※本記事は、GLOE株式会社 の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
GLOEグループは、eスポーツ市場をはじめとするゲーム周辺領域で事業を展開しています。eスポーツやゲームイベントの企画・運営、ゲーム関連のマーケティングソリューションを提供しています。
単体従業員数は71名、連結従業員数は96名です。同社グループのセグメントはeスポーツ事業の1つです。
主な国内グループ会社は、カヤック(コンテンツ事業)、en-zin、配信技術研究所(通信技術開発事業・広告事業)、28などです。
2025年2月には、デザイン事業やアプリ開発を手掛ける株式会社28を完全子会社化しました。これにより、エージェンシーサービスの提供ソリューションを拡充しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
GLOEはeスポーツ事業を展開しており、成長分野で活躍する企業です。同社グループでは、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力し、従業員のキャリア形成や働きやすさを重視した制度を導入しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短めであることから、活発な人材流動性や成長フェーズにある組織の特性がうかがえます。若手社員が中心となって事業を推進している傾向があると言えます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,242,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.9年 |
| 平均年齢 | 32.8歳 |
| 単体従業員数 | 71人 |
| 連結従業員数 | 96人 |
| 単体のグループ内比率 | 74.0% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「ゲームをきっかけに人と社会をHAPPYにする。」というミッションを掲げ、持続可能な社会への貢献とミッション達成のため、人材を資本の一部と位置づけています。年齢、学歴、性別、国籍などの枠を超え、各個人の能力に基づく採用を進める方針です。
多様な人材が活躍できるよう、企業ミッション・ビジョン・バリューを基軸としたカルチャーの醸成に努めています。具体的には、従業員のキャリアパス選択制度の採用、社内規程に基づく副業の許可、リモートワーク制度の導入、育児休暇取得の奨励などの制度を導入しています。今後も多様性の確保に向けた社内環境整備を進めていく方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
GLOEグループは、「ゲームをきっかけに人と社会をHAPPYにする。」をミッションに掲げ、eスポーツ市場をはじめとするゲーム周辺領域で事業を展開しています。ゲームの持つ普遍的な魅力と社会課題の解決力を最大限に引き出すことを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、GLOEと連結子会社3社(株式会社en-zin、配信技術研究所株式会社、株式会社28)で構成されています。主なサービスは「eスポーツ・イベントサービス」と「エージェンシーサービス」の二つです。
「eスポーツ・イベントサービス」では、ゲームメーカーなどのクライアントに対し、eスポーツやゲームイベントの企画・運営を行っています。各ゲームタイトルへの深い理解に基づき、ゲームメーカー、参加者、視聴者の三者が喜ぶイベント作りを得意としています。特にユーザーコミュニティの特性を理解し、共感されるストーリー作りを重視しており、独自のイベント実績と知見を強みに海外ゲームメーカーの日本国内プロモーションも支援しています。株式会社en-zinは、このサービスにおけるイベント企画・運営を担っています。
「エージェンシーサービス」では、ゲームに関連する様々なマーケティングソリューションを提供しています。具体的には、実況者・解説者・インフルエンサーのキャスティング、eスポーツに関心を持つ企業と活躍する人とのマッチングを行うスポンサー仲介、インフルエンサーを起用した新作ゲームのプロモーション、公式オンラインコミュニティのプロデュース・運営によるコミュニティマーケティング、SNSを通じたブランド認知拡大やファンエンゲージメント向上を図るSNSマーケティングなど、多岐にわたる施策を展開しています。配信技術研究所株式会社はインフルエンサーマーケティングを、株式会社28はデザイン事業を担っています。
同社グループはeスポーツ事業の単一セグメントですが、サービス別の販売高を見ると、「eスポーツ・イベントサービス」が最も大きな割合を占めており、次いで「エージェンシーサービス」が続いています。当連結会計年度においては、両サービスともに販売高が増加しています。
海外の外部顧客への売上高は連結損益計算書の売上高の90%を超えないため、本邦の外部顧客への売上高が大部分を占めています。また、特定の主要な販売先への売上高が連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期の業績推移を見ると、売上高は継続して増加傾向にあります。経常利益も増加傾向を示しており、特に当連結会計年度は前期から大きく増加しました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期までは損失が続いていましたが、当連結会計年度において黒字に転換しました。これは、インフルエンサー主催イベントや海外案件、新規マーケティング領域での受注拡大による売上高の増加、およびイベント制作における売上原価率の圧縮、生産性向上などが要因となっています。
