※本記事は、三井松島ホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
三井松島ホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は45名、グループ連結従業員数は1,746名です。
同社グループは、連結子会社28社、非連結子会社7社および持分法適用関連会社1社で構成され、生活消費財、産業用製品、金融その他といった多岐にわたる事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、日本ストロー(生活消費財)、CST(産業用製品)、MM Investments(金融その他)などです。
同社グループは、2024年7月に株式会社エム・アール・エフを子会社化し、金融その他セグメントを強化しました。また、太陽光発電事業の譲渡や三井松島リソーシスの株式売却も行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
三井松島ホールディングスは、持株会社としてグループ全体の経営戦略を担っています。同社グループでは、年齢や性別にとらわれない実力主義に基づいた人材配置や、公正で納得性の高い評価・処遇の実現に取り組んでいます。従業員が活躍できる環境を広げ、働きがいのある会社を目指す方針です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が40代半ばであり、平均勤続年数は10年弱となっています。これは、一定の経験を積んだ人材が在籍し、比較的安定した環境でキャリアを築いている傾向を示しています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 10,964,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.5年 |
| 平均年齢 | 44.6歳 |
| 単体従業員数 | 45人 |
| 連結従業員数 | 1,746人 |
| 単体のグループ内比率 | 2.6% |
同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の制度を採用しています。これらの制度は、同社および連結子会社に適用されます。
退職一時金制度があり、退職給付として給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。
なお、確定給付制度における退職給付債務は18.5億円、年金資産は8.8億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、中期経営計画2030の達成に向けて、確かな技術力を持つニッチトップ企業のM&Aを推進し、当期純利益100億円以上を目標としています。この目標達成のため、年齢や性別にとらわれない実力主義に基づく適材適所の人材配置や、役割と成果・行動に基づく公正で納得性の高い評価・処遇の実現に取り組んでいます。
特に、M&Aの取組主体となる同社においては、プロフェッショナル人材のポテンシャルと即戦力の厳選採用を重視しています。採用後も、自己開発支援や副業・兼業といった自律的なキャリア形成支援を提供し、成果を踏まえた公正な評価と処遇を行っています。また、フレックスタイムや在宅勤務など、多様なライフイベントを支える柔軟な働き方を推進し、従業員満足度の向上と働きがいのある会社づくりを目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
三井松島ホールディングスは、持株会社として多岐にわたる事業を展開しています。生活消費財、産業用製品、金融その他という3つの報告セグメントを通じて、幅広い分野で収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、多角的な事業ポートフォリオを持つ持株会社です。各事業セグメントにおいて、それぞれ異なる製品やサービスを提供し、多様な顧客層に価値を提供しています。特定の大口顧客への売上集中は見られません。
生活消費財
このセグメントでは、伸縮ストローや事務用設備であるシュレッダーの製造販売、高品質ペットフードの輸入卸、住宅や家具向けのプラスチック製部材の企画・製造・販売、感熱レジロールの加工販売などを行っています。収益は、飲食用資材、事務用設備、ペット関連用品、住宅・家具向け部材、記録紙等の販売から得ています。運営は、日本ストロー、明光商会、T SECURE INTERNATIONAL CO.,LTD.、ケイエムテイ、システックキョーワ、THAI SYSTECH KYOWA CO.,LTD.、MOSが行っています。
産業用製品
このセグメントは、液晶パネルや有機EL、電子部品などに使われるマスクブランクスの製造販売、水晶デバイス用計測器や生産設備の製造販売、送変電用架線金具・配電用架線金具の製造販売、食料品加工機械の企画・設計・製造・販売、産業用ローラーチェーンやコンベヤチェーンの製造販売を担っています。収益は、半導体・電子部品関連製品、電力インフラ関連製品、食品加工機械、動力伝導用・搬送用チェーン等の販売から得ています。運営は、CST、三生電子、Saunders & Associates, LLC、日本カタン、プラスワンテクノ、ジャパン・チェーン・ホールディングス、ゼクサスチェン、杉山チエン製作所、MAXCO Chain, Ltd.が行っています。
金融その他
このセグメントでは、主に株式の投資、保有、運用管理及び売買を行っています。また、事業者向けの不動産担保融資や、歴史遺産「三井港倶楽部」の管理運営、不動産賃貸管理事業も展開しています。収益は、投資活動、融資事業、施設運営、不動産賃貸から得ています。運営は、MM Investments、エム・アール・エフ、港倶楽部オペレーションズ、同社が行っています。
同社グループの売上高は、日本が最も大きな割合を占めています。米国やその他の地域でも売上を上げており、国際的な事業展開も行っています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 産業用製品 | 296億円 | 333億円 |
| 生活消費財 | 268億円 | 271億円 |
| 金融その他 | 41.6億円 | 51.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期の業績を見ると、売上高は前期に減少したものの、当期は増加に転じています。経常利益も前期は減少しましたが、当期は増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期は増加しましたが、当期は減少しています。当期純利益の減少は、特別利益として太陽光発電事業の譲渡益や投資有価証券売却益を計上した一方で、特別損失として三井松島リソーシス株式会社の株式売却損や税金費用を計上したことなどが要因となっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 466億円 | 800億円 | 775億円 | 606億円 | 655億円 |
| 経常利益 | 86.0億円 | 359億円 | 260億円 | 84.5億円 | 99.4億円 |
| 経常利益率 | 18.4% | 44.9% | 33.6% | 13.9% | 15.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 54.0億円 | 230億円 | 151億円 | 86.5億円 | 67.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 82.96 | 353.60 | 241.85 | 150.03 | 148.30 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加する傾向を示しています。これらの指標の増加は、同社グループの事業規模拡大と効率性の向上が進んでいることを示しています。組織全体の生産性が高まる傾向にあると言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 34.8百万円 | 37.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.4百万円 | 5.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
三井松島ホールディングスグループの財務状況は、事業活動で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている状況を示しています。
