白鳩 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

白鳩 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

{会社名(株式会社等除く)}は、幅広い事業領域でサービスを展開しています。直近の決算期は変則決算となりましたが、売上高は計上したものの営業損失と経常損失を計上しました。一方で、当期純利益は黒字となりました。


目次

※本記事は、株式会社白鳩 の有価証券報告書(2025年11月期、2025年3月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


白鳩は、EC業界でインナーショップ事業を展開する企業です。従業員一人ひとりが安心して働ける環境を重視し、多様性を尊重する企業文化を築いています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社の職場環境の傾向を把握することができます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


白鳩では、従業員の平均年齢と平均勤続年数から、比較的安定した人材構成が見て取れます。EC業界という変化の速い環境において、一定の期間にわたってキャリアを築いている従業員が多い傾向にあると言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 4,214,898円
平均勤続年数 8.3年
平均年齢 40.6歳
単体従業員数 80人


同社は確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。この制度は国内の従業員を対象としています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


白鳩は、変化の激しいEC業界において、多様な才能やスキルを持つ人材の登用を不可欠と考えています。性別、年齢、国籍を問わない多様性を企業文化の重要な柱と位置づけ、個々の能力を最大限に発揮できる環境づくりに注力しています。
具体的には、女性が安心して活躍できるよう育児・介護休業規程を整備し、仕事と家庭の両立を支援しています。また、中途採用者の管理職登用を積極的に進め、国籍に関わらず管理職への機会を確保することで、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる場を提供しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。男性労働者の育児休業取得率については、当事業年度において配偶者が出産した男性労働者がいなかったため、「-」と記載されています。

指標 数値
女性管理職比率 30.8%
男性育児休業取得率 -
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 46.6%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 61.1%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 64.3%

多様性・登用

指標 数値
女性正社員比率 63.8%
女性のパート・アルバイト社員を含む比率 77.8%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


白鳩は、主にインナーウェアのEコマース事業を展開しており、インターネット上の多様なチャネルを通じて個人顧客に商品を販売しています。インナーウェアという商品の特性を活かし、流行や天候に左右されにくい安定したビジネスモデルを構築しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社はインナーウェアのEコマース事業を主力としています。インナーメーカーから商品を仕入れ、自社のPC・スマートフォンサイトやアプリのほか、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Amazon.co.jp」などの主要なインターネットショッピングモールに出店し、個人のお客様に販売しています。海外のインターネットショッピングモールである「天猫国際」(中国)や「Shopee」(東南アジア)へも展開しており、海外事業も堅調に推移しています。

商品ラインナップはレディス、メンズ合わせて約11,000品番に及び、「ワコール」「トリンプ」などの国内ブランドから「ANNEBRA」などの海外ブランド、さらには「HIMICO」などの自社オリジナルブランドやコラボレーションブランドまで、約140ブランドを取り扱っています。本社物流センターでは、商品仕入れからサイト運営、物流、顧客対応までをワンストップで行う「ワンストップ・エコシステム体制」を構築し、効率的な運営を実現しています。また、自社開発の基幹システム「楽らく通販システム」により、発注から在庫管理、出荷、顧客管理までを一元的に管理し、業務の正確性と迅速性を確保しています。

収益は主にインナーウェアの販売から得ており、特にファンデーション、ショーツ、メンズアイテムが販売高の大きな割合を占めています。同社はWEBサイトでのインナーショップ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略されています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社は決算期変更により、当事業年度は2025年3月1日から2025年11月30日までの9ヶ月間の変則決算となっています。このため、前期との比較は行われていません。当事業年度の売上高は42.08億円となりましたが、営業損失は△1.31億円、経常損失は△1.50億円を計上しています。一方で、当期純利益は3.15億円となりました。

キャッシュ・フローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは減少しています。これは主に棚卸資産、仕入債務、売上債権の増加によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、旧本社売却による収入が主な要因となり増加しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出が主な要因となり減少しています。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社は当事業年度において、営業活動によるキャッシュフローは減少していますが、投資活動による収入が大きく、全体としては資金を生み出している状況です。これにより、事業の再構築や将来に向けた投資の余力を確保していることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の財務基盤は、自己資本比率が前期から改善し、プライム市場の非製造業平均を上回る水準となっています。ROEもプライム市場平均を上回っており、収益性も確保されている状況です。手元資金も増加傾向にあり、事業運営の安定性を示す状況です。

指標 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
純資産 22.1億円 25.2億円
自己資本比率 37.0% 43.6%
ROE(自己資本利益率) - 12.5%
現金及び現金同等物 5.5億円 6.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社の当事業年度における営業活動によるキャッシュフローは減少となりました。これは棚卸資産、仕入債務、売上債権の増加が主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは、旧本社売却による収入により増加しています。

