※本記事は、スローガン株式会社 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、「人の可能性を引き出し、豊かな未来をともにつくる。」をミッションに掲げ、新産業領域における才能の最適配置を目指すプラットフォーム事業を展開しています。キャリアサービス分野とメディア・SaaS分野を両輪とし、成長分野への人材移動と労働市場の健全な流動化を推進しています。
単体従業員数は107名、連結従業員数は107名です。報告セグメントは新産業領域における人材創出事業の単一セグメントとなっています。
主な国内グループ会社は、チームアップ(SaaS型HRサービス事業)などです。
同社グループは、不採算領域であった動画×経験学習プラットフォーム「メタノビ」および社会人向けキャリアサービス「Goodfind Career」を終了し、経営資源を成長領域へ集中する体制再編を進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
スローガンは、新産業領域における人材創出事業を展開しており、比較的若い組織で、個人の内発的動機と自己変容を重視する企業文化が特徴です。人的資本を持続的な競争優位の源泉と位置付け、社員の成長と事業創造を連動させる働き方を志向しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が4.0年、平均年齢が31.6歳となっており、比較的若手社員が多く活躍している傾向が見られます。従業員数は単体・連結ともに107人であり、コンパクトな組織体制で事業を推進していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,605,786円 |
| 平均勤続年数 | 4.0年 |
| 平均年齢 | 31.6歳 |
| 単体従業員数 | 107人 |
| 連結従業員数 | 107人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人的資本を持続的な競争優位と産業創造の源泉と位置付けています。一人ひとりの「内発的動機」に基づく自己変容を重視し、個人の探求心が新たな挑戦や学習変容を促すことで、組織全体の「器の拡張」を目指しています。
また、「スノーボール型の戦略的成長モデル」を社内環境整備の方針として掲げています。内発的動機が生み出す高い営業利益を、さらなる「人の可能性」へと再投資することで、次なる高付加価値事業を連鎖的に創出する利益成長を志向しています。これにより、人への還元と投資の規模を最大化させ、ミッション実現に向けたダイナミズムを増幅させる環境を整備しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 28.6% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
スローガンは、「人の可能性を引き出し、豊かな未来をともにつくる。」というミッションを掲げ、新産業領域における才能の最適配置を目指すプラットフォームを展開しています。キャリアサービス分野とメディア・SaaS分野の二つの領域で事業を展開し、個人の内発的動機と社会の経済合理性を統合する世界の構築を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントとして事業を運営しています。伝統的な雇用慣行による市場の歪みを解消し、テクノロジー進化による新たな機会を捉えることで、成長分野への人材移動と労働市場の健全な流動化を推進しています。
キャリアサービス分野では、学生向けに新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」、コンサル就活サービス「FactLogic」、学生向け長期インターン紹介サービス「Intern Street」を提供しています。社会人向けには、社会人3年目までのハイポテンシャル人材向けキャリア支援サービス「G3」を展開しています。これらのサービスは、主に成功報酬型の人材紹介やメディアサービスを通じて収益を得ています。
メディア・SaaS分野では、若手イノベーション人材向けビジネスメディア「FastGrow」と、1on1の仕組みで組織成長を支援するSaaS型HRサービス「TeamUp」を提供しています。「TeamUp」は連結子会社のチームアップ株式会社が運営しており、その他のサービスは同社が運営しています。この分野では、メディア掲載や採用広報支援、SaaS利用料などが収益源となっています。
同社グループは、不採算領域であった動画×経験学習プラットフォーム「メタノビ」および社会人向けキャリアサービス「Goodfind Career」のサービスを終了し、経営資源を成長領域へ集中投下する体制への再編を進めています。本邦以外の外部顧客への売上高はなく、特定の主要顧客への売上集中もありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績推移を見ると、売上高は変動がありながらも、直近の当連結会計年度では大きく増加しました。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も同様に、前期から大幅な増加を記録しています。特に当連結会計年度は、売上高の成長が費用の伸びを大きく上回ったことで、利益が大きく伸長する結果となりました。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 14.2億円 | 14.7億円 | 14.2億円 | 13.5億円 | 15.9億円 |
| 経常利益 | 2.8億円 | 2.1億円 | 1.5億円 | 1.2億円 | 2.8億円 |
| 経常利益率 | 20.0% | 14.3% | 10.7% | 8.8% | 17.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.1億円 | 1.4億円 | 91百万円 | 87百万円 | 1.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 92.14 | 53.31 | 34.43 | 33.18 | 74.14 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高(連結)は前期から増加しており、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に増加しています。これらの指標の改善は、同社グループの生産性が向上し、事業運営の効率化が進んでいることを示唆しています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 12.4百万円 | 14.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.1百万円 | 2.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
スローガンは、本業で安定的に資金を生み出し、事業成長のための投資も行いながら、財務基盤を強化しています。これにより、将来に向けた安定性と成長性を両立している状況がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
スローガンは、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を維持しており、強固な財務基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)も当期はプライム市場平均を上回る水準となっており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。また、手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、不況時への耐性も備えている状況です。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 15.1億円 | 16.3億円 |
| 自己資本比率 | 71.0% | 68.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.9% | 12.3% |
| 現金及び預金 | 17.4億円 | 20.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
