#記事タイトル:ユナイテッド&コレクティブ転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態
※本記事は、ユナイテッド&コレクティブ株式会社 の有価証券報告書(第25期、自 2024年3月1日 至 2025年2月28日、2025年5月30日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ユナイテッド&コレクティブってどんな会社?
同社は、首都圏を中心に鶏料理居酒屋「てけてけ」やハンバーガーカフェ等の直営飲食店を展開する企業です。
■(1) 会社概要
2000年にユナイテッド&コレクティブ有限会社として設立され、2005年に主力業態となる「てけてけ」の1号店をオープンしました。2012年にはハンバーガー業態「the 3rd Burger」を開始し、2017年に東証マザーズへ上場を果たしています。2021年には自社加工拠点「PPMセンター」を稼働させ、2024年には新業態「新太郎」を出店するなど事業を拡大しています。
同社(単体)の従業員数は184名です。筆頭株主は創業者の坂井英也氏で、第2位はパトリック&カンパニー、第3位は事業会社のサントリーです。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 坂井 英也 | 19.42% |
| パトリック&カンパニー | 18.26% |
| サントリー | 4.45% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性6名、女性0名の計6名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は坂井英也氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 坂井 英也 | 代表取締役社長 | スズキ入社後、2000年に同社を設立し代表取締役社長に就任。以来、現職として経営を牽引。 |
| 矢野 秀樹 | 取締役副社長営業本部長 | モンテローザを経て2010年に同社入社。営業本部長、営業企画部長等を歴任し、2023年より現職。 |
社外取締役は、金田欧奈(ベーシック・キャピタル・マネジメント代表取締役社長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「居酒屋業態」および「その他業態」を展開しています。
■(1) 居酒屋業態
主力ブランドである「てけてけ」は、高度成長期をコンセプトにした店内で、こだわりの「にんにく醤油だれ」を使った焼き鶏や博多水炊きなどを提供する鶏料理居酒屋です。また、「もつ焼き酒場てけてけ」では、もつ焼きや肉刺しなどを提供しています。主な顧客は、手頃な価格で美味しい料理を求めるビジネスパーソンや学生などです。
収益は、来店客からの飲食代金として受け取ります。店内仕込みと外部委託を使い分ける戦略により、高品質と低価格の両立を図っています。運営は主にユナイテッド&コレクティブが行っています。
■(2) その他業態
「the 3rd Burger」は、店内で焼き上げるバンズや自家製パティ、新鮮野菜を使用したハンバーガーカフェです。「新太郎」は、昼は海鮮丼、夜はおでんや一品料理を提供する業態です。これらは「本当に美味しい料理」をリーズナブルに提供することを目指し、幅広い層の顧客をターゲットとしています。
収益は、顧客からの飲食代金となります。「the 3rd Burger」では、バンズやパティを自社加工拠点(PPMセンター)で製造し、店舗での最終調理を行うことで品質と生産性を高めています。運営はユナイテッド&コレクティブが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は回復基調にあり、最新期では65億円に達しています。利益面では、過去に大幅な赤字を計上していましたが、直近2期においては経常利益が黒字化し、最新期では当期純利益も黒字転換を果たしました。利益率は低い水準ながらも改善傾向にあり、経営再建が進んでいることがうかがえます。
| 項目 | 2021年2月期 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 34億円 | 27億円 | 53億円 | 62億円 | 65億円 |
| 経常利益 | -13.0億円 | -1.5億円 | -8.9億円 | 0.4億円 | 0.9億円 |
| 利益率(%) | -38.7% | -5.7% | -16.6% | 0.6% | 1.3% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | -16.2億円 | -4.6億円 | -12.9億円 | -0.9億円 | 0.6億円 |
■(2) 損益計算書
直近2期間の損益構成を比較すると、売上高は増加し、売上総利益も拡大しています。営業利益は前期の約2.2倍に増加し、営業利益率も改善しました。コストコントロールや売上回復が寄与し、本業の収益性が向上していることが数字に表れています。
| 項目 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 62億円 | 65億円 |
| 売上総利益 | 47億円 | 49億円 |
| 売上総利益率(%) | 75.8% | 74.9% |
| 営業利益 | 0.5億円 | 1.2億円 |
| 営業利益率(%) | 0.9% | 1.8% |
販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が19億円(構成比41.0%)、地代家賃が10億円(同21.8%)を占めています。
■(3) セグメント収益
居酒屋業態、その他業態ともに売上高は一定の規模を維持しています。特に居酒屋業態は売上高が増加しており、全社の増収に寄与しました。一方、その他業態は若干の減収となっています。
