【平均年収559万円】JRC 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

【平均年収559万円】JRC 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

JRCは、屋外用ベルトコンベヤ部品の製造・販売、環境・エネルギー分野のプラント向けコンベヤ設備、ロボットSIソリューションをグループ各社とともに提供しています。連結従業員数は約470名で、直近の連結会計年度では増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社JRC の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


JRCグループは、屋外用ベルトコンベヤ部品の製造・販売、環境・エネルギー分野のプラント向けコンベヤ設備、そして製造業の自動化を支援するロボットSIソリューションを提供する企業です。社会課題の解決と発展に貢献する事業を展開しています。

単体従業員数は335名、連結従業員数は470名です。同社グループのセグメントはコンベヤ事業、環境プラント事業、ロボットSI事業の3つです。

主な国内グループ会社は、JRC C&M(環境プラント事業)、高橋汽罐工業(コンベヤ事業)などです。

JRCは2026年3月よりカンパニー制へ移行し、従来の事業区分をカンパニー区分に変更しました。高橋汽罐工業、JRC C&M、セイコーテックの3社を合併し、環境エネルギーカンパニーに再編しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


JRCは、コンベヤ事業、環境プラント事業、ロボットSI事業を展開しており、社会の基盤づくりに貢献するソリューションを提供しています。同社グループは、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境づくりに取り組んでいることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高いことから、従業員が長期にわたって安定して働き続ける傾向にあることが示されています。これは、経験豊富な人材が多数在籍し、組織の安定性につながっていると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 5,587,000円
平均勤続年数 10.5年
平均年齢 43.6歳
単体従業員数 335人
連結従業員数 470人
単体のグループ内比率 71.3%


同社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型の確定給付企業年金制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。この制度は同社の従業員を対象としており、連結子会社は非積立型の退職一時金制度を採用しています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、同社の退職給付債務は6.6億円、年金資産は7.5億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、「時代が直面する課題を解決し、社会発展の基盤づくりに貢献するソリューションを創造し続ける」という理念のもと、社員一人ひとりを「人財」として捉え、その価値を最大限に引き出すことを目指しています。現行の中期経営計画(2026年2月期~2028年2月期)では、「人的資本強化」を重点テーマに掲げています。

具体的には、従業員エンゲージメントの向上、採用戦略の強化および人材育成体系の整備、人事評価制度の再構築、社員のリスキリング施策の実施、キャリアサポート体制の確立という5つの重要施策を展開しています。多様な働き方の実現に向けた休暇制度の見直しや完全週休二日制への移行、複線型人事制度や業績連動型賞与の導入を計画しています。

また、公正・透明な評価プロセスの構築やハイブリッド型等級制度の導入、自己成長と会社業績に基づく賃金制度への改革を進めています。人材育成では、研修体系の整備やDX人材育成のための社内教育、女性・高年齢社員向けキャリアカウンセリングなどを実施し、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
女性管理職比率 0.0%
男性育児休業取得率 87.5%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 67.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 68.6%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 74.8%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社JRCは、コンベヤ事業、環境プラント事業、ロボットSI事業の3つの事業を展開し、社会の基盤づくりに貢献するソリューションを提供しています。各事業がそれぞれの分野で顧客の課題解決に取り組み、収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に屋外用ベルトコンベヤ部品の製造・販売、環境・エネルギー分野のプラント向けコンベヤおよび付帯設備の設計・製作・据付・メンテナンス、そして製造業におけるロボットによる自動化技術の提供を通じて事業を展開しています。国内市場が収益の大部分を占めていますが、海外市場、特に東南アジアでのブランド展開も進めています。

コンベヤ事業

コンベヤ事業では、製鉄所、建設・工事現場、セメント工場、鉱山、発電所といった大規模かつ過酷な環境で使用される屋外用ベルトコンベヤの部品(アイドラ、ローラ、プーリ、ベルトクリーナー等)の設計、製造、販売を行っています。これらの部品は、人では代替不可能な長距離・重量物搬送に不可欠であり、損耗が早いため定期的な交換需要があります。収益は、部品の設計、製造、販売から得ています。