スローガンは、営業活動によるキャッシュフローが前期から増加しており、本業で着実に資金を生み出している状況です。投資活動によるキャッシュフローは、自社利用ソフトウエアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出が主な要因となり、使用額は減少しています。財務活動によるキャッシュフローは、自己株式取得による支出と預け金の取り崩しが主な要因となり、使用額は微増となりました。
これらの結果、フリーキャッシュフローは前期から大幅に増加しており、本業で得た資金で投資を賄い、余剰資金を生み出している優良な状態を示しています。これは、事業の成長性と財務の健全性を示しており、将来の事業展開や雇用・給与の安定性につながる基盤があることを示唆しています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.8億円 | 3.3億円 |
| 投資CF | △0.3億円 | △0.1億円 |
| 財務CF | △0.5億円 | △0.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.4億円 | 3.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが対象とする人材関連ビジネス市場は、景気動向や雇用情勢、テクノロジーの進歩、法規制等の影響を強く受ける市場です。主要取引先であるスタートアップ・ベンチャー企業の採用意欲が減退した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、既存事業者によるシェアの拡大や新たな参入事業者の登場により競争が激化した場合には、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの事業領域である新産業領域に関連する市場は今後も拡大が見込まれており、その機会を捉えるためには人材の採用及び育成が非常に重要です。人材の採用や育成が計画どおり進捗しない場合や離職等により多くの欠員が生じた場合には、同社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
スローガンは、「人の可能性を引き出し、豊かな未来をともにつくる。」というミッションを掲げ、個人の内発的動機と社会の経済合理性を統合する世界の構築を目指しています。独自の経営パラダイム「循環経営」を軸に、持続的な成長と価値創造を追求する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「人の可能性を引き出し、豊かな未来をともにつくる。」というミッションを掲げています。これは、世代を跨いで問い続ける根源的な約束であり、「人の持つ可能性を引き出せれば、未来はどれほど良くなるだろうか」という問いがすべての活動の原点です。一人ひとりの可能性と豊かさがめぐる未来を共にかたちづくるため、個人の内発的動機が社会の経済合理性と統合される世界の構築に挑戦しています。
また、同社グループは独自の経営パラダイム(世界をどう捉えるかという前提意思・思考のレンズ)として「内発的動機と営業利益の循環経営」(循環経営)を本格的に実装しています。これは、個人の内発的動機が付加価値創造の純度の証である営業利益を生み出し、それがさらなる「人の可能性」への再投資につながるという考え方です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、一人ひとりの「らしさ」や「願い」に基づく内発的な動機をミッションやビジョンと重ね合わせることを重視しています。不確実な環境下でも自律的に自己変容(学習変容)を続け、市場の本質的価値を創り出していく実行力を育むことを大切にしています。同社グループ自身がこの新ミッションの最初の「実践者」であり「体現者」であり続けることを重視しています。
また、人的資本を持続的な競争優位と産業創造の源泉と位置づけています。機能的なスキルの陳腐化が進む中で、他社が模倣できない競争優位の源泉は、一人ひとりの「内発的動機」に基づく自己変容にあると考えています。個人の「らしさ」や「願い」に根ざした探求心が、「不慣れ」な領域への挑戦を含む学習変容を促し、自己変容を伴う「器の拡張」を組織の核心に据えることで、新たな価値を創造し続ける体制を確立しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、「循環経営」の推進と新ミッションへの刷新を優先的に取り組むべき課題としています。これまでの社会や組織のあり方では、個人の内発的動機と企業の経済合理性が分離しがちであったという認識のもと、両者を統合する考え方を経営の軸に据えています。一人ひとりの人生のテーマ(ライフミッション)を言語化し、それが組織の目指す未来と重なり合うことで生まれる熱量を、顧客への高い提供価値、ひいては持続的な利益成長へと結実させていく方針です。
また、「人の可能性」を軸とした長期的な産業創造の実践も重要なテーマです。既存の成功体験に依存しない動的なアプローチが不可欠であると確信しており、一人ひとりが慣れ親しんだ思考・行動様式をさらに高次元化させるとともに、「不慣れ」な領域への挑戦を含む自己変容を組織の核心に据えています。この「組織的な学習能力の向上」が、他社による模倣が困難な持続的優位性の源泉になると考えています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
スローガンは、取締役会と監査役会を設置する体制を採用しており、経営の監督と監査を通じてガバナンスを強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
筆頭株主は創業者の伊藤豊氏であり、Reapra Ventures Pte. Ltd.や織田一彰氏といった主要株主が上位に名を連ねています。同社グループの資本構成は、特定の個人や投資会社が主要な株主として経営を支えている特徴があります。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 伊藤 豊 | 23.05% |
| Reapra Ventures Pte. Ltd. | 21.48% |
| 織田 一彰 | 11.96% |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
スローガンの役員は7名(男性4名・女性3名)で構成され、女性役員比率は42.9%です。代表取締役社長は仁平理斗氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 仁平 理斗 | 代表取締役社長 | 2010年4月株式会社ディー・エヌ・エー入社、2016年12月同社入社、2023年3月同社代表取締役社長より現職。 |
| 北川 裕憲 | 取締役副社長 | 2011年12月新創監査法人入所、2015年7月同社入社、2023年3月同社取締役副社長より現職。 |
社外取締役は、杉之原明子氏(特定非営利活動法人みんなのコード 代表理事CEO)、渡辺千賀氏(BSGP, Inc. プリンシパル)です。
同社は現在、監査役会設置会社体制を採用していますが、2026年5月27日開催予定の定時株主総会での承認を条件に、監査等委員会設置会社へ移行する方針を決定しています。取締役会は社外取締役が半数を占める構成となっており、独立した立場からの監督機能が強化されています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、月例の固定報酬である基本報酬と、中長期的なインセンティブとしてのストック・オプション報酬で構成されています。監査役の報酬は固定報酬のみで、業績連動報酬は現時点では導入されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 48百万円 | 24.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 7.6百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 16百万円 | 4.0百万円 |
なお、非上場株式については、市場価格のない株式等であることから、「評価損益の合計額」は記載されていません。
個人別報酬が開示されている役員は存在しません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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