※本記事は、株式会社ラバブルマーケティンググループ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年11月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ラバブルマーケティンググループは、「人に地球に共感を」をパーパスに掲げ、「愛されるマーケティング(Lovable Marketing)」を推進するマーケティング企業グループです。同社グループは、マーケティングの運用領域を主軸とし、SNSマーケティング事業とDX支援サービスの2つの事業を展開しています。
単体従業員数は16名、連結従業員数は231名です。同社グループの事業セグメントはマーケティング事業の単一です。
主な国内グループ会社は、コムニコ(マーケティング事業)、ジソウ(同)、ユニオンネット(同)、インバウンド・バズ(同)、エルマーケ(同)などです。
直近では、2026年1月にLINE運用支援のエルマーケ、2026年3月にSNSマーケティング支援のライスカレーLSを子会社化しました。また、2025年3月にはインバウンド・バズを設立し、訪日外国人向けプロモーションを強化しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ラバブルマーケティンググループは、マーケティング事業を基盤とし、人的資本を重視する経営方針を掲げています。従業員一人ひとりの成長と働きがいを追求する環境づくりに注力しており、それが給与水準や働き方にも反映されています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員が能力を最大限に発揮できる環境を整備し、働きがいのある組織づくりを進めています。平均勤続年数や平均年齢からは、特定の年齢層に偏らず、多様なキャリアを持つ人材が活躍している傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,567,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.9年 |
| 平均年齢 | 40.1歳 |
| 単体従業員数 | 16人 |
| 連結従業員数 | 231人 |
| 単体のグループ内比率 | 6.9% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材を全事業活動の礎であり、様々な資本の価値創造の源泉であると位置付けています。全従業員が輝ける「働きがいのある組織」を経営のベースとし、従業員エンゲージメントの向上と企業価値の持続的な向上を目指しています。
従業員一人ひとりがパーパスとミッションに共感し、能力を最大限に発揮できる環境を整備するため、採用、育成、制度、AI、DXへの投資を積極的に行っています。これにより、成長機会の創出、働きやすい職場環境の整備、業務効率化による生産性の最大化に注力しています。また、組織内のコミュニケーション活性化や従業員の意見を経営に反映する仕組みを通じて、主体的な挑戦と成長を実感できる組織づくりを推進しています。
報酬に関しては、事業成長の成果を適切に還元し、従業員の能力発揮と中長期的な成長意欲を高める重要な人的資本投資と捉えています。市場水準や職責、役割、成果、専門性等を踏まえた報酬水準の適正化に努め、公正で納得性のある評価制度の運用を通じて、貢献に応じた処遇を実現することを基本方針としています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率は開示されていません。男性の育児休職取得率は、対象となる従業員がいないため記載されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男女の賃金格差(全労働者) | 38.9% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社コムニコ
男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。同一労働の賃金に差はなく、等級別人員構成の差によるものです。賃金は、基本給、賞与及び基準外賃金を含めています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 46.7% |
| 男性の育児休職取得率 | 66.7% |
| 男女の賃金格差 | 96.0% |
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 45.8% |
| 健康診断受診率 | 100.0% |
| ストレスチェック受検率 | 100.0% |
多様性推進
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 45.8% |
健康経営
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 健康診断受診率 | 100.0% |
| ストレスチェック受検率 | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社ラバブルマーケティンググループは、「人に地球に共感を」をパーパスに掲げ、共感を重視したマーケティング活動「愛されるマーケティング」を推進するマーケティング企業グループです。現代の生活者の情報消費行動に寄り添い、マーケティングの運用領域を主軸として事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、マーケティング事業の単一セグメントで事業を展開しており、主にSNSマーケティング事業とDX支援サービスの2つの事業で構成されています。SNSマーケティング事業では、運用支援、運用支援ツールの提供、人材教育の3つのソリューションからなるMOS(Marketing Operating Service)を展開しています。DX支援サービスでは、Webサイトの企画、デザイン、構築、運用までを一貫して提供しています。
SNSアカウント運用支援サービスは、戦略策定から投稿コンテンツ制作、分析・効果検証まで、SNSマーケティングのオペレーションをフルサポートしています。インフルエンサーを活用したマーケティング支援や訪日外国人旅行者向けのプロモーション支援も展開しています。収益は、企業のSNSアカウント運用代行やコンテンツ制作、キャンペーン企画・運用などから得ています。
SaaS型SNS運用支援ツールの開発・提供では、SNSアカウントでの投稿管理や効果測定を効率化する「comnico Marketing Suite」、SNSキャンペーンを効率化する「ATELU」、Instagramチャットボットツール「autou」などを提供しています。収益は、これらのSaaS型クラウドツールの利用料から得ています。