| 区分 | 売上(2024年2月期) | 売上(2025年2月期) |
|---|---|---|
| 居酒屋業態 | 54億円 | 58億円 |
| その他業態 | 7億円 | 7億円 |
| 連結(合計) | 62億円 | 65億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
ユナイテッド&コレクティブのキャッシュ・フローの状況についてご説明します。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税引前当期純利益や未払消費税等の減少により増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出により減少しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使による株式発行収入や長期借入れ収入があったものの、長期借入金の返済により減少しました。
| 項目 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.6億円 | 1.2億円 |
| 投資CF | 0.2億円 | -2.4億円 |
| 財務CF | -1.3億円 | 0.5億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は、『「本当に美味しい料理」を世界中の人々に届けて、世界を良くしていく。』をMissionとして掲げています。このMissionを追求することを通じて、サステナブルな社会の実現を目指し、顧客に価値を提供し続けることを経営の基本方針としています。
■(2) 企業文化
社名の「United & Collective」には、すべての従業員が「一体感」を持ってMission実現を目指すという理想が込められています。性別・年齢・国籍・人種・学歴等を問わない評価制度やフレックス制度などを導入し、多様な人材が活躍できる環境づくりを推進しています。
■(3) 経営計画・目標
同社は、さらなる売上および利益の向上を目指しています。2026年2月期においては、新規出店数として3店舗を計画しており、既存ブランドの成長とともに事業拡大を図る方針です。具体的な数値目標としては、安定した商品提供と高精度なコスト管理による利益確保を掲げています。
■(4) 成長戦略と重点施策
独自の「PPM戦略(Preparation Process Management)」を推進し、自社加工拠点「PPMセンター」を活用することで、商品力と生産性の向上を図っています。また、既存ブランドのブラッシュアップ、新業態の開発、フランチャイズ展開を視野に入れた事業拡大を進めるほか、特定技能制度を活用した人材確保やコスト削減にも注力しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は、労働集約型ビジネスの基盤である人材の安定的確保と育成を重視しています。特に特定技能制度を活用した外国籍人材の受け入れを進め、少子化や人手不足といった構造的課題に対応しています。現在は人材の定着および戦力化に向けた教育に注力しており、持続可能な人員体制の構築を目指しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年2月期 | 32.5歳 | 3.4年 | 3,935,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | - |
| 男性育児休業取得率 | - |
| 男女賃金差異(全労働者) | 54.9% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 63.9% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 86.3% |
※女性管理職比率および男性育児休業取得率については、公表義務の対象ではない項目については記載を省略するとの方針により、有報には記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 人材の確保及び教育について
店舗運営には優秀な人材が不可欠ですが、正社員やパートタイマーの確保・教育が計画通り進まない可能性があります。特定技能制度の活用などに取り組んでいますが、人材不足が解消されない場合、同社の財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 食材の安全性と調達リスク
食中毒等の事故が発生した場合や、法令違反が生じた場合、業績に影響が出る可能性があります。また、原材料価格の高騰や調達難が生じた場合、コスト増加により収益性が低下するリスクがあります。厳格な衛生管理や調達ルートの確保に努めていますが、外部環境の変化による影響は避けられません。
■(3) 店舗賃借と保証金の回収リスク
店舗や本社は全て賃借しており、多額の保証金を差し入れています。賃貸人の財政状態悪化により保証金が回収不能となるリスクや、契約更新が困難になるリスクがあります。総資産に対する保証金の比率が高いため、これらの事象が発生した場合、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
■(4) 有利子負債への依存について
新規出店資金等を主に金融機関からの借入で調達しており、総資産に占める有利子負債の割合が高い水準にあります。金利が上昇した場合、支払利息の増加により経営成績が悪化する可能性があります。金融機関との良好な関係維持に努めていますが、金利動向には注意が必要です。



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