【平均年収889万円】Heartseed 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収889万円】Heartseed 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

Heartseedは、iPS細胞由来の心筋細胞を用いた心筋再生医療の確立を目指す企業です。重症心不全患者への貢献を目的とし、医薬品事業の単一セグメントで事業を展開しています。直近期は売上高と利益を計上し、グローバル展開も視野に入れ今後の事業拡大を検討しています。


目次

※本記事は、Heartseed株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2024年11月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


Heartseedは、iPS細胞由来の心筋細胞の微小組織(心筋球)を心臓に移植する「心筋再生医療」の確立を目指し、重症心不全患者への貢献を目的としています。同社は医薬品事業の単一セグメントで事業を展開しています。

単体従業員数は43名です。事業セグメントは医薬品事業の単一セグメントとなっています。

Heartseedは、日本国内での心筋再生医療の開発を単独で進めており、治験実施や製品製造、輸送は外部の専門機関に委託しています。

2025年9月29日付で、グローバル大手製薬企業ノボノルディスク エー・エスとの事業提携が解消されました。これにより、HeartseedはHS-001およびHS-005に関する全世界の権利を保持し、今後のグローバル展開を検討しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


Heartseedは、再生医療という専門性の高い分野で事業を展開しており、その事業特性から、従業員は専門知識やスキルを活かせる環境にあると考えられます。同社は、人材への投資を重視し、働きやすい環境整備にも力を入れているため、長期的なキャリア形成を目指す方にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均勤続年数が比較的短く、平均年齢も40代半ばであることから、専門性の高い人材がキャリアアップのために集まり、活躍している傾向がうかがえます。従業員数は少数精鋭であり、個々の貢献が重視される環境であると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 8,885,548円
平均勤続年数 4.9年
平均年齢 45.0歳
単体従業員数 43人


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


Heartseedは、「再生医療で世界を変える」というビジョンを実現し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図る上で、独創的な技術開発と事業運営を担う人材が最大限に能力を発揮できる環境構築を重要視しています。特に、メインパイプラインの開発加速と事業拡大には、人的資本への投資が不可欠であると認識し、組織力を高めるための投資を積極的に行う方針です。

人材育成においては、役職員が自らの意思で知識を吸収し、広い視野を持てる環境を整備しています。具体的には、外部講師を招いた研修や学会・セミナー参加による最新情報の獲得支援、オンライン学習環境の導入による自己研鑽の促進を行っています。また、従来の開発担当者と新メンバーが融合し、組織力を高める関係構築を重視しています。

社内環境整備では、離職者を低減させ、長く安心して働ける環境を構築するため、ワークライフバランスと健康管理を推進しています。働きやすさの追求として、テレワークの推奨に加え、有給休暇の取得を推進しています。健康・メンタルヘルスへの配慮として、定期健康診断の受診率100%維持を目標とし、人間ドック受診促進やストレスチェックを実施しているほか、深夜残業を含む過度な残業の防止にも努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
離職者数 1名
研修受講率 100%

育児・介護支援


有給取得日数は1人当たり20日/年です。

指標 数値
法定有給取得率 100%
テレワーク利用率 45%

健康・安全


人間ドック等利用率は84%です。

指標 数値
健康診断・人間ドック等受診率 100%
深夜残業時間 1人当たり0.48時間/月

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


Heartseedは、iPS細胞由来の心筋細胞を用いた心筋再生医療の開発を通じて、重症心不全患者の治療に貢献することを目指しています。医薬品事業の単一セグメントで事業を展開しており、革新的な治療法の確立に向けて研究開発を進めています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は、iPS細胞から作製した心筋細胞を重症心不全患者の心臓に移植する「心筋再生医療」の確立を目指し、事業活動を行っています。この治療法は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)における再生医療等製品に該当し、日本政府も実用化を後押ししています。同社は、心臓移植や補助人工心臓では対応しきれない多くの患者さんへの適用を目指し、複数の治療プログラムを開発中です。

リードパイプラインであるHS-001(他家iPS細胞由来心筋球の開胸投与)は、虚血性心疾患による重症心不全患者を対象としたLAPiS試験を実施しており、既に全症例の投与組み入れを完了しています。また、HS-005(他家iPS細胞由来心筋球のカテーテルによる投与)は、より低侵襲な投与法としてEMERALD試験を予定しており、治験開始に向けて準備を進めています。これらの開発品に関する全世界の権利を保持しており、今後はグローバル市場への対応も検討しています。