人材教育サービスでは、SNSアカウントの開設・運用のノウハウやリスク対策を体系化した検定講座を提供しています。収益は、検定講座の受講料やセミナー、講演などから得ています。
DX支援サービスは、Webサイトの企画、デザイン、構築、運用までを一貫して提供しており、コーポレートサイトやブランドサイトの構築に強みを持っています。収益は、Webサイトやクリエイティブの開発、Web広告運用、Webコンサルティング、マーケティングオートメーション導入支援などから得ています。運営は、主に株式会社ユニオンネットが行っています。
同社グループは、サービス領域の拡大とSNS運用支援事業におけるシェア拡大のため、M&Aを積極的に実行しています。2026年1月にはLINE公式アカウントの運用支援に強みを持つ株式会社エルマーケを、2026年3月にはSNSマーケティング支援事業を展開する株式会社ライスカレーLSを子会社化しました。また、インバウンド領域では、訪日外国人向けメディア「Talon Japan」を軸としたサービス展開を推進しています。本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、国内市場が主要な収益源となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期間において変動が見られます。2023年3月期から2025年10月期にかけては増加傾向にありましたが、2023年10月期は決算期変更に伴う7ヵ月決算、2026年3月期は決算期変更に伴う5ヵ月決算となっており、単純な比較はできません。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、売上高と同様に変動しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 16.5億円 | 10.3億円 | 21.6億円 | 26.3億円 | 13.0億円 |
| 経常利益 | 80百万円 | 25百万円 | 1.5億円 | 1.7億円 | 60百万円 |
| 経常利益率 | 4.8% | 2.5% | 6.8% | 6.3% | 4.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 44百万円 | 10百万円 | 73百万円 | 1.3億円 | 29百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 31.46 | 6.76 | 52.78 | 107.34 | 18.55 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して減少しています。従業員1人あたりの営業利益も同様に減少しています。これは、当期が2025年11月1日から2026年3月31日までの5ヵ月決算であるため、前期の12ヵ月決算との単純な比較はできない点に留意が必要です。
| 指標 | 2025年10月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 11.1百万円 | 5.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.7百万円 | 0.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ラバブルマーケティンググループは、事業活動を通じて得た資金を成長投資に積極的に充てている状況です。これにより、将来に向けた事業拡大を進めていることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から改善し、手元資金も増加しています。これは、事業運営の安定性を示す要素の一つです。自己資本比率は非製造業のプライム市場平均を上回っており、一定の財務健全性を保っていると言えます。
| 指標 | 2025年10月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 4.6億円 | 9.9億円 |
| 自己資本比率 | 21.9% | 30.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 39.1% | 4.3% |
| 現金及び預金 | 8.7億円 | 10.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは1百万円の収入となりました。これは主に売上債権の増加による資金の減少があった一方、税金等調整前当期純利益や法人税等の還付による資金の増加があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは△8.2億円の支出となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出があったことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは9.5億円の収入となりました。これは主に長期借入れによる収入や株式の発行による収入があった一方、長期借入金の返済による支出があったことによるものです。
当期は本業で資金を生み出しつつも、積極的な投資活動によりフリーキャッシュ・フローはマイナスとなっています。これは、将来の成長に向けた事業拡大に資金を投じている状況を示しており、事業の成長性への期待が持てる一方で、短期的な資金の流出が続いている状態です。
| 項目 | 2025年10月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △2百万円 | 1百万円 |
| 投資CF | △1.1億円 | △8.2億円 |
| 財務CF | △6百万円 | 9.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.1億円 | △8.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは現在「マーケティング事業」単一セグメントで事業を展開しており、その中心はSNSマーケティングをはじめとするデジタルマーケティング領域が占めています。主要SNSプラットフォームの利用動向や仕様変更、広告市場の変化等により、中核となる事業領域の成長が鈍化する可能性があります。
