【平均年収595万円】MS&Consulting 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

【平均年収595万円】MS&Consulting 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

MS&Consultingは、顧客満足度と従業員満足度向上を目的とした経営コンサルティングを展開しています。基幹サービスである覆面調査を国内外で提供し、直近の業績は増収黒字転換となりました。


目次

※本記事は、株式会社MS&Consulting の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


MS&Consultingは、顧客満足度(CS)と従業員満足度(ES)の向上を目的とした経営コンサルティングを提供しています。基幹サービスは顧客満足度覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ(MSR)」であり、従業員満足度調査「tenpoket チームアンケート」や各種コンサルティングも手掛けています。

単体従業員数は146名、連結従業員数は152名です。同社グループの報告セグメントはミステリーショッピングリサーチ事業の単一セグメントとなっています。

MS&Consultingは、登録モニターや調査外注先を活用し、顧客企業の国内店舗および海外店舗に対して覆面調査を実施しています。国内店舗への覆面調査は、MS&Consultingが登録モニターまたは調査会社に依頼して行っています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社MS&Consultingは、ミステリーショッピングリサーチ事業を主軸とする企業です。同社グループは社員を価値創造の源泉と捉え、「社員第一主義」を経営指針に掲げています。従業員一人ひとりの成長と能力発揮を重視し、変化に対応できる組織づくりを目指しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数と平均年齢から、比較的安定した人材構成がうかがえます。従業員が長期的にキャリアを築きやすい環境が整っていると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 5,951,000円
平均勤続年数 9.3年
平均年齢 37.5歳
単体従業員数 146人
連結従業員数 152人
単体のグループ内比率 96.1%


同社グループは、従業員の退職後給付制度として企業型確定拠出年金制度を採用しています。これは、会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、社員の能力を価値創造の源泉と捉え、「社員第一主義」を経営指針に掲げています。顧客価値を最大化する事業戦略と、人的資本を最大化する組織戦略の一貫性を重視し、環境変化に適応できる自己革新力や創造力を育む組織を目指しています。

組織戦略の一環として、2024年3月には等級制度を刷新し、2025年5月には労務管理制度を見直しました。さらに、等級制度に基づくキャリア開発支援を強化するため、2026年5月より報酬制度の新運用を開始しています。

また、自社商材である「tenpoketチームアンケート」を定期的に実施し、組織課題の定点観測と改善を繰り返しています。カルチャー形成においては、心理的安全性や部門横断コミュニケーション強化のため「ミライ創造室」を新設し、社内ネットワークの増強を図っています。業務生産性向上と社員の能力発揮を両立する重要な取り組みとしてAI活用も推進しており、2026年2月末時点で全社員の65%以上がAIを継続的に業務に活用しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 24.0%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 58.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 69.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 81.0%

多様性・登用


女性管理職比率は2023年以降改善傾向にあり、2026年4月末時点では25.0%となっています。男女の賃金格差は、アルバイトを含む全従業員で差異が大きい状況ですが、これは女性従業員のアルバイト比率や女性正社員における一般職の割合が主な要因です。正社員の賃金格差も、年次の高い従業員の男女比や女性正社員の一般職比率が要因であり、女性管理職比率向上やキャリア開発支援を通じて中長期的な改善を進める方針です。

指標 数値
女性管理職比率(2026年2月期) 24.0%
女性管理職比率(2026年4月末) 25.0%
男女の賃金格差(全従業員) 58.1%
男女の賃金格差(正社員) 69.0%
男女の賃金格差(総合職) 85.3%
男女の賃金格差(一般職) 94.9%
男女の賃金格差(アルバイト) 81.0%

育児・介護支援


男性の育児休業取得率は直近3年度で50.0%となっています。男性社員の育児休業取得事案は全て長期取得であり、制度の社内認知度は向上している状況です。

指標 数値
男性育児休業取得率(直近3年平均) 50.0%
男性育児休業取得率(2026年2月期) 100.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社MS&Consultingは、顧客満足度(CS)と従業員満足度(ES)の向上を通じて、顧客企業のサービスプロフィットチェーン(SPC)経営の実現を支援する経営コンサルティング会社です。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループの基幹サービスは、顧客満足度覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ(MSR)」です。MSRでは、一般消費者がモニターとして店舗を訪れ、商品やサービスを評価するレポートを提供しています。このレポートは、店舗スタッフの働きがいを高め、サービス品質の向上に繋がることを重視しており、その後のコンサルティング活動へと連携しています。

