※本記事は、株式会社マーキュリー の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
マーキュリーは、「不動産ビッグデータ×Technology」を事業コンセプトに、不動産マーケティングソリューション事業を展開しています。長年にわたり収集したマンションの新築分譲時データを活用し、プラットフォーム事業とデジタルマーケティング事業を主力としています。
単体従業員数は59名です。同社は不動産マーケティングソリューション事業の単一セグメントで事業を展開しています。
マーキュリーは、プラットフォーム事業として不動産ビッグデータを活用した市場調査・分析システム「サマリシリーズ」や営業支援を行う「データダウンロードサービス」を提供しています。また、デジタルマーケティング事業ではWebマーケティングによるマンション販売の集客支援を行っています。
2024年8月21日、株式会社GA technologiesによる公開買付けの結果、同社がマーキュリーの親会社となりました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
マーキュリーは、不動産ビッグデータとテクノロジーを駆使し、不動産業界のデジタル化を推進する企業です。このような事業特性から、専門性の高いスキルを持つ人材が活躍できる環境が期待されます。従業員一人ひとりの働きやすさを重視し、多様な働き方を支援する取り組みも行われています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も落ち着いた水準にあることから、長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。安定して働き続けたいと考える方にとって、魅力的な職場環境であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,477,000円 |
| 平均勤続年数 | 11.2年 |
| 平均年齢 | 43.1歳 |
| 単体従業員数 | 59人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は「Big Data × Technology で不動産の未来は私たちが動かす」というビジョンのもと、不動産マーケティングプラットフォーマーとして不動産業界を支援しています。このビジョン達成のため、人的資本を重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりと人材育成、働きやすい職場づくりに注力しています。
具体的には、従業員のスキルアップを目的とした資格取得費用の全額補助や動画研修制度を導入しています。また、フレックス制度やリモートワークの活用により、従業員一人ひとりが柔軟に働ける環境を整備しています。健康的な働き方を推進するため、勤務時間のモニタリングによる長時間労働の防止やメンタルヘルスケア、安全衛生委員会の実施など、多角的な施策を展開しています。今後も、採用・育成・評価報酬といった施策を通じて、従業員のパフォーマンスを最大化し、個々が活躍できる企業文化の醸成を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は女性活躍推進法および育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社マーキュリーは、「不動産ビッグデータ×Technology」を事業コンセプトに掲げ、不動産マーケティングソリューション事業を展開しています。同社は長年にわたり新築分譲マンションの物件コンセプトブックや図面集、価格表といった情報を収集し、独自の不動産ビッグデータを構築してきました。このデータを活用し、不動産業界の多様なニーズに応えるサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は不動産マーケティングソリューション事業の単一セグメントで事業を展開しています。主力事業は「プラットフォーム事業」と「デジタルマーケティング事業」です。
プラットフォーム事業では、保有する不動産ビッグデータをもとに、新築マンション領域と中古マンション領域それぞれに特化したサービスを提供しています。新築マンション領域では、マンションデベロッパー向けに市場調査・分析システムの「サマリシリーズ」をサブスクリプション型で提供しており、安定的な収益確保に繋がっています。中古マンション領域では、マンション仲介業者向けに不動産販売の営業支援を行う「データダウンロードサービス」を従量課金型で提供しています。また、賃貸系データベースの強化も進め、新たなサービス展開も図っています。
デジタルマーケティング事業では、マンション販売における集客をWebマーケティングで支援しています。マンションの購買意欲が高いユーザーが集まるCGMサイトを活用した「CGM広告」は、反響の質の高さと送客力を強みとしています。その他、リスティング広告の運用や物件公式サイトの制作、アクセス解析なども手掛けており、顧客の集客活動を多角的にサポートしています。
同社は本邦以外の外部顧客への売上高がないため、海外比率はなく、為替リスクの影響は受けません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が前期から減少した一方で、当期純利益は増加しました。営業利益と経常利益は前期から減少する結果となっています。プラットフォーム事業における中古マンション領域での大型収益の反動減が売上高に影響を与えましたが、デジタルマーケティング事業は既存顧客の深耕やCGM広告の堅調な伸びにより増収となりました。また、投資有価証券の譲渡による売却益や新株予約権戻入益が特別利益として計上され、当期純利益の増加に寄与しました。
| 項目 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 売上高(千円) | 1,763,285 | 1,601,996 |
| 営業利益(千円) | 170,149 | 74,315 |
| 経常利益(千円) | 166,753 | 82,543 |
| 当期純利益(千円) | 126,504 | 162,305 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたりの売上高は、当期において27.2百万円となりました。前期の従業員数が不明なため比較はできませんが、この数値は同社の事業規模と従業員数から算出されたものです。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(単体) | - | 27.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、事業活動で得た資金を元手に、投資活動でも資金を獲得し、手元資金を増やしている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率やROE(自己資本利益率)といった指標から、その健全性や収益性を評価することが可能です。手元資金の状況は、不況時における事業継続の耐性を示す重要な要素となります。これらの財務状況は、従業員の雇用や給与の安定性にも影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は、本業の営業活動で資金を獲得しています。また、投資活動でも資金を獲得しており、これは主に投資有価証券の売却によるものです。財務活動においても資金を獲得している状況です。これらの資金の流れは、同社が事業活動で得た資金を元手に、投資活動でも資金を増やし、手元資金を充実させていることを示しています。この状況は、同社の雇用や給与の安定性、そして今後の成長性にとって好ましい基盤となっていると言えます。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 27百万円 |
