【平均年収945万円】錢高組 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収945万円】錢高組 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

錢高組は、建設事業と不動産事業を主軸に、グループ各社とともに事業を展開しています。約880名の従業員を擁し、直近の連結会計年度では売上高、利益ともに増加となりました。


目次

※本記事は、株式会社錢高組 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


錢高組グループは、建設事業と不動産事業を主軸に事業を展開しています。総合建設業を営む錢高組を中心に、グループ各社が不動産の売買、賃貸、仲介、管理などを手掛けています。

単体従業員数は880名、連結従業員数は885名です。同社グループの事業セグメントは建設事業と不動産事業の2つです。

主な国内グループ会社は、五番町ビル(不動産事業)、京町堀地所(同)、ゼニタカ地所(同)、泉地所(同)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


錢高組は、建設事業を主軸とする企業として、安定した事業基盤を持つ会社です。従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると考えられます。専門性を高めながら、腰を据えて働きたいと考える方にとって、魅力的な職場となるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も高めであることから、人材が定着し、経験豊富な社員が多数活躍している傾向がうかがえます。これは、長期的な視点でのキャリア形成が可能な環境であることを示しています。

項目 数値
平均年間給与 9,453,434円
平均勤続年数 13.9年
平均年齢 40.0歳
単体従業員数 880人
連結従業員数 885人
単体のグループ内比率 99.4%


退職給付制度

同社および連結子会社は、確定給付型の制度として退職一時金制度を設けています。確定給付型とは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。

ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は22.3億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「社是」「経営理念」に基づき、顧客満足の獲得と収益力強化による企業価値向上を実現するため、人材確保と育成に注力しています。安定した新卒採用に加え、積極的なキャリア採用も実施し、優秀な人材の確保を図っています。

従業員の給与決定においては、初任給および既存社員の給与引上げを実施し、モチベーション向上と優秀な人材の育成・確保を目指しています。年功的な運用に依拠せず、年齢・性別・国籍にかかわらず、目標達成に向けた挑戦や改善への取組姿勢、成果創出に至るまでのプロセスを含めて適正に評価する方針です。これにより、自律的に行動し組織の成長に貢献する人材が、適切に評価・昇給・昇格される制度運用を目指しています。

また、人材育成の方針として、「企業は人であり、構成する一人ひとりの人物こそが企業存続発展の原動力である」という認識のもと、中長期的な企業価値向上に向けた取り組みを進めています。次代の主力となる中堅・若年層を対象とした教育や、組織運営におけるマネジメント力の強化に注力しています。社員が日々安心して働けるよう、女性活躍推進法に関する取り組みやワークライフバランスの推進にも力を入れており、「女性技術者採用の積極的展開」や「育児休業取得促進」を通じて、育児休業制度を活用する社員は増加傾向にあります。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
女性管理職比率 1.5%
男性育児休業取得率 75.0%
男女賃金差異(全労働者) 56.4%
男女賃金差異(正規雇用) 60.4%
男女賃金差異(非正規雇用) 47.9%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


錢高組グループは、建設事業と不動産事業を主な事業内容としています。同社グループは、本社で国内外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。

建設事業

建設事業では、土木・建築その他建設工事全般に関する事業を行っています。収益は、顧客との工事請負契約に基づく完成工事高から得ています。当連結会計年度の売上高は前連結会計年度から増加しています。主要な顧客としては、三井不動産株式会社などがあります。

不動産事業

不動産事業では、不動産の売買、賃貸、仲介並びに管理等に関する事業を行っています。収益は、不動産の売買や賃貸収入などから得ています。当連結会計年度の売上高は前連結会計年度から増加しています。

同社グループの事業は主に日本国内の外部顧客への売上高が大部分を占めており、国内市場に重点を置いた事業展開となっています。特定の顧客への売上高集中も見られますが、複数の主要顧客との取引があります。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
建設事業 1,182億円 1,228億円
不動産事業 24.6億円 26.9億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


錢高組グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は全体として増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、一時的な変動はあったものの、長期的に見て増加の方向を示しています。特に直近の連結会計年度では、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前連結会計年度から増加しました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 1,019億円 1,076億円 1,210億円 1,207億円 1,255億円
経常利益 34.2億円 28.7億円 49.9億円 51.0億円 64.1億円
経常利益率 3.4% 2.7% 4.1% 4.2% 5.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 18.1億円 22.4億円 27.4億円 35.0億円 42.5億円
1株当たり当期純利益(円) 253.00 313.55 382.28 489.39 594.01

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


錢高組グループの従業員1人あたりの売上高は、前連結会計年度から当連結会計年度にかけて増加しました。また、従業員1人あたりの営業利益も同様に増加しており、同社グループ全体の生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、効率的な事業運営と収益体質の強化を示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 133.0百万円 141.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.1百万円 5.3百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


