※本記事は、株式会社POPER の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
POPERは、少子化や労働力不足に直面する教育業界において、SaaS型業務管理プラットフォーム「Comiru」および「BIT CAMPUS」を提供しています。これにより、教育現場のバックオフィス業務をデジタル化し、生産性向上を支援しています。
単体従業員数は85名です。同社の事業セグメントは、教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業の単一セグメントです。
POPERは、教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業を単一セグメントとして展開しており、グループ会社に関する記載はありません。
2024年5月には、POPERは株式会社ティエラコムから学習塾経営支援システム「BIT CAMPUS」の事業を承継し、顧客基盤とサービス対応体制を強化しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
POPERは、教育事業者向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業を展開しており、従業員の平均年齢や勤続年数から、比較的若く成長志向の組織であることがうかがえます。働き方においては、多様な人材が活躍できるよう柔軟な制度や自己研鑽の機会を提供している点が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短めであることから、活発な組織であり、新しい人材が継続的に加わっている傾向が見られます。これは、事業の成長フェーズや業界特性を反映していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,539,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.7年 |
| 平均年齢 | 35.7歳 |
| 単体従業員数 | 85人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」をミッションに掲げ、事業を通じて社会問題の解決に貢献することを目指しています。持続的な成長には人的資本への投資が不可欠と認識しており、専門性の高い人材の採用と育成を重視しています。
多様な人材が仕事と家庭を両立し、最大限の能力を発揮できる職場環境と企業風土の醸成に取り組んでおり、全ての従業員に自己研鑽と自律的な行動を求めています。具体的には、性別や国籍を問わず高度なスキルや実践経験を持つキャリア採用を積極的に行っています。
全社の共通価値観を「子供たちが憧れるカッコいい大人になろう」と定め、社員研修や人事制度に組み込むことで、企業カルチャーに即した教育と育成を図っています。また、上期・下期に個人目標を設定する目標管理制度を導入し、人物主義に基づいた人事評価を通じて、個人の能力開発を支援しています。
社内環境整備としては、リモート勤務やフレックスタイム制の導入、リフレッシュ休暇、家族休暇、結婚休暇、育児休暇などの各種休暇制度を設けています。さらに、書籍購入制度やセミナー参加費用支援制度、語学検定支援制度など、自己研鑽を支援する制度も充実させています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
当社は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
POPERは、教育業界が直面する少子化や労働力不足といった課題に対し、SaaS型業務管理プラットフォーム「Comiru」を中心に、教育現場のデジタル化(DX)を推進している企業です。講師が生徒と向き合う時間を増やし、教育の本質的な価値創出を支援する事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」をミッションに掲げ、学習塾を中心とした教育事業者向けのSaaS型業務管理プラットフォーム事業を単一セグメントとしています。主力サービスである「Comiru」は、教育事業者のバックオフィス業務効率化と保護者とのコミュニケーション強化を目的としたサービスです。
「Comiru」を基盤として、オンライン授業・自宅学習支援サービス「ComiruAir」、講師の労務管理・コミュニケーションサービス「ComiruHR」、請求・決済管理サービス「ComiruPay」、学習塾経営支援システム「BIT CAMPUS」といった多様なサービスを提供しています。これらのサービス群を有機的に連携させることで、教育事業者の経営効率化を全般的に支援する「教育プラットフォーム」としての価値提供を進めています。
各サービスの収益モデルは、利用生徒ID数や利用教室数、利用時間、講師ID数、集金件数に応じた月額費用が中心であり、サブスクリプション型のリカーリングモデルを構築しています。これにより、安定的な収益の積み上げを目指しています。顧客基盤は中小規模の学習塾が中心ですが、大手学習塾向けの「ComiruPRO」や「ComiruERP」への展開、さらには英会話教室やプログラミングスクールなどの習い事領域、そして公教育の学校領域へと事業領域を拡大しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益のすべての段階で前年同期を大きく上回る結果となりました。主力サービスである「Comiru」の有料契約企業数や課金生徒ID数の着実な増加が売上高の力強い成長を牽引しています。
売上総利益は増収効果と開発部門の生産性向上により大きく伸びています。利益面では、事業拡大に伴う人件費の増加を吸収しつつ、費用対効果を重視したマーケティング施策の徹底により販管費率が改善し、営業利益は大幅な増益となりました。経常利益も同様に大きく増加しています。特別損失として「BIT CAMPUS」のシステム移行関連費用を計上したものの、本業の収益力がこれを吸収し、当期純利益も増加しています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
POPERは、本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた投資も継続している段階にあります。財務基盤は堅固であり、事業活動を通じて着実に資金を増やしている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率が高く、手元資金も潤沢に確保されている状況です。これは、事業の安定性を示す重要な要素となります。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 723百万円 | 876百万円 |
| 自己資本比率 | 67.6% | 70.5% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金 | 706百万円 | 849百万円 |
※純資産は、2024年10月期が723,390千円、2025年10月期が875,698千円です。
※現金及び預金は、2024年10月期が705,961千円、2025年10月期が848,903千円です。
同社の自己資本比率は当期で70.5%となっており、前期の67.6%から増加しています。これは、プライム市場の平均(製造業46.8%、非製造業24.2%)と比較しても高い水準を示しています。
手元資金である現金及び預金は、前期の706百万円から当期は849百万円へと増加しました。この潤沢な手元資金は、不況時における耐性や、今後の事業展開における柔軟性を高めるものとなっています。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
POPERは、本業で着実に資金を稼ぎ出し、その資金を将来の成長に向けた投資に充てています。財務活動では借入金の返済を進めつつ、新株予約権の行使による資金調達も行っています。
