※本記事は、中外鉱業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
中外鉱業グループは、貴金属事業、機械事業、コンテンツ事業を主たる業務としています。貴金属の生産・販売から中古機械の仕入販売、キャラクター商品の企画・製造・販売まで多岐にわたる事業を展開しています。
単体従業員数は150名、連結従業員数は163名です。セグメントは貴金属事業、機械事業、コンテンツ事業の3つです。
主な国内グループ会社は、インテックス(機械事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
中外鉱業は、貴金属事業を基幹とし、資源のリサイクルを通じて持続可能な社会に貢献することを目指しています。同社グループでは、従業員が長期的に活躍できる環境づくりに力を入れており、多様な人材の確保と育成、働きやすい職場環境の整備を重視しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が30代半ばであり、平均勤続年数は8年を超えています。これは、比較的若い世代が中心となって活躍しつつも、一定の定着傾向が見られることを示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,053,518円 |
| 平均勤続年数 | 8年1ヶ月 |
| 平均年齢 | 36.0歳 |
| 単体従業員数 | 150人 |
| 連結従業員数 | 163人 |
| 単体のグループ内比率 | 92.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
中外鉱業グループは、「輝きが持続する社会へ。」というビジョンのもと、「過去に培った技術およびノウハウの伝承」と「新しい分野への挑戦」をスローガンに掲げています。経営環境の変化を的確に捉える先見性を重視し、その原動力となるのは『人の力』であると認識しています。性別、国籍、中途採用者等に関わらず、経営理念や事業計画を実現できるかを総合的に勘案し、最適なポジションへ登用することを基本方針としています。
人材戦略としては、人材の確保・育成と環境整備を重点項目としています。人材の確保においては、新しい価値創造の観点から積極的な新卒・中途採用による多様な人材獲得に取り組んでいます。人材育成では、上司による指導・育成に加え定期的な研修を実施し、ノウハウの伝承体制構築を進めています。
報酬決定方針については、同社グループの事業課題に対する貢献度や職務内容、役割、成果に基づき公平に評価し処遇することを基本としています。総合職および地域総合職には調整型年俸制を導入しており、基本年俸と業績に連動する業績年俸で年俸総額を決定し、会社の業績と各従業員の成果に応じ支給額を決定しています。従業員のチャレンジ意欲の向上と経営意識の高揚を図りつつ、市場動向を踏まえた競争力のある給与水準の維持を目指しています。
環境整備においては、多様な人材が能力を最大限に発揮し、長期的に活躍し続けることができる職場環境の整備が重要であると考えています。従業員が長期的に働きやすい環境づくりに継続的に取り組み、職場環境の改善や有給休暇の取得推進、育児・介護休業制度等の必要な支援を拡充し、柔軟な働き方に対応する等整備を推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。賃金は性別に関係なく同一の基準を適用していますが、男女の人数分布が異なるため賃金の額の差異が生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 26.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 79.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 102.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 342.9% |
多様性・登用
| 指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
|---|---|---|
| 管理的地位ある労働者に占める女性労働者の割合 | 2030年3月までに30%程度 | 23.3% |
育児・介護支援
| 指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
|---|---|---|
| 男性労働者の育児休業等取得率 | 30%程度 | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
中外鉱業は、貴金属事業を主軸に、機械事業、コンテンツ事業を展開する企業グループです。多角的な事業を通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、貴金属、機械、コンテンツの3つの主要な事業セグメントで構成されています。貴金属市況の動向や設備投資需要、人気タイトルのグッズ販売状況などが、それぞれの事業の業績に影響を与えています。特に貴金属事業は、金相場の上昇基調とリサイクル原料の集荷量増加により、工場稼働率が高水準を維持し、好調に推移しました。
貴金属事業
貴金属事業では、貴金属・美術品・宝飾品の販売、金・銀・プラチナ・パラジウムなどの地金の生産・販売、含金銀非鉄金属の仕入販売などを行っています。収益は、これらの貴金属関連商品の取引から得ています。運営は、中外鉱業と同社子会社のJACK DIAMOND Co.,Ltd.が行っています。
機械事業
機械事業では、中古工作機械や鈑金機械などの仕入れと販売を行っています。収益は、これらの機械の売買から得ています。運営は、子会社のインテックスが行っています。
コンテンツ事業
コンテンツ事業では、玩具や遊戯用具の企画・設計・製造・販売、キャラクター商品の販売・卸業、企画・開発を行っています。収益は、キャラクターグッズなどの販売から得ています。運営は、中外鉱業が行っています。
その他事業
その他事業は、報告セグメントに含まれない不動産事業、投資事業、太陽光発電による売電収入、不動産賃貸収入などを含んでいます。