株式会社錢高組の経営の安定性について、財務基盤、資金の流れ、事業リスクの観点から見ていきます。同社グループの財務状況や事業活動におけるリスク要因を把握することで、安心して働ける環境であるかを確認できます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した経営基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、手元資金である現金及び預金は増加傾向にあり、不況時への耐性も備えていると言えます。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にも影響を与える要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 969億円 1,152億円
自己資本比率 46.8% 53.0%
ROE(自己資本利益率) 3.7% 4.0%
現金及び預金 125億円 254億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、売上債権の減少等により188億円の収入超過となりました。これは前期の支出超過から大きく改善しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出等により13.4億円の支出超過となりました。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の減少等により44.8億円の支出超過となっています。結果として、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは174億円のプラスであり、本業で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金を生み出している状況です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示しており、雇用や給与の安定性にも寄与すると考えられます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △77.3億円 188億円
投資CF △26百万円 △13.4億円
財務CF 26.6億円 △44.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △77.5億円 174億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、国内外の景気後退による建設市場の急激な縮小が経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、海外での工事においては、為替レートの変動や法令・税制の変更、テロ・紛争による政治・経済状況の急激な変動が経営成績に影響を与えるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、技能労働者不足による労務費の急激な上昇が工事利益の減少や工期延伸に影響を及ぼす可能性があると認識しています。予想を上回る高騰を請負金に反映できない場合、経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


錢高組グループは、創業以来の社是と経営理念に基づき、社会から信頼され、必要とされる企業として持続的な発展を目指しています。顧客満足と組織力の強化を重視し、すべてのステークホルダーからの期待に応える企業風土を醸成しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


錢高組グループは、「信用第一」「堅実経営」「積極的精神」「和親協同」を社是として掲げています。経営理念としては、「社会から認められ社会から求められる企業として永遠に発展する」こと、「進取の精神を発揮し地球規模企業として世界に躍進する」こと、「人材を育成し自己の向上をすすめ活力ある企業として繁栄する」ことを目指しています。同社グループは、顧客満足の獲得と組織力・財務体質の強化を通じて企業価値を継続的に向上させ、すべてのステークホルダーからの信頼と期待に応えられる企業を目指す方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


錢高組グループは、国内外のマーケット解析を徹底し、技術提案力や価格競争力の向上、生産性向上に繋がる工法の積極的な導入、技術開発と実用化に取り組むことを行動指針としています。顧客満足に応えるため、営業からアフターフォローまで総力を結集した生産システムの構築に努めています。また、リスクマネジメントを強化し、内部統制システムの構築を通じて企業の信用・信頼の確保を目指しています。法令順守に関する教育やコンプライアンス研修を定期的に実施し、高い倫理観のもとで企業の社会的責任を果たす経営を実践しています。環境保全や労働災害防止にも積極的に取り組む方針です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


錢高組グループは、多様化する国内外の市場や顧客ニーズを先取りした企画提案や技術提案、環境への取り組みを推進することを経営課題としています。営業からアフターフォローに至る各分野の能力を一層高め、総力を結集した生産システムの構築に取り組む方針です。また、人財育成、コンプライアンスの徹底、内部統制システムの継続的改善を重視した経営を実践し、企業価値の向上に努めています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


錢高組グループのコーポレート・ガバナンスは、「社是」「経営理念」に基づき、顧客満足と収益力強化による企業価値向上を目指しています。経営上の組織体制や仕組みを常に点検整備し、全役員と全社員が高い倫理観に基づいたコンプライアンス経営を実践しています。企業統治においては、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人の設置に加え、ガバナンス諮問委員会や業務監察部を設けています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


錢高組の株主構成を見ると、泉株式会社と大泉商事株式会社が上位を占めており、特定のグループが主要な株主となっていることがうかがえます。

株主名 持株比率
泉 35.46%
大泉商事 13.01%
三菱UFJ銀行 4.99%
BNYMSANV RE BNYMIL RE WS ZENNOR JAPAN EQUITY INCOME FUND 3.59%
三井住友銀行 2.79%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性11名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長の銭高善雄氏と代表取締役社長の銭高久善氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
銭高 善雄 代表取締役 会長 1967年9月同社入社、1980年7月同社代表取締役社長、1988年6月同社代表取締役会長より現職。
銭高 久善 代表取締役 社長 社長役員 2000年4月同社入社、2001年6月同社取締役、2016年6月同社代表取締役社長より現職。
銭高 丈善 取締役 専務役員 総合支援本部長 2008年4月同社入社、2016年6月同社取締役、2019年6月同社専務役員、2020年3月同社総合支援本部長より現職。
近藤 修 取締役 専務役員 事業統轄本部 建築事業本部長 1980年4月同社入社、2025年6月同社取締役より現職。
田中 好秀 取締役 常務役員 事業統轄本部 土木事業本部長 1993年3月同社入社、2020年3月同社事業統轄本部土木事業本部長、2025年6月同社取締役より現職。


社外取締役は、田尻邦夫氏(株式会社オリエンタルランド取締役)、池田全德氏(株式会社りそな銀行取締役(監査等委員))です。

同社は監査役会設置会社であり、独立性の高い社外取締役および社外監査役による客観的かつ中立的な監視・監督を通じて、ガバナンスの確保を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の取締役の報酬は、基本報酬と退職慰労金で構成されています。基本報酬は月例の固定金銭報酬であり、役位や職責、在任年数、他社水準、従業員給与水準を総合的に考慮して決定されます。社外取締役の基本報酬は、独立性の観点から職責と他社水準を考慮して決定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 2.0億円 33.0百万円
監査役(社外除く) 3名 22百万円 7.3百万円
社外役員 5名 40百万円 8.0百万円


なお、退職慰労金については、当期繰入額であります。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。