BSNメディアホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

BSNメディアホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東京証券取引所 スタンダード市場に上場する、新潟県を地盤とする認定放送持株会社です。放送事業とシステム関連事業を中核とし、建物サービス事業も展開しています。当連結会計年度は、放送、システム、建物サービスの全セグメントで増収となり、経常利益、当期純利益ともに前期を上回る増収増益を達成しました。


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記事タイトル:BSNメディアホールディングス転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態


※本記事は、株式会社BSNメディアホールディングス の有価証券報告書(第95期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月23日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. BSNメディアホールディングスってどんな会社?


放送事業とシステム関連事業を両輪とする、新潟県内屈指の情報産業グループです。地域密着型の経営基盤と安定した財務体質を特徴としています。

(1) 会社概要


1952年にラジオ新潟として創立し、1958年にテレビ放送を開始しました。2004年に日本証券業協会(現・東京証券取引所)へ株式を上場しています。2023年には認定放送持株会社体制へ移行し、現在の商号に変更しました。グループのシナジー最大化を目指し、組織再編を経て現在に至ります。

2025年3月31日時点で、連結従業員数は1,097名です。筆頭株主は地元紙を発行する新潟日報社で、第2位は地域交通を担う越後交通です。また、キー局であるTBSホールディングスも大株主に名を連ねており、地域の有力企業や業界関係者による安定した株主構成となっています。

氏名 持株比率
新潟日報社 14.21%
越後交通 9.65%
TBSホールディングス 8.08%

(2) 経営陣


同社の役員は男性13名、女性1名の計14名で構成され、女性役員比率は7.1%です。代表取締役社長は佐藤隆夫氏が務めています。社外取締役比率は35.7%です。

氏名 役職 主な経歴
佐藤 隆夫 代表取締役社長 1982年新潟放送入社。経営管理局長、東京支社長等を経て、2017年同社社長に就任。2023年より現職。
梅津 雅之 取締役会長 1979年新潟放送入社。報道制作局長、専務取締役等を歴任。BSNアイネット社長・会長を経て、2023年より現職。
島田 好久 専務取締役 1989年新潟放送入社。営業局長、経営戦略室長等を歴任。2023年新潟放送社長に就任し、同月より現職。
和田 泰征 取締役経営管理本部長 1989年新潟放送入社。営業局業務部長、上越支社長、財務部長等を歴任。2024年より現職。
南雲 俊介 取締役 1982年BSN電子計算センター(現BSNアイネット)入社。産業ソリューション事業部長等を経て2020年同社社長。2023年より現職。


社外取締役は、佐藤明(新潟日報社社長)、殖栗道郎(第四北越フィナンシャルグループ社長)、新名宏次(チューリップテレビ専務)、山井太(スノーピーク社長)、中山正子(キタック社長)です。

2. 事業内容


同社グループは、「放送事業」、「システム関連事業」、「建物サービスその他事業」の3つのセグメントを展開しています。

(1) 放送事業


新潟県内を対象エリアとしたテレビ・ラジオの一般放送事業に加え、テレビ番組やCM制作などのコンテンツ制作事業を行っています。地域の公共の福祉と文化の向上に寄与する情報発信を担っています。

主な収益源は、スポンサー企業からのテレビ・ラジオのタイム広告料やスポット広告料、イベント事業収入などです。運営は主に連結子会社の新潟放送が行っており、コンテンツ制作はサンビデオ映像などが担当しています。

(2) システム関連事業


官公庁や自治体、医療機関、民間企業向けに、システムインテグレーションやITソリューションを提供しています。導入コンサルティングから開発、保守・運用までをトータルでサポートしています。

顧客からのシステム開発受託料、保守・運用サービス料、クラウドサービス利用料などが主な収益となります。運営は主に連結子会社のBSNアイネットが行い、その他ビーアイテックなどのグループ会社が連携しています。

(3) 建物サービスその他事業


ビルの設備管理や清掃、警備などの建物総合管理サービスに加え、不動産賃貸事業を展開しています。グループ内外の施設管理を担い、安定的なサービスを提供しています。

ビルのオーナーやテナントからの管理委託料、清掃料、および不動産賃貸料などが収益源となります。運営は主に連結子会社のBSNウェーブが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は緩やかな増加傾向にあります。特に当期は売上高が244億円となり、過去5年間で最高水準に達しました。経常利益も19億円と高い水準を記録しており、利益率も安定して推移しています。親会社株主に帰属する当期純利益も10億円を超え、堅調な業績拡大が続いています。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 213億円 211億円 231億円 230億円 244億円
経常利益 13億円 14億円 19億円 15億円 19億円
利益率(%) 5.9% 6.8% 8.0% 6.6% 7.8%
当期利益(親会社所有者帰属) 7億円 8億円 10億円 7億円 10億円

(2) 損益計算書


売上高は前期の230億円から244億円へ増加しました。これに伴い売上総利益も61億円から65億円へと伸長しています。営業利益も13億円から17億円へと大きく増加しており、増収効果が利益面にもしっかりと反映されています。営業利益率は5.8%から7.1%へと改善しており、収益性が向上していることがうかがえます。

