【平均年収870万円】東亜道路工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収870万円】東亜道路工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

東亜道路工業は、舗装工事や土木工事など建設事業を中核に、建設資材の製造販売や環境事業など多岐にわたる事業をグループ各社とともに展開しています。直近の売上高は減少したものの、営業利益と経常利益は増加しました。


目次

※本記事は、東亜道路工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


東亜道路工業は、建設事業を中核とし、関連する建設資材の製造販売事業や環境事業などを展開しています。舗装工事をはじめ、土木工事や造園・緑化工事、スポーツ施設工事など多岐にわたる建設工事を手掛けています。

単体従業員数は1,060名、連結従業員数は1,644名です。セグメントは建設事業、建設材料等の製造販売・環境事業等の2つです。

主な国内グループ会社は、姶建産業(建設事業)、アスカ(製造販売・環境事業等)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


東亜道路工業は、社会インフラを支える事業特性から、安定した事業基盤を持つ企業です。従業員の長期的なキャリア形成を重視し、働きがいと働きやすさを両立させる職場環境づくりに注力している傾向が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の定着を重視し、長期にわたってキャリアを築ける環境を提供していることがうかがえます。平均勤続年数と平均年齢から、経験豊富な人材が多数活躍している組織であることが示されています。

項目 数値
平均年間給与 8,697,000円
平均勤続年数 19.0年
平均年齢 44.5歳
単体従業員数 1,060人
連結従業員数 1,644人
単体のグループ内比率 64.5%


東亜道路工業は確定給付企業年金制度を採用しています。これは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。この制度は国内の従業員を対象としています。

また、退職一時金制度もあります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、確定給付制度における退職給付債務は64.0億円、年金資産は85.6億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


東亜道路工業グループは、社会インフラである道路の整備・維持を担う企業として、安全・品質・技術力を支える人材を最も重要な経営資源と位置付けています。長期ビジョン2030および中期経営計画「TOA ROAD Sustainable Plan 2026」の実現に向け、人材戦略を経営戦略と一体で推進しています。

従業員の給与その他の給付は、企業価値の持続的な向上に資する人材の確保を目的として、公正性、透明性及び競争力を備えた給与体系を構築しています。給与は職務内容、能力、経験及び勤務成績を基礎としつつ、年齢及び勤続年数、他の従業員との均衡等を総合的に勘案して決定されます。本給、役職給、賞与、各種手当で構成されており、賞与は会社業績及び人事評価を踏まえて支給されます。

評価は目標管理制度等に基づき、期初に設定した目標に対する達成度及びその過程を総合的に評価しています。給与水準については、同業他社の賃金水準等を参考にしながら、適正な水準となるよう適宜見直しを行っています。性別、年齢、国籍等にかかわらず共通の評価基準を適用し、公平かつ合理的な報酬決定に努めています。

人材戦略におけるマテリアリティとして、「2024年問題・担い手の確保」「不確実性(国内外の社会情勢、気候)の時代」「膨大にストックされた社会資本のマネージメント」「地球環境問題」「持続可能な資材の調達」を抽出しています。従業員へのコミットメントとして、客観的なエンゲージメントスコアの導入と改善、一貫的な教育・育成体系に基づいた教育・育成、安全・安心で快適な職場の提供、福利厚生・各種手当の充実に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は開示の基準に該当しないため、記載を省略しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.8%
男性労働者の育児休業取得率 40.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 57.8%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 55.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 58.1%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
エンゲージメントスコア(2025年度実績) 53.7
エンゲージメントスコア(2026年度目標) 58.0
採用計画の確保(新卒入社)2026年4月採用計画 51人
採用計画の確保(新卒入社)2026年4月採用実績 53人
採用計画の確保(新卒入社)2027年4月採用計画 47人

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


東亜道路工業グループは、建設事業を中核に据え、関連する建設資材の製造販売事業や環境事業を展開しています。道路建設業界において、防災・減災や国土強靭化に資する公共投資が堅調に推移する中で事業活動を行っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に「建設事業」と「製造販売・環境事業等」の二つのセグメントで事業を展開しています。それぞれの事業が異なるサービスや製品を提供し、収益を上げています。

