※本記事は、ニフティライフスタイル株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月12日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ニフティライフスタイルは、LIFE STYLE領域とWORK STYLE領域において、人々のより良い暮らしを支援する「行動支援サービス事業」を展開しています。同社グループは、ニフティライフスタイル、連結子会社のGiRAFFE&Co.、およびドアーズで構成されています。
ニフティライフスタイルの単体従業員数は90名、連結従業員数は119名です。事業セグメントは行動支援サービス事業の単一セグメントです。
主な国内グループ会社は、ノジマ(デジタル家電製品の販売)、ニフティ(インターネットサービスの提供)、ドアーズ、GiRAFFE&Co.などです。
2024年には株式会社ドアーズがグループに加わり、新たにコールセンター機能が追加されました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ニフティライフスタイルは、デジタル技術を活用したサービス提供を通じて、人々の暮らしを豊かにすることを目指しています。従業員の平均年齢や勤続年数から、比較的若く、活気のある組織であることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員が長期的に活躍できる環境づくりに注力しており、平均勤続年数や平均年齢から、一定の定着感とバランスの取れた年齢構成が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,442,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.7年 |
| 平均年齢 | 40.9歳 |
| 単体従業員数 | 90人 |
| 連結従業員数 | 119人 |
| 単体のグループ内比率 | 75.6% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の企業年金制度を採用しています。この制度は当社グループに適用されます。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「人」を持続可能な企業価値向上の源泉と位置づけ、パーパスの実現と中期経営計画「XPANSION 2030」の目標達成に向けた経営戦略と人事組織戦略を連携させています。人材育成方針と社内環境整備方針を軸に、採用・育成・制度・風土へ積極的に投資し、「個人の成長」と「組織の成長・活性化」の正の循環を創出することを目指しています。
報酬に関しては、人材の獲得・定着のための給与水準維持・向上に加え、事業成長と連動した透明性と競争力のある評価・報酬制度を運用しています。等級ごとに定められた期待役割の水準に基づき目標を設定し、実績だけでなく組織成長への貢献や個人の成長も評価することで、持続的に成長する人材育成と組織構築に取り組んでいます。
中期経営計画を牽引する人材像として、「Creation(変化を創る能力)」「Integration(統合思考)」「Collaboration(相乗効果でより大きな成果を生みだす共創力)」の3つのケイパビリティを定義しています。これらの人材育成と組織成長を図るため、「経営指針の浸透」「人事制度改定」「育成体制の整備」「コミュニケーション環境改善」の4つのアクション領域に注力しています。具体的には、全社会議やワークショップを通じた経営指針の浸透、役割・期待値・コンピテンシーに基づく評価基準の確立、新任管理職研修やスキルアップ支援補助制度の導入、1on1制度やフレックスタイム制度・時短勤務制度の導入などを行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ニフティライフスタイルは、LIFE STYLE領域とWORK STYLE領域において、人々の行動を支援するサービスを展開しています。テクノロジーと「思いやり」を組み合わせ、多様なニーズに応えるプラットフォームを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ニフティライフスタイルは、行動支援サービス事業を単一セグメントとして展開しています。この事業は、主にLIFE STYLE領域とWORK STYLE領域の二つのドメインで構成されています。
LIFE STYLE領域では、住まいとウェルネスのカテゴリーでサービスを提供しています。住まいカテゴリーの「ニフティ不動産」は、大手不動産ポータルの物件情報を一括検索できるプラットフォームです。また、子会社のドアーズが手掛ける「外壁塗装の窓口」は、ユーザーと外壁塗装業者を結ぶプラットフォームであり、リフォームサービスも積極的に展開しています。ウェルネスカテゴリーの「ニフティ温泉」は、全国の温浴施設情報を提供する総合プラットフォームであり、体験型広告サービスも提供しています。
WORK STYLE領域では、販売・マーケティング支援カテゴリーを展開しています。インターネット広告出稿を支援するSaaS型ツール「DFO」を提供し、50以上の提携広告媒体に対応しています。さらに、子会社のGiRAFFE&Co.は、テクニカルSEO支援を含むWEBマーケティングのコンサルティングサービスを提供しています。
同社グループの収益は、これらのプラットフォームサービスにおける送客や広告、SaaS利用料、コンサルティングサービスなどから得られています。特に、ニフティ不動産やニフティ温泉といったプラットフォームサービスは、長年の事業展開で培った信頼に基づき、国内最大級の掲載情報数とクライアント数を誇るユーザー基盤が強みとなっています。海外での売上高はなく、為替リスクの言及もありません。当連結会計年度においては、株式会社リクルートと株式会社LIFULLが主要な顧客となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向を示しています。特に当連結会計年度は、設立以来8期連続で過去最高値を更新しており、堅調な成長が続いています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 27.6億円 | 30.1億円 | 35.6億円 | 49.4億円 | 52.4億円 |
