【平均年収878万円】若築建設 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収878万円】若築建設 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

若築建設は、建設事業と不動産事業を主軸に、グループ各社とともに総合建設業を展開しています。多くの従業員を擁し、直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、若築建設株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


若築建設グループは、建設事業と不動産事業を主軸に展開する総合建設業です。同社は総合建設業を営み、連結子会社とともに工事の受注・発注や不動産事業を行っています。

単体従業員数は808名、連結従業員数は900名です。同社グループの事業セグメントは建設事業と不動産事業の2つです。

主な国内グループ会社は、麻生(福岡県飯塚市)(医療関連事業・不動産事業)、新総建設(千葉市中央区)(建設事業)、都市空間(北九州市若松区)(不動産事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


若築建設は、建設業界において長年の実績を持つ企業であり、その給与水準や働き方には安定した傾向が見られます。従業員の定着を重視し、多様な働き方を支援する環境づくりにも力を入れていることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向がうかがえます。平均年齢も建設業界の特性を反映した構成となっており、経験豊富な人材が活躍していることが示されています。

項目 数値
平均年間給与 8,776,664円
平均勤続年数 17.8年
平均年齢 44.0歳
単体従業員数 808人
連結従業員数 900人
単体のグループ内比率 89.8%


同社グループは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型制度と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型制度を採用しています。これらの制度は、国内の従業員を対象としています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は81.5億円、年金資産は87.6億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、建設業界の人材不足に対応するため、「品質と安全」を核とした施工による持続的な成長と企業価値向上を目指し、人的資本経営を推進しています。給与は職務の困難性、責任性、遂行度に応じて本給と手当で構成され、職種や職能等級、勤務成績により毎年昇給額が決定されます。賞与は年2回、会社の業績と個人の貢献度を考慮して支給される仕組みです。特に2026年度からは、仕事と育児の両立支援のため、扶養する子に対する家族手当が増額されました。

中期経営計画(2024年度-2026年度)では、働き方改革や社員エンゲージメント向上、採用活動の強化、ダイバーシティの推進、男性の育児休業取得率向上を重点テーマとしています。女性社員が能力を発揮できる職場づくりや、働きがい・達成感の醸成、仕事と育児・介護の両立支援、健康で安全な職場環境の実現に向けた各種社内制度・施策の拡充を進めています。若手社員の育成を主眼とした教育プログラムや幅広い階層・世代ごとの研修、資格取得・自己啓発支援も実施しており、次世代育成支援として子供現場見学会や奨学金制度にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
女性管理職比率 0.6%
男性育児休業取得率 36.4%
男女賃金差異(全労働者) 59.8%
男女賃金差異(正規雇用) 66.6%
男女賃金差異(非正規雇用) 50.2%

人的資本に関する目標と実績

指標 数値
ワークエンゲージメントスコア 2.65
土曜閉所率 70.2%
採用者数 90名/年
新卒女性採用比率 17.3%
男性育児休暇取得率 36.4%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


若築建設は、総合建設業を主軸に、不動産事業も展開している企業グループです。長年にわたり培ってきた技術と経験を活かし、社会インフラの整備から都市開発まで幅広い分野で事業を行っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に「建設事業」と「不動産事業」の二つの事業セグメントで構成されています。これらの事業を通じて、顧客への価値提供と収益の獲得を目指しています。

建設事業

建設事業は、同社グループの主要な事業であり、海上土木工事、陸上土木工事、建築工事といった幅広い建設業を展開しています。大型工事の受注と高水準な進捗が、この事業の売上高を大きく伸ばす要因となっています。
収益は、主に顧客との工事請負契約に基づく完成工事高から得ています。運営は、若築建設が総合建設業を営み、連結子会社である新総建設、大丸防音などが施工協力を行っています。

不動産事業

不動産事業は、国内において不動産の販売及び賃貸事業を展開しています。良好な市場環境の中で販売活動を行い、収益を上げています。
収益は、不動産の販売や賃貸収入から得ています。運営は、若築建設が不動産事業を営み、連結子会社である都市空間が同様に不動産事業を営んでいます。

同社グループの売上高は、建設事業が大部分を占めており、特定の顧客への収益集中も見られます。具体的には、国土交通省や防衛省といった官公庁が主要な顧客となっています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
建設事業 849億円 1,029億円
その他の事業セグメント 10.9億円 14.2億円
不動産事業 5.0億円 4.8億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動しながらも直近の期間で大きく伸長しています。これに伴い、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も増加傾向を示しています。

