【平均年収845万円】中電工 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収845万円】中電工 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

中電工は、屋内電気工事や空調管工事などの設備工事業を主軸に、グループ各社とともに多岐にわたる事業を展開しています。多数の従業員を擁し、直近期は売上高が増加し、経常利益も大きく伸長しましたが、純利益は一時的な要因により減少となりました。


目次

※本記事は、株式会社中電工 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


中電工グループは、屋内電気工事、空調管工事、情報通信工事、配電線工事、送変電地中線工事といった設備工事業を主軸に展開しています。電気機器・工事材料の販売・製造、保険代理、リース、農業関連、PFI、太陽光発電、再生可能エネルギー投資など多岐にわたる事業を手掛けています。

単体従業員数は3,465名、連結従業員数は4,697名です。事業セグメントは設備工事業とその他の事業の2つです。

主な国内グループ会社は、三親電材(電気機器・工事材料の販売)、中工開発(保険代理・リース等)、イーペック広島(電気・空調管工事等の設計・積算)、中電工テクノ(配電線工事の施工)などです。

前期には持分法適用会社の解散があり、これに伴う法人税等減少の反動が当期の親会社株主に帰属する当期純利益に影響を与えました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


中電工は、社会インフラを支える設備工事業を主軸とする企業グループです。安定した事業基盤のもと、従業員の長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると考えられます。

同社グループでは、人材を企業価値の源泉と位置づけ、多様な働き方を実現するための人的資本経営を推進しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


中電工では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い傾向にあります。これは、長期にわたってキャリアを築きやすい環境があることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 8,451,000円
平均勤続年数 18.8年
平均年齢 40.2歳
単体従業員数 3,465人
連結従業員数 4,697人
単体のグループ内比率 73.8%


中電工の退職給付制度は、確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

この制度は提出会社を対象としています。退職一時金制度も設けられており、ポイントに基づいて一時金が支給されます。ただし支給条件や金額の算定方法の詳細は、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、退職給付債務は289億円、年金資産は294億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


中電工は「人」を企業価値の源泉と位置づけ、最も重要な財産であるとの認識のもと、採用から育成まで体系的に取り組んでいます。多様な個性や価値観を持った人材が共通の目標に向かって連携し、新しい価値の創造に向けて主体的にチャレンジできる職場環境・育成環境の整備に努めています。

同社の人材戦略は、「人材育成方針」に基づく「要員計画」や「人材開発研修計画」の策定と実行、「社内環境整備方針」に基づく働き方改革や女性活躍推進等の委員会活動、安全・健康の取り組み、各種制度の充実など多岐にわたります。労働集約型企業として、人的資本に対する投資を複合的に機能させることで、求める人材像の具現化を目指しています。

「人材育成方針」では、「求める人材像」の具現化に向け、良識ある社会人・企業人たるために必要な教育から高度専門スキルの習得まで、OJTとOFF-JTを効果的に組み合わせながら計画的な人材育成に取り組んでいます。「社内環境整備方針」では、安全や健康の確保とコンプライアンスの徹底に加え、働き方改革やダイバーシティの推進に努め、従業員一人ひとりが誇りと歓びを持って働ける職場環境づくりに取り組んでいます。

中期経営計画2027の推進と持続的な成長サイクル確立のため、従業員一人ひとりのスキルアップとエンゲージメント向上が不可欠であると考えています。創出した付加価値を賃上げや福利厚生の拡充などの人的資本に積極的かつ効果的に投資する施策を実施し、総合的な処遇改善、人材の確保、エンゲージメントの向上を図ることで、中長期的な企業価値の向上を目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のデータを示しています。男性労働者の育児休業取得率には育児目的休暇を含めて算出されています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.4%
男性労働者の育児休業取得率 86.7%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 81.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 82.3%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 68.9%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ ㈱昭和コーポレーション

指標 数値
男性労働者の育児休業取得率 40.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 64.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 68.6%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 44.3%

多様性・登用

指標 目標年度 目標 実績年度 実績
定期採用数 2026年度入社 170人程度 2026年度入社 182人
定期採用数における女性比率 2026年度入社 5.0%以上、うち技術職2.0%以上 2026年度入社 10.4%、うち技術職7.7%
管理職に占める女性比率 2029年度 3.0%(2024年度比1.5倍以上) 2025年度 2.4%(2024年度比1.2倍)