また、従業員満足度調査「tenpoket チームアンケート」も提供しており、組織が抱える問題点を明らかにし、従業員エンゲージメントの向上を支援しています。MSRやチームアンケートの調査結果に基づき、ボトムアップ型でサービス改善を進めるコンサルティングや研修も提供し、店舗スタッフのモチベーション向上や働きがいのある職場作りを促進しています。近年は、会社全体のCX向上や企業のブランディング強化に取り組む顧客企業も増加傾向にあります。

同社グループは、継続的に収益が計上されるストック型のビジネスモデルを導入し、安定した収益基盤を構築しています。近年は、来店客アンケート「カスタマーリサーチ」や店舗スタッフ向け情報共有ツール「MSナビ」「SVナビ」をtenpoketとしてSaaSで提供するなど、サービスのラインナップ拡充と付加価値向上を進めています。補助金・助成金支援、離職率低減コンサルティング、人材紹介業、LINEを活用した店舗集客支援代行など、多角的なサービス展開も行っています。

MSR以外の売上構成比は、コロナ禍前と比較して増加傾向にあります。海外関連調査も伸長していますが、外部顧客からの国内売上収益が連結売上収益の大部分を占めています。特定の顧客への収益集中は見られません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上収益は、直近5年間で増加傾向にあります。税引前利益と親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期に損失を計上しましたが、当期は大幅に改善し黒字転換となりました。前期は厳しい状況でしたが、当期は全社的な収益性改善への取り組みが奏功し、売上総利益や営業利益が大きく伸長しています。営業活動によるキャッシュ・フローは、前期から当期にかけて安定してプラスを維持しており、本業で着実にキャッシュを生み出していることがうかがえます。

項目 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2026年2月期
売上収益 19.3億円 22.1億円 23.9億円 25.5億円 25.8億円
税引前利益 3.1億円 3.2億円 1.8億円 △2.4億円 2.5億円
税引前利益率 16.2% 14.6% 7.5% △9.4% 9.7%
親会社の所有者に帰属する当期利益 2.1億円 2.2億円 1.1億円 △2.8億円 1.7億円
1株当たり当期純利益(円) 46.93 50.78 28.16 △68.46 40.21

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


従業員1人あたりの売上収益は、前期から当期にかけてわずかに増加しています。従業員1人あたりの営業利益は、前期のマイナスから当期はプラスに転じ、大きく改善しました。これは、同社グループが全社的な収益性改善と生産性向上に取り組んだ成果が表れていることを示唆しています。組織全体の効率化が進み、従業員一人ひとりの貢献度が向上している傾向が見られます。

指標 2025年2月期 2026年2月期
従業員1人あたり売上収益(連結) 16.9百万円 17.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △1.6百万円 1.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いつつ、手元資金を厚くしている状況です。財務基盤は堅固であり、安定した経営状態を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、財務基盤の安定性を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、現金及び現金同等物は増加傾向にあります。これらの財務状況は、事業運営の安定性や将来の成長に向けた余力を示していると言えます。

指標 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
自己資本 25.9億円 29.6億円
自己資本比率 76.6% 79.8%
ROE(自己資本利益率) - 6.2%
現金及び現金同等物 5.8億円 10.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益の計上や営業債権及びその他の債権の減少などにより、当期もプラスとなっています。しかし、前期と比較するとわずかに減少しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得による支出などにより、当期も支出超過となっていますが、前期より支出額は減少しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期の支出から当期は収入に転じました。これは自己株式の処分による収入があったことなどによるものです。

これらの結果、フリーキャッシュ・フローは当期もプラスを維持し、前期から増加しています。同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、投資活動を行いつつも、手元に資金を残せる優良なキャッシュ・フロー状況にあると言えます。

項目 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
営業CF 4.1億円 4.1億円
投資CF △1.3億円 △1.2億円
財務CF △30百万円 1.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 2.8億円 2.9億円


※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループはミステリーショッピングリサーチ事業の単一事業であるため、市場環境が極端に冷え込んだ場合、他の事業分野で挽回するといった対応が取れない可能性があります。また、経済情勢の変化や景気低迷により顧客企業の投資意欲が減退した場合、新規顧客開拓の低迷や既存顧客からの受注減少、中途解約の増加等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループでは、コンサルティング、サービスラインナップの拡充と深耕、レポート生産、システム開発並びに統計解析業務に携わる人材の確保・育成が不可欠となっています。そのような人材の確保・育成ができない場合、またはそのような人材が社外に流出した場合には、業務運営や経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