特に当連結会計年度においては、土木・建築分野での大型工事の進捗が高水準で推移したことが売上高の増加に寄与しました。また、DX投資や人的投資の拡大により販売費及び一般管理費は増加したものの、売上高の増加と建築分野における生産性向上により、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 892億円 840億円 949億円 865億円 1,047億円
経常利益 67.8億円 65.5億円 77.0億円 52.3億円 64.3億円
経常利益率 7.6% 7.8% 8.1% 6.0% 6.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 47.4億円 54.4億円 50.9億円 36.9億円 43.7億円
1株当たり当期純利益(円) 371.47 426.78 399.25 289.96 343.44

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの収益と利益は、直近の期間において改善傾向を示しています。これは、売上高の増加と建築分野における生産性向上の取り組みが、従業員一人ひとりの稼ぐ力に良い影響を与えていることを示唆しています。

従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、組織全体の効率性が向上している様子がうかがえます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、収益性の改善が進んでいることが考えられます。これらの指標の向上は、同社グループが持続的な成長に向けて生産性向上に注力している姿勢を反映していると言えます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 101.2百万円 116.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 6.1百万円 7.4百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


若築建設の財務状況は、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている段階を示しています。これにより、同社の現在の経営状況と今後の成長戦略を把握することができます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


若築建設の財務基盤を見ると、自己資本比率は44.1%となっており、プライム市場の製造業平均(46.8%)と比較するとやや低い水準ですが、非製造業平均(24.2%)よりは高い水準です。ROE(自己資本利益率)は8.5%で、プライム市場平均(9.4%)を下回っています。

手元資金である現金及び預金は196億円を確保しており、事業運営に必要な流動性を維持している状況です。これらの財務指標は、同社が安定した経営を継続するための基盤を持っていることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 499億円 548億円
自己資本比率 52.6% 44.1%
ROE(自己資本利益率) 7.8% 8.5%
現金及び預金 132億円 196億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


若築建設のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは4.8億円の増加となりました。これは主に仕入債務の増加及び未成工事受入金等の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得により11.6億円の減少となりました。

その結果、フリーキャッシュフローは△6.9億円となり、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の借入により70.9億円の増加となっています。これらの資金の流れは、同社グループが事業活動で資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた投資を継続しており、必要に応じて資金調達も行っていることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △102.1億円 4.8億円
投資CF △18.5億円 △11.6億円
財務CF 64.0億円 70.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △120.7億円 △6.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

若築建設グループは、建設市場の変動リスクを認識しています。世界の経済動向や天災、悪天候等に左右される建設需要の動向や資材価格の高騰は、同社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、海外活動に係るリスクとして、予期し得ない法律・規制の変更や為替相場の急激な変動、テロ・戦争等による社会的混乱が挙げられています。

③ 人材・組織に関するリスク

若築建設グループは、人材の確保におけるリスクを認識しています。少子高齢化による労働人口の減少や、建設業の担い手である技能労働者の高齢化が進んでおり、人材の確保が十分にできない場合には、長期的な視点から同社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


若築建設は、建設業の社会的使命を深く認識し、すべてのステークホルダーとの連携を重視する企業です。工事を通して安心と信頼を提供することを使命とし、持続可能な社会の実現に貢献する企業風土を築いています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


若築建設は、工事を通して安心・信頼を提供することを建設業の社会的使命と捉えています。
企業理念として「内外一致 同心協力」を掲げ、経営理念では「品質と安全」を核とした施工により、お客様の信頼を高め社会に貢献することを目指しています。
2030年に向けた長期ビジョンは「すべてのステークホルダーの期待に応えられる企業」であり、中期経営計画では「ステークホルダーとの連携強化による持続可能性の追求」を基本方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


若築建設は、企業理念である「内外一致 同心協力」に基づき、気候変動への対応や人権尊重といった企業の社会的責任を経営課題として積極的に推進しています。
「品質と安全」を核とした施工を基盤に、市場、組織、社会の3つの持続性を追求する方針です。
同社グループはESG経営を推進し、SDGsに賛同して国際社会の実現に貢献するため、地球温暖化や気象災害などの気候変動課題への対応として環境保全活動を積極的に進めています。
また、働きがいのある職場環境の実現や建設業を担う人材の育成を重視しており、働き方改革や社員エンゲージメントの向上、多様な人材確保を通じて組織全体の生産性向上と持続可能な成長を促進するカルチャーがあります。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