| 投資CF | - | 1.4億円 |
| 財務CF | - | 8百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 1.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は不動産業界に特化した事業を展開しており、顧客が不動産業界に集中しているため、不動産業界全般の景気やシステム投資の状況が同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、デジタルマーケティング事業で取り組むインターネット広告の手法は日々進化しており、同社の取り扱う広告商品の相対的価値が低下するリスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は事業拡大に伴い、継続的な人材の確保と育成が必要であると認識しています。計画通りに人材の確保や育成が進まない場合、事業展開に支障が生じ、業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
マーキュリーは、「報恩」を合言葉に感謝の精神を大切にし、不動産IT革命を通じて人々の満足を創造することを目指しています。不動産ビッグデータとテクノロジーの力で、不動産の未来を動かすイノベーターとして、新たな価値創造に挑戦し続けている会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、「報恩」を合言葉に「喜びや成長の糧となる環境を人々から与えられている事に感謝し、不屈不撓の精神で価値ある未来の創造に挑戦し続ける」ことを経営理念としています。また、「不動産IT革命により不動産取引に関わる全ての人の満足を創造する」ことを事業理念に掲げています。
「Big Data × Technology で不動産の未来は私たちが動かす」というビジョンのもと、不動産ビッグデータとテクノロジーを活用し「不動産マーケティングプラットフォーマー」として不動産業界を支援しています。不動産業界に変化を起こすイノベーターを目指し、今後も新たな付加価値の創造に向けたチャレンジを続けていくとしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「報恩」を経営理念の合言葉とし、感謝の精神で価値ある未来の創造に挑戦し続けることを重視しています。サステナビリティに関する考え方として、不動産ビッグデータとテクノロジーを活用した不動産業界のデジタル化推進が、持続可能な社会につながると捉えています。
人的資本においては、多様な人材が活躍できる環境づくりに取り組み、人材の育成や働きやすい職場づくりに注力しています。資格取得のための全額補助や動画研修によるスキルアップ、フレックス制度やリモートワークを活用した環境整備を進めています。勤務時間のモニタリングによる長時間労働の防止、メンタルヘルスケア、安全衛生委員会の実施など、健康的な働き方を推進する様々な施策を実施しています。
リスク管理を重視し、「リスク管理規程」及び「リスク・コンプライアンス管理委員会規程」を定め、コンプライアンスを遵守したガバナンス体制を敷いています。また、内部通報制度を整備・運用し、通報者の秘密厳守や不利益取扱いの禁止を厳格に定めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、GA technologiesグループ全体との連携によるシナジー効果の最大化を優先的に対処すべき課題としています。また、顧客のニーズにフィットした新たなサービスの開発・提供を通じて、安定的な収益基盤を一層強化していくことを必須と考えています。
プラットフォーム事業においては、SaaS事業基盤の強化を図り、賃貸領域へのサービス拡張や既存プロダクトのサービス拡充、新規サービスの創出に積極的に取り組むとしています。デジタルマーケティング事業では、専属のプランニングチームを発足し、高品質な提案の平準化により増収増益を目指しています。
優秀な人材の確保によるシステム開発力の強化も重要な課題であり、システム開発要員の採用を積極的に実施し、開発基盤の構築及び開発組織の強化を進めています。半期毎の人事評価制度の運用改善や社内研修制度の見直し等により、従業員が主体的かつ柔軟に勤務できる魅力ある職場づくりを推進しています。福利厚生制度及びインセンティブの充実により、引き続き優秀な人材の確保及び育成に取り組むとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は監査等委員でない取締役と監査等委員である取締役で構成されています。これにより、経営の効率化と監督機能の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はGA technologiesであり、同社を支える主要な事業会社です。また、代表取締役社長CEOの陣隆浩氏が代表を務めるJINXも上位株主として名を連ねています。このように、事業会社と経営陣の関連会社が上位株主を占める資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| GA technologies | 53.34% |
| JINX | 11.84% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 5.38% |
| 森山 一郎 | 4.12% |
| 伊藤 修一 | 2.95% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長CEOは陣隆浩氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 陣 隆浩 | 代表取締役社長CEO | 1986年4月株式会社明和住販入社、2001年3月株式会社エクス代表取締役、2003年3月同社代表取締役社長CEOより現職。 |
| 大寺 利幸 | 代表取締役COO | 1998年4月株式会社デジタルウェア入社、1999年10月株式会社オフィス・キャスター(現 同社)入社、2025年5月同社代表取締役COOより現職。 |
社外取締役は、樺島弘明氏(エル・ティー・エス代表取締役社長執行役員)、伊藤修一氏(メディカル・コミュニケーションズ代表取締役会長・常勤監査等委員)、齊藤悟志氏(齊藤悟志公認会計士事務所代表・監査等委員)、呉田将史氏(呉田公認会計士事務所代表・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社を採用しており、取締役会の監督機能の強化とコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。社外取締役3名で構成される監査等委員会が取締役会の意思決定の妥当性を確認し、取締役の業務執行を監査することで、ガバナンス体制を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、持続的な成長と企業価値向上へのインセンティブとして、役員報酬の決定方針を定めています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬に加えて、業績連動報酬と非金銭報酬等(ストック・オプション)で構成されています。非業務執行取締役の報酬は、役割と独立性を考慮し、固定報酬と非金銭報酬等が付与される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 40百万円 | 13.5百万円 |
| 社外取締役 | 1名 | 4百万円 | 3.6百万円 |
なお、上記「ストック・オプション」は、当事業年度における費用計上額です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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