同社の収益は、主にノボノルディスク・エー・エスとの独占的技術提携・ライセンス契約における開発マイルストンの達成内容により計上されていました。当事業年度の販売実績は、この提携先への販売が大部分を占めています。過去には為替差損も発生しており、海外取引に伴う為替変動リスクも存在します。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社は決算期変更に伴い、当事業年度は14ヶ月の変則決算となっています。このため、前年同期との比較は行われていません。当事業年度においては、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益を計上しました。販売費及び一般管理費は、主に進行中の臨床試験の準備によるものです。営業外収益は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の補助事業によるものが大きく、営業外費用は為替差損が主な要因となっています。


■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社の従業員数は43人であり、平均年齢は45.0歳、平均勤続年数は4.9年となっています。平均年間給与は8,885,548円です。これらの数値は、同社が再生医療という専門性の高い分野で事業を展開していることを示しています。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


Heartseedの経営の安定性を見る上で、財務基盤と資金の流れは重要な指標です。同社は研究開発型企業であり、事業の成長段階における資金状況とリスクを理解することが大切になります。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


Heartseedの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で93.7%となっており、前期から横ばいの水準です。これはプライム市場の平均(製造業46.8%、非製造業24.2%)と比較して非常に高い水準を示しています。

ROE(自己資本利益率)は当期で2.8%であり、プライム市場平均の9.4%を下回っています。これは、研究開発型企業として先行投資が続く事業フェーズにあることを示唆しています。現金及び現金同等物は当期末で68.4億円を確保しており、前期から増加しています。手元資金が厚いことは、事業運営における安定性につながる要素です。

指標 2024年10月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 66.2億円 71.9億円
自己資本比率 93.7% 93.7%
ROE(自己資本利益率) - 2.8%
現金及び現金同等物 53.0億円 68.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


Heartseedの当事業年度におけるキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは10.8億円の増加となりました。これは主に売掛金の減少と税引前当期純利益の計上によるものです。

投資活動によるキャッシュフローは0.7億円の増加を示しており、敷金及び保証金の回収による収入が主な要因となっています。財務活動によるキャッシュフローは3.8億円の増加となり、新株予約権の行使による株式の発行による収入が主な内訳です。

これらの結果、フリーキャッシュフローは11.5億円のプラスとなっています。同社は研究開発型企業であり、当期はマイルストン収入により営業キャッシュフローがプラスとなりましたが、将来の研究開発活動には継続的な資金需要が見込まれます。

項目 2024年10月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF - 10.8億円
投資CF - 0.7億円
財務CF - 3.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) - 11.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社は再生医療分野における技術革新と競合に関するリスクを認識しています。革新的な技術開発や新規参入により、同社の技術が陳腐化したり、市場での優位性を確立できない可能性があります。

また、特定のパイプラインへの依存リスクも挙げられています。現在複数のパイプラインを推進していますが、製品化や収益化には不確実性が高く、リードパイプラインであるHS-001への収益依存度が増す可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は、成長戦略の実現には高度な専門知識を持つ人材の確保と育成が不可欠であると認識しています。人材確保や育成が順調に進まない場合、または人材の流出が生じた場合には、事業活動に支障が生じる可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


Heartseedは、再生医療を通じて心臓病治療に革新をもたらすことを目指す企業です。命と向き合い、常に先駆者であることを大切にする文化が根付いています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


Heartseedは、世界の死因の第一位を占める心臓病に焦点を当て、「再生医療で心臓病治療の扉を開く」ことをミッションとしています。重症心不全の抜本的治療法の開発を進めており、「再生医療で世界を変える」というビジョンを掲げています。

同社の心筋再生医療は、弱まった心臓を再生心筋で置き換える”Remuscularization(心筋補填療法)”と呼ばれる治療法です。本領域の治療法として非臨床試験を完了させ、患者投与での検証に入っている世界的にも先駆的な事例となっています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