環境プラント事業

環境プラント事業は、ごみ処理施設や水処理施設、バイオマス発電施設、火力発電所、原子力発電所関連施設など、環境・エネルギー分野の各種プラント向けに、コンベヤおよび付帯設備の設計・製作から据付、点検、メンテナンスまでを一貫して提供しています。公共性の高い案件を通じて、社会インフラの維持・発展に貢献しています。収益は、プラント向けコンベヤおよび付帯設備の設計、製作、据付、メンテナンスサービスから得ています。運営は、同社および株式会社JRC E&E、向井化工機株式会社が行っています。

ロボットSI事業

ロボットSI事業では、少子高齢化社会における製造業の人手不足という社会課題に対し、産業用ロボットや協働ロボットの導入・利活用による自動化技術を提供しています。顧客の現場課題を分析し、最適なロボットシステムの構築(ロボット、周辺設備、ビジョンセンサ等の選別、前後工程の見直し、人材教育を含む)を支援するシステムインテグレータとしての役割を担っています。収益は、ロボットシステムの導入提案、設計、組立、プログラミング、人材教育といったサービスから得ています。

セグメント 売上高(2025年2月期) 売上高(2026年2月期)
コンベヤ事業 79.2億円 102億円
環境プラント事業 21.5億円 21.4億円
ロボットSI事業 10.0億円 14.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5期にわたり一貫して増加傾向にあり、直近の連結会計年度では大幅な伸びを示しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に順調に推移しており、特に直近の連結会計年度では大きく増加しています。

項目 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2026年2月期
売上高 80.9億円 89.6億円 94.7億円 111億円 137億円
経常利益 8.4億円 12.7億円 12.7億円 14.0億円 19.0億円
経常利益率 10.4% 14.2% 13.4% 12.7% 13.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 5.5億円 8.3億円 8.5億円 10.8億円 14.2億円
1株当たり当期純利益(円) 43.21 65.84 67.14 87.89 111.64

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しており、生産性の向上がうかがえます。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に増加しており、従業員一人ひとりの稼ぐ力が向上している傾向が見られます。これは、事業活動の効率化や高付加価値化が進んでいることを示唆しています。

指標 2025年2月期 2026年2月期
従業員1人あたり売上高(連結) 24.1百万円 29.2百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 3.0百万円 4.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


株式会社JRCは、安定した財務基盤を築きながら、事業の成長に向けた投資も行っている状況がうかがえます。本業で着実に収益を上げ、将来への投資と資金の健全性を両立させていることが特徴です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は43.9%となっており、前期の35.2%から上昇しています。これはプライム市場の製造業平均(46.8%)に近い水準を示しています。

ROE(自己資本利益率)は27.2%で、前期の25.7%から増加しました。プライム市場平均(9.4%)と比較して高い水準を維持しています。

手元資金である現金及び預金は25.9億円を確保しており、前期の24.3億円から増加しています。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営基盤を維持し、事業活動を継続していく上での安心材料となります。

指標 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
純資産 46.1億円 58.4億円
自己資本比率 35.2% 43.9%
ROE(自己資本利益率) 25.7% 27.2%
現金及び預金 24.3億円 25.9億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは8.2億円の収入となりました。これは法人税等の支払があったものの、税金等調整前当期純利益を計上したことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは△1.1億円の支出となりました。有形固定資産の取得や子会社株式の取得による支出があった一方で、保険積立金の解約や有形固定資産の売却による収入も発生しています。

財務活動によるキャッシュ・フローは△5.6億円の支出となりました。長期借入金の返済や配当金の支払があったことが主な要因です。結果として、フリーキャッシュ・フローは7.1億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を行いながらも、余剰資金を生み出している状況を示しています。これは、同社グループが事業の成長と財務の健全性を両立させていることを示しており、安定した事業運営と将来への投資余力があることがうかがえます。

項目 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
営業CF 16.8億円 8.2億円
投資CF △11.5億円 △1.1億円
財務CF 5.1億円 △5.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 5.2億円 7.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

コンベヤ事業においては、外国企業等の参入による競争激化や、国内製造業の縮小、既存部品を必要としない技術革新による市場縮小が事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ロボットSI事業では、技術革新の速度が著しい業界であるため、急激な環境変化に適切に対応できない場合、事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、さらなる事業拡大と高付加価値サービスの提供のために、優秀な人材の確保及び育成が不可欠であると認識しています。高い技術力を持つエンジニアや技術営業担当者、プロジェクト推進人材が確保できない場合、事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