建設事業

舗装工事を中心に、土木工事、造園・緑化工事、スポーツ施設工事、地盤改良工事、河川改修工事、特殊浚渫工事などの建設工事を手掛けています。また、建設物の解体やコンサルタント業務も行っています。
収益は、一時点で移転される財と一定の期間にわたり移転される財の両方から得ています。運営は、姶建産業、敷島組、コクドなどの関係会社が行っています。この事業は前期と比較して完成工事高は減少しましたが、セグメント利益は増加しました。

製造販売・環境事業等

アスファルト乳剤、改質アスファルト、アスファルト合材、リサイクル骨材、土木・生コンクリート用砕石などの製造・販売を行っています。さらに、建設機械の製造販売、舗装工事等に関連する商品販売、建設廃棄物の中間処理、汚染土壌の調査・浄化処理といった環境事業も展開しています。
収益は、一時点で移転される財と一定の期間にわたり移転される財の両方から得ています。運営は、札幌共同アスコン、東亜利根ボーリング、トーア物流などの関係会社が行っています。この事業は前期と比較して売上高は減少しましたが、セグメント利益は増加しました。

同社グループの建設事業においては、国土交通省が主要な顧客の一つであり、一定の割合の売上高を占める傾向が見られます。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
建設事業 774億円 743億円
製造販売・環境事業等 492億円 470億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近の連結会計年度で減少に転じました。一方で、営業利益と経常利益は増加傾向を示しています。親会社株主に帰属する当期純利益は直近で減少となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは大幅な収入を記録しており、本業での資金創出力は堅調に推移しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 1,121億円 1,187億円 1,181億円 1,266億円 1,213億円
経常利益 55.9億円 49.6億円 57.1億円 52.1億円 60.0億円
経常利益率 5.0% 4.2% 4.8% 4.1% 4.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 37.1億円 31.6億円 37.9億円 41.3億円 34.3億円
1株当たり当期純利益(円) 76.55 66.73 79.94 89.22 74.24

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から減少しました。一方で、従業員1人あたり営業利益は増加しており、収益性の改善が見られます。これは、組織全体の効率化が進んでいることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 75.8百万円 73.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 3.0百万円 3.5百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


東亜道路工業の財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、投資活動も計画的に行われていることを示しています。これにより、同社グループの経営基盤は安定していると言えます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を大きく上回る水準で推移しており、安定した経営状態を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、手元資金である現金及び預金は増加傾向にあります。これらの財務状況は、事業継続性や将来の成長投資の余力に繋がり、従業員の雇用や給与の安定性にも影響を与える要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 569億円 551億円
自己資本比率 61.1% 60.6%
ROE(自己資本利益率) 7.5% 6.3%
現金及び預金 123億円 139億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、当連結会計年度において営業活動によるキャッシュフローが大幅に増加し、122億円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が増加したため、23億円の支出となっています。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純減少や配当金の支払額が増加したことにより、83億円の支出となりました。

この結果、本業で得た資金が投資を上回るフリーキャッシュフローは98.7億円のプラスとなり、前期のマイナスから大きく改善しています。これは、同社グループが事業活動で安定的に資金を創出し、財務基盤を強化していることを示しています。このような資金の流れは、将来の事業展開や従業員の雇用・給与の安定性にとって良好な状況であると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △17.5億円 122億円
投資CF △12.2億円 △23.3億円
財務CF 10.6億円 △82.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △29.8億円 98.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、売上を建設市場に依存しており、公共事業関連が需要の大半を占めるため、公共事業の削減が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、主要資材であるストレートアスファルトの価格が原油価格や為替変動に連動するため、価格高騰を販売価格や請負金額に転嫁できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、施工技術者・施工労務者の人員確保を計画的に実施していますが、需給関係が逼迫し必要人員の確保が困難となった場合、受注機会の喪失や工事遅延、労務費高騰により業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


東亜道路工業は、「自らの意思と成長をもって、人々の生活を足元から支える」という企業理念のもと、社会資本の整備を通じて社会に貢献することを目指しています。コンプライアンスと透明性の高い経営を重視し、時代の変化に対応した技術開発を推進する企業風土があります。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「自らの意思と成長をもって、人々の生活を足元から支える」を企業理念に掲げています。社会資本の整備にかかわる事業を展開し、社会との良好な関係を築き、健全で効率的な経営と企業価値の向上を目指しています。