Heartseedは、「命と向き合い続ける」「常に先駆者であれ」といった五つのコアバリューを組織の基盤に据えています。独創的な技術開発と事業運営を担う人材が最大限に能力を発揮できる環境を構築することが重要であると認識し、サステナビリティ経営を推進しています。

役職員が倫理・コンプライアンスに関して共通認識を保持し、公正で的確な意思決定を行う風土を醸成することを目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


Heartseedは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、組織体制の整備及び人材育成を優先課題としています。優秀な人材を確保し定着を図るべく、従業員のモチベーション維持・向上に努め、一人ひとりの能力開発や働きやすい環境を構築する方針です。

具体的には、離職者を低減させるため、働きやすさの追求、キャリアのための教育、および健康・メンタルヘルスへの配慮を方針として人事施策を実行しています。また、コーポレート・ガバナンス体制の強化も重要な経営課題と認識しており、経営の公正性・透明性確保に努めています。

取締役会における意思決定の妥当性と監督機能の強化、報酬委員会の設置、内部通報制度の周知徹底、定期的なコンプライアンス研修の実施などに取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は監査役会設置会社であり、取締役会は経営上の重要な意思決定と取締役の職務執行を監督する機関として機能しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主は代表取締役社長である福田惠一氏であり、経営陣が主要な株主として会社を支えています。上位株主には、代表取締役社長や取締役といった個人株主のほか、SBI Ventures Twoなどの事業会社や投資会社が名を連ねています。

株主名 持株比率
福田 惠一 13.76%
SBI Ventures Two 9.79%
古川 俊治 4.02%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は福田惠一氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。

氏名 役職 主な経歴
福田 惠一 代表取締役社長 慶應義塾大学医学部で助手、再生医学教授、循環器内科教授などを歴任。米国ハーバード大学などでの留学経験も持ち、2016年9月に同社取締役に就任し、2017年1月より代表取締役社長より現職。
安井 季久央 取締役COO兼 経営企画室長 ベイン・アンド・カンパニー、ヤンセンファーマ、アボットジャパン(現アッヴィ合同会社)で経験を積み、2019年1月に同社取締役に就任。2020年9月より取締役COO兼経営企画室長より現職。
金子 健彦 取締役CMO兼 研究開発本部長 慶應義塾大学及び関連医療施設での勤務後、ブリストルマイヤーズ、ファイザー、ノバルティスファーマなどで経験を積む。2020年4月より東北大学特任教授を務め、2020年7月より同社取締役CMO兼研究開発本部長より現職。
高野 六月 取締役CFO兼戦略ファイナンス・IR室長 三井物産、Promethera Biosciences SA、ジェネシスヘルスケアでの経験を経て、2020年8月に同社入社。2020年9月より取締役CFO、2021年9月より取締役CFO兼戦略ファイナンス・IR室長、2025年11月より取締役CFOより現職。
平野 達義 取締役CAO 信越化学工業、日本トイザらスで取締役CFO、代表取締役副社長兼CFOを歴任。UMNファーマでは代表取締役社長、取締役会長を務め、2021年6月より同社取締役CAOより現職。
河西 佑太郎 取締役 ゴールドマン・サックス証券、ベインキャピタルなどで経験を積み、2015年10月にAngel Bridgeを設立し代表取締役。2015年11月に同社を設立し代表取締役、2017年1月より同社取締役より現職。


社外取締役は、古川俊治氏(参議院議員・弁護士・慶應義塾大学法科大学院教授)、出口恭子氏(PHCホールディングス代表取締役社長CEO)です。

同社は監査役会設置会社を採用しており、社外取締役2名を含む取締役8名で構成される取締役会が経営の監督機能を果たしています。社外取締役は、会社経営に関する見識や専門的な見地に基づき、客観的かつ的確な助言を行う役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社は、役員と株主の利益共有を基本方針とし、健全かつ持続的な成長に向けたインセンティブを付与する報酬体系を採用しています。報酬は、役位や職責に応じた固定の基本報酬と、中長期的な企業価値向上を目的とした長期インセンティブ報酬(株式報酬)の2つの要素で構成されています。社外取締役および監査役は、独立した立場での監督・監査の役割に鑑み、基本報酬(固定報酬)のみが支給されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 1.5億円 25.8百万円
社外役員 5名 28百万円 5.7百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。