【平均年収858万円】大阪有機化学工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

【平均年収858万円】大阪有機化学工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

大阪有機化学工業は、有機化学工業薬品の製造販売を主な業務とし、グループとして化成品、電子材料、機能化学品の3事業を展開しています。連結従業員数は467名で、直近期の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、大阪有機化学工業株式会社 の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


大阪有機化学工業は、有機化学工業薬品の製造販売を主な業務としています。同社グループは、化成品事業、電子材料事業、機能化学品事業の3分野で事業を展開しており、エステル化技術、蒸留精製技術、ポリマー合成技術、精密合成技術を基盤としています。

同社の単体従業員数は405名、連結従業員数は467名です。事業セグメントは化成品事業、電子材料事業、機能化学品事業の3つです。

主な国内グループ会社は、神港有機化学工業(機能化学品事業)、韓国大阪有機化学工業などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


大阪有機化学工業は、化成品、電子材料、機能化学品といった専門性の高い分野で事業を展開しています。同社グループでは、従業員の長期的なキャリア形成を支援し、安定した環境で専門性を高めていけるような働き方を重視している傾向が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、従業員が長期にわたってキャリアを築いている傾向がうかがえます。これは、安定した環境で専門性を深めたいと考える方にとって、魅力的な要素となるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 8,581,191円
平均勤続年数 17.4年
平均年齢 41.3歳
単体従業員数 405人
連結従業員数 467人
単体のグループ内比率 86.7%


同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。同社および国内連結子会社は確定給付企業年金制度および確定拠出年金制度を採用しており、一部の在外連結子会社は退職一時金制度を設けています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、退職給付債務は19.9億円、年金資産は30.5億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「ユニークな機能を備えた材料の提供」と「優れた生産活動」を通じて、「会社の成長と持続可能な社会の実現」に貢献することを目指し、人材の確保と環境づくりに取り組んでいます。従業員を貴重な経営資本と捉え、会社と従業員は運命共同体であるという考えのもと、人材育成と多様性の促進を重視しています。

中期方針として「誠意・熱意、創意を醸成する風土づくり」を掲げ、顧客満足度や従業員満足度の向上、ダイバーシティの積極活用、健康経営の推進に取り組んでいます。具体的には、様々な経験と知識、能力を有した人材の「採用」と「育成」の強化を図ると共に、「多様性への理解と促進」に取り組んでいます。個人が「自律的なキャリア形成」を通して仕事との関わり方について主体的に考え行動することを支援しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。パート・有期労働者の男女賃金差異は、女性の該当者がいないため算出不可です。正規雇用労働者の男女賃金差異の主な要因は、管理職に占める女性労働者の割合の低さ及び時短勤務者に占める女性労働者の割合の高さによるものです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 5.7%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 78.7%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 78.7%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) -

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンに関する取組み


記載の実績値は提出会社単体の数値です。管理職には、課長級以上の階層者を含みます。

指標 実績
従業員に占める女性比率に対する管理職に占める女性比率の割合 43%
キャリア採用比率 33%

人材育成に関する取組み


記載の実績値は提出会社単体の数値です。エンゲージメントスコアは従業員アンケートによる10点満点評価です。

エンゲージメント項目 2025年度実績
評価報酬 5.6
組織風土 5.5
協働関係 6.1
職の魅力 4.9
能力開発 5.9

社内環境に関する取組み


記載の実績値は提出会社単体の数値です。付加価値労働生産性は、2023年度の同社基準の付加価値額を全社員総労働時間で除した値を100とする指数で記載されています。

指標 実績
有給休暇消化率 64%
付加価値労働生産性 159

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


大阪有機化学工業は、有機化学工業薬品の製造販売を主な業務とする同社グループです。特殊アクリル酸エステルを軸に、多様な製品群をグローバル市場に提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、有機化学工業薬品の製造販売を主軸としています。化成品事業、電子材料事業、機能化学品事業の3つの分野で事業を展開し、それぞれの市場ニーズに対応した製品を提供しています。収益は、これらの事業分野における製品の製造販売から得ています。

同社グループの売上高は、海外顧客からの収益も全体の約3割を占めており、グローバルに事業を展開していることがうかがえます。また、特定の顧客への売上集中も見られ、JSR株式会社が同社グループの主要な顧客の一つとなっています。

