【平均年収838万円】松井建設 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収838万円】松井建設 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

松井建設は、建設工事の請負事業と不動産事業を主要な事業内容としています。グループ各社とともに事業を展開しています。連結従業員数は771名です。直近の業績は減収増益となりました。


目次

※本記事は、松井建設株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


松井建設グループは、建設工事の請負事業と不動産事業を主要な事業内容としています。同社は建設工事全般の設計・監理も手掛け、グループ各社とともに事業を展開しています。

単体従業員数は742名、連結従業員数は771名です。同社グループの事業セグメントは、建設事業、不動産事業等の2つです。

主な国内グループ会社は、松友商事(不動産事業等)、松井リフォーム(建設事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


松井建設は、建設事業を主軸とする企業として、安定した事業基盤のもとで従業員の長期的なキャリア形成を支援する環境を提供しています。従業員の定着を重視し、多様な人材が能力を発揮できる職場づくりに注力している点が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の長期的な活躍を重視する傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、経験豊富な人材が長く働き続ける環境が整っていることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 8,377,425円
平均勤続年数 19.4年
平均年齢 44.0歳
単体従業員数 742人
連結従業員数 771人
単体のグループ内比率 96.2%


同社および連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型および非積立型の確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を採用しています。適用範囲は国内の当社および連結子会社です。退職一時金制度があり、退職給付として、給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。

なお、確定給付制度における退職給付債務は65.6億円、年金資産は90.8億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


松井建設は、人材を企業を支える屋台骨と位置付け、継続的な採用と定着率の向上を中期経営計画の重要な柱としています。社是「信用日本一」の実現に向け、時代の変化や経営課題に「当事者意識」を持って柔軟に対応できる人材の育成に注力しています。

同社では、全社員のスキルアップを施策として掲げ、様々な経験や教育を通じて当事者意識を醸成し、一人ひとりが持つスキルや知識・経験を最大限発揮できる環境整備を進めています。従業員の給与やその他給付は、能力や資格等級、職務によって決定され、公平な評価に基づき昇給・昇格・賞与に反映される仕組みです。また、安定した人材採用と経済情勢を踏まえ、適宜賃金改定を実施しています。

女性が活躍できる業務の拡大や、施工管理職を含む技術系女性の積極的な採用・活用を継続的に実施し、女性管理職候補者の育成にも努めています。従業員が労働環境の改善や生産性の向上、ワークライフバランスの充実を実感し、エンゲージメントの向上につながる働き方改革を推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。当社の賃金体系は職位および職階によって設定されており、性別による賃金格差はなく、同一職位・同一職種における男性、女性の賃金は同一です。男女での賃金における格差は、職位・職種ごとの人数分布に差があるため生じています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.0%
男性労働者の育児休業取得率 71.4%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 61.0%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 68.4%
労働者の男女の賃金の差異(契約社員) 77.8%

多様性・登用

指標 目標 実績(当事業年度)
技術系女性社員の採用 2026年3月までに8名 2名

育児・介護支援

指標 目標 実績(当事業年度)
看護休暇取得者の割合 2026年3月までに8% 31.2%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


松井建設は、建設工事の請負事業と不動産事業等を主要なビジネスとしています。同社グループは、これらの事業を通じて収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、建設事業を主軸とし、不動産事業等も展開しています。売上高の大部分を建設事業が占めており、事業構造の柱となっています。海外の外部顧客への売上高はなく、特定の主要な顧客に収益が集中している状況もありません。

建設事業

建築・土木その他建設工事全般の請負事業を行っています。収益は、これらの建設工事の請負から得ています。運営は、松井建設及び連結子会社の松井リフォームが行っています。松井建設は松井リフォームに建築工事の一部を発注し、連結子会社の松友商事から工事を受注しています。

不動産事業等

土地・建物の売買、賃貸住宅・貸事務所等の不動産事業、及び建設工事全般の設計・監理に関する事業等を行っています。収益は、土地・建物の売買及び賃貸から得ています。運営は、松井建設及び連結子会社の松友商事が行っています。関連会社のいなぎ文化センターサービスはPFI事業を営んでいます。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
建設事業 971億円 945億円
不動産事業等 21.5億円 15.7億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は直近の当連結会計年度で前期から減少しています。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度において前期から大幅に増加しました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 825億円 887億円 970億円 993億円 960億円
経常利益 27.8億円 27.0億円 7.7億円 38.4億円 62.3億円
経常利益率 3.4% 3.0% 0.8% 3.9% 6.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 17.9億円 17.0億円 11.6億円 27.3億円 43.5億円
1株当たり当期純利益(円) 58.93 57.50 39.85 94.32 151.87

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、当連結会計年度で前期から減少しています。しかし、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から大きく増加しました。これは、売上高が減少する中でも、完成工事総利益率の改善などにより、収益性が向上したことを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 130.3百万円 124.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.4百万円 7.3百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


松井建設グループは、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。本業で着実に資金を生み出し、投資活動も適切に行われている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率の高さと手元資金の厚みによって安定している状況です。自己資本比率はプライム市場の平均と比較しても高い水準にあり、不況時にも耐えうる体力を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、前期からは改善傾向にあります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 506億円 570億円
自己資本比率 62.6% 65.1%
ROE(自己資本利益率) 5.6% 8.1%
現金及び預金 135億円 170億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、財務活動で資金を減少させている状況です。営業活動によるキャッシュフローは前期に比べて増加しており、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少、未成工事受入金の増加が主な要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、資金の減少幅が拡大しています。