項目 2024年3月期 2025年3月期
売上高 230億円 244億円
売上総利益 61億円 65億円
売上総利益率(%) 26.4% 26.8%
営業利益 13億円 17億円
営業利益率(%) 5.8% 7.1%


販売費及び一般管理費のうち、代理店手数料が9億円(構成比20%)、給与・手当が7億円(同14%)を占めています。売上原価の内訳等の詳細は記載がありません。

(3) セグメント収益


全セグメントで増収増益となりました。放送事業はスポット広告や制作収入が好調で増収となり、利益も2割増となりました。主力のシステム関連事業は自治体向けDXや民間向けAI活用提案が進み、売上・利益ともに伸長しました。建物サービスその他事業も新規受託等により大幅な増益を達成しました。

区分 売上(2024年3月期) 売上(2025年3月期) 利益(2024年3月期) 利益(2025年3月期) 利益率
放送事業 56億円 58億円 3億円 3億円 5.4%
システム関連事業 161億円 171億円 10億円 13億円 7.6%
建物サービスその他事業 14億円 15億円 0.6億円 0.9億円 6.2%
連結(合計) 230億円 244億円 13億円 17億円 7.1%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

BSNメディアホールディングスは、事業活動を通じて資金を生み出し、設備投資や借入金の返済に充てています。

営業活動では、売上債権の増加や法人税等の支払いがあったものの、税金等調整前当期純利益やその他の資産の減少により、潤沢な資金を得ています。投資活動では、定期預金の払戻しはあったものの、定期預金の預入や有形固定資産、投資有価証券の取得により資金を使用しました。財務活動では、リース債務の返済や子会社の自己株式取得、配当金の支払いにより資金が流出しました。

項目 2024年3月期 2025年3月期
営業CF 12億円 19億円
投資CF -8億円 -10億円
財務CF -4億円 -6億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは認定放送持株会社として、テレビ・ラジオの放送事業を中核に、コンテンツ制作を通じて地域の公共の福祉と文化の向上、産業と経済の繁栄に寄与することを基本理念としています。また、システム関連事業ではIT技術を通じて地域の産業や医療、自治体業務を幅広くサポートし、地域の発展に貢献することを目指しています。

(2) 企業文化


同社グループは公共性の高さを自覚し、安定した経営基盤の確保と地域社会への貢献を重視しています。また、CSV経営の実践として「地域創生」「健康寿命延伸」「防災減災」を重点テーマに掲げ、電波とデジタルを組み合わせた多様なアプローチで社会課題の解決に取り組む姿勢を持っています。法令順守や人権尊重を宣言する行動規範も制定しています。

(3) 経営計画・目標


同社グループは、目標とする経営指標として「売上高営業利益率」を重要な指標として認識しています。具体的な数値目標についての記載はありませんが、今後も事業の効率化を進め、目標の達成に努めていく方針を掲げています。

(4) 成長戦略と重点施策


放送事業ではコンテンツの価値最大化と放送外でのマネタイズに取り組みます。システム関連事業では、AIアバターやデジタルツインなどの最先端技術を積極的に開発・活用し、X-Techによる企業価値向上を目指しています。また、グループ内外の共創を進め、スタートアップ企業とのマッチングイベント開催など、地域活性化の新たな取り組みも推進します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社グループは人材の育成を会社の成長の根幹と位置づけ、性別やバックグラウンドによる差別のない公平な人事政策を掲げています。グループ各社で多様な研修機会を設け、ビジネススキルアップセミナーや若手社員向け合同研修などを実施しています。また、仕事と生活の両立ができる環境づくりやハラスメント防止等の施策も推進しています。

(2) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 15.6%
男性育児休業取得率 100.0%
男女賃金差異(全労働者) 67.9%
男女賃金差異(正規雇用) 75.8%
男女賃金差異(非正規雇用) 88.0%


また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、新潟放送の女性管理職比率(17.1%)、BSNアイネットの女性管理職比率(12.6%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 広告市場の変化と景気連動リスク


中核である放送事業の収入は国内景気と強く連動しており、特にスポット広告は企業の業績に大きく左右されます。また、インターネット広告の普及など広告手法の構造的な変化が進んでおり、これらの動向がグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) メディア間競争の激化


地上波放送に加え、BS・CS放送、ケーブルテレビ、動画配信サービスなどメディアが多様化し、競争が激化しています。視聴者の可処分時間の奪い合いが進む中、これらの競合状況によっては広告収入等が減少し、業績に悪影響を与える可能性があります。

(3) ネットワーク関係の変動リスク


子会社の新潟放送はTBSテレビをキー局とするJNNネットワークに加盟しており、ニュース取材や営業面で密接な協力関係にあります。TBSホールディングス等の業務形態の変化によりネットワークの価値が毀損された場合、同社の企業価値や業績に影響が出る可能性があります。

(4) 自然災害および感染症の影響


大規模な地震や台風などの自然災害、感染症の流行は、広告収入の減少やイベントの中止、放送設備の被災などを招くリスクがあります。事業継続計画を策定していますが、想定を超える事態が発生した場合、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。