また、生成AI技術の急速な進展により、コンテンツ制作やマーケティング自動化など様々な業務領域に影響を与えつつあります。これに伴い、生成AIを活用した新たなマーケティング支援ツールやAI主導の自動運用サービスの市場参入が活発化しており、同社グループの主要事業と競合する可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの事業展開においては、マーケティングの運用支援を担う高度な専門スキルや、SNSをはじめとするデジタル領域への深い理解を持つ人材が不可欠です。必要な人材の確保が計画どおり進まなかった場合や、既存人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因となる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ラバブルマーケティンググループは、「愛されるマーケティング(Lovable Marketing)」という独自のコンセプトを掲げ、生活者や購買者の視点に立った価値ある情報提供を追求しています。SDGsに基づく経営と「人に地球に共感を」というパーパスのもと、働きがいのある組織づくりを通じて持続可能な社会の実現を目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ラバブルマーケティンググループは、「最も愛されるマーケティンググループを創る」ことをミッションに掲げています。同社グループは、短期的な成果のために生活者を欺いたり、邪魔をしたりする広告・マーケティング活動は行わないという強い思いを持っています。
これからの広告・マーケティングは、生活者や購買者の視点に立ち、価値のある情報を適切な形で届けることが重要であると考えています。同社グループはこれを「愛されるマーケティング(Lovable Marketing)」と位置づけ、そのコンセプトを推進することで日本のマーケティング業界を変えていくことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「愛されるマーケティング(Lovable Marketing)」という全事業活動のコンセプトを“人”が支えていると考えています。そのため、「SDGsに基づく組織づくり」をマテリアリティ(重要課題)として設定しています。
「人に地球に共感を」をパーパスとし、「理解し合える社会、持続可能な社会」を事業活動を通じて広めることを重視しています。働きがいのある組織づくりを活動の礎とし、コミュニケーションの力で「共感」の輪を広げ、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。成長機会と評価の公平性を重視し、生産的かつエコなマーケティング活動、持続可能な開発ライフスタイルの促進、健全なICT社会の実現をマテリアリティとしています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ラバブルマーケティンググループは、持続的成長のためにいくつかの重点テーマに取り組んでいます。同社グループおよびサービスの認知度向上を図るため、展示会やカンファレンス等の外部イベントへの出展を強化し、IR活動にも注力しています。
また、人材戦略の強化と生成AIの活用による生産性向上を重要な経営課題と捉えています。優秀な人材の確保と育成、採用力の強化、教育体制の整備・拡充を進めるとともに、生成AI技術を活用した業務支援や人材育成の高度化に取り組んでいます。
さらに、9社の連結子会社を保有するグループ経営の強化も推進しています。グループ内各社の強みやノウハウを相互に活かし合い、シナジー効果を最大限に発揮することで、グループ全体の事業成長と企業価値の向上を図っています。コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、内部管理体制の整備・運用強化にも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ラバブルマーケティンググループは、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人、内部監査室を設置する監査役会設置会社です。経営の健全性、効率性、透明性を確保できる体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ラバブルマーケティンググループの株主構成を見ると、筆頭株主はAIフュージョンキャピタルグループです。また、代表取締役の林雅之氏が個人名義と資産管理会社を通じて上位株主として名を連ねており、経営陣が一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| AIフュージョンキャピタルグループ | 45.87% |
| 合同会社みやびマネージメント | 11.51% |
| 楽天証券共有口 | 5.10% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は林雅之氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 林 雅之 | 代表取締役社長 | 1995年4月株式会社三和銀行(現株式会社三菱UFJ銀行)入行、2008年11月株式会社コムニコ設立代表取締役社長、2014年7月同社設立代表取締役社長より現職。 |
| 長谷川 直紀 | 取締役 | 2013年4月株式会社コムニコ入社、2014年10月同社取締役、2022年6月同社取締役より現職。 |
| 松本 高一 | 取締役 | 2003年9月株式会社AGSコンサルティング入社、2014年10月SMBC日興証券株式会社入社、2026年1月同社取締役より現職。 |
| 久保 隆 | 取締役 | 1988年4月大阪弁護士会弁護士登録、森田宏法律事務所(現天満総合法律事務所)入所、1994年1月同事務所パートナーより現職。 |
社外取締役は、鵜川太郎氏(リルーデンス代表取締役)、柿沼佑一氏(高篠・柿沼法律事務所パートナー)、深川裕季氏(深川公認会計士事務所代表)です。
同社は現在、監査役会設置会社として、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人、内部監査室を設置しています。2026年6月29日開催予定の定時株主総会で承認されることを条件に、監査等委員会設置会社へ移行する方針です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ラバブルマーケティンググループの役員報酬は、職責や役位、業績、他社の水準などを考慮して取締役会で決定されます。業績連動報酬は連結営業利益を指標とした現金報酬として支給され、中長期的な企業価値向上を目的としたストックオプションによる非金銭報酬も付与されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 21百万円 | 5.2百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 12百万円 | 1.9百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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