※本記事は、中本パックス株式会社 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
中本パックスは、グラビア印刷、コーティング加工、ラミネート加工、成型加工を主軸に、食品、IT・工業材、医療・医薬、建材、生活資材など多岐にわたる分野で製品を提供しています。環境対応や衛生管理に配慮した製品開発にも注力しています。
単体従業員数は476名、連結従業員数は883名です。同社グループは印刷関連事業の単一セグメントで事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、中本パックス(当社)、アール、中本印書館、サンタック、中本Fine Packなどです。
直近では、2025年10月20日付で連結子会社であったエヌ・ピー・ジー・ジャパンとその子会社2社の全株式を譲渡し、連結子会社から除外しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
中本パックスは、印刷関連事業を主軸とする企業です。同社グループでは、従業員の安定したキャリア形成を支援し、多様な働き方を推進する環境づくりに注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が長く働き続けられる環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、比較的定着率が高く、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,455,000円 |
| 平均勤続年数 | 14.4年 |
| 平均年齢 | 41.9歳 |
| 単体従業員数 | 476人 |
| 連結従業員数 | 883人 |
| 単体のグループ内比率 | 53.9% |
退職給付制度として、同社グループは確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付企業年金制度では、在職期間、給与、職能資格ポイントに基づいて一時金または年金が支給されます。
退職給付債務は18.2億円、年金資産は23.3億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「事業は人なり」という社是のもと、人材を重要な経営資源と捉えています。多様な個性を持つ従業員の成長をサポートし、社内外で活躍・自己実現できる環境を整えることで、グループ全体の存続・発展を目指しています。性別、人種、国籍、信条等に関係なく多様な個性を認め合い、それぞれの活躍が新たな価値を生み出し、組織の成長を促進すると認識しています。
従業員が安心して働ける環境や仕事と私生活の充実を図ることができる制度整備を進めています。人材育成については、具体的な目標は定めていないものの、階層別研修やスキルマップの作成・推進を行っています。多様性については、女性活躍推進の取り組みとして、新卒女性採用累計20名、従業員に占める女性の比率20%を目標に掲げ、活動を進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。賃金の差異については、正規雇用労働者では女性の平均勤続年数が短いことや管理職の女性比率が少ないこと、パート・有期労働者では男性と比較して女性の短時間勤務者が多いことが要因として挙げられています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 71.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 72.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 48.9% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社の数値のみ掲載します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、公表義務の対象ではないため記載を省略しています。
▼ 中本Fine Pack㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 16.0% |
人材育成
当社グループに属するすべての会社で指標及び目標の設定が行われているものではないため、当社グループにおける記載が困難です。このため、指標に関する目標及び実績は当社単体で記載しております。管理職登用人材の外部研修受講者数は延べ受講者数で記載しております。
| 項目 | 当事業年度実績 | 2030年2月28日目標 |
|---|---|---|
| 従業員への教育投資額 | 8,614千円/年 | - |
| 管理職登用人材の外部研修受講者数 | 266名 | - |
女性活躍
当社グループに属するすべての会社で指標及び目標の設定が行われているものではないため、当社グループにおける記載が困難です。このため、指標に関する目標及び実績は当社単体で記載しております。
| 項目 | 当事業年度実績 | 2030年2月28日目標 |
|---|---|---|
| 女性従業員比率 | 17.8% | 20% |
| 女性管理職者数 | 26名 | - |
| 管理職比率 | 10.0% | - |
人材採用
当社グループに属するすべての会社で指標及び目標の設定が行われているものではないため、当社グループにおける記載が困難です。このため、指標に関する目標及び実績は当社単体で記載しております。
| 項目 | 当事業年度実績 | 2030年2月28日目標 |
|---|---|---|
| 新卒採用(男性) | 6名 | 累計20名 |
| 新卒採用(女性) | 4名 | (当事業年度末時点 4名) |
| 中途採用(男性) | 9名 | - |
| 中途採用(女性) | 2名 | - |
| 外国籍採用(男性) | 21名 | - |
| 外国籍採用(女性) | 4名 | - |
出産・育児
当社グループに属するすべての会社で指標及び目標の設定が行われているものではないため、当社グループにおける記載が困難です。このため、指標に関する目標及び実績は当社単体で記載しております。
| 項目 | 当事業年度実績 | 2030年2月28日目標 |
|---|---|---|
| 女性出産・育児休業取得者数 | 2名 | - |
| 男性育児休業取得者数 | 2名 | - |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
