※本記事は、株式会社笑美面 の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
笑美面グループは、「高齢者が笑顔で居る未来を堅守する」をビジョンに掲げ、介護家族が心の介護に向き合える社会の実現を目指しています。主にシニアホームの紹介サービスであるシニアライフサポートサービスを展開し、介護家族の負担軽減に貢献しています。
単体従業員数は179名、連結従業員数は188名です。セグメントはシニアライフサポートサービス、シニアホームコンサルティングサービスの2つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ケアサンクなどです。
| 名称 | 主要な事業の内容 |
|---|---|
| ㈱ケアサンク | 介護コンサルティング事業・不動産コンサルティング事業 |
同社グループは当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更し、笑美面が「シニアライフサポートサービス」、連結子会社のケアサンクが「シニアホームコンサルティングサービス」を担っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
笑美面グループは、「世の中にあってはならない社会課題の解決」を起点に、人材を最も重要な経営資源と位置付けています。高齢者が笑顔で過ごせる社会の実現を目指し、そのためのコーディネーター育成に力を入れています。従業員が誇りを持って働き続けられる環境づくりを重視している会社です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、比較的若い年齢層の従業員が多く、平均勤続年数は短めの傾向にあります。これは、業容の拡大に伴う積極的な採用活動や、多様なバックグラウンドを持つ人材が挑戦できる風土を反映していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,881,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.1年 |
| 平均年齢 | 34.7歳 |
| 単体従業員数 | 179人 |
| 連結従業員数 | 188人 |
| 単体のグループ内比率 | 95.2% |
同社は確定給付型の退職給付制度として、退職金規程に基づく退職一時金制度を採用しています。簡便法により退職給付債務を計算しており、2025年10月31日時点の退職給付に係る負債は13百万円となっています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「世の中にあってはならない社会課題の解決」を起点に人間力を高め、誇りが生まれる場を提供することを人材戦略の基本方針としています。持続的成長と企業価値向上において人材を最も重要な経営資源と捉え、特にシニアホーム紹介を支援できるコーディネーターの増加を重視しています。
人事制度においては、一切の年功序列を排除し、社会課題解決への貢献度を正当に評価し昇進できる仕組みを構築しています。多様な人材ミッションとして「社会課題の解決で世の中に恩返しをする」を掲げ、異業界からでも挑戦できる風土と育成体制づくり、リファラル制度の制定を通じて多様な人材の採用を積極的に行っています。
育成面では、「Sales Enablement」を導入し、営業のマニュアル化とプロセス管理を徹底することで、新入社員の早期立ち上がりを支援しています。動画を中心とするラーニングツールや1on1を通じて、異業種からの転職者でも安心してチャレンジできる育成体制を強化しています。また、リモートワークやフレックス制度といった多様な働き方の選択肢を提供し、ウェルビーイングサーベイを月1回実施して従業員のコンディションや組織課題をモニタリングしています。適性診断による採用ミスマッチ防止や、持株奨励金制度、性的少数者に関するガイドラインの作成及びパートナーシップ制度、D&Iアワード、トップインクルーシブカンパニー申請といった制度も導入し、「働き続けたい」環境づくりに努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は公表義務の対象外のため、記載を省略しています。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 22.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 7.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 7.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
笑美面グループは、高齢者が笑顔でいられる社会の実現を目指し、介護家族を支援するサービスを提供しています。シニアホームの紹介と、質の高いシニアホームを増やすためのコンサルティングを主な事業としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
笑美面グループは、高齢者とその介護家族が直面する課題を解決するため、シニアホームの紹介サービスと、シニアホームの運営支援サービスを展開しています。同社グループは、介護家族が被介護者の「心の介護」に専念できる社会の実現を目指しています。
主力事業は「シニアライフサポートサービス」で、シニアホーム運営事業者からの紹介手数料が収益源です。もう一つの事業は「シニアホームコンサルティングサービス」で、シニアホームの開設支援やリース事業を通じて収益を得ています。同社グループの事業はすべて日本国内で展開されており、海外比率や為替リスクに関する記載はありません。また、特定の顧客への収益集中もありません。
シニアライフサポートサービス
介護を必要とする方とその介護家族に対し、最適なシニアホームを紹介し、入居までを無料でサポートするサービスです。病院のメディカルソーシャルワーカー(MSW)やケアマネジャー(CM)といった紹介パートナーからの相談を基に、対面でのマッチングサービスを提供しています。
収益は、シニアホーム運営事業者から入居のタイミングで紹介手数料を受領しています。また、シニアホーム運営事業者向けの情報連携サイト「ケアプライムコミュニティサイト」での広告掲載による収入も得ています。運営は、笑美面が行っています。
シニアホームコンサルティングサービス
地域に質の高いシニアホームを増やすことを目的に、シニアホーム運営を検討する土地オーナー等とシニアホーム運営事業者をマッチングするサービスです。2025年10月からは、土地建物を一括借り上げし、シニアホーム運営事業者に転貸する「ケアサンク パートナーリース」事業も開始しています。
収益は、シニアホーム開設が決まった時点で、主にシニアホーム運営事業者から情報提供による紹介料及びコンサルティング料を受領しています。パートナーリース事業では、サブリース形式による差額が収益となります。運営は、連結子会社のケアサンクが行っています。
| セグメント | 営業収益(