ニフティライフスタイル 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ニフティライフスタイル 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証グロース上場。不動産・求人・温泉情報の検索プラットフォーム「ニフティ不動産」等を展開する行動支援サービス事業が主力です。直近の業績は、主力アプリの利用者増やソリューション事業の通期寄与により、売上高は前期比約22%増、経常利益も約14%増と増収増益を達成しています。


以下の記事は、提供されたcore_dataおよびHTMLデータ(有価証券報告書)のみに基づいて作成された企業分析記事です。

---

ニフティライフスタイル転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態


※本記事は、ニフティライフスタイル株式会社 の有価証券報告書(第5期、自 2021年4月1日 至 2022年3月31日、2022年6月17日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ニフティライフスタイルってどんな会社?


生活情報の一括検索サイト「ニフティ不動産」などを運営し、ユーザーの最適な選択と行動を支援する企業です。

(1) 会社概要


2018年、ニフティのWEBサービス事業の一部を承継し設立されました。同年4月に現在の社名へ変更して事業を開始し、2019年には不動産テック企業のTryellを子会社化しました。その後、親会社グループからデジタルマーケティング事業を譲受するなど業容を拡大し、2021年12月に東証マザーズ(現グロース)へ上場しました。

連結従業員数は62名、単体では59名です。筆頭株主は事業会社で親会社のニフティ(持株比率66.40%)であり、同社は家電量販店を展開するノジマの完全子会社です。第2位以降は信託銀行等の金融機関が名を連ねており、親会社グループとの連携を保ちつつ、上場企業として独立した経営を行っています。

氏名 持株比率
ニフティ 66.40%
日本カストディ銀行(信託口) 2.28%
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)常任代理人 三菱UFJ銀行 1.32%

(2) 経営陣


同社の役員は男性9名、女性2名(比率18.2%)の計11名で構成されています。代表取締役社長は成田隆志氏です。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
成田 隆志 代表取締役社長(兼)社長執行役員 2002年ニフティ入社。不動産サービス部長やWEB事業部長を経て、2018年同社代表取締役社長に就任。2019年より現職。
広田 朋美 取締役(兼)常務執行役員事業本部長 2007年ニフティ入社。同社ライフ事業部長、事業統括部長等を経て、2019年より現職。Tryell取締役を兼任。
松澤 尚樹 取締役(兼)執行役員人事総務部長 1994年ニフティ入社。同社レジャー事業部長、事業開発部長等を経て、2022年より現職。
浅野 雄太 取締役(兼)執行役員経営管理部長 三菱商事、楽天を経て、OLTA取締役CFOを経験。2022年同社入社、同年より現職。
野島 亮司 取締役 2008年ノジマ入社。同社代表執行役副社長、ニフティ代表取締役社長等を兼任。2021年より現職。


社外取締役は、小川卓(HAPPY ANALYTICS代表取締役社長)、森泰一郎(森経営コンサルティング代表取締役)、礒﨑実生(イーサップ経営研究所代表)です。

2. 事業内容


同社グループは、「行動支援サービス事業」を展開しています。

(1) 行動支援プラットフォームサービス


大手不動産ポータルサイトの物件情報をまとめて検索できる「ニフティ不動産」や、求人情報を一括検索できる「ニフティ求人」、温浴施設情報の「ニフティ温泉」などを提供しています。ユーザーは横断的な比較検討が可能となり、自分に合った情報を効率的に探すことができます。

収益は主に同社が得ており、各ポータルサイトや施設への送客(問合せ、応募、クーポン利用等)に応じた成果報酬型の課金収益が中心です。また、温浴施設における体験型広告などの広告宣伝収益も得ています。

(2) 行動支援ソリューションサービス


ECサイトや不動産事業者等の企業向けに、業務効率化やDXを支援するツールを提供しています。主なサービスには、WEB広告のデータ作成・入稿を自動化する「DFO」や、不動産物件のオンライン内見・接客を支援するシステム「オンライン内見」があります。

サービスの利用期間に応じた月額固定型の課金報酬を収益源としています。運営は、DFO事業を同社が、オンライン内見事業を子会社のTryellが主に担っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移

項目 2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
売上高 21億円 23億円 28億円
経常利益 7.0億円 8.0億円 9.1億円
利益率(%) 33.7% 35.5% 33.1%
当期利益(親会社所有者帰属) 5.1億円 5.1億円 6.0億円


