※本記事は、株式会社フライヤー の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
フライヤーグループは「ヒラメキあふれる世界をつくる」をミッションに掲げ、「本の要約サービス flier」を運営しています。年間6,000冊以上発刊されるビジネス書から厳選された要約コンテンツを提供し、法人・個人向けにサブスクリプションモデルで展開しています。
単体従業員数は51名、連結従業員数は57名です。セグメントはエンタープライズ事業、コンシューマ事業、全社(共通)の3つです。
主な国内グループ会社は、メディアドゥ(電子書籍・流通事業)、AIStep(教育研修事業)などです。
当連結会計年度において、フライヤーグループはAI研修事業を展開するAIStepと、女性特化型Webデザインスクールを運営するZealoxを連結の範囲に含めました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
フライヤーは、書籍要約サービスを通じてビジネスパーソンの学びと成長を支援する企業です。従業員の平均年齢や勤続年数からは、比較的若く、活気のある組織であることがうかがえます。多様な人材の確保と育成を重視し、働きやすい環境づくりにも力を入れていることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が30代半ばであり、平均勤続年数は4年台となっています。これは、比較的若い人材が中心となって活躍し、キャリアを築いている傾向を示しています。単体従業員数が連結従業員数に占める割合も高く、グループの中核を担う存在であることがわかります。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,411,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.4年 |
| 平均年齢 | 35.6歳 |
| 単体従業員数 | 51人 |
| 連結従業員数 | 57人 |
| 単体のグループ内比率 | 89.5% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
フライヤーグループは、「ヒラメキあふれる世界をつくる」というミッションの実現に向けて、多様性のある人材の確保と育成を不可欠な要素と位置付けています。これは、事業成長を継続するための競争力の源泉であると考えています。
多様なバックグラウンド、能力、価値観を持った人材の採用に努めています。個人が持つポテンシャルを最大限に発揮できるよう、学びの機会や安心して働ける環境づくりにも力を入れています。
「バリュー」という行動指針を設定し、フラットなコミュニケーションが取れる環境を整えることで、多様な人材が組織内で活躍し、事業成長を推進する力を高めています。また、女性管理職の比率の維持・向上や、女性管理職候補の育成、働きやすい職場環境の整備といった継続的な取り組みにも注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。パート・有期労働者の賃金差異は、労働に従事した時間の差によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 47.0% |
| 男性育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 86.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 88.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 97.1% |
多様性・登用
提出会社のものを記載しております。目標数値をわずかに下回っておりますが、概ね目標水準に近い状況を維持しております。これは、性別に捉われず能力や実績に応じた適材適所の登用を優先した結果であり、今後も現状の極めて高い水準を維持しつつ、多様性をさらに推進するため、女性管理職候補の育成や働きやすい職場環境の整備等、継続的な取り組みに注力します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 47.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
フライヤーは「ヒラメキあふれる世界をつくる」をミッションに掲げ、ビジネスパーソンや組織の成長を支援するサービスを提供しています。主に本の要約サービスを通じて、知の活用と組織能力の向上を促すプラットフォームを築いています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、法人顧客向けの「エンタープライズ事業」と、個人顧客向けの「コンシューマ事業」の二つのセグメントを展開しています。エンタープライズ事業が同社グループの事業の中核を担っており、売上高の大部分を占めています。
エンタープライズ事業
企業における人材育成や福利厚生を目的とした従業員向けの法人事業が中心です。その他、インターネットカフェや公共図書館等の施設向け事業、法人向け研修事業、組織の人材投資に対する成果を見える化するスコアリングサービス「flier成長組織ナビ」も積極的に展開しています。収益は、提供アカウント数に応じた月額固定費を支払うSaaSのサブスクリプションモデルが中心です。
コンシューマ事業
個人向けの自己研鑽サービスとして、「本の要約サービス flier」を提供しています。読書好きが集まるオンライン読書コミュニティ「flier book labo」や、短期講座「flier book camp」も運営しています。また、動画コンテンツを配信する「flier公式チャンネル」も展開しています。子会社AIStep社によるAI研修事業「AIStep」や、子会社Zealox社による女性特化型Webデザインスクール「Find me !」もこのセグメントに含まれます。収益は、月額課金のサブスクリプションモデルが中心です。
同社グループの売上高は国内の外部顧客からのものが大部分を占めています。また、コンシューマ事業においては、GMOペイメントゲートウェイ株式会社への売上高が一定の割合を占める傾向があります。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| エンタープライズ事業 | - | 7.1億円 |
| コンシューマ事業 | - | 3.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、それ以前の連結経営指標は開示されていません。直近の業績では、売上高は一定の規模を計上しており、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も黒字となっています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 10.7億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 30百万円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 2.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 13百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 3.90 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は18.7百万円、従業員1人あたり営業利益は0.5百万円となっています。これは、同社グループの事業が効率的な収益構造を持っていることを示しています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 18.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 0.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
