※本記事は、サインポスト株式会社 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
サインポストは、コンサルティング事業、イノベーション事業、DX・地方共創事業の3つの事業セグメントで構成されています。各事業の強みや営業基盤を共有・補完し、顧客の経営・業務課題解決に向けた付加価値の高いサービスや製品を提供しています。
単体従業員数は204名です。セグメントはコンサルティング事業、イノベーション事業、DX・地方共創事業の3つです。
同社は、金融業界向けのコンサルティングサービス、小売店舗やEC事業者向けのDXソリューション開発・提供、および中堅・中小企業向けのDX・地方共創事業を展開しています。
サインポストは、2026年4月1日付で無人決済システム開発・販売を行う株式会社TOUCH TO GOの全株式を譲渡しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
サインポストは、従業員の成長と多様性を重視し、働きがいのある環境づくりに注力している企業です。給与水準や在籍傾向、そして人的資本に関する具体的な取り組みを通じて、同社がどのような働き方を実現しているのかを見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着と成長を支援する環境が整備されています。平均勤続年数と平均年齢からは、比較的若手が多く活躍しながらも、一定の経験を積んだ人材が在籍している傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,482,387円 |
| 平均勤続年数 | 4.2年 |
| 平均年齢 | 36.6歳 |
| 単体従業員数 | 204人 |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、非積立型の確定給付型退職給付制度として退職一時金制度を採用しています。退職一時金制度は、給与と勤務期間に基づいた一時金を支給しております。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、企業理念である「社員が仕事を通じて成長するのを支援し社員とその家族を幸せに」に基づき、従業員を最も重要な資産の一つと認識しています。その価値を最大限に高め、活用することを目指す3カ年計画を策定し、多様な経験や価値観を持つ従業員が協働することで社会課題を解決し、企業価値を高めることを目指しています。
具体的には、個人の意欲・モチベーションの多様化、ダイバーシティ推進、ウェルビーイングの向上、ヨコのつながりの強化、エンゲージメントの向上、採用活動の強化、イノベーションを発揮しやすい社内環境の醸成といった課題に対応しています。これらの課題に対し、初任給・給与の増額、新規事業チャレンジ制度の創設、確定拠出年金制度の導入、ハラスメント防止策の強化、採用チャネルの最適化、ジョブローテーションの推進、各種研修の拡充、指名制1on1の実施、社内副業制度の創設、ダイバーシティをテーマにした社内交流会の継続実施、健康経営優良法人の認定継続、社内部活動の推進など、多岐にわたる施策を検討・実行しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合および男性労働者の育児休業取得率は、それぞれ女性活躍推進法および育児介護休業法の規定に基づき算出されています。男女の賃金差異は、給与制度および評価制度において男女の差異はなく、若年層において女性社員割合が多いことが主たる要因です。なお、対象者がいない項目については記載していません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 9.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金差異(全労働者) | 71.9% |
| 労働者の男女の賃金差異(正規雇用労働者) | 72.0% |
健康・安全
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 健康診断受診率 | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
サインポストは、コンサルティング事業、イノベーション事業、DX・地方共創事業の三つの事業セグメントを展開しています。それぞれの事業が持つ強みや営業基盤を共有し、または補完し合いながら、顧客の経営・業務課題解決に貢献しています。
同社は、業界と業務内容を深く理解した上で、顧客の立場に立った具体的な解決策を立案し、実行することで付加価値の高いサービスや製品を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、金融業界を中心としたコンサルティングサービス、小売・EC事業者向けのDXソリューション開発、そして中堅・中小企業のDX支援を主軸としています。各事業が専門性を持ちながら、相互に連携し、顧客の多様なニーズに応えるビジネスモデルを構築しています。
海外の外部顧客への売上高はないため、事業は国内に集中しています。また、特定の顧客への販売実績が一定の割合を占める傾向が見られます。
コンサルティング事業
金融業界の企業を中心に、経営・業務課題の解決に特化したコンサルティングサービスとソリューションを提供しています。主に準委任契約や派遣契約、受託開発を通じて、顧客のプロジェクトマネジメント支援やIT部門のプロジェクト推進支援を一貫して行っています。
収益は、プロジェクト支援や受託開発によるサービス提供から得ています。当事業年度の売上高は前期に比べて増加しています。
イノベーション事業
