【平均年収499万円】トップカルチャー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年10月期)

【平均年収499万円】トップカルチャー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年10月期)

トップカルチャーは、蔦屋書店事業を主軸に、ゲーム・トレーディングカード事業やスポーツ関連事業、訪問看護事業、飲食事業など多角的な事業をグループ各社とともに展開しています。直近は売上高が減少し、経常損失は縮小しましたが、親会社株主に帰属する当期純損失はわずかに増加しました。


目次

※本記事は、株式会社トップカルチャー の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、「日常的エンターテイメントの提供」を事業コンセプトに掲げ、地域社会に密着した「コミュニティのための場」を提供しています。主な事業は蔦屋書店事業(小売店舗の運営)であり、連結子会社4社とともに多角的な事業を展開しています。

単体従業員数は137名、連結従業員数は192名です。セグメントは蔦屋書店事業、ゲーム・トレーディングカード事業、スポーツ関連事業、訪問看護事業、飲食事業の5つです。

主な国内グループ会社は、(当社)、トップカルチャー、(連結子会社)、トップブックス、グランセナフットボールクラブなどです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


トップカルチャーは、従業員の働きやすさを重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れています。給与水準や在籍傾向、そして人的資本に関する具体的なデータから、同社グループの働き方の特徴を把握できます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


トップカルチャーでは、比較的長く勤める従業員が多く、安定したキャリアを築ける環境がうかがえます。平均年齢も高く、経験豊富な人材が多数在籍している傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 4,988,000円
平均勤続年数 17.8年
平均年齢 43.5歳
単体従業員数 137人
連結従業員数 192人
単体のグループ内比率 71.4%


退職給付制度

同社グループは、確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を採用しています。当社及び連結子会社1社は、2008年4月に退職一時金制度から確定拠出年金制度へ移行しており、確定拠出型制度として確定拠出型企業年金制度を設けています。

移行時の在籍従業員に対しては、退職一時金に係る退職給付に係る負債を計上しています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

当連結会計年度における確定拠出制度への要拠出額は19百万円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


トップカルチャーは、職員が働きやすい環境を整備することで、全ての職員がその能力を十分に発揮できるよう、方針や社内環境の整備及び人材育成に努めています。年齢や性別、国籍、社歴・学歴、中途採用等に関係なく、年功序列ではなく能力実績に重きを置いた評価制度により、採用や管理職への登用を行っています。

育児休業や短時間勤務などを定めた育児休業規則等を設けるなどして、女性が継続的に活躍できる職場環境づくりや支援に努めています。ビジネス環境の急速な変化に対応するため、中途採用者の登用や優秀な人材の積極的な獲得等、多様性確保の重要性を認識しており、今後も推進に努めていく方針です。

中長期的な企業価値向上のため、それらの人材が活躍できる社内環境整備は、今後も推進していくとしています。人的資本・多様性に関する指標及び目標として、正社員採用者に占める女性比率を50%以上とするため、エリア社員制度、育児時短勤務等制度を導入し、多様な働き方についての制度を導入していくとしています。また、一般社員の残業時間を月平均10時間以内とするため、組織全体及び部署ごとのフォローアップを行っていく方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 4.6%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女賃金の差異(全労働者) 47.0%
労働者の男女賃金の差異(正規雇用労働者) 73.1%
労働者の男女賃金の差異(パート・有期労働者) 138.3%

連結子会社の法定開示データ


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 株式会社トップブックス

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%


▼ 株式会社グランセナフットボールクラブ

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 66.7%


▼ 株式会社ワーグルスタッフサービス

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 83.3%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社トップカルチャーは、「日常的エンターテイメントの提供」をコンセプトに掲げ、地域社会に密着した「コミュニティのための場」を提供しています。同社グループは、蔦屋書店事業を主軸に、多様な事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、株式会社トップカルチャーと連結子会社4社の計5社で構成されています。主力事業である蔦屋書店事業を中心に、様々な商品やサービスを提供することで収益を上げています。収益モデルは、小売店舗運営による商品販売やレンタル、およびサービス提供が中心となっています。

蔦屋書店事業

書籍、CD・DVD、特撰雑貨・文具等の販売、およびCD・DVD等のレンタルを取り扱うチェーンストアを展開しています。収益は、これらの販売・レンタル収入、賃貸不動産収入などから得ています。前期と比較して売上高は減少しましたが、書籍や特撰雑貨・文具は堅調に推移しました。

ゲーム・トレーディングカード事業

ゲーム・トレーディングカード及び中古書籍・音楽・映像ソフトの売買を主な事業内容としています。「古本市場トップブックス」や「ふるいちトップブックス」の店舗展開を行っています。収益は、これらの売買から得ています。前期と比較して売上高は増加しました。