| 項目 | 2021年10月期 | 2022年10月期 | 2023年10月期 | 2024年10月期 | 2025年10月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | 22.6億円 | 22.6億円 | 28.4億円 |
| 経常利益 | - | - | 2百万円 | 14百万円 | 25百万円 |
| 経常利益率 | - | - | 0.1% | 0.6% | 0.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | △6百万円 | △19百万円 | 4百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | △2.11 | △7.02 | 1.38 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、当連結会計年度において前期からわずかに減少する傾向が見られます。一方、従業員1人あたり営業利益は、前期から横ばいの水準を維持しています。
当連結会計年度では、連結従業員数が前期に比べて増加しており、これは主に株式会社28を連結子会社としたことによるものです。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 30.1百万円 | 29.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.2百万円 | 0.2百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
GLOEは、本業で安定した資金を創出しつつ、将来の成長に向けた積極的な投資を行っている段階です。財務基盤を強化しながら事業拡大を進めています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
GLOEグループの自己資本比率は前期から減少していますが、当期は29.7%となっています。これは非製造業のプライム市場平均と比較すると高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は0.8%であり、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は増加傾向にあり、不測の事態への耐性がある状態です。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 5.0億円 | 5.1億円 |
| 自己資本比率 | 45.5% | 29.7% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 0.8% |
| 現金及び預金 | 3.6億円 | 4.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
GLOEグループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは収入となっています。これは主に仕入債務の増加や前受金の増加によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは支出が大幅に増加しており、有形固定資産や無形固定資産の取得、敷金及び保証金の差入など、事業拡大に向けた積極的な投資が行われていることを示しています。財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入れや短期借入れによる収入が返済を上回り、資金調達を進めている状況です。
フリーキャッシュ・フローは当期にマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている成長投資フェーズにあることがわかります。これは将来の事業拡大に向けた投資を優先している状態であり、今後の事業成長が期待されます。
| 項目 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.4億円 | 1.3億円 |
| 投資CF | △0.1億円 | △1.9億円 |
| 財務CF | △0.4億円 | 1.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.4億円 | △0.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが事業を展開するeスポーツ市場は、クライアント企業の広告予算やスポンサー料に依存する側面が強く、景気後退等によるプロモーション支出抑制は業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ゲームメーカーとの関係が悪化した場合や、eスポーツに対する方針の変更によりゲーム利用が中止された場合、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、優秀な人材の確保と育成、人材流出防止のための環境整備を重要課題としています。人材獲得競争が激しいことから、必要な人材を確保できない場合や有能な人材が流出してしまった場合には、今後の事業展開に制約を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
GLOEは、eスポーツ市場を軸に事業を展開し、「ゲームをきっかけに人と社会をHAPPYにする。」というミッションを掲げています。このミッションのもと、同社グループがどのような価値観を大切にし、どのような組織を目指しているのかを見ていきましょう。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