| 経常利益 | 9.1億円 | 5.7億円 | 9.4億円 | 10.0億円 | 12.0億円 |
| 経常利益率 | 33.1% | 19.0% | 26.3% | 20.1% | 22.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6.0億円 | 3.4億円 | 6.3億円 | 6.2億円 | 7.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 113.13 | 54.23 | 99.32 | 97.01 | 122.44 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から減少していますが、従業員1人あたり営業利益(連結)は増加しています。これは、売上高の伸びに対し、より効率的な利益創出が図られていることを示唆しています。組織全体の収益性が向上している傾向が見られます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 45.3百万円 | 44.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 9.2百万円 | 10.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ニフティライフスタイルは、堅実な事業活動によって資金を生み出し、財務基盤を安定させています。本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資も行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定しています。自己資本比率はプライム市場の平均と比較しても高い水準にあり、財務的な安全性が確保されている状況です。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金も十分に確保されており、不測の事態にも対応できる体制が整っています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 58.0億円 | 62.5億円 |
| 自己資本比率 | 82.3% | 83.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.2% | 13.0% |
| 現金及び預金 | 41.8億円 | 47.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは11.3億円のプラスとなりました。これは税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費、のれん償却額などによるものです。
投資活動によるキャッシュフローは△2.4億円のマイナスとなっています。本社オフィス移転に伴う有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が主な要因です。前期と比較すると投資活動による資金の使用は大幅に減少しています。
財務活動によるキャッシュフローは△3.5億円のマイナスです。配当金の支払いや自己株式の取得による支出が主な内訳となっています。結果として、フリーキャッシュフローは8.9億円のプラスとなり、本業で得た資金が投資を上回り、資金的な余力がある状態です。このキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資も行いつつ、資金繰りに無理がないことを示しており、雇用や給与の安定性にもつながると考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 9.6億円 | 11.3億円 |
| 投資CF | △15.3億円 | △2.4億円 |
| 財務CF | △1.9億円 | △3.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △5.7億円 | 8.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、不動産領域の「ニフティ不動産」への依存度が高い状況にあります。また、行動支援サービス事業において、当連結会計年度の販売高上位1社に対する売上高が37.9%を占めており、特定取引先への依存度が高い状況です。これらの依存度が高い領域や取引先の状況が悪化した場合、同社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは組織体制が小規模であり、事業拡大に応じた十分な人材の確保及び育成ができるかは不確実であると認識しています。また、人材流出の発生や、人材採用が困難となる可能性もリスクとして挙げられています。これらの状況が業務遂行に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ニフティライフスタイルは、「思いやりとテクノロジー」を軸に、人々の「幸せな暮らしの意思決定」を支えることを目指している会社です。変化の激しい時代において、持続的な成長と企業価値の向上を追求する文化があります。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「思いやりとテクノロジーで、一人ひとりの『幸せな暮らしの意思決定』を支え続ける。」というパーパスを掲げています。このパーパスのもと、より良い暮らしを目指す人々の行動を支援する「行動支援サービス事業」を展開しています。
