※本記事は、ユナイテッド&コレクティブ株式会社の有価証券報告書(第26期、自 2025年3月1日 至 2026年2月28日、2026年5月29日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ユナイテッド&コレクティブってどんな会社?
同社は「てけてけ」などの居酒屋業態やハンバーガーカフェを展開する外食企業です。
■(1) 会社概要
同社は2000年7月に飲食店の経営を目的に設立されました。2005年6月に居酒屋「てけてけ」の1号店をオープンし、2012年12月にはハンバーガー業態「the 3rd Burger」を開始しました。2017年2月に東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)へ上場し、2021年には自社加工拠点「PPMセンター」を稼働させています。
現在の体制として、従業員数は単体で198名です。筆頭株主は創業者の坂井英也氏で、第2位はパトリック&カンパニー、第3位は事業会社のサントリーです。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 坂井 英也 | 17.60% |
| パトリック&カンパニー | 16.55% |
| サントリー | 4.04% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性6名、女性0名の計6名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は坂井英也氏が務めており、社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 坂井 英也 | 代表取締役社長 | 1998年4月スズキ入社。2000年7月ユナイテッド&コレクティブ設立、代表取締役社長就任より現職。 |
| 矢野 秀樹 | 取締役副社長営業本部長 | 1998年2月モンテローザ入社。2010年8月同社入社。2023年1月より現職。 |
社外取締役は、金田欧奈(元ベーシック・キャピタル・マネジメント社長)です。
2. 事業内容
同社は飲食事業を展開しています。
■(1) 居酒屋業態
焼き鶏を中心とした「てけてけ」や、もつ焼きを提供する「もつ焼酒場てけてけ」、海鮮居酒屋「新太郎」などを展開しています。日常的な利用を想定した価格帯と、品質を重視した店内仕込みのオペレーションを特徴とし、一般消費者へ飲食サービスを提供しています。
収益源は店舗を訪れる顧客からの飲食代金です。事業の運営は同社が主体となって行っています。
■(2) ハンバーガー業態
「the 3rd Burger」ブランドにて、焼き立てのバンズや100%ビーフのパティ、毎日仕入れる野菜を使用したハンバーガーカフェを展開しています。自社加工拠点での生産と店舗での最終調理を組み合わせることで、商品の品質向上と安定化を図っています。
こちらも収益源は一般消費者からの飲食代金であり、同社が店舗運営とサービス提供を行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
過去5期間の業績を見ると、売上高は新型コロナウイルス感染症の影響から回復基調にあり、直近2期間は64億円台で推移しています。一方、利益面では原材料価格や人件費の高騰により厳しい状況が続いており、当期は再び経常赤字を計上する結果となりました。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 27.2億円 | 53.5億円 | 61.7億円 | 64.9億円 | 64.6億円 |
| 経常利益 | -1.5億円 | -8.9億円 | 0.4億円 | 0.9億円 | -0.5億円 |
| 利益率(%) | -5.7% | -16.6% | 0.6% | 1.3% | -0.8% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | -4.6億円 | -12.9億円 | -0.1億円 | 0.6億円 | -2.3億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は前期比で微減となる中、原材料費の高騰により売上総利益率は悪化しました。さらに、新規出店や人材の採用推進に伴う費用の増加が利益を圧迫し、営業赤字となりました。
| 項目 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 64.9億円 | 64.6億円 |
| 売上総利益 | 48.6億円 | 47.9億円 |
| 売上総利益率(%) | 74.9% | 74.1% |
| 営業利益 | 1.2億円 | -0.2億円 |
| 営業利益率(%) | 1.8% | -0.3% |
販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が19.5億円(構成比40.5%)、地代家賃が10.7億円(同22.2%)を占めています。
■(3) キャッシュ・フローと財務指標
営業CFはプラス、投資CFはマイナス、財務CFはプラスとなっており、営業で利益を出し、借入によって積極投資を行う「積極型」の状態です。
| 項目 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.2億円 | 2.0億円 |
| 投資CF | -2.4億円 | -6.0億円 |
| 財務CF | 0.5億円 | 2.4億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は-56.0%、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は12.7%で、いずれも市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は「食の力で、人と人をつないでいく。」というミッションを掲げています。手頃な価格で“本当に美味しい料理”を多くの人々に届けることを社会的意義とし、品質と生産性を両立させた商品提供を目指しています。
■(2) 企業文化
すべての従業員が「一体感」をもってミッションの実現を目指すことを理想とし、社名を「United & Collective」としています。性別や年齢、国籍等を問わない評価制度やフレックス制度を導入し、多様な人材が働きやすい環境づくりを重視しています。
■(3) 経営計画・目標
持続的成長の実現に向け、収益構造の強靭化と財務基盤の安定化を目標としています。自社加工拠点の活用による内製化比率の向上や、調理工程管理の高度化を通じて、収益性の高い事業構造の構築を進めています。
■(4) 成長戦略と重点施策
店舗とセントラルキッチンの作業を最適化する「PPM戦略(Preparation Process Management)」を中核に据えています。主力ブランドの商品力向上やQSC強化に加え、新業態の開発と直営・フランチャイズ展開を見据えた店舗網の拡大を推進しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
採用・教育体制の強化による早期戦力化と定着率の向上を掲げています。また、外国籍人材やスポットワーカーの活用を進め、店舗運営を支える柔軟な人員体制の構築を人材戦略の柱としています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年2月期 | 33.6歳 | 3.8年 | 4,387,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | - |
| 男性育児休業取得率 | - |
| 男女賃金差異(全労働者) | 70.5% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 82.3% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 86.0% |
※女性管理職比率および男性育児休業取得率については、公表義務の対象ではないため有報には記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 食材の仕入・管理に関するリスク
食の安全性や品質管理において問題が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、天候不順や感染症等による原材料価格の高騰や調達不足が、コスト増加につながるリスクがあります。
■(2) 人材確保に関するリスク
店舗の安定した運営には、アルバイトを含めた優秀な人材の確保と育成が不可欠です。人材獲得競争の激化により必要な人員が確保できない場合、店舗運営や業績に支障をきたす恐れがあります。
■(3) 出店計画に関するリスク
新規出店において、条件に合う物件の取得が想定通りに進まない場合や、出店後に周辺環境の変化等により計画通りの売上が確保できない場合、投資回収が遅れ財政状態に影響を与える可能性があります。



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