育児・介護支援

指標 目標年度 目標 実績年度 実績
男性社員の育児休業取得率 2029年度 70.0%以上 2025年度 86.7%
男性社員の育児休業平均取得期間 2029年度 1か月以上 2025年度 35日

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


中電工グループは、設備工事業を主軸に、電気機器・工事材料の販売、製造、保険代理、賃貸など多岐にわたる事業を展開しています。同社グループの収益は主に工事契約から得られており、事業環境の変化に対応しながら営業力や施工力の強化、生産性向上に努めています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に「設備工事業」と「その他の事業セグメント」の二つの事業を展開しています。売上高は、屋内電気工事や配電線工事などの増加により、前期に比べ増加しました。一方で、情報通信工事は減少しています。

設備工事業

設備工事業は、同社グループの主要な事業セグメントです。屋内電気工事、空調管工事、情報通信工事、配電線工事、送変電地中線工事、その他設備工事全般に関する事業を行っています。
収益は、これらの各種設備工事の請負から得ています。同社グループの主要な顧客として、中国電力グループからの売上高が大きな割合を占めています。

その他の事業セグメント

その他の事業セグメントは、電気機器・工事材料の販売、工事材料の製造・販売、保険代理、賃貸などを含んでいます。
収益は、これらの製品販売やサービス提供から得ています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
設備工事業 1,981億円 2,044億円
その他の事業セグメント 238億円 234億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は全体として増加傾向にあります。経常利益も変動はあったものの、直近の期間では大きく伸長しています。

親会社株主に帰属する当期純利益も同様に推移していますが、直近の期間では前期の法人税等減少の反動により減少となりました。これは、売上高の増加や原価管理の徹底、施工の効率化、コスト低減の推進により営業利益と経常利益が増加した中で、一時的な要因によるものです。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 1,907億円 1,890億円 2,010億円 2,219億円 2,278億円
経常利益 120億円 △19.1億円 127億円 234億円 275億円
経常利益率 6.3% △1.0% 6.3% 10.6% 12.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 66.8億円 △69.1億円 79.4億円 199億円 185億円
1株当たり当期純利益(円) 120.98 △125.62 145.37 366.88 341.97

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、直近の期間で前期から増加しています。これは、事業規模の拡大と効率的な運営が進んでいることを示しています。

また、従業員1人あたり営業利益も前期に比べて増加しており、組織全体の生産性や収益を創出する力が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質の強化に繋がるものです。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 48.1百万円 48.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.7百万円 5.6百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


株式会社中電工は、堅実な財務基盤を維持しており、本業で安定した資金を創出しています。事業活動で得た資金を投資に充てながらも、手元に十分な資金を残す経営状況を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループは、高い自己資本比率を維持しており、強固な財務基盤を示しています。これは、外部環境の変化に対する耐性が高く、安定した事業運営に繋がる要素です。
ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっていますが、手元資金である現金及び預金は増加傾向にあります。これらの財務状況は、長期的な視点での雇用や給与の安定性にも寄与すると考えられます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 2,296億円 2,478億円
自己資本比率 77.1% 76.9%
ROE(自己資本利益率) 9.1% 7.9%
現金及び預金 277億円 302億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローは前期に比べて増加しています。これは、事業活動を通じて安定的に資金を生み出していることを示しています。
投資キャッシュフローはマイナスとなっていますが、そのマイナス幅は前期よりも縮小しています。事業活動で得た資金が投資活動を上回るフリーキャッシュフローはプラスであり、前期に比べて増加しています。
この状況は、本業で安定して資金を稼ぎながら、事業の成長に必要な投資も行いつつ、手元に余剰資金を残している優良な資金の流れを示しています。これにより、将来的な雇用や給与の安定性、そして事業の成長性が期待できる経営状態にあると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 227.5億円 291.5億円
投資CF △115.3億円 △70.9億円
財務CF △76.4億円 △129.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 112.3億円 220.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、建設需要の縮小による価格競争の激化や設備投資の減少といった受注環境の変化が、業績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、DXへの対応が遅れることで、業務効率化や生産性向上の機会を逃し、競争力低下に繋がるリスクも挙げています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、人材確保・育成に関するリスクを認識しています。採用計画の未達や社員の離職、人材の育成不足、国家資格や技能を有する人材の不足などにより、十分な施工体制の構築や技術力の確保が困難となり、業績に影響を及ぼす可能性があるとしています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


