※本記事は、株式会社クリーマ の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
クリーマは、クリエイターエンパワーメント事業を展開し、オンラインのハンドメイドマーケットプレイス「Creema」を主軸としています。クリエイターと生活者をつなぐCtoCプラットフォームの運営に加え、大型イベント開催や多様な支援サービスを提供しています。
単体従業員数は81名、連結従業員数は83名です。セグメントはクリエイターエンパワーメント事業の1つです。
主な国内グループ会社は、FANTISTなどです。
また、同社グループは、2022年2月期に株式会社FANTISTの全株式を取得し、EdTech領域へ本格参入しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
クリーマは、クリエイターエンパワーメント事業を展開し、才能や努力が正当に評価されるフェアな世界の実現を目指しています。同社グループでは、従業員一人ひとりがその才能を最大限に発揮できる環境を重視しています。柔軟な働き方やキャリア支援を通じて、個人の成長と創造性を育む文化が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
クリーマでは、平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も5年未満となっています。これは、新しい才能が継続的に加わり、組織全体が活発に成長している傾向を示していると考えられます。従業員の定着と成長を支援する取り組みも行われています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,071,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.9年 |
| 平均年齢 | 35.9歳 |
| 単体従業員数 | 81人 |
| 連結従業員数 | 83人 |
| 単体のグループ内比率 | 97.6% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
クリーマは、「本当にいいものが埋もれてしまうことのない、フェアな世界をつくろう」というコンセプトのもと、クリエイターエンパワーメント事業を展開しています。才能や努力が正当に評価される社会の実現を目指し、その基盤として人的資本の管理を重視しています。多様な人材を受け入れ、従業員一人ひとりが才能を最大限に発揮できる環境を整えることを基本方針としています。
社内コミュニケーションを活性化し、組織の結束を強化するため、年1回の戦略発表会と毎月の社員総会を定期的に開催しています。また、クリエイティブな刺激と社員間の交流を促進する「一丸プロジェクト」として、外部クリエイターを招いたワークショップも実施しています。
勤務体系では柔軟性を重視し、出社とオンラインを組み合わせたハイブリッドワークモデルを採用しています。従業員の成長支援にも力を入れており、社員が自身のキャリアを主体的に設計できる「Creema Career(ジョブチェンジ制度)」や、資格取得や専門講座への参加を促す「クリーマレベルアップサポート(能力開発補助制度)」といった制度を通じて、自己実現とプロフェッショナルスキルの向上を支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
クリーマは、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。ただし、管理職に占める女性労働者の割合については、サステナビリティに関する取り組みの中で開示されています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 35.7% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
クリーマは、クリエイターの活動を支援する事業を展開しており、オンラインマーケットプレイスの運営を主軸に、イベント開催や多様な新サービスを通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
クリーマグループは、クリエイターエンパワーメント事業の単一セグメントで事業運営を行っています。主力サービスは、オンライン上で個人が直接オリジナル作品を売買できるCtoCハンドメイドマーケットプレイス「Creema」です。クリエイターが作品を出品し、ユーザーが購入する際に、同社が決済を仲介し、購入代金から一定の販売手数料を差し引いた残金をクリエイターに入金するビジネスモデルを採用しています。
また、同社グループは「Creema」のプラットフォームを活用したマーケティング支援を行うプラットフォームサービスも提供しています。企業や地方公共団体をクライアントとする外部広告サービスや、クリエイターが作品をプロモーションできる内部広告サービスを展開しています。さらに、クリエイターとユーザーをリアルの場で結びつけるクラフトイベントも積極的に展開しており、「HandMade In Japan Fes'」などの大型イベントを開催しています。
新サービス群として、クリエイターがプロジェクトの資金を募るクラウドファンディングサービス「Creema SPRINGS」や、アーティストがレッスン動画を販売する動画プラットフォーム「FANTIST」も提供しています。これらのサービスを通じて、同社グループはクリエイターの創造的な活動を多角的に支援し、「クリーマ経済圏」の確立とクラフトカルチャーの発展に取り組んでいます。収益の大部分は日本国内の外部顧客からの売上高が占めており、海外比率は限定的です。特定の顧客への収益集中は見られません。
同社グループの売上高は、主に以下のサービス区分から構成されています。マーケットプレイスサービスが最も大きな割合を占め、プラットフォームサービスがこれに続いています。当期においては、その他サービスが前期から大きく伸長しました。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| マーケットプレイスサービス | 1兆4,912億円 | 1兆4,558億円 |
| プラットフォームサービス | 6,907億円 | 7,163億円 |
| その他 | 1,434億円 | 1,964億円 |
| イベントサービス | 1,817億円 | 1,666億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
クリーマグループの売上高は、直近5年間で増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、一時的に損失を計上した期がありましたが、その後は回復し、直近の当期においても利益を計上しています。
当期は売上高が微増となった一方で、新サービス群やプロダクト開発等に対する成長投資を継続・拡大したことから、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は前期から減少しました。営業活動によるキャッシュ・フローは、当期に大幅な増加を示しています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 22.9億円 | 25.0億円 | 25.1億円 | 25.1億円 | 25.4億円 |
| 経常利益 | 3.6億円 | △3.8億円 | 69百万円 | 1.0億円 | 66百万円 |
| 経常利益率 | 15.8% | △15.4% | 2.7% | 4.2% | 2.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.3億円 | △4.1億円 | 79百万円 | 1.0億円 | 28百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 34.53 | △60.85 | 11.76 | 15.30 | 4.08 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
クリーマの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少する結果となりました。これらの指標は、同社グループが成長投資を継続・拡大している状況を反映していると考えられます。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 31.7百万円 | 30.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.3百万円 | 0.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動による資金創出と投資活動のバランスから、現在の経営状態を示しています。本業で資金を獲得しつつ、将来に向けた投資も行われている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した資本構成を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金である現金及び預金は増加傾向にあり、事業運営における資金の柔軟性が確保されている状況です。これらの財務状況は、同社グループの事業継続性や将来の成長投資の余力に影響を与える要素となります。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 11.1億円 | 11.3億円 |