直近3期間において、売上高・経常利益ともに順調な拡大傾向にあります。主力サービスのユーザー数増加や事業譲受による収益寄与などが成長を牽引しており、高い利益率を維持しながら増収増益を継続しています。

(2) 損益計算書


直近2期間の傾向として、売上高の増加に伴い、売上総利益および営業利益が拡大しています。利益率は依然として高水準を維持していますが、上場関連費用等の計上により、経常利益の伸び率は営業利益に比べてやや緩やかになっています。

項目 2021年3月期 2022年3月期
売上高 23億円 28億円
売上総利益 18億円 21億円
売上総利益率(%) 78.6% 77.2%
営業利益 8.0億円 9.4億円
営業利益率(%) 35.4% 33.9%


販売費及び一般管理費のうち、販売促進費が4.6億円(構成比38.2%)、給料手当及び賞与が3.3億円(同27.6%)を占めています。売上原価においては、クラウド利用料や外注費などが主な内訳となっています。

(3) セグメント収益


行動支援プラットフォームサービスは、主力アプリの利用者増や機能改善により送客数が伸長し、増収となりました。行動支援ソリューションサービスは、デジタルマーケティング事業の通期寄与などにより、大幅な増収を達成しています。

区分 売上(2021年3月期) 売上(2022年3月期)
行動支援プラットフォームサービス 21億円 24億円
行動支援ソリューションサービス 2.1億円 3.3億円
連結(合計) 23億円 28億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標

ニフティライフスタイルは、行動支援サービス事業を単一セグメントとして展開しています。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益やのれん償却額等によりプラスとなりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、ドアーズ社の株式取得等によりマイナスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等によりマイナスとなりました。

項目 2021年3月期 2022年3月期
営業CF 7.0億円 7.3億円
投資CF -4.1億円 -2.4億円
財務CF -0.7億円 23億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は「想像以上を、みつけよう。」をコーポレートメッセージとして掲げています。ライフスタイル領域において、テクノロジーを活用してユーザー一人ひとりの行動を支援するサービスを展開し、世の中の課題解決を実現することを目指しています。

(2) 企業文化


同社は、ユーザーや企業の「あったらいいな」をデジタルトランスフォーメーション(DX)で実現することを重視しています。ユーザーと企業のハブとなり、世の中の課題を解決するために、新たな価値創造や利便性の向上に積極的に取り組む姿勢を持っています。

(3) 経営計画・目標


同社は、高い成長性と企業価値の向上を経営上の重要課題としています。具体的には、成長性の指標として売上高を、企業価値向上の指標として営業利益を重視しています。また、事業ごとのKPIとして、プラットフォームサービスでは送客数、ソリューションサービスではクライアント数の拡大を目標に掲げています。

(4) 成長戦略と重点施策


主力事業の強化と新領域への展開を両軸に進める方針です。プラットフォーム事業では、アプリの利便性向上や広告宣伝によるユーザー獲得、提携先との連携強化を推進します。ソリューション事業では、ツール導入企業への集客支援などクロスセルを強化します。さらに、ECや結婚、子育て等の新たなライフスタイル領域への進出も検討しています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


事業拡大に向けて、優秀な人材の確保と育成による組織体制の強化を重要課題としています。同社の方針に合致する人材を採用するとともに、継続的な成長を支える人材を育成するため、採用活動の強化や育成の仕組み、人事制度の整備を進めていく方針です。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2022年3月期 37.0歳 1.9年 7,103,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 特定領域への依存


現在の売上高において、「ニフティ不動産」への依存度が高くなっています。同社は他のプラットフォームやソリューションサービスへの領域拡大を進め、リスク分散を図っていますが、不動産市場の変動や同サービスの収益性が悪化した場合には、全体の業績に影響を与える可能性があります。

(2) プラットフォームへの依存


集客においてGoogle等の検索エンジンやアプリストアへの依存度が高いため、これらプラットフォーム事業者の規約や検索アルゴリズムの変更がリスクとなります。検索順位の低下等により集客力が低下した場合、ユーザー数や収益の減少につながる可能性があります。

(3) 特定取引先への依存


売上高の一部が特定の販売先(リクルート等)に大きく依存しています。同社は新規取引先の開拓や事業の多様化を進めていますが、主要取引先との契約条件の変更や取引関係の終了が発生した場合には、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(4) 親会社との関係


親会社であるニフティおよびその親会社ノジマとの資本・人的関係があります。上場企業として独立性を確保していますが、親会社グループの方針変更や、ブランド商標の使用条件変更などが、同社の経営や事業運営に影響を与える可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。