これにより、同社グループがどのような財務基盤を持ち、資金をどのように活用しているかを確認できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
三井松島ホールディングスグループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から低下したものの、プライム市場の製造業平均と比較して同程度の水準を維持しています。
ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることを示しています。
手元資金である現金及び預金は前期から減少しており、資金の使途に注目が集まります。
これらの財務状況は、同社グループの事業活動の安定性や将来の成長性を見極める上で重要な要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 655億円 | 558億円 |
| 自己資本比率 | 55.5% | 43.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 13.4% | 11.1% |
| 現金及び預金 | 89.7億円 | 57.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
三井松島ホールディングスグループのキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは税金等調整前当期純利益の計上などにより収入となっています。
投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券や有形及び無形固定資産の取得による支出が主な要因となり、支出となっています。
財務活動によるキャッシュフローは、自己株式の取得による支出や配当金の支払額などにより支出となりました。
これらの結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況を示しています。
同社グループは事業の成長に向けた投資を積極的に行っている段階であり、将来の事業拡大が期待される一方で、資金の使途と効果を注視することが、入社後の安定性や成長性を判断する上で重要となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 45.7億円 | 57.5億円 |
| 投資CF | △119.2億円 | △68.4億円 |
| 財務CF | △102.1億円 | △22.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △73.4億円 | △10.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、子会社において上場株式への投資を行っており、株価の急激な下落が業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、原材料等の調達先を確保していますが、中東情勢の影響などにより調達に支障が生じたり、調達価格が上昇したりするリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
三井松島ホールディングスは、M&Aを通じて事業ポートフォリオを再構築し、日本のものづくりを未来へ繋ぐことを目指す企業グループです。持続可能な社会の実現にも貢献する経営を推進しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「人と社会の役に立つ」ことを経営の基本理念としています。この理念のもと、より豊かな活気ある社会づくりに向けた事業展開を行い、常に社会から必要とされる企業を目指しています。
また、新たに策定した「中期経営計画2030」では、「確かな技術力を持つニッチトップ企業のM&Aを推進し、日本のものづくりを100年先まで守り育てる企業グループ」を目指すことを基本方針として掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、確かな技術力を持つニッチトップ企業のM&Aを積極的に推進し、事業ポートフォリオの安定化を図ってきました。リスク管理規程に基づき、リスク管理委員会を定期的に開催し、気候変動に伴うリスクの抽出や対応方法について議論を重ねています。
この議論の内容は取締役会に報告されており、組織全体でリスク管理を推進する体制が構築されています。また、TCFD提言に沿った情報開示を進めることで、気候関連のリスクと機会に対する透明性の高いガバナンスを重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、サステナビリティに関する取り組みを経営の重要なテーマと位置づけています。特に、TCFD提言に沿った開示を進めることを方針としており、気候変動に伴うリスクと機会の特定、シナリオ分析、事業インパクトの評価、そして対応策の策定を戦略的に進めています。
リスク管理委員会において気候関連リスクの管理を行い、重要なリスクと判断した場合には温室効果ガス排出量の算定・開示も検討していく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
三井松島ホールディングスは監査等委員会設置会社であり、業務執行者に対する監査・監督機能の強化を通じてコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。取締役会は、経営に関する重要な業務執行事項を決定しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
三井松島ホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主は信託銀行である日本マスタートラスト信託銀行が務めています。その他、フォルティスやシティインデックスファーストといった法人が上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 10.50% |
| フォルティス | 9.29% |
| シティインデックスファースト | 5.00% |
なお、前事業年度末現在主要株主であった南青山不動産は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性5名・女性2名)で構成され、女性役員比率は29.0%です。代表取締役会長は串間新一郎氏、代表取締役社長は吉岡泰士氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 串間 新一郎 | 代表取締役会長 | 1975年4月三井銀行(現三井住友銀行)入行。同行国際企画部詰インドネシアさくら銀行副社長、同行鹿児島支店長を経て、2005年6月同社入社。2008年10月同社代表取締役社長社長執行役員、2014年6月より現職。 |
| 吉岡 泰士 | 代表取締役社長 | 1992年11月J.P.モルガン証券会社東京支店入社。プルデンシャル生命保険、デロイトトーマツFAS、GCAを経て、2013年7月同社入社。2020年6月より現職。 |
社外取締役は、脇山章太氏(北洋建設代表取締役社長)、金丸絢子氏(弁護士法人大江橋法律事務所パートナー)、荒木隆繁氏(元十八親和銀行代表取締役頭取・監査等委員)、満江由香氏(満江由香公認会計士事務所所長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が業務執行に対する監査・監督機能を強化しています。社外取締役は、専門的な知識と経験に基づき、公正かつ客観的な立場から経営の透明性向上に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
三井松島ホールディングスの役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、株式報酬の三つの要素で構成されています。報酬額の水準は、各職責や同社グループの業績、他企業との比較を考慮して設定されています。業績連動報酬は連結経常利益と連結当期純利益の実績に基づき決定され、株式報酬制度として株式給付信託(BBT)を導入しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 社外取締役(監査等委員を除く) | 3名 | 17百万円 | 5.7百万円 |
| 社外取締役(監査等委員) | 2名 | 36百万円 | 18.0百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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