| 自己資本比率 | 32.8% | 30.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.8% | 2.5% |
| 現金及び預金 | 24.4億円 | 30.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが前期から大きく増加し、5.5億円の資金を獲得しています。これは主に売上債権の減少や前受金、未払金の増加、税金等調整前当期純利益の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、無形固定資産の取得による支出などにより、△44百万円の資金を使用しました。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の調達と返済により、71百万円の資金を獲得しています。その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは5.0億円のプラスとなり、前期のマイナスからプラスに転換しました。これは、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、資金の余力を確保している状況を示しており、雇用や給与の安定性、そして今後の成長性にとって好ましい傾向にあると言えます。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 23百万円 | 5.5億円 |
| 投資CF | △23百万円 | △44百万円 |
| 財務CF | △1.9億円 | 71百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △0百万円 | 5.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、オンラインマーケットプレイス「Creema」の運営を主力サービスとしており、インターネット関連市場の技術改善や環境整備、利用拡充が継続しない場合、事業に影響を及ぼす可能性があります。また、インターネット業界における技術革新のスピードや新しいビジネスモデルの出現、顧客ニーズの変化に対応できない場合も、事業に影響を及ぼすリスクがあります。
さらに、Apple Inc.やGoogle LLCが運営するプラットフォーム、およびヤマト運輸株式会社や日本郵便株式会社等の配送業者への依存があり、これらの事業者の動向や取引条件の変化が同社グループの事業に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、継続的な成長のために優秀な人材の確保と育成を重要な課題と認識しています。求める人材を計画通りに確保できなかった場合、同社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
クリーマは「まるくて大きな時代をつくろう」という企業理念のもと、クリエイターエンパワーメント事業を推進しています。才能や努力が正当に評価されるフェアな世界の構築を目指し、事業活動を行っています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「まるくて大きな時代をつくろう」という企業理念のもと、クリエイターエンパワーメント事業を推進しています。日本及び中国語圏に展開するグローバルハンドメイドマーケットプレイス「Creema」を運営し、クリーマ経済圏の確立とクラフトカルチャーの発展に注力しています。また、「本当にいいものが埋もれてしまうことのない、フェアな世界をつくろう」というコンセプトを掲げ、才能や努力が正当に機会や評価につながる社会の構築を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、多様な人材を受け入れ、従業員一人ひとりが才能を最大限に発揮できる環境を整えることを重視しています。努力や成果が適切に評価される組織づくりを推進し、すべての従業員に公平な機会と成長の場を提供しています。社内コミュニケーションを活性化するため、年1回の戦略発表会や毎月の社員総会を定期的に開催しています。また、クリエイティブな刺激と社員間の交流を促進する「一丸プロジェクト」として、外部クリエイターを招いたワークショップを実施しています。勤務体系では柔軟性を重視し、ハイブリッドワークモデルを採用しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、2027年2月期において黒字を維持しつつ、成長に向けた先行投資を優先する方針です。2028年2月期以降の売上・利益双方での大きな成長を実現する事業基盤の構築に注力しています。具体的には、「Creema」の大規模リニューアルを推進し、リブランディングや出品制度の改編等を実施します。ユーザー数拡大のため、マーケティング施策の拡張や広告宣伝費の拡大、外部ブランドとのコラボ推進、メルマガ改修によるリテンション向上に取り組んでいます。また、中長期的な非連続的成長の実現に向け、M&Aの有効活用も進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
クリーマは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の監督機能を担っています。取締役会は迅速な意思決定と業務執行を、監査役会は独立した立場から経営全般の監査を行う体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役社長の丸林耕太郎氏であり、創業者が経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。また、取締役である大橋優輝氏や関連会社であるアニマリズムグループも上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 丸林耕太郎 | 32.42% |
| アニマリズムグループ | 6.60% |
| 大橋優輝 | 6.35% |
| SBI証券 | 4.97% |
| 楽天証券共有口 | 4.37% |
なお、2026年4月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、楽天証券は2026年4月15日現在で342,900株保有している旨が記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長は丸林耕太郎氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 丸林 耕太郎 | 代表取締役社長 | 2004年4月セプテーニ入社、2009年3月赤丸ホールディングス(現同社)設立、代表取締役社長より現職。 |
| 大橋 優輝 | 取締役 イベント・ビジネスアライアンスディビジョン ゼネラルマネジャー | 2002年4月ゴールドクレスト入社、2009年3月同社入社、2017年3月同社取締役 イベント・ビジネスアライアンスディビジョン ゼネラルマネジャーより現職。 |
社外取締役は、唐木信太郎氏(セプテーニ・ホールディングス取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役3名(うち社外取締役1名)と監査役3名(うち社外監査役3名)で構成されています。社外取締役は取締役会に出席し、経営の監督を行っており、社外監査役は専門知識と経験に基づき意見・提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬としての固定報酬と、業績および株主価値に連動した成果連動報酬で構成されています。社外取締役および監査役には、経営に対する監督・牽制機能が期待されるため、成果連動報酬は支給されていません。成果連動報酬は、短期的な売上成長率とEBITDA成長率、中期的な売上成長率、EBITDA成長率、株価成長率、1株当たり純利益成長率を指標としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 42百万円 | 20.9百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 14百万円 | 3.5百万円 |
連結報酬等の総額が1億円以上である役員は存在しないため、個人別の開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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