中本パックスグループは、印刷加工、コーティング加工、ラミネート加工、成型加工による製品の販売を主な事業としています。同社グループは、食品関連、IT・工業材関連、医療・医薬関連、建材関連、生活資材関連など、幅広い用途に対応した製品を提供しています。
食品関連では、乳製品や水産加工品、冷凍食品向けの包材、農産物向けフードパックなどを手掛けています。IT・工業材関連では、電子用途向け機能性材料やスマートフォン用途、半導体関連、自動車内装材などが堅調に推移しています。医療・医薬関連では、貼付剤関連や医療用包装袋を提供しています。
建材関連では、木目柄やレンガ柄の印刷品を、生活資材関連では布団圧縮袋や毛染め用ブラシなどを製造・販売しています。同社グループは、環境負荷を低減できる開発製品の販売にも注力しており、自社で排出されるプラスチック廃材を再生したリサイクルペレットの販売も行っています。収益は主にこれら多岐にわたる製品の販売から得られています。
地域別では、本邦の外部顧客への売上高が連結売上高の90%を超えており、国内市場が事業の中心となっています。また、特定の顧客である㈱エフピコへの売上高が、当連結会計年度の総販売実績の12.4%を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
中本パックスグループの直近5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向で推移しています。特に当連結会計年度は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の全てにおいて前年同期を上回る結果となりました。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 405億円 | 431億円 | 444億円 | 491億円 | 496億円 |
| 経常利益 | 25.9億円 | 22.1億円 | 23.4億円 | 29.1億円 | 30.5億円 |
| 経常利益率 | 6.4% | 5.1% | 5.3% | 5.9% | 6.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 14.7億円 | 12.9億円 | 10.6億円 | 20.1億円 | 21.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 179.94 | 157.27 | 128.48 | 225.39 | 245.07 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から増加しており、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に増加しています。これらの指標は、同社グループの生産性が向上している傾向を示しており、効率的な事業運営が進んでいることがうかがえます。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 53.3百万円 | 56.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.1百万円 | 3.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
中本パックスグループの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、健全な財務基盤を維持していることを示しています。入社後の雇用や給与の安定性を考える上で、会社の財務の安定性は重要な要素となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回っており、安定した経営状況を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な資本活用が行われていることがうかがえます。手元資金も十分に確保されており、事業環境の変化に対する耐性があると言えます。これらの財務指標は、入社後の雇用や給与の安定性にも寄与する要素となります。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 203億円 | 221億円 |
| 自己資本比率 | 48.3% | 51.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.9% | 10.8% |
| 現金及び預金 | 76.4億円 | 76.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは増加しており、安定した事業運営によって着実に資金を生み出していることが分かります。これは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは、生産加工設備等の固定資産の取得による支出が収入を上回ったことにより、減少幅が拡大しています。これは、事業の維持・拡大に向けた投資を継続している状況を示しています。
財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純減額や長期借入金の返済、配当金の支払いなどにより減少幅が拡大しています。しかし、営業活動で得た資金が投資活動による支出を上回るフリーキャッシュフローは増加しており、事業活動で生み出した資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態です。このキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した財務基盤を持ち、将来に向けた投資も継続していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素となっています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 23.5億円 | 25.5億円 |
| 投資CF | △11.6億円 | △12.7億円 |
| 財務CF | △12.4億円 | △12.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 12.0億円 | 12.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、国内景気の減退や個人消費の低迷、主要顧客の市場シェア縮小により、受注量の減少や受注単価の下落が生じる可能性があります。また、包装材や各種加工フィルムの主要原材料であるプラスチック素材の価格は、原油やナフサなどの国際商品市況及び為替変動の影響を受けるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、高度な技術力や企画力を持つ優秀な人材の採用・育成を重要視しています。しかし、これらの人材の採用や育成が計画通りに進まなかった場合、競争力が低下し、経営成績に影響が生じるリスクがあります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