中電工は、「眞心」を社是とし、技術と品質、そして誇りをもって社会の発展を支え続けることを企業理念に掲げています。同社グループは、社会の様々な課題解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献しながら、持続的な成長を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


中電工グループは、「眞心」を社是(遵守すべき精神的なよりどころ)とし、「私たちは、技術と品質と誇りをもって、社会の発展を支え続けます。」を企業理念としています。同社グループは、これらの理念に基づき、社会の多様な課題解決に貢献し、持続可能な社会の実現と持続的な成長を目指しています。

「中電工グループ 2030ビジョン」では、「変革と成長」をテーマに、持続的な成長を遂げるとともに、持続可能な社会の実現に貢献するグループ像を描いています。また、働くすべての人が誇りと歓びを持って変革にチャレンジし、高い技術と品質で社会の多様なニーズに応えていくことを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


中電工グループは、社是である「眞心」と企業理念に示される「技術と品質と誇り」を大切にしています。中期経営計画2027では、「Change & Growth For All to 2027 ~営業力・施工力の強化と人的資本経営の推進~」をテーマに掲げています。

安全とコンプライアンスを最優先とした事業運営を徹底し、お客さまの信頼と満足度向上に向けた品質の確保・向上に取り組んでいます。また、人材の確保・育成の強化と魅力ある職場づくりを推進し、従業員のスキルとエンゲージメントの向上を図ることを重視しています。ワークライフバランスの推進や快適な職場環境の整備、健康経営の推進も行っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


中電工グループは、グループ間の連携を強化し、複数の課題に取り組んでいます。生産性の向上に向けては、現場管理者の不足や時間外労働の上限規制に対応するため、工務サポート体制の充実や施工図作成支援体制の強化を進めています。

また、生成AI等を活用した業務改革など、DXによる生産性の向上にも取り組んでいます。人材の確保・育成は喫緊の課題であり、奨学金返還支援制度やリファラル採用制度、初任地限定採用などを通じて、魅力ある職場づくりを目指しています。若手社員の早期育成も重要なテーマとして、計画的な配置や資格取得支援を実施しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社グループの経営体制は、取締役会の構成とガバナンス体制によって特徴づけられています。透明性と効率性を重視した意思決定プロセスが構築されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの筆頭株主は中国電力であり、同社グループの資本構成において重要な位置を占めています。複数の機関投資家や従業員持株会も上位株主として名を連ねており、幅広い層に支えられていることがうかがえます。

株主名 持株比率
中国電力 41.35%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 6.85%
中電工従業員株式投資会 3.15%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性9名・女性2名)で構成され、女性役員比率は18.2%です。代表取締役社長は重藤隆文氏が務めています。社外取締役比率は63.6%です。

氏名 役職 主な経歴
迫 谷 章 代表取締役会長 2018年6月 同社代表取締役社長、2022年6月 同社代表取締役会長より現職。
重 藤 隆 文 代表取締役社長 2022年6月 同社代表取締役社長より現職。
谷 口 実 男 代表取締役副社長執行役員 2024年6月 同社代表取締役副社長執行役員業務改革推進安全衛生品質環境部担当兼調達部担当兼東京・大阪本部管掌より現職。


社外取締役は、稲本信秀氏(元マツダ取締役専務執行役員)、餘利野直人氏(広島大学副学長(先進理工系科学担当))、江國成基氏(元天満屋代表取締役社長)、村田治子氏(村田治子公認会計士・税理士事務所代表者)、飯岡久美氏(ひまわり法律事務所弁護士)、廣田亨氏(元広島銀行取締役専務執行役員)、吉永浩之氏(中国電力常務執行役員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会における監督機能の強化を図っています。取締役会は11名で構成され、そのうち6名が独立社外取締役です。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、職務遂行の対価としての基本報酬に加え、企業価値向上へのインセンティブとして業績連動報酬や株価連動報酬が組み合わされています。社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は、その独立性と役割を考慮し、基本報酬のみで構成されています。報酬の決定プロセスには、独立社外取締役が過半数を占める報酬諮問委員会の審議が反映されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 2.4億円 81.0百万円
監査等委員(社外除く) 2名 29百万円 14.5百万円
社外役員 7名 46百万円 6.6百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。