若築建設は、物価高騰や労働人口減少を喫緊の課題と認識しており、生産性向上と人的資本経営の推進を不可欠なテーマとしています。
気候変動への対応や人権尊重といった企業の社会的責任への取り組みも、経営課題として積極的に推進しています。
中期経営計画においては、「組織の持続可能性向上」として人的資本経営、働き方改革、サプライチェーンの連携強化、ガバナンス強化を掲げています。
さらに「社会の持続可能性向上」では、安全かつ良質なインフラの提供、カーボンニュートラルの推進、建設業の担い手確保、地域貢献を重点テーマとしています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


若築建設では、経営の透明性と効率性を高め、持続的な企業価値の向上を目指すコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。監査役制度を採用し、経営責任と執行責任を明確にする執行役員制度を導入しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


若築建設の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である麻生です。また、麻生が出資するACVEホールディングス合同会社も上位株主として名を連ねています。この結果、麻生は直接および間接的に同社の議決権を合算し、2026年3月23日付で同社の親会社となっています。

株主名 持株比率
麻生 42.26%
ACVEホールディングス合同会社 8.35%
若築建設協力会社持株会 7.78%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 4.50%
太平電業 2.26%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役社長兼執行役員社長安全環境本部長は長廻幹彦氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
長廻 幹彦 代表取締役社長 兼 執行役員社長 安全環境本部長 1987年4月 同社入社、2020年4月 同社経営管理部門経営企画部長、2025年6月 同社取締役兼常務執行役員経営管理部門経営企画部担当兼経営企画部長兼情報システム部担当、2026年4月 同社代表取締役社長兼執行役員社長安全環境本部長より現職。
牧原 久利 代表取締役 兼 専務執行役員 建設事業部門長 兼 安全環境本部副本部長 1986年4月 同社入社、2020年6月 同社取締役兼常務執行役員建設事業部門担当役員兼土木部長、2024年4月 同社取締役兼専務執行役員建設事業部門担当役員兼土木部長、2026年4月 同社代表取締役兼専務執行役員建設事業部門長兼安全環境本部副本部長より現職。
石井 一己 取締役 兼 専務執行役員 建設事業部門管掌 1982年4月 同社入社、2019年6月 同社取締役兼専務執行役員東京支店長、2021年4月 同社代表取締役兼専務執行役員建設事業部門長兼安全環境本部副本部長、2026年4月 同社取締役兼専務執行役員建設事業部門管掌より現職。
花田 和孝 取締役 兼 専務執行役員 建設事業部門担当役員 営業統括 1985年4月 同社入社、2022年4月 同社常務執行役員建設事業部門担当役員兼経営企画部長、2025年6月 同社取締役兼常務執行役員建設事業部門担当役員民間営業統括、2026年4月 同社取締役兼専務執行役員建設事業部門担当役員営業統括より現職。
中村 誠 取締役 兼 常務執行役員 経営管理部門長 1983年4月 同社入社、2018年6月 同社取締役兼常務執行役員管理部門長兼経営企画部担当兼経営企画部長、2022年4月 同社取締役兼常務執行役員経営管理部門長より現職。
烏田 克彦 取締役会長 1983年4月 同社入社、2020年6月 同社代表取締役兼専務執行役員建設事業部門長兼安全環境本部副本部長、2021年4月 同社代表取締役社長兼執行役員社長安全環境本部長、2026年4月 同社取締役会長より現職。


社外取締役は、朝倉康夫氏(東京工業大学名誉教授)、原田美穂氏(原田司法書士合同事務所代表)、森田隼人氏(シャボン玉石けん代表取締役社長)です。

同社は監査役制度を採用しています。取締役9名のうち3名が独立社外取締役であり、経営の監督機能と透明性向上に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


若築建設の役員報酬は、経営環境や業績を反映した体系となっています。業務執行取締役および執行役員に対しては、固定報酬である基本報酬に加え、単年度の業績に連動する業績給と、中長期的な企業価値向上に連動する株式報酬で構成されています。社外取締役の報酬は、その独立性を考慮し基本報酬のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 8名 2.2億円 27.8百万円
監査役(社外除く) 1名 12百万円 12.0百万円
社外役員 6名 36百万円 6.0百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。