創立100周年を迎える2030年をゴールとした長期ビジョンとして、「TOA STYLEをさらに磨き、社会から選ばれ続けるオンリーワン企業へ」の実現を目指しています。また、2024年5月に策定した中期経営計画「TOA ROAD Sustainable Plan 2026」を推進しており、この計画は「CSR経営への転換(転換/シフト)」と「持続可能な成長基盤の構築(確立)」を二つの柱としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「挑戦・発想・実行で社会から選ばれ続ける企業に」を基本方針としています。企業に対する社会からの要請が変化する中、経営方針の軸を「CSR経営」に大きくシフトすることで、すべてのステークホルダーにコミットし支持されることを目指しています。

不確実性の時代に対応できるレジリエントな企業体質を構築し、将来に向けた積極的な投資を行い「持続可能な成長基盤」の確立を目指す企業風土です。サステナビリティに関する取り組みとして、代表取締役社長が委員長を務める「サステナビリティ委員会」を設置し、経営計画の立案、展開、進捗管理を行う体制を構築しています。人的資本へのコミットとして、エンゲージメントサーベイを実施し、従業員の働きがいや働きやすさを重視する姿勢が見られます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、「2024年問題」への対応として、労働時間の適正管理の徹底、人材確保および教育・育成、労働環境の改善、従業員エンゲージメントの向上に継続して取り組んでいます。また、DXの導入推進による業務効率化や省人化を進め、生産性向上と働き方改革の両立を図っています。

環境面では、低炭素社会の実現やインフラ老朽化、少子高齢化社会への対応を見据え、舗装の長寿命化技術や予防保全型維持工法の開発を継続しています。路面太陽光発電技術と共同研究として推進する走行中給電技術が実証事業に採択されるなど、社会実装を見据えた先進的な取り組みも進展しており、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


東亜道路工業は、取締役会と監査役会を設置する体制を採用しており、経営の監督機能と執行機能の分離により、意思決定の迅速化と経営の透明性・効率性の向上を図っています。社外取締役と社外監査役が独立した立場から経営を監視し、ガバナンスの充実に取り組んでいます。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


東亜道路工業の株主構成を見ると、筆頭株主は信託銀行であり、その次に金融機関や従業員持株会、取引先持株会が上位に名を連ねています。特定の株主が突出して高い比率を占めるのではなく、多様なステークホルダーによって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 8.27%
横浜銀行 4.95%
東亜道路従業員持株会 4.86%
三井住友銀行 4.48%
東亜道路取引先持株会 4.05%


なお、前事業年度末において主要株主であったINTERTRUST TRUSTEES(CAYMAN)LIMITED SOLEL Y IN ITSCAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UPは、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.0%です。代表取締役社長執行役員社長は森下協一氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
森 下 協 一 代表取締役社長執行役員社長 1981年4月同社入社。2013年6月取締役執行役員工務本部長、2017年6月より現職。
堀 之 内 悟 代表取締役執行役員 副社長 建設事業本部長 1983年4月同社入社。2016年6月取締役執行役員工務本部長兼工事部長兼建築部長、2023年4月より現職。
仲 村 直 規 取締役 常務執行役員 管理本部長 1986年4月同社入社。2024年6月取締役執行役員管理本部長、2025年4月より現職。


社外取締役は、楠美雅堂氏(楠美雅堂公認会計士事務所代表・指名・報酬委員会委員長)、田原裕子氏(國學院大學経済学部教授・指名・報酬委員会委員)、市川祐一郎氏(元日本海洋掘削代表取締役社長・指名・報酬委員会委員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役6名(うち社外取締役3名)と監査役3名(うち社外監査役2名)で構成される体制です。社外取締役3名による独立した立場からの監督と、社外監査役2名による監査が実施されることで、外部からの経営監視機能が十分に機能する体制が整っています。また、取締役会の諮問機関として、過半数を独立社外取締役で構成する指名・報酬委員会を設置し、取締役の指名・解任・報酬等に関する手続きの公平性・透明性を確保しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


東亜道路工業の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして機能するよう、株主利益と連動した報酬体系を採用しています。具体的には、月例の固定報酬である基本報酬と、インセンティブを目的とした譲渡制限付株式報酬で構成されています。譲渡制限付株式報酬は、取締役の役務と職務価値に基づいて個人別の割当個数が決定されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 1.4億円 45.3百万円
監査役(社外除く) 1名 21百万円 21.0百万円
社外役員 5名 43百万円 8.6百万円


当期末在籍人員は取締役6名、監査役3名であります。取締役(社外取締役を除く)に対する非金銭報酬の総額の内訳は譲渡制限付株式報酬32百万円であります。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。