JRCグループは、創業以来の精神を受け継ぎながら、社会の課題解決と発展に貢献する「ソリューション企業」を目指しています。社員一人ひとりの価値を重視し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化している会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


JRCグループは、1961年の創業以来受け継がれてきた「社会発展の基盤づくりの精神(企業DNA)」を企業理念としています。
「ソリューションの創造」をミッションに、「世の中の不をなくす」をビジョンとして掲げ、「ソリューション企業」として事業を推進しています。
企業スローガンは「発見を、発展へ(Discovery to Development)」であり、現場から課題を発見し、ソリューションを通じてJRC、顧客、社会の発展に貢献する意思を表明しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


JRCグループは、多様なステークホルダーとの対話を通じて信頼関係を構築することを重視しています。
「発見を、発展へ」という企業スローガンが示すように、現場での課題発見とソリューション提供を通じて、顧客と社会の発展に貢献する姿勢を大切にしています。
同社グループは、社員一人ひとりを「人財」と捉え、その価値を最大限に引き出すことを通じて、企業価値と個人価値の両面向上を目指しています。
サステナビリティを経営上の重要課題と位置づけ、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値向上の両立を目指す基本方針を掲げています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


JRCグループは、持続的成長と中長期的な企業価値向上のため、サステナビリティへの取り組みを強化しています。
具体的には、コーポレート・ガバナンスの強化を図るとともに、人的資本経営や環境負荷低減、事業活動を通じた社会貢献など、ESGを含めた取り組みを推進しています。
人材を成長の根源と捉え、次世代を支える経営人材の育成や、専門性の高いプロフェッショナル人材の獲得に注力しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


JRCは、監査等委員会設置会社として、取締役会の監督機能と監視体制の強化を通じてコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。経営判断の迅速化と的確な業務執行を目指す体制です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


JRCの株主構成を見ると、筆頭株主は創業家が株式を保有する資産管理会社であるYSホールディングスです。また、代表取締役社長が株式を保有する資産管理会社であるエムワイエフも上位株主となっています。このように、同社は創業家や現経営陣に関連する資産管理会社によって支えられている資本構成です。

株主名 持株比率
YSホールディングス 20.60%
エムワイエフ 15.09%
日本カストディ銀行(信託口) 5.46%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


JRCの役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は浜口稔氏が務めています。社外取締役比率は22.2%です。

氏名 役職 主な経歴
浜口 稔 代表取締役社長 1987年浜口鉄工株式会社に入社後、1991年に同社に入社し、1996年取締役就任。2014年5月より代表取締役社長を務めています。
常川 陽介 取締役 2010年新日本有限責任監査法人に入所後、デロイトトーマツコンサルティング合同会社、インテグラル株式会社を経て、2024年同社に入社。2026年3月より取締役副社長兼CFO兼経営管理本部長兼戦略投資部部長を務めています。
佐藤 嘉宰 取締役 1994年同社に入社後、2014年4月執行役員営業本部長に就任。2024年5月取締役製造本部長を経て、2026年3月より取締役コンベヤカンパニーCEO兼製造本部長を務めています。
江副 義昭 取締役 1996年同社に入社後、2014年4月執行役員営業副本部長兼ソリューション推進部長に就任。2024年5月取締役営業統括責任者兼海外営業本部長を経て、2026年3月より取締役コンベヤカンパニーグローバルビジネス本部長を務めています。
増崎 信也 取締役 1992年芦森工業株式会社に入社後、2005年に同社に入社。2021年5月取締役管理本部長に就任し、2024年3月より取締役経営管理本部財務経理部長を務めています。


社外取締役は、沖野公秀氏(未来ヤタガラス合同会社代表社員)、引地健児氏(引地公認会計士事務所代表・監査等委員)、本田千尋氏(プログレ法律特許事務所・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社を採用しています。社外取締役は、経営全般への助言、財務・会計、企業法務・コンプライアンスの専門的見地から、業務執行の監督を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


JRCの役員報酬は、中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。基本報酬(金銭報酬)、業績連動報酬(金銭報酬)、株式報酬(非金銭報酬)の3つの要素で構成されています。



個人別報酬が開示されている役員は存在しません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。