財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済による支出が主な要因で減少となりました。結果として、フリーキャッシュフローはプラスとなっています。本業の資金繰りは厳しい状況ですが、資産売却により全体としては資金を生み出しており、事業の再構築や将来に向けた投資の余力を確保している状況です。

項目 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
営業CF 3.3億円 △2.8億円
投資CF △37百万円 12.0億円
財務CF 72百万円 △8.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 2.9億円 9.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社はWEB事業を中核としており、インターネットやEコマースの発展に依存しています。特にインターネットショッピングモール運営者の方針変更や契約内容の変更が収益性に影響を及ぼす可能性があります。また、Eコマース分野での競合激化もリスクとして認識されており、市場シェアや価格競争による販売価格低下が発生する可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は各部門の専門的業務を少人数で行っているため、従業員の急な離脱や育児休業制度の活用による一時的な人員不足が業務遂行に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


白鳩は、「「わくわく」「ドキドキ」感動するインナーライフっていいね!」という企業理念を掲げ、お客様に選ばれ続けることを目指しています。役職員全員が当事者意識とお客様目線を持ち、感動を届けるインナーライフの実現に取り組んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


白鳩は、「「わくわく」「ドキドキ」感動するインナーライフっていいね!」を企業理念として掲げています。この理念には、お客様にショッピングを楽しんでいただき、商品やサービスを通じて感動を届けたいという思いが込められています。

同社は、商品の仕入・開発からサイト運営、物流、カスタマーサービスまでを一貫して行う体制を構築しています。創業当初からのインナーウェアの取り扱いとEコマース参入の知見を活かし、国内有数のインナーウェア通信事業を目指しています。

また、親会社である歯愛メディカルとそのグループ企業との協業を促進し、同社お客様の生活がさらに充実するような事業展開も視野に入れています。ステークホルダーへの持続的な付加価値提供を通じて、企業価値の向上を図っています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


白鳩は、役職員全員が当事者意識とお客様目線を持ち続ける行動を重視しています。すべてのステークホルダーと共に持続的に発展していくことを目指し、社内外のコミュニケーション活性化を通じて信頼構築に努めています。

同社は、時代変化の激しいEC業界において多様な才能やスキルを持つ人材の登用が不可欠であると考えています。性別、年齢、国籍を問わない多様性(ダイバーシティ)の尊重を企業文化の重要な柱と位置づけ、個々の能力を最大限に発揮できる環境を整備しています。

女性が安心して活躍できるよう育児・介護休業規程を定め、子育てや介護と仕事の両立を支援しています。中途採用者の管理職登用も積極的に行い、国籍に関わらず管理職登用の機会を確保しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


白鳩は、サステナビリティを巡る課題を経営の重要課題と認識しています。現状ではサステナビリティに係る基本方針を定めていませんが、CSR活動の推進と実践は経営理念の一つであり、中長期的な企業価値向上を目指しています。

今後は、サステナビリティに関する重要な取り組み体制の整備、基本方針の策定、および開示・提供について検討を進めていく方針です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は監査役会設置会社を採用しており、独立性の高い複数の社外監査役を選任することで、業務執行に対する管理・監督機能の充実を図っています。株主総会、取締役会、監査役会、コンプライアンス委員会、会計監査人、常勤役員会が相互に連携し、経営の健全性・効率性・透明性を確保する体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主は歯愛メディカルであり、同社の資本構成に大きな影響を与えています。上位株主には個人株主も複数名を占めています。

株主名 持株比率
歯愛メディカル 50.58%
池上 勝 8.19%
伊藤 真吾 5.01%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は菅原知樹氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。

氏名 役職 主な経歴
菅原 知樹 代表取締役社長 2001年4月㈱松山電子計算センター入社。2011年1月同社入社。2016年5月同社ソリューション本部情報システム部長。2024年5月同社代表取締役社長より現職。
飯野 利明 取締役 1987年4月㈱ニコル入社。2015年3月同社入社社長室兼商品事業部長。2024年5月同社取締役商品事業本部長。2025年3月同社取締役ナショナルブランド部長より現職。
山内 昌晴 取締役 1988年4月㈱村井眼鏡工業㈱入社。2019年10月㈱歯愛メディカル入社。2021年3月同社常務取締役。2024年12月同社取締役より現職。


社外取締役は、清水恒夫氏(元ワコールホールディングス取締役)です。

同社は監査役会設置会社を採用しており、独立性の高い複数の社外監査役を選任することで、業務執行に対する管理・監督機能の充実を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、中長期的な企業価値向上と経営目標達成を促進するため、各々の経営能力や貢献度を考慮して決定されています。取締役の報酬は基本報酬と譲渡制限付株式報酬で構成され、社外取締役や非常勤取締役は基本報酬のみとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 16百万円 5.4百万円
監査役(社外除く) 2名 5百万円 2.3百万円
社外役員 4名 3百万円 0.8百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した監査役2名を含みます。また、取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。