化成品事業

この事業では、塗料、粘接着剤、インキ向けの特殊アクリル酸エステルやアクリル酸などを扱っています。自動車用塗料向けの販売が回復傾向にあり、ディスプレイ用粘着剤向けやUVインクジェット用インク向けの販売が好調に推移しています。一方で、メタクリル酸エステルグループの販売は低調に推移しました。

電子材料事業

ディスプレイや半導体関連を中心とした電子材料を提供しています。最先端半導体材料の開発を加速し、フォトレジスト材料の新規用途への展開に注力しています。最先端のEUVレジスト用原料の販売は減少しましたが、主力であるArFレジスト用原料の販売が回復し、事業全体の売上高は大きく増加しました。

機能化学品事業

化粧品原料、機能材料、その他を主な事業内容としています。化粧品原料の海外展開を強化し、高純度特殊溶剤の拡販に取り組んでいます。化粧品原料グループの販売は横ばいで推移しましたが、機能材料グループや子会社の高純度特殊溶剤の販売は堅調に推移しました。

セグメント 売上高(2024年11月期) 売上高(2025年11月期)
電子材料事業 144億円 167億円
化成品事業 125億円 133億円
機能化学品事業 58.1億円 62.6億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は一時的に減少したものの、その後回復し、当期は大きく増加しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に、一時的な変動を経て当期は大幅な増加を示しています。

項目 2021年11月期 2022年11月期 2023年11月期 2024年11月期 2025年11月期
売上高 350億円 322億円 289億円 327億円 363億円
経常利益 62.5億円 63.7億円 38.8億円 47.5億円 65.6億円
経常利益率 17.9% 19.7% 13.4% 14.5% 18.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 50.0億円 47.3億円 32.7億円 40.4億円 68.9億円
1株当たり当期純利益(円) 225.65 216.87 152.94 191.25 336.68

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、収益を創出する力が向上していることを示しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、組織全体の効率性が高まっている傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの事業活動がより効率的に行われていることを示唆しています。

指標 2024年11月期 2025年11月期
従業員1人あたり売上高(連結) 70.6百万円 77.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 10.0百万円 13.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、安定した財務基盤を築いています。事業活動で得た資金を元手に、将来に向けた投資も行いながら、堅実な経営を続けていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率はプライム市場の製造業平均を大きく上回っており、強固な財務体質を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。

手元資金も潤沢に確保されており、事業環境の変化にも対応できる安定性があると考えられます。これらの財務指標は、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

指標 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
純資産 461億円 505億円
自己資本比率 75.8% 78.0%
ROE(自己資本利益率) 9.2% 14.5%
現金及び預金 130億円 159億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローが70.9億円の増加となりました。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費などによるものです。前期と比較すると減少していますが、引き続き事業活動で安定的に資金を生み出しています。

投資キャッシュフローは、前期の減少から増加に転じ、14.6億円の増加となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出があった一方で、補助金の受取額が大きかったことによるものです。財務キャッシュフローは、長期借入金の返済や自己株式の取得、配当金の支払いなどにより、58.8億円の減少となりました。

結果として、フリーキャッシュフローは85.5億円の増加となり、本業で得た資金が投資を上回る優良な状態を示しています。この資金の流れは、同社グループが事業の成長に必要な投資を行いながらも、財務的な健全性を保ち、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する基盤があることを示しています。

項目 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
営業CF 86.0億円 70.9億円
投資CF △3.0億円 14.6億円
財務CF △31.3億円 △58.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 83.0億円 85.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、製品が幅広い分野で使用されているため、各業界の需要変動に影響を受ける可能性があります。為替変動や市況変動、安価な製品の流入、代替製品の出現などにより、製品の低価格化が進んだ場合には、収益性が低下するリスクがあります。

また、海外での事業活動においては、政治・経済情勢の悪化や予期しない法律・規則の変更、戦争・テロ・感染症などのリスクが潜在しています。これらの事象が顕在化した場合、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、少子化による労働者人口の減少や働き方の多様化、価値観の変化により、必要な人材の確保や優秀な人材の獲得・維持が計画通りに進まないリスクを認識しています。これが事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


大阪有機化学工業は、経営理念、経営ビジョン、行動指針からなる理念体系を基盤とし、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。社員一人ひとりの個性を尊重し、働きがいのある職場づくりを推進する企業風土が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


大阪有機化学工業グループは、経営理念、経営ビジョン、行動指針からなる理念体系を掲げています。同社グループ全員がこれらを理解し、目標と価値観を共有して行動することを重視しています。

