※本記事は、株式会社薬王堂ホールディングス の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月21日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
薬王堂ホールディングスは持株会社であり、グループ連結従業員数は1,094名です。
同社グループは、医薬品、化粧品、食料品、日用雑貨などの生活関連商品を扱う小売業を主たる業務としています。連結子会社2社を中心に、ドラッグストア事業を主要な事業として展開しています。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)薬王堂(ドラッグストア事業)、(連結子会社)Medica(マーケティング事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
薬王堂ホールディングスグループは、ドラッグストア事業を主要な事業としており、お客様に喜ばれる店づくりを具現化するために、人材育成と働きやすい環境整備を重視しています。多様な人材が成長し活躍できるような制度や文化の醸成に取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
薬王堂ホールディングスは純粋持株会社であり、提出会社単体の給与水準や在籍傾向に関する具体的な数値は開示されていません。同社グループ全体としては、ドラッグストア事業を主要な事業として展開しており、多くの従業員が活躍しています。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 連結従業員数 | 1,094人 |
同社グループは確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
薬王堂ホールディングスグループは、「お客様に喜んで戴ける店をつくる」という経営理念の実現に向け、人材育成を基本方針としています。個人の能力向上が組織全体の能力向上につながるとの信念のもと、多様な人材が成長し活躍できる環境づくりに注力しています。具体的には、登録販売者資格取得のサポートや職階ごとの社内研修を実施し、選抜した人材を外部研修へ派遣することで、マネジメントスキルや専門スキルの向上を図っています。また、性別や年齢にとらわれない管理職への登用、正社員の65歳への定年延長、育休後の女性の職場復帰支援など、従業員が長く働きやすい環境整備にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社薬王堂
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 36.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 71.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 78.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 98.8% |
多様性・登用
管理職の定義は、本部では部長・マネジャー、店舗では店長・スーパーバイザー・ゾーンマネジャーなど、部内や店舗の従業員を指導管理する役割を担う者を含みます。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性の管理職比率(2026年2月期実績) | 36.4% |
| 女性の管理職比率(2031年2月期目標) | 40.0%
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
薬王堂ホールディングスは、持株会社として傘下グループ会社の経営管理を担っています。同社グループは、医薬品、化粧品、食料品、日用雑貨などの生活関連商品を扱う小売業を主たる業務としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループはドラッグストア事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント情報の記載は省略されています。収益は、主にドラッグストアでの商品販売から得ています。
ドラッグストア事業における部門別の業績を見ると、ヘルス部門では医薬品や衛生用品が伸長しています。ビューティ部門では基礎化粧品や男性化粧品、ヘアケアやオーラルケアなどが伸長しました。ホーム部門では衣料洗剤や柔軟剤などの日用品、ペット関連商品が伸長しています。フード部門では日配品、冷凍食品、嗜好品、ビール類や酎ハイなどが伸長しており、同社グループの売上を牽引しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で一貫して増加傾向にあります。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の当連結会計年度において減少となりました。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,203億円 | 1,288億円 | 1,422億円 | 1,520億円 | 1,638億円 |
| 経常利益 | 43.9億円 | 50.2億円 | 56.2億円 | 57.8億円 | 54.7億円 |
| 経常利益率 | 3.7% | 3.9% | 4.0% | 3.8% | 3.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 29.6億円 | 32.4億円 | 38.2億円 | 42.8億円 | 40.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 150.16 | 164.96 | 195.22 | 218.18 | 206.51 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少する結果となりました。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 152.0百万円 | 149.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.5百万円 | 4.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、ドラッグストア事業を主軸に展開しており、積極的な投資を通じて事業拡大を図っています。現在の財務状況と資金の流れから、同社グループの安定性と成長に向けた取り組みを読み解くことができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)、そして手元資金の状況から確認できます。自己資本比率は、企業の財務的な安定性を示す重要な指標であり、プライム市場の非製造業平均と比較することで、同社グループの健全性を把握できます。ROEは、自己資本をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかを示しており、企業の収益性を測る指標となります。また、手元資金の厚みは、予期せぬ経済変動や事業投資に対応できる柔軟性を示しています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 371億円 | 402億円 |
| 自己資本比率 | 46.3% | 39.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 12.1% | 10.4% |
| 現金及び預金 | 71.7億円 | 100億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で得た資金をどのように事業成長に投じているかを示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは32.9億円の収入となりましたが、前期から減少しています。これは、税金等調整前当期純利益や減価償却費があった一方で、棚卸資産の増加額があったことによるものです。投資活動によるキャッシュフローは、新規出店に伴う有形固定資産の取得による支出が増加し、128.4億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入による収入があったものの、長期借入金の返済や配当金の支払いがあり、124.0億円の収入となっています。これらの結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る積極的な投資を行っている成長投資フェーズにあることがうかがえます。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 44.9億円 | 32.9億円 |