財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の返済や配当金の支払により、資金の減少幅が拡大しています。これらの結果、自由に使える資金を示すフリーキャッシュフローは前期に比べて増加しており、本業で得た資金を適切に運用していることがうかがえます。このような資金の流れは、同社グループの雇用や給与の安定性につながる基盤であると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 76.2億円 92.2億円
投資CF △1.8億円 △6.7億円
財務CF △30.7億円 △50.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 74.5億円 85.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、建設業における過当競争による受注価格競争が激化した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、建設資材の価格が高騰した際に、契約を締結した工事の請負金額に反映することが困難な場合にも、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


松井建設は、創業から長い歴史を持つ建設会社です。同社グループは、企業理念に基づき、社会貢献と質的成長を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは「人・仕事・会社を磨き続け、建設事業を通じて、社会に貢献する。」を企業理念としています。2025年度を初年度とする「中期経営計画〈2025-2027〉」を策定し、その中で『身の丈経営 質的成長』を経営の基本方針に掲げています。

創業450年に向けて「規模の拡大」ではなく「身の丈経営を徹底し、質的成長を遂げる」ことを目指しています。変化の波にただ身を任せるのではなく、自らの力で事業基盤の強化に取り組み、企業体質や上場企業として負うべき責任の質をさらに磨くことを目指す方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、内部環境として「質素・堅実・地道の社風」を認識しています。1586年創業の歴史と築き上げた信用、そして連綿と受け継がれてきた社寺建築の技術も同社グループの強みです。

従業員が会社の中長期的な企業価値の向上を支える重要な存在であるとの認識に立ち、多様な人材が最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に努めています。企業行動憲章では「あらゆる差別を行わず、等しく能力開発の機会、能力発揮の場を提供し、これを公正に評価、処遇すること」を定めています。働き甲斐のある環境を確保し、異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観を持つ人材の確保に努める方針です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループが優先的に対処すべき課題として、基幹システムの再構築に取り組んでいます。時間外労働規制への対応強化や選別受注へのシフトも重要なテーマです。

次世代経営職階の育成、GHG関連の情報開示要求への対応、自然災害リスクへの対応も課題として挙げています。サステナビリティの観点からは、気候変動リスクの回避・緩和に向けたCO2排出量削減やグリーン調達、事業継続計画(BCP)対策の強化などを推進しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


松井建設は、取締役会と監査役会を設置し、社外役員を登用することでガバナンス体制を強化しています。
経営の透明性と公正性を確保し、実効性の高い監督を実践することを目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


松井建設の筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)です。
光通信KK投資事業有限責任組合や松井建設取引先持株会、複数の金融機関が上位株主として名を連ねています。
松井建設従業員持株会や株式会社松井興産、公益財団法人松井角平記念財団といった関連団体も上位株主に含まれており、幅広いステークホルダーに支えられた資本構成となっています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 7.01%
光通信KK投資事業有限責任組合 6.55%
松井建設取引先持株会 4.58%
みずほ銀行 4.57%
北陸銀行 4.57%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は12名(男性10名・女性2名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長執行役員社長は松井角平氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
松井 角平 取締役社長(代表取締役)執行役員社長 1989年1月 同社に入社、1992年6月 同社取締役、2006年6月 同社代表取締役執行役員社長より現職。
片山 剛 取締役専務執行役員営業本部長 2013年7月 株式会社みずほ銀行執行役員公務第一部長、2018年6月 同社取締役、2024年6月 同社専務執行役員営業本部長より現職。
金子 勇 取締役常務執行役員東京支店長 1981年4月 同社入社、2017年4月 同社執行役員東北支店長、2024年6月 同社取締役より現職。
堀 博之 取締役執行役員管理本部長・兼コンプライアンス推進室担当 1981年4月 同社入社、2020年6月 同社取締役、2025年4月 同社執行役員管理本部長兼コンプライアンス推進室担当より現職。
鈴木 博光 取締役執行役員経営本部長 1982年4月 同社入社、2020年6月 同社取締役、2025年4月 同社執行役員経営本部長より現職。
長谷川 浩市 取締役執行役員DX推進部担当・兼営業本部営業担当 2016年6月 株式会社北陸銀行高岡支店長、2020年6月 同社取締役、2022年4月 同社執行役員DX推進部担当兼営業本部営業担当より現職。


社外取締役は、鈴木裕子氏(東京リード法律事務所弁護士)、森田裕三氏(正和商事相談役)、藤野秀吉氏(藤野秀吉税理士事務所税理士)です。

松井建設は監査役会設置会社であり、社外取締役3名と社外監査役2名を選任しています。社外役員は独立した立場から経営の監視機能を強化し、コーポレート・ガバナンスの実効性確保に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


取締役の報酬は、固定報酬と業績連動報酬で構成されています。
業績連動部分は、会社の業績や従業員の給与水準、個人の定性的な業績評価を勘案して算定されます。
社外取締役および監査役の報酬は固定報酬に一本化されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 1.5億円 24.3百万円
監査役(社外除く) 1名 11百万円 11.0百万円
社外役員 5名 24百万円 4.8百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。