに溢れた豊かなライフスタイルをより多くの人々に提案する」ことを経営方針としています。お客様の「好き」や「楽しみ」に新しい体験価値を提供し、今よりもっと「楽しい」を多様に、豊かにすることを使命としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「変化」が実際に発生する「現場(店舗)」における情報収集、企画、サービス立案、サービス提供を重視しています。柔軟かつ主導的に行われるボトムアップ経営「全員企画=全員現場主義」のもと、社員一丸となって事業拡大を目指す企業風土です。
「社員一人一人が経営目線を養うことで、自立した『個』自立した『組織』を創造する」という意識・企業文化を掲げています。人材の多様性を重要視しており、外国人の採用や女性管理職の登用を積極的に行っています。
人事評価制度では、業績だけでなく成果につながるコンピテンシーモデルを設定し、人材の成長を評価の軸としています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、新コンテンツの開発を通じてお客様に有益な価値を提供するため、創造力の強化を図っています。人材の確保と育成を経営上の重要課題と位置づけ、親会社であるDDグループと連携した採用活動や、同社独自の研修プログラムを継続していく方針です。
サステナビリティへの取り組みも重点テーマの一つであり、社内プロジェクトを通じて、食材ロス削減や働き方の改善による従業員満足度の向上を進めています。また、コーポレート・ガバナンスの強化も課題としており、内部監査体制の充実や三様監査の連携強化、全従業員への継続的な教育活動を行っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
エスエルディーは、監査等委員会設置会社として、取締役会による監督機能の強化とコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。取締役会は、業務執行取締役と監査等委員である取締役で構成され、経営の健全性、透明性、客観性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
エスエルディーの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるDDグループです。同社はエスエルディーの主要な株主として、その経営を支える存在となっています。特定の事業会社が上位株主として名を連ねることで、安定した資本基盤を形成していることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| DDグループ | 42.96% |
| 野村證券 | 3.47% |
| 上遠野 俊一 | 1.65% |
| 伴 直樹 | 1.60% |
| SB・A2号投資事業有限責任組合 | 1.60% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は有村譲氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 有村 譲 | 代表取締役社長 | 2006年フードスコープ入社後、シークレットテーブルを経て、2011年DDグループに転籍。営業本部副本部長などを歴任し、2018年同社取締役COOに就任。2020年5月より現職。 |
| 刑部 孝一 | 取締役 | 2006年フードスコープ入社後、シークレットテーブル、フラットスリーを経て、2013年DDグループ入社。営業本部付部長などを務め、2017年同社営業支援部部長に就任。2025年5月より現職。 |
社外取締役は、木下 一氏(元仙台博報堂代表取締役社長・常勤監査等委員)、吉井 一浩氏(アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー・監査等委員)、山村 嘉克氏(元Candee代表取締役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会の構成員とすることで、監督機能の強化を図っています。社外取締役3名が監査等委員として、客観的な立場から経営を監視・監督する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
エスエルディーの役員報酬は、固定報酬を基本方針としています。業務執行取締役の報酬は、職位や会社業績を考慮した適正な水準で、金銭による固定報酬のみで構成されます。監査等委員である取締役の報酬も、業務執行に対する監督機能と監査機能を担う職責に鑑み、金銭による固定報酬のみで構成される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 13百万円 | 6.5百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 10百万円 | 3.2百万円 |
なお、総額には無報酬である取締役1名の報酬は含まれておりません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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