小売店舗やEC事業者を対象に、業務の生産性向上を目的としたDXソリューションを開発し、提供しています。コンパクトPOSセルフレジ「EZレジ」の販売や、EC事業者の出荷工程をDX化するツール「Global GO! Smooth EC」のリリースなどを行っています。
収益は、これらのDXソリューションの販売から得ています。当事業年度の売上高は前期に比べて減少しています。
DX・地方共創事業
顧客の経営課題や業務課題に対し、ITやDXの専門的知見に基づいたアドバイスや最適なソリューション提供、解決策の実効までを一貫して行うコンサルティングサービスを提供しています。同社のDX技術やオープンイノベーションを活用した製品・ソリューションの販売も行っています。
収益は、DX伴走支援サービスや製品・ソリューションの販売から得ています。当事業年度の売上高は前期に比べて増加しています。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| コンサルティング事業 | 29.1億円 | 30.1億円 |
| DX・地方共創事業 | 57百万円 | 77百万円 |
| イノベーション事業 | 53百万円 | 51百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が増加傾向にある一方で、利益面では減少しています。売上高は前期に比べて増加しましたが、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも減少となりました。
利益の減少は、主に新たなソリューション開発に関するコストや、営業活動および事業開発に伴う人件費の増加、さらに繰延税金資産の取り崩しが影響しています。営業活動によるキャッシュ・フローは収入を確保しており、本業による資金創出力は維持されています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社では、当事業年度において従業員数が前期に比べて増加しています。これは主にコンサルティング事業の業容拡大に伴う積極的な採用活動によるものです。
売上高は増加しているものの、従業員数の増加と開発投資や人件費の増加が利益を圧迫する形となっています。この状況は、事業拡大のための先行投資フェーズにあることを示唆しており、将来的な収益性向上に向けた取り組みが進行中であると考えられます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、事業活動による資金の流入があり、投資活動による資金の流出を上回るフリーキャッシュフローを確保しています。この資金の流れは、安定した事業運営と成長への投資を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率やROEといった指標から安定性を評価できます。手元資金の状況も、事業運営の安定性を示す重要な要素です。これらの財務状況は、従業員の雇用や給与の安定性にも影響を与えるため、転職を検討する上で重要な情報となります。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、事業活動による資金の流入があり、本業で資金を生み出している状況です。投資活動では資金の流出が見られ、事業成長に向けた投資が行われていることを示しています。財務活動では資金の流出があり、借入金の返済などが行われた状況です。
これらの結果、事業活動で得た資金が投資活動の支出を上回るフリーキャッシュフローを確保しています。この資金の流れは、同社が安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資も行っていることを示しており、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、景気変動リスクを認識しています。主要得意先である金融機関がIT投資を抑制した場合、受注案件に対応する職員の稼働率低下が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、研究開発に関するリスクもあります。イノベーション事業を中心に人工知能(AI)を用いた製品やソリューションの研究開発を推進しており、技術水準の動向や研究開発活動の進捗状況によっては、当初想定した費用が増加し、業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、人材の確保に関するリスクを認識しています。労働市場における人材獲得の競争激化や人材流出、人材育成計画の未達成が生じた場合、競争力の低下や事業拡大への制約、サービスレベルの低下をもたらす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
サインポストは、「孫の代まで豊かな社会を創る一翼を担う」という創業理念を掲げ、社会に新たな価値を創出し続けることを目指しています。お客さまの一員として課題解決に貢献し、社員の成長と幸せを重視する企業文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
サインポストは、「孫の代まで豊かな社会を創る一翼を担う」という創業理念を事業活動の最上位概念に据えています。
企業理念としては、「ご満足いただけるソリューションを提供し、社会の一隅を照らす存在でありたい」と掲げています。具体的には、社会に新たな価値を創出し続け、お客さまと社会に感謝される仕事を行うことを目指しています。
また、「お客さまの一員として、時代のその先に」という使命のもと、お客さまの経営・業務課題解決に貢献し、社会の発展に寄与することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