スポーツ関連事業

サッカークラブ及びサッカースクールの運営、並びにスポーツ施設の企画・経営等を事業内容として展開しています。収益は、これらの運営・経営から得ています。前期と比較して売上高は増加しました。

訪問看護事業

精神疾患・認知症を中心とした訪問看護事業を行っています。収益は、訪問看護サービスの提供から得ています。前期と比較して売上高は増加しました。

飲食事業

タリーズコーヒーのフランチャイズ運営を主な事業内容としており、同社の蔦屋書店内へ23店舗を展開しています。収益は、飲食サービスの提供から得ています。前期と比較して売上高は増加しました。

同社グループは本邦以外の外部顧客への売上高がないため、海外比率や為替リスクは発生していません。収益は蔦屋書店事業に集中しており、同事業が同社グループの売上高の大部分を占めています。

セグメント 売上高(2024年10月期) 売上高(2025年10月期)
蔦屋書店事業 165億円 152億円
飲食事業 11.5億円 12.1億円
ゲーム・トレーディングカード事業 3.8億円 5.1億円
スポーツ関連事業 2.2億円 2.3億円
訪問看護事業 1.8億円 2.1億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期の業績を見ると、売上高は減少傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、過去5期にわたり損失を計上しています。

当期は前期と比較して、売上高は減少しました。一方で、営業損失および経常損失は縮小しています。親会社株主に帰属する当期純損失はわずかに増加しました。利益の状況については、既存店舗の収益改善が進んだものの、閉店や改装に伴う大幅なコスト増が影響したと説明されています。営業活動によるキャッシュ・フローは当期も獲得となっています。

項目 2021年10月期 2022年10月期 2023年10月期 2024年10月期 2025年10月期
売上高 264億円 209億円 190億円 184億円 173億円
経常利益 2.8億円 △1.9億円 △8.9億円 △5.8億円 △4.8億円
経常利益率 1.0% △0.9% △4.7% △3.1% △2.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 △19.4億円 △2.7億円 △13.8億円 △7.2億円 △7.3億円
1株当たり当期純利益(円) △160.52 △22.58 △110.98 △45.97 △46.84

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しています。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から損失が縮小する傾向にあります。これらの指標は、同社グループの生産性の変化を示しており、事業構造の変化や効率化の取り組みが影響していると考えられます。

指標 2024年10月期 2025年10月期
従業員1人あたり売上高(連結) 93.0百万円 90.3百万円

| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △2.5百万円 | △2.0百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、本業で資金を獲得し、投資活動も行いながら、手元資金を確保している状況です。しかし、自己資本比率はプライム市場平均と比較して低い水準にあり、継続企業の前提に関する重要な疑義も示されています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、純資産は前期から減少しています。自己資本比率も前期から低下しており、プライム市場の非製造業平均と比較すると低い水準となっています。

ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスを示しており、プライム市場平均を下回る状況です。一方で、現金及び預金は前期から増加しており、手元資金は厚みを増しています。これらの状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を検討する上で重要な要素となります。

指標 2024年10月期(前期) 2025年10月期(当期)
純資産 16.2億円 7.7億円
自己資本比率 10.0% 4.9%
ROE(自己資本利益率) - △61.2%
現金及び預金 9.9億円 12.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、前期から増加し、本業で資金を獲得している状況です。投資活動によるキャッシュフローは前期から減少しましたが、引き続きプラスを維持しています。これにより、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは前期から増加し、資金の余剰がある状態を示しています。

財務活動によるキャッシュフローは支出となっていますが、その支出額は前期から減少しています。本業で資金を生み出し、投資も行いながら資金を確保している状況は、事業の継続性にとって重要です。しかし、継続企業の前提に関する重要な疑義が示されているため、キャッシュフローの改善が今後の雇用安定性や給与水準にどのように影響するかを注視することが大切です。

項目 2024年10月期(前期) 2025年10月期(当期)
営業CF 7.96億円 8.99億円
投資CF 1.18億円 0.91億円
財務CF △14.96億円 △7.74億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 9.14億円 9.90億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

同社グループは、4期連続の営業損失となったことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在していると認識しています。この状況を解消するため、中期経営計画に基づく施策を継続的に実行し、損益及び資金繰りの改善を目指す方針です。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、従来の書店やレンタル店以外の業態、インターネット通販、インターネット配信サービスとの競争激化に直面しています。コンテンツを楽しむライフスタイルの変化が、リアル店舗における音楽・映像ソフトのレンタルや販売に影響を及ぼす可能性があります。

また、今後の出店モデルとして想定している大型複合書店への投資額は増加傾向にあり、投資の回収に中小型店舗より長い期間を要する可能性があります。想定した利益水準への到達が計画より遅れた場合、業績に影響を及ぼすリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