優れた生産活動を通じて地域社会の秩序を守り、社会と産業界の進歩と発展に貢献することを目指しています。ステークホルダーの期待に応え続ける企業であることを目標としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


大阪有機化学工業グループは、会社と従業員を運命共同体と捉え、従業員を貴重な経営資本としています。社員一人ひとりの個性を大切にし、全社員が生き生きと安心して働ける風土づくりを目指しています。

期待する人材像として、「仕事に対する自らの役割を認識し、責任をもって行動する人材」「個性を発揮し、熱意と意欲を持ち続ける人材」「自らの人格と能力を磨くと共に、互いに支えあえる人材」を掲げています。中期方針では「誠意・熱意、創意を醸成する風土づくり」を掲げ、顧客満足度向上、従業員満足度向上(働きがいのある職場つくり)、ダイバーシティ(価値観、多様性)の積極活用、健康経営の推進に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


大阪有機化学工業グループは、新中期経営計画「Progress & Development 2030(P&D 2030)」に基づき、様々な施策に取り組んでいます。環境社会へ向けた材料開発として、バイオマスアクリレートの開発や非化石原料由来のアクリル酸開発、完全非化石由来材料への挑戦を進めています。

サステナビリティに関わる取り組みでは、カーボンニュートラルに向けた施策の実行、廃棄物の削減、資源再利用等によるサーキュラーエコノミー実現を目指しています。また、IT・DXの推進により品質向上や生産性向上を図るとともに、労働環境や働き方の最適化による社員の働きがいやエンゲージメントの向上、雇用の多様化に向けた仕組みづくり、人的資本経営の実行にも注力しています。コンプライアンスの徹底やリスクマネジメントの強化も重点テーマとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


大阪有機化学工業は、監査等委員会設置会社へ移行し、透明性の高い経営と迅速な意思決定を目指しています。経営と執行の役割分担を明確にするため、執行役員制度も導入しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの株主構成を見ると、信託銀行が上位を占めており、安定的な資本基盤を形成しています。また、従業員持株会や複数の事業会社、個人株主も上位に名を連ねており、多様な主体によって支えられていることが特徴です。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 13.82%
日本カストディ銀行 6.05%
WesternRedCedar 5.46%
安川義孝 3.30%
大阪有機化学従業員持株会 2.98%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.0%です。代表取締役社長は安藤昌幸氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。

氏名 役職 主な経歴
安藤昌幸 代表取締役社長 1986年4月同社入社。技術本部研究所長、取締役技術本部長、常務取締役執行役員経営企画本部長などを歴任。2020年7月より現職。
本田宗一 取締役執行役員管理本部長 1990年4月同社入社。管理本部長、取締役管理本部長兼人事担当部長などを歴任。2018年2月より現職。2022年2月より神港有機化学工業取締役も現職。
小笠原元見 取締役執行役員事業本部長兼海外事業部長 1988年4月同社入社。理事役事業本部長兼化学品部長、光碩(上海)化工貿易有限公司董事長などを歴任。2021年12月より現職。2024年7月より韓国大阪有機化学工業代表理事も現職。
渡辺哲也 取締役執行役員経営企画本部長 1995年4月同社入社。執行役員経営企画本部長、取締役執行役員経営企画本部長品質保証室管掌などを歴任。2025年12月より現職。


社外取締役は、濵中孝之氏(はばたき綜合法律事務所パートナー)、榎本直樹氏(元東京税関長・アドバネクス社外監査役)、吉田恭子氏(吉田公認会計士事務所代表・エスペック社外取締役(監査等委員))、高瀬朋子氏(アーカス総合法律事務所パートナー)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、委員の過半数を社外取締役が占める監査等委員会が業務執行の監査・監督を担っています。これにより、透明性の高い経営と迅速な意思決定を図る体制となっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、取締役(社外取締役および監査等委員である取締役を除く)に対しては月額報酬、年次賞与、業績連動型株式報酬、譲渡制限付株式報酬で構成されています。社外取締役および監査等委員である取締役には、その独立性を考慮し月額報酬のみが支給されています。報酬の決定プロセスは、社外取締役が議長を務める報酬諮問委員会での審議を経て、取締役会で承認・決定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 1.5億円 36.8百万円
監査等委員(社外除く) 1名 19百万円 19.0百万円
社外役員 4名 31百万円 7.8百万円


なお、取締役の支給額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。

個人別報酬が開示されている役員はいません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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