営業活動によるキャッシュ・フローは、当期に213百万円の獲得となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上や未払金の増加があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、当期に△21百万円の使用となりました。これは主に、ソフトウエア開発に伴う無形固定資産の取得による支出によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、当期に△49百万円の使用となりました。これは、短期借入金の借入による純増や新株予約権の行使による株式の発行による収入があった一方で、長期借入金の返済による支出があったことによるものです。
フリーキャッシュ・フローは当期に192百万円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している状況です。これは、同社が安定した事業運営を継続しながら、将来の成長に向けた投資も着実に実行していることを示しています。
| 項目 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 61百万円 | 213百万円 |
| 投資CF | △88百万円 | △21百万円 |
| 財務CF | 73百万円 | △49百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △27百万円 | 192百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、主力サービスである「Comiru」等のSaaS型サービスによる売上が大部分を占めており、特定の事業領域への依存リスクがあります。また、教育業界は少子化に伴う学齢人口の減少という問題に直面しており、教育市場全体が著しく縮小した場合、同社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
今後の事業拡大を推進する上で、優秀な人材の確保及びその育成が重要であると認識されています。人材の新規採用や育成が予定通りに進まない場合、同社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
POPERは、教育現場のDXを推進し、講師が「教える」ことに専念できる環境づくりを目指しています。その実現に向けて、どのような価値観を大切にし、どのような組織文化を築いているのかを見ていきましょう。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」をミッションとして掲げています。このミッションに基づき、学習塾を中心とする教育事業者の講師が煩雑なバックオフィス業務に追われることなく、本来の目的である「教える」に専念できるプラットフォーム「Comiru」を主軸として開発・運営を行っています。
同社は、クラウド型学習塾向け業務管理システムの市場におけるリーディングカンパニーとして、市場を牽引する役割を果たすことを重要であると認識しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、全社の共通価値観として「子供たちが憧れるカッコいい大人になろう」を定めています。この価値観を社員研修や人事制度に組み込むことで、企業カルチャーに即した教育と育成を図っています。
全ての従業員に対し、自己研鑽を重ねて高い専門性を身に付けることや、自律的に行動していくことを求めています。性別や年齢に関わらず、多様な個性や価値観を持つ従業員が働きがいを感じながら、個人のライフスタイルに合わせた働き方ができる環境の整備に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、継続的な事業成長の実現に向けて、組織体制の整備を優先的に対処すべき課題の一つとしています。多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材の採用を推進し、従業員が中長期にわたって活躍しやすい環境の整備、人事制度の構築、カルチャーの推進を進めています。
また、提供するサービスに関連して多数の顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っていることから、情報管理体制の強化にも取り組んでいます。情報セキュリティ基本方針を定め、社内教育・研修の実施やシステムの強化・整備を実施していく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
POPERは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を設置しています。経営の健全性・効率性・透明性を確保するため、最適な経営管理体制の構築に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
POPERの筆頭株主は代表取締役の栗原慎吾氏です。創業者が大株主として経営を支える体制となっています。また、学校法人駿河台学園や光通信KK投資事業有限責任組合といった事業会社や投資組合も上位株主に名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 栗原 慎吾 | 29.45% |
| 学校法人駿河台学園 | 14.31% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 6.48% |
| INTERACTIVE BROKERS LLC | 6.07% |
| SBI証券 | 4.98% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役は栗原慎吾氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 栗原 慎吾 | 代表取締役 | 2007年住友スリーエム株式会社(現 スリーエム ジャパン株式会社)入社、2011年ソウルドアウト株式会社入社、2015年同社設立代表取締役就任より現職。 |
| 繆 仁軍 | 取締役CTO | 2012年株式会社夢テクノロジー入社、2017年同社入社、2017年同社取締役CTO就任より現職。 |
| 林 圭介 | 取締役COO | 2007年DesignUnit-a入社、2018年同社入社、2018年同社取締役COO就任より現職。 |
| 姚 志鵬 | 取締役CFO | 2008年大和証券SMBC株式会社(現 大和証券株式会社)入社、2020年同社入社、2021年同社取締役CFO就任より現職。 |
社外取締役は、和田圭史氏(ブレイクスルーパートナーマネジメント代表取締役)です。
POPERは監査役会設置会社です。社外取締役は、複数の事業会社での取締役・監査役経験を持つ和田圭史氏が務め、経営に対する適切な監督と助言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
POPERの役員報酬は、基本報酬、短期業績連動報酬、ストック・オプションで構成されています。社外取締役と監査役の報酬は、独立性の観点から基本報酬のみが支払われる方針です。業務執行取締役の短期業績連動報酬は、当期純利益の達成状況を反映した現金報酬として支給されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 63百万円 | 15.8百万円 |
| 社外取締役 | 1名 | 3百万円 | 2.9百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 12百万円 | 4.1百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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