中本パックスは「クリーン&セイフティ」を合言葉に、自然環境や労働環境に配慮した製品開発を通じて社会に貢献することを目指しています。同社グループは「全天候型グローバル企業」を掲げ、経済的価値と社会的な企業価値の両方を追求する企業像を実現しようとしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「クリーン&セイフティ」を合言葉に、自然環境や労働環境に配慮した製品・技術の開発、素材の改良に努め、社会が必要とするものづくりを通じて顧客に満足されるものを供給し続けることを経営方針としています。目指す企業像として「全天候型グローバル企業」を掲げており、経済的価値だけでなく「人にやさしい、地球にやさしい」という社会的な企業価値を高め、あらゆるステークホルダーから信頼される企業像の実現を目指しています。継続的に事業ポートフォリオを見直し、収益構造の改善と新たな成長領域の創出を通じて、多彩で新陳代謝のあるバランスの取れた事業構造を目指しています。常に新しい技術に取り組み、顧客に密着したマーケティング活動をグローバル規模で推進していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは「事業は人なり」を社是とし、人材を重要な経営資源と捉えています。多様な個性を持つ従業員の成長をサポートし、社内外で活躍・自己実現できる環境を整えることで、グループ全体の存続・発展につながると考えています。性別、人種、国籍、信条等に関係なく多様な個性を認め合い、それぞれの活躍が新たな価値を生み出し、組織の成長を促進するとの認識です。従業員が安心して働ける環境や、仕事と私生活の充実を図ることができる制度整備を進めています。取締役会は環境委員会から気候変動を含む環境課題に関する戦略、方針、課題と目標、進捗状況について定期的に報告を受け、監視監督を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、2027年2月期の経営課題を「環境経営と改善活動の推進、安全第一でお客様満足度を最大化する」と定めています。環境対応製品の開発・拡販や環境負荷低減に取り組む環境経営を推進し、地域社会への貢献、障がい者雇用を含むダイバーシティの推進、BCP対応と供給責任を果たすなど、社会的責任を重視した経営を行っています。また、ステークホルダーとの対話や協働を重視し、内部管理体制の強化、コンプライアンス機能の強化にも努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
中本パックスグループは、「クリーン&セイフティ」という経営方針のもと、自然環境や労働環境に寄与できる企業を目指して事業活動を行っています。迅速な意思決定、コンプライアンス、リスクマネジメントの強化、適時適切な情報開示によるステークホルダー重視の経営に取り組んでいます。
同社は、取締役会の監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るため、機関設計として監査等委員会制度を採用しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
中本パックスの株主構成を見ると、筆頭株主は株式会社中本であり、創業家やその関連会社が上位に名を連ねています。また、従業員持株会も上位株主として存在しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 中本 | 8.00% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 4.60% |
| ナカモト・セカンド | 3.03% |
| 染谷 真沙美 | 3.01% |
| 河田 優子 | 2.97% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長は河田 淳氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 河田 淳 | 代表取締役社長 | 2000年4月 日製産業(現:日立ハイテク)入社。2004年3月 同社入社。2017年4月 同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 中本 髙志 | 取締役会長 | 1971年4月 住友スリーエム(現:スリーエムジャパン)入社。1975年4月 同社入社。1991年10月 同社代表取締役社長就任。2025年5月 同社取締役会長就任より現職。 |
| 栗山 浩幸 | 取締役常務執行役員 プロダクト事業本部 生産事業部長 | 1989年4月 同社入社。2020年5月 同社取締役プロダクト事業本部生産事業部副事業部長就任。2025年5月 同社取締役常務執行役員プロダクト事業本部生産事業部長就任より現職。 |
社外取締役は、芦田 一志氏(小野・芦田法律事務所開設事務所長)、久保 俊裕氏(元クボタ代表取締役副社長執行役員)、古谷 礼理氏(古谷公認会計士事務所開設事務所長)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能を強化しています。社外取締役3名が独立した第三者の立場から経営の監督機能を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬(賞与)、業績連動型株式報酬、および非金銭報酬により構成されています。社外取締役には固定報酬である基本報酬が支払われます。報酬の種類ごとの比率は「基本報酬」:「賞与」:「業績連動型株式報酬」=8:1:1を目安として設定されています。
業績連動報酬の算定にあたっては、同社グループ全体の収益力を総合的に示す指標である「営業利益」を主たる指標としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 1.5億円 | 25.3百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 20百万円 | 4.1百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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