トップカルチャーは、「商業を通じて、地域社会に信頼される誠実な企業でありたい」という社是のもと、日常的エンターテイメントの提供を通じて地域社会に貢献することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


トップカルチャーは、「商業を通じて、地域社会に信頼される誠実な企業でありたい」という社是を掲げています。同社グループの事業コンセプトは「日常的エンターテイメントの提供」であり、日常生活に欠かせない文化的な商品・情報を集約し、家族で楽しめる「空間と時間」を提供することを目指しています。

中期経営計画では「“持続可能な書店創り”へのチャレンジ」を経営方針とし、書店事業に軸足を置き、読書文化の継承と新たな体験価値の提案を通じて顧客満足度の向上に努めています。収益性の高い“持続可能な書店”を創り出すことを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


トップカルチャーは、地域社会に信頼される誠実な企業であるために、お客様の満足を第一に考え、各ステークホルダーとの適切な協働に努めることを重視しています。健全性、透明性、迅速性を高める経営管理体制の構築を推進しています。

企業風土としては、職員が働きやすい環境を整備し、全ての職員が能力を十分に発揮できるよう人材育成に努めています。評価制度は年功序列ではなく能力実績に重きを置き、年齢や性別、国籍、社歴・学歴、中途採用等に関係なく採用や管理職への登用を行っています。女性が継続的に活躍できる職場環境づくりにも取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


トップカルチャーは、読書というかけがえのない文化を承継していくことを使命としています。書店業界を変革し、永続するための書店創り、及び業界の事業承継問題に真剣に取り組むことを重点テーマとしています。

持続可能な書店創りの方針のもと、読書と触れ合う機会を創出し、提案力を向上させ、オリジナル企画や施策、EC販売を強化しています。また、グループ子会社との連携強化による蔦屋書店事業の付加価値向上も目指しています。持続可能な社会の実現に向けたSDGs達成に向けたESG活動にもグループ全体で取り組んでいます。人的資本・多様性においては、正社員採用における女性比率50%以上、一般社員の月平均残業時間10時間以内を目標に掲げ、多様な働き方や残業時間削減に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


トップカルチャーは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営を監督する体制を採用しています。経営の意思決定と業務執行の監視を通じて、企業価値の向上を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


トップカルチャーの株主構成を見ると、複数の事業会社が大株主として名を連ねています。筆頭株主は書籍・雑誌等の取次を行うトーハンであり、同社グループの事業と関連の深い企業が上位を占める特徴があります。また、カルチュア・コンビニエンス・クラブも主要な株主の一社です。

株主名 持株比率
トーハン 22.55%
ヒーズ 16.78%
カルチュア・コンビニエンス・クラブ 15.49%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長CEO兼営業本部長は清水大輔氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
清 水 大 輔 代表取締役社長CEO 兼営業本部長 2008年慶應義塾大学総合政策学部卒業後、楽天株式会社、株式会社メディアドゥを経て、2019年11月同社入社。2020年1月取締役経営企画室長、2021年1月代表取締役社長COO兼営業本部長、2023年1月より代表取締役社長CEO兼営業本部長に現職。
清 水 秀 雄 取締役会長 1986年12月同社設立、代表取締役社長に就任。2021年1月代表取締役会長CEO、2023年1月より取締役会長に現職。
吉 田 勝 一 取締役経営企画室長兼管理本部長 2009年8月同社入社、経理部経理課長。2013年1月取締役管理部経理担当、2021年1月取締役財務部長CFO兼管理部長を経て、2025年1月より取締役経営企画室長兼管理本部長に現職。
笹 川 菜 央 取締役人事部長 2000年4月同社入社。内部監査室長、人事部長を歴任し、2020年1月執行役員人事部長、2021年1月より取締役人事部長に現職。


社外取締役は、中村崇氏(弁護士法人中村・大城国際法律事務所代表弁護士)、平田竹男氏(早稲田大学大学院スポーツ科学研究科教授)、渡部弘之氏(トーハン取締役上席執行役員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会が経営上の意思決定と業務執行の監督を行い、監査役会が監査を実施する体制です。独立した社外取締役を選任することで、経営の客観性と透明性の向上を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


トップカルチャーの役員報酬は、株主総会で承認された報酬総額の範囲内で取締役会が決定しています。役員の職位や経営能力、功績などを考慮した固定報酬が基本です。過去には株式報酬型ストックオプションを導入しており、役員持株会制度を通じて自社株の取得も進めています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 1.2億円 20.3百万円
監査役(社外除く) 1名 4百万円 4.2百万円
社外役員 5名 9百万円 1.8百万円


なお、期末現在の取締役は7名ですが、無報酬の取締役が1名います。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。