同社グループの売上高は、貴金属事業への集中度が高い傾向にあります。主要な顧客は三菱商事RtMジャパン、アサヒプリテック、株式会社佐藤金銀店であり、これら特定の顧客からの収益が貴金属事業の大部分を占めています。また、売上高の90%以上が日本国内の外部顧客からのものであるため、海外比率は低い状況です。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 貴金属事業 | 1,576億円 | 2,782億円 |
| コンテンツ事業 | 38.6億円 | 27.8億円 |
| 機械事業 | 7.9億円 | 7.4億円 |
| その他事業 | 68百万円 | 25百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績は、売上高が継続的に増加しており、特に直近の連結会計年度では大幅な伸びを示しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、変動はありつつも全体として増加傾向にあります。
直近の連結会計年度においては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期を上回る結果となりました。これは主に貴金属市況の上昇とリサイクル原料の集荷が堅調であったことが要因です。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 516億円 | 848億円 | 1,138億円 | 1,623億円 | 2,817億円 |
| 経常利益 | 5.1億円 | 6.5億円 | 2.5億円 | 12.4億円 | 22.9億円 |
| 経常利益率 | 1.0% | 0.8% | 0.2% | 0.8% | 0.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.5億円 | 4.0億円 | 2.2億円 | 12.2億円 | 15.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 37.88 | 27.64 | 15.17 | 84.57 | 105.14 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も同様に増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの事業活動が効率化され、従業員一人ひとりの貢献度が高まっていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 1,082.3百万円 | 1,728.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 9.5百万円 | 15.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
中外鉱業は、財務の安定性を示す指標において堅調な状況にあります。本業で得た資金を効率的に活用し、健全な財務基盤を維持していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROEの推移から安定していることが示されています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、強固な財務体質を構築しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を大きく上回っており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金である現金及び預金も増加しており、事業運営における資金の安定性が確保されています。これらの財務状況は、事業の継続性や将来的な成長投資の余力に繋がり、雇用や給与の安定性にも寄与すると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 81.8億円 | 93.7億円 |
| 自己資本比率 | 49.5% | 53.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 15.9% | 17.3% |
| 現金及び預金 | 41.4億円 | 63.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを成長投資に充てている状況を示しています。当期における営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益や棚卸資産の減少、仕入債務の増加などにより、前期から大きく増加しました。投資活動によるキャッシュフローは、主に有形固定資産の取得による支出が増加したことで、前期に引き続き資金を使用しています。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入れや長期借入れによる収入があった一方で、短期借入金の返済や配当金の支払いがあったため、前期から増加となりました。結果として、フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態です。この資金の流れは、事業の安定性と将来への投資余力を示しており、雇用や給与の安定性にも繋がるものと考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 8.4億円 | 26.0億円 |
| 投資CF | △5.4億円 | △10.6億円 |
| 財務CF | 5.6億円 | 6.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.0億円 | 15.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業構造・収益性に関するリスクとして、製品等の価格変動と法的規制が挙げられています。貴金属事業の製品や商品は国際市況や為替相場の影響を大きく受けるため、市場価格の変動が業績に影響を与える可能性があります。また、貴金属事業および不動産事業における関連法令の改正等により、新たな設備投資や費用負担が発生する可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