GLOEグループは、「ゲームをきっかけに人と社会をHAPPYにする。」をミッションに掲げ、事業活動を行っています。eスポーツ市場をはじめとするゲーム周辺領域で事業を展開し、年齢や性別を超えて人々を繋ぐゲームの普遍的な魅力や、ゲームが持つ課題解決力とその社会貢献性を引き出すことで付加価値を生み出すことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
GLOEグループは、「ゲームをきっかけに人と社会をHAPPYにする。」というミッションのもと、迅速かつ透明性のある意思決定とコンプライアンスの徹底を重視しています。全てのステークホルダーに対する利益の最大化を図り、企業価値の拡大を目指しています。
人材を重要な資本と位置づけ、年齢、学歴、性別、国籍などの枠を超えた能力に基づく採用を進めています。多様な人材が活躍できるよう、企業ミッション・ビジョン・バリューを基軸としたカルチャーの醸成に努めています。従業員のキャリアパス選択制度の採用、社内規程に基づく副業の許可、リモートワーク制度の導入、育児休暇取得の奨励などの制度を導入し、多様性の確保に向けた社内環境整備を進める方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
GLOEグループは、事業拡大を進める上でいくつかの重点テーマに取り組んでいます。新技術や新規ゲームタイトルへの対応として、社内にテクニカルチームを設け、新規ゲームに精通する機会を創出しています。
人材育成による生産性の向上も重要な課題であり、企業理念の社内浸透や社内教育制度の整備を強化しています。ユーザーが安心して利用できるサービスを提供するため、個人情報保護や知的財産保護等の安全性の強化、そしてコンプライアンス研修やコンテンツ管理を通じた健全性の維持に取り組んでいます。
また、事業拡大に応じた内部管理体制の構築とコーポレート・ガバナンスの充実、成長速度に見合った人材の確保及び育成も継続的な課題としています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
GLOEは取締役会設置会社および監査役会設置会社であり、取締役と監査役による経営監視体制を構築しています。また、コンプライアンス委員会やリスク管理委員会を設置し、ガバナンス体制の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
GLOEの筆頭株主は事業会社であるカヤックです。また、同社の代表取締役である谷田優也氏も上位株主として名を連ねています。このように、事業会社と経営陣が主要な株主として同社を支える資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| カヤック | 51.41% |
| 谷田 優也 | 6.25% |
| GMOクリック証券 | 2.01% |
| SBI証券 | 1.65% |
| 楽天証券 | 1.45% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役は谷田優也氏と古澤明仁氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 谷田 優也 | 代表取締役 | 2004年4月にマリノに入社後、ファーストビット、角川コンテンツゲート、エンターブレイン、マーベラスAQL(現マーベラス)を経て、2015年11月に同社を設立し代表取締役に就任。en-zin、28の取締役も兼任し現職。 |
| 古澤 明仁 | 代表取締役 | 2003年10月にロジクールに入社後、サンディスク、SANKOを経て、2016年10月にライゼストを設立し代表取締役に就任。2021年2月より同社代表取締役に就任し現職。PLAYHERA JAPAN、配信技術研究所、28の取締役も兼任。 |
| 村田 光至朗 | 取締役管理本部長 | 2009年4月に三菱UFJニコスに入社。2019年5月に同社に入社し管理部長を経て、2021年2月より取締役管理本部長に就任し現職。en-zinの取締役、配信技術研究所、28の監査役も兼任。 |
社外取締役は、田村征也氏(千葉ジェッツふなばし代表取締役社長)、岩﨑恵子氏(公認会計士)、松本祐輝氏(弁護士)、山田洋司氏(元エスドライヴ代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の監督機能を担っています。親子上場の子会社であることから、独立性の高い社外取締役を選任し、一般株主の保護と経営の効率化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
GLOEの取締役の報酬は、株主総会で決定された総額の範囲内で、代表取締役が各取締役の役割や貢献度、業績などを考慮して決定されます。基本報酬となる金銭報酬には業績連動制度は採用されていません。また、取締役に対してはストックオプションとしての新株予約権も付与されており、監査役の報酬は監査役会の協議により決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 41百万円 | 10.3百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 14百万円 | 3.5百万円 |
同社の役員報酬の総額は55百万円であり、対象となる役員の合計人数は8名です。
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。