また、2030年3月期に向けた新たなビジョンとして、「『人生100年時代の意思決定』を支える企業へ」を制定しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指し、サステナビリティ基本方針を掲げています。具体的には、「事業活動を通じた社会課題の解決」「人材の多様性の尊重と働きがいの向上」「公正かつ透明性の高い経営の実現」を重視しています。
中期経営計画「XPANSION 2030」を牽引する人材像として、以下の3つのケイパビリティを持つ自律的で目的志向の人材を定義しています。一つ目は、パーパスへの共感と目的志向を持ち、失敗を恐れず挑戦し続ける「Creation(変化を創る能力)」です。二つ目は、生成AI等のテクノロジーを活用し、創造・改善のアイデアを常に考え、結果にコミットする「Integration(統合思考)」です。三つ目は、自分事化して自律的に動き、仲間と共創して成果を生み出す「Collaboration(相乗効果でより大きな成果を生みだす共創力)」です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、少子高齢化や人生100年時代の到来、生成AIの進化といった外部環境の変化に対応するため、事業領域と提供価値の拡大を課題としています。特に、生成AIの想定以上の普及に対し、早急な対応が必要であると認識しています。
こうした状況を踏まえ、2027年3月期には「コアドメインの強化」と「経営共通基盤の整備」を重点テーマとしています。コアドメインの強化では、住まいカテゴリーにおいて「探す」から「相談する」への提供価値拡大、「お部屋探し支援」から「住まい全般支援」への領域拡大を目指しています。経営共通基盤の整備では、ID基盤整備とメンバーシップビジネスの開始、生成AI等のテクノロジーの活用加速、M&Aやアライアンスによる非連続的成長に取り組む方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ニフティライフスタイルは、中長期的な企業価値向上を目指し、コーポレートガバナンスの強化を経営の最重要課題の一つと位置付けています。経営の透明性・健全性の確保、迅速な意思決定体制の構築、およびコンプライアンスの徹底を重視した体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループは、親会社であるニフティが過半数の株式を保有しており、経営に強い影響力を持つ支配株主となっています。ニフティは株式会社ノジマの完全子会社であるため、株式会社ノジマも支配株主に該当します。同社グループは原則として支配株主との取引を行わない方針ですが、取引を検討する際には、少数株主の利益を損なわないよう、取締役会で合理性と妥当性を十分に検討しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ニフティ | 65.30% |
| 木下 圭一郎 | 3.00% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 1.60% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長兼社長執行役員は成田隆志氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 成田 隆志 | 代表取締役社長兼 社長執行役員 | 2002年10月にニフティ入社後、同社メディア事業部不動産マーケットプレイスサービス部長などを歴任。2018年4月に同社代表取締役社長に就任し、2019年7月より現職。 |
| 浅野 雄太 | 取締役兼 執行役員 | 2006年4月に三菱商事入社後、楽天IR部企画調査グループマネージャーなどを歴任。2022年6月に同社取締役兼執行役員経営管理部長に就任し、2025年10月より現職。 |
| 林 丈博 | 取締役 | 1997年4月にニフティ入社後、同社経営戦略室経営戦略推進部長などを歴任。2019年4月に同社取締役、2024年6月より現職。 |
| 桑畑 治彦 | 取締役 | 2008年5月にアドフレックス・コミュニケーションズ入社後、同社代表取締役などを歴任。2025年6月より同社取締役、現職。 |
社外取締役は、小川卓氏(HAPPY ANALYTICS 代表取締役社長・指名報酬委員会委員)、森泰一郎氏(森経営コンサルティング 代表取締役・指名報酬委員会委員長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による経営推進と監査役による監査機能を分離することで、互いの牽制機能を最大限に発揮し、経営の透明性を確保しています。社外取締役による外部の客観的視点の導入や、執行役員制度による執行と監督の分離を通じて、ステークホルダーの利益に資する経営体制を構築しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社グループの役員報酬は、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で決定されています。取締役(社外取締役を除く)に対しては、譲渡制限付株式の付与やストックオプションの割当ても行われており、これらは報酬枠とは別枠で決議されています。各取締役の個人別報酬額は、取締役会の決議に基づき、指名報酬委員会がその具体的内容の決定について委任を受けています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 29百万円 | 9.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.2百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 19百万円 | 4.8百万円 |
なお、取締役の金額には、使用人兼務取締役の使用人分は含まれておりません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。