中外鉱業は、新しい価値の創造を通じて社会に貢献することを経営理念に掲げ、本業重視の経営と株主重視の経営を基本方針としています。各事業部の分社化とM&Aによる子会社を含めたホールディングカンパニー制を目指し、迅速な意思決定と機動的な業務執行を推進する組織です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」という経営理念を掲げています。経営方針としては「本業重視の経営」を掲げ、貴金属事業、機械事業、コンテンツ事業に経営の重心を置き、収益性を重視しています。
また、「株主重視の経営」として「常在戦場」の意識を徹底させ、会社の活性化と収益力の向上を目指しています。将来ビジョンとして、各事業部を分社化し、M&Aで買収する子会社を含めた全体を束ねるホールディングカンパニー制の確立を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「輝きが持続する社会へ。」というビジョンのもと、「過去に培った技術およびノウハウの伝承」と「新しい分野への挑戦」をスローガンとしています。経営理念の実現には『人の力』が原動力であると認識し、性別、国籍、中途採用者等に関わらず最適なポジションへの登用を基本方針としています。
日ごろの業務運営の指針として、以下の行動指針を定めています。(a)既成概念を打破し意識の変革を図ること、(b)情報を大切に迅速に行動すること、(c)常にお客様の立場を考え誠実な対応を心がけること、(d)常に効率性を考えコスト意識を持つこと、(e)環境の保全・調和に努め豊かな社会にすることです。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、先行き不透明な経営環境が継続すると予想される中で、「常在戦場」の意識を徹底させ会社の活性化を図ることを課題としています。収益力の向上と一般管理費の一層の削減を通じて、剰余金の配当額を生み出す収益体質の確立を目指しています。
サステナビリティに関する取り組みでは、貴金属資源の再生と循環利用を通じて地球環境に配慮し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。人的資本を重要テーマとし、多様な人材の確保・育成と、従業員が長期的に活躍できる職場環境の整備を重点項目としています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
中外鉱業は、取締役会と監査役会を設置する体制を採用しています。社外取締役と社外監査役を複数選任することで、経営に対する監視機能を強化していることが特徴です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社マイネンです。上位には複数の事業会社や有限会社が名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社マイネン | 6.32% |
| 株式会社フェンテ | 5.05% |
| 有限会社メティス | 4.70% |
| 株式会社プレサージュ | 4.24% |
| 有限会社ライデンシャフト | 4.16% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性12名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は西元丈夫氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 西元 丈夫 | 代表取締役 社長 | 1970年4月 東洋機工株式会社入社。1991年1月 同社入社、不動産事業部次長。2002年6月 同社常務取締役就任。2022年6月 同社代表取締役社長より現職。 |
| 佐々木 太志 | 取締役 | 1993年7月 同社入社。2013年12月 同社貴金属部部長。2014年6月 同社取締役 貴金属部部長より現職。 |
| 小原 淳史 | 取締役 | 1992年11月 株式会社インテックス入社。2002年8月 同社入社。2013年6月 同社取締役 総務部部長より現職。 |
| 田中 義朗 | 取締役 | 2004年11月 同社入社。2013年6月 同社取締役 財務部部長より現職。2016年6月 株式会社インテックス取締役より現職。 |
| 小林 寿嗣 | 取締役 | 2002年4月 株式会社インテックス入社。2018年2月 同社代表取締役より現職。2022年6月 同社取締役就任より現職。 |
| 菊政 克美 | 取締役 | 2016年7月 同社入社。2024年6月 同社取締役就任より現職。2026年4月 同社コンテンツ部部長より現職。 |
社外取締役は、内田雅敏氏(弁護士)、黒須克佳氏(弁護士)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役3名を選任しています。これにより、経営の意思決定を行う取締役会に対して、中立的な立場からの監査・監督が可能な体制を整備し、経営監視機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、金銭による月額固定制のみで構成されています。業績連動報酬や自社株取得目的報酬は支給されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 58百万円 | 9.7百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 15百万円 | 15.0百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 25百万円 | 4.2百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。取締役の報酬等の額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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