| 投資CF | △45.7億円 | △128.4億円 |
| 財務CF | 23.0億円 | 124.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △0.8億円 | △95.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、医薬品医療機器等法や大規模小売店舗立地法などの法的規制を受けており、これらの法令改正が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、店舗数の増加が業容及び収益拡大に大きく寄与している一方で、競合店の出店や経済情勢の変動により計画通りの出店ができない場合には、業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、薬剤師及び登録販売者の確保が重要であると認識しており、これら資格者の確保が計画通りにできない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
薬王堂ホールディングスは、変化の激しいドラッグストア業界において、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。お客様への貢献と従業員の成長を重視し、未来を見据えた変革を進める企業文化が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
薬王堂ホールディングスは、ドラッグストア業界の環境変化を成長の好機と捉え、持続可能な企業価値の向上を目指しています。積極的な新規出店、店舗運営の効率化、物流改革、人材育成、DX推進の5つの戦略を軸に事業を展開しています。
同社グループは、顧客の購買体験価値の最大化や事業全体の効率化を通じて、企業価値の向上に繋げていく方針です。学びと挑戦を通じて社内文化とマインドを進化させ、DXを活用した経営を推進していくことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
薬王堂ホールディングスは、「お客様に喜んで戴ける店をつくる」ことを経営理念として掲げています。この理念を具現化するため、必要な知識や経験を持った人材の育成を基本方針としています。
「個人の能力向上が組織の能力をより一層向上させる」という信念のもと、多様な人材が成長し活躍できる環境整備を重視しています。性別や年齢にとらわれず能力に応じた管理職への登用や、従業員が働きやすい環境づくりに取り組んでいます。また、社会・環境問題を含むサステナビリティ課題への対応を重要項目と認識しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
薬王堂ホールディングスは、人口減少や高齢化、人手不足、物流コスト増加といったドラッグストア業界の環境変化を課題と認識しています。これらの課題に対し、持続的な成長を支える人材育成を重要な経営戦略と位置づけ、「採用と学び」に特化した組織づくりを推進しています。
具体的には、MANAVI推進部による教育・研修体制の強化や、動画・ツールの活用を積極的に進めています。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を通じて、事業全体の効率化と顧客体験の向上を目指しており、データサイエンスの活用やAIの開発・実装に取り組んでいます。社内文化とマインドの進化を図り、DXを活用した経営を推進していく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
薬王堂ホールディングスは監査等委員会設置会社であり、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置しています。取締役の指名や報酬に関する手続きの公正性・透明性・客観性を強化するため、指名報酬委員会も設置されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
薬王堂ホールディングスの筆頭株主はTKコーポレーションです。上位株主には信託銀行のほか、代表取締役副社長である西郷喜代子氏も名を連ねています。これにより、安定した資本構成のもとで経営が行われていることが示されています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| TKコーポレーション | 38.99% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 7.23% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 5.19% |
| NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE FIDELITY FUNDS | 4.61% |
| 薬王堂ホールディングス従業員持株会 | 3.32% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は西郷辰弘氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 西郷 辰弘 | 代表取締役社長 | 1976年日立クレジット株式会社入社、1978年都南プラザドラッグ創業、1981年有限会社薬王堂設立代表取締役、1991年株式会社薬王堂代表取締役社長、2019年9月より同社代表取締役社長現職。 |
| 西郷 喜代子 | 代表取締役副社長 | 1976年株式会社御天気堂薬局入社、1978年都南プラザドラッグ創業、1981年有限会社薬王堂設立専務取締役、1991年株式会社薬王堂専務取締役、2019年9月より同社代表取締役副社長現職。 |
| 小笠原 康浩 | 常務取締役コンプライアンス統括部長 | 1988年アイワ岩手株式会社入社、2005年株式会社薬王堂入社、2014年同社取締役財務部長、2019年9月より同社常務取締役管理部長、2024年4月より同社常務取締役コンプライアンス統括部長現職。 |
| 西郷 孝一 | 常務取締役 | 2007年花王株式会社入社、2012年株式会社薬王堂入社、2019年3月同社執行役員事業戦略本部長、2021年5月同社常務取締役経営戦略部長、2022年3月より同社常務取締役現職。 |
社外取締役は、小原公一氏(元日興ビジネスシステムズ代表取締役社長)、斎藤毅文氏(セットザディレクション代表取締役)、鎌田英樹氏(岩手放送代表取締役会長・監査等委員)、片野圭二氏(TOLIMS代表取締役会長・監査等委員)、滝浦のぞみ氏(開運橋総合法律事務所弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は過半数が独立社外取締役で構成されています。これにより、業務執行の適法性や妥当性に対する独立性の高い監督体制を構築し、透明性の高い経営を実現しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
薬王堂ホールディングスの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして機能する報酬体系を基本方針としています。現時点では業績連動報酬や非金銭報酬等は導入されておらず、月例の固定報酬のみで構成されています。報酬額は役位や職責、在任期間に加え、他社水準や同社グループの業績、従業員給与の水準を総合的に考慮して決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 1.7億円 | 41.5百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 14百万円 | 14.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 27百万円 | 5.4百万円 |
役員報酬の総額は2.07億円であり、対象となる役員は合計10名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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