サインポストは、社員が仕事を通じて成長し、その家族も幸せになることを企業理念の一つとしています。
「お客さまの一員として」という使命のもと、発想や技術、実現方法に限界を設けず、新たなサービスや製品を創造する姿勢を大切にしています。
サステナビリティ推進の基本方針では、地球環境の保全、社会インフラの発展と地域社会の活性化にグローバルな視点で取り組むことを掲げています。また、一人ひとりの権利と価値観を尊重し、人の成長を通じて社会に付加価値をもたらすことを誇りとしています。
誠実な行動と公正で透明性の高い企業統治を通じて、全てのステークホルダーから信頼される企業であり続けることを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
サインポストは、中長期的な企業価値向上に向けた「2027年2月期-2029年2月期 中期取り組み方針」を策定しています。
同社は、お客さまと社会の課題を発掘し、解決力と新サービス・製品開発力を通じて、地域と産業の課題解決を目指しています。未来のために豊かな社会を顧客、社員、パートナーと共に創ることを目標としています。
また、再現性のある組織構築と外部との提携によって成長スピードを加速させることを重視しています。事業間の連携強化を図り、実行力と実現性を高めることにも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
サインポストは監査役会設置会社であり、社外取締役や社外監査役を配置することで、経営の監督機能と業務執行の迅速化を図る体制を構築しています。取締役会や経営会議などの機関を通じて、公正かつ透明性の高い意思決定プロセスを重視しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は代表取締役社長である蒲原寧氏であり、個人が上位株主として名を連ねています。また、道しるべ株式会社も主要な株主の一つです。これにより、創業家や個人株主が同社の経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 蒲原 寧 | 21.73% |
| 道しるべ | 10.55% |
| 奥井 裕介 | 4.22% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性11名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は蒲原寧氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 蒲原 寧 | 代表取締役社長 | 1988年三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行後、UFJ日立システムズ等に出向しITプラットフォーム部長などを歴任。2007年3月に同社を設立し、代表取締役社長に就任。イノベーション事業やDX・地方共創事業を管掌し、現職。 |
| 西島 康隆 | 代表取締役 専務取締役コンサルティング・ソリューション事業本部長ソリューション開発事業部長 DX・地方共創事業管掌AX事業管掌 | 1995年三和システム開発入社後、プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント等を経て、2007年11月に同社入社。取締役、常務取締役、専務取締役を歴任し、2025年5月より代表取締役専務取締役。コンサルティング・ソリューション事業本部長などを管掌し、現職。 |
| 西島 雄一 | 常務取締役コーポレート本部長 | 1993年電通計算センター入社後、スプートニク取締役などを経て、2012年11月に同社入社。総合企画部長、取締役コーポレート本部長、品質管理部長を歴任し、2019年5月より常務取締役コーポレート本部長として現職。 |
| 鵜飼 篤 | 取締役 イノベーション事業部長 | 2008年9月に同社入社後、金融システム第二部部長代理、コーポレート本部部長代理などを経て、2019年8月より執行役員イノベーション事業部長。2024年5月より取締役イノベーション事業部長として現職。 |
社外取締役は、植田俊道氏(ホンキィトンク代表取締役・指名・報酬委員会委員)、小林弘明氏(元池田泉州銀行監査役・指名・報酬委員会委員長)、藤田明久氏(元D2C代表取締役社長)、森直之氏(元NTTデータグループ常務執行役員)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役4名、社外監査役2名で構成されています。社外取締役は多様な知見に基づき、経営陣に対する実効的な監視監督の役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、取締役に対しては基本報酬と譲渡制限付株式報酬で構成され、監査役に対しては基本報酬のみが支給される体系です。これは、中長期的な企業価値向上へのインセンティブと、監査役の独立した立場からの職務執行監督を重視した設計となっています。短期的な業績に基づく賞与は定めていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 94百万円 | 23.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 7百万円 | 3.5百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 14百万円 | 4.8百万円 |
| 社外監査役 | 2名 | 7百万円 | 3.5百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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