フライヤーは、事業成長のための投資を積極的に行っている段階にあります。現在の財務状況から、同社グループの安定性と今後の成長性について見ていきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本と手元資金の状況から確認できます。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して同程度の水準にあります。ROE(自己資本利益率)は、同社グループが効率的に利益を生み出しているかを示す指標です。手元資金の厚みは、不測の事態や事業投資への対応力を示しています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 2.3億円 | 3.1億円 |
| 自己資本比率 | - | 24.1% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 4.4% |
| 現金及び預金 | 4.3億円 | 4.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
フライヤーのキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動の3つの側面から資金の流れを示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは35百万円のプラスとなりました。これは主に、税金等調整前当期純利益によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△380百万円のマイナスとなっており、主に連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が要因です。財務活動によるキャッシュフローは398百万円のプラスで、子会社株式の取得に伴う長期借入金による収入や株式の発行による収入が主な要因となっています。
本業で得た資金を上回る投資を行っており、事業拡大に向けた積極的な投資フェーズにあることがうかがえます。このような資金の流れは、同社グループが将来の成長を見据えて事業基盤を強化している状況を示しています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 35百万円 |
| 投資CF | - | △380百万円 |
| 財務CF | - | 398百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △345百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、他社によるサービスの特徴の模倣や同種の機能で価格優位性に優れたサービスの登場により、競合優位性が薄れ、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、要約作成・配信にあたり出版社・著者からの事前許諾を得ており、関係性の継続拒絶や解除があった場合には、収益確保が困難になる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、有能な人材を確保できない、または人材を十分に活用できない等の理由により、事業の成長が阻害され、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
フライヤーは、知の流通と人材育成を通じて社会に貢献することを目指し、社員一人ひとりの成長と可能性を重視する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
フライヤーは、「ヒラメキあふれる世界をつくる」をミッションに掲げています。
そして、「あらゆる『人』と『組織』が成長し、可能性がひらかれるプロダクトをつくる」をビジョンとしています。
同社グループは、本の要約コンテンツや有識者による動画、インタビュー記事を集約したプラットフォームを運営しています。
M&Aを通じて事業領域を拡大し、生成AI等のオンラインスクール事業も展開しています。
事業成長とともに、知の流通という社会的価値の追求も重視しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
フライヤーは、採用、育成、カルチャー浸透に特に力を入れています。
行動指針であるバリューとして、「楽しむ」、「スピード」、「Self-starter」、「挑戦」、「Respect」、「三方良し」の6つを掲げています。
多様なバックグラウンドや能力、価値観を持つ人材の採用を重視し、個人のポテンシャルを最大限に発揮できる学びの機会と安心して働ける環境づくりに努めています。
フラットなコミュニケーションが取れる環境を整え、知に対するリスペクトを大切にする企業風土があります。
女性管理職比率の維持・向上にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、事業成長を実現するため、複数の課題に取り組んでいます。
サービスの付加価値創出では、既存の要約コンテンツと実践的なスキル習得支援を両立させ、多角的な人材育成プラットフォーム企業としての地位確立を目指しています。
サービス認知度向上のため、グループ全体の連携を深め、提供価値の多角化と成長加速に努めています。
優秀な人材の確保と定着も重要な課題であり、バリュー浸透による組織文化醸成と、多様な専門性を持つ人材が活躍できる環境整備、柔軟な働き方の推進を進めています。
また、コーポレート・ガバナンス機能の強化と連結管理体制の構築を通じて、グループ全体の透明性と経営効率の向上に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人を設置する監査役会設置会社です。経営の効率性と健全性を確保し、持続的な発展に有効な体制を整備しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるメディアドゥです。代表取締役CEOの大賀康史氏も上位株主として名を連ねています。特定の事業会社が過半数の株式を保有しており、同社の経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| メディアドゥ | 56.28% |
| 大賀 康史 | 5.46% |
| XTech2号投資事業有限責任組合 | 4.70% |
なお、上記大株主の状況に記載の大賀康史の所有株式数は本人が株式を保有する資産管理会社であるWINGSが保有する株式166,400株を含めた実質所有株式数を記載しております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役CEOは大賀康史氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大賀 康史 | 代表取締役CEO | 2003年アクセンチュア株式会社入社、2010年フロンティア・マネジメント株式会社入社。2013年6月より同社代表取締役CEO現職。 |
| 望月 剛 | 取締役CFO | 2005年中央青山監査法人入所、2010年Bain & Company Ltd.入社。レノボ・ジャパン合同会社、Qrio株式会社、株式会社ビズリーチを経て、2022年5月より同社取締役CFO現職。 |
社外取締役は、服部結花氏(インクルージョン・ジャパン代表取締役)、安田雅彦氏(We Are The People代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会は取締役4名(うち社外取締役2名)で構成されています。監査役会は監査役3名(うち社外監査役3名)で構成され、取締役の職務執行を監査する体制です。社外役員は、独立した立場から経営の健全性・透明性向上に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、株主総会で決議された総額に基づき、取締役会で個別に決定されます。業績連動報酬制度は採用していません。監査役の報酬は、株主総会で決議された総額に基づき、監査役会で個別に決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 43百万円 | 10.7百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 21百万円 | 7.1百万円 |
なお、同社では上記報酬の枠組み以外に、取締役に対して公正価格にて払込がなされる有償ストック・オプションを発行しており、これに係る費用を当事業年度に計上しています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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