MS&Consultingは、顧客企業の「サービス・プロフィット・チェーン(SPC)経営」の実現を支援し、従業員と消費者、企業を最適に結びつけることで、精神的に豊かな社会の創造を目指しています。社員の働きがいを重視し、顧客満足と業績向上を両立させる好循環を追求する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループのミッションは、「精神的に豊かな社会の創造」に貢献することです。顧客企業において、SPC(サービス・プロフィット・チェーン)経営を実現することで、従業員と消費者、消費者と企業、企業と従業員を最適に結び付けるサービスの提供を目指しています。この経営理念の実現に向けて、顧客企業の経営課題解決に繋がる効果的な支援を行う方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは「社員第一主義」「顧客中心主義」「社会的に価値ある事業を行う」という3つの経営指針を設けています。「社員第一主義」では、従業員の感動満足が顧客の感動満足を生むと考え、社員の気づきや成長意欲に基づく実行力を重視しています。創造性と情熱を掻き立てるべく、サーバントリーダーシップを実践し、オープンブック経営を通じて全員の企業家精神とオーナーシップを高めることを目指しています。

組織戦略においては、環境変化に適応する自己革新力や、変化を生み出す創造力を育み、発揮したいと思える組織を目指し、採用・育成・人事制度・カルチャーへの取り組みを推進しています。2025年3月には、カルチャー形成を目的とした専門組織「ミライ創造室」を新設し、社内ネットワークの増強を進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、経営理念である「精神的に豊かな社会の創造」の実現と経営の安定化に向けて、以下の6項目に重点的に取り組んでいます。具体的には、サービスの顧客ニーズへの適合度向上、成長に伴う人材の確保・教育、モニターの囲い込みと拡充、レポートの品質向上、モニター謝礼及びレポート生産コストの適正化、海外事業における顧客基盤の拡大と収益のストック化です。

人的資本に関する取り組みとしては、人事制度の改定、カルチャー形成、AI活用を強化しています。コンサルティング事業では人材の定着支援・成長支援を、リサーチ事業ではMSR運営チームのマネジメント力及び生産性向上に努めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


MS&Consultingは監査等委員会設置会社であり、公正で透明性の高い経営と企業価値の継続的な向上を目指しています。取締役会は経営の基本方針や重要事項の決定、業務執行の監督を担っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


MS&Consultingの株主構成を見ると、事業会社や複数の投資事業有限責任組合が上位に名を連ねています。これらの株主が同社の経営を多角的に支えている状況がうかがえます。

株主名 持株比率
Wiz 9.96%
エスアイエル投資事業有限責任組合 7.14%
エヌオーアイ投資事業有限責任組合 7.08%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は辻秀敏氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
辻 秀敏 代表取締役社長 1993年日本エル・シー・エー入社、執行役員外食業界支援事業本部長などを経て、2008年5月同社取締役に就任。2023年5月より現職。
並木 昭憲 代表取締役会長兼経営管理本部長 1986年日本エル・シー・エー入社、取締役CIS事業部長などを経て、2008年5月同社代表取締役社長に就任。2023年5月より現職。
渋谷 行秀 専務取締役 1996年日本エル・シー・エー入社、執行役員外食業界支援事業本部事業部長などを経て、2008年5月同社取締役に就任。2023年5月より現職。
山﨑 俊 取締役 2001年光通信入社、2012年4月株式会社Wiz代表取締役に就任。2025年5月より現職。


社外取締役は、上村俊之氏(クリフィックス税理士法人社員・監査等委員・指名報酬委員会委員長)、林康司氏(林総合法律事務所代表弁護士・監査等委員・指名報酬委員会委員)、岡本健氏(KPI Trust代表取締役社長・監査等委員・指名報酬委員会委員)です。

MS&Consultingは監査等委員会設置会社です。社外取締役3名を含む監査等委員である取締役4名で構成される監査等委員会が、独立した立場から取締役の職務執行を監査し、ガバナンスの強化に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


MS&Consultingの役員報酬は、現在は確定額報酬が支給されています。今後は業績連動報酬や非金銭報酬の導入も検討されており、親会社の所有者に帰属する当期利益を業績指標として、報酬と業績の連動性を高める方針が示されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 63百万円 15.8百万円
監査等委員(社外除く) 1名 6百万円 5.7百万円


報酬等の総額は68.9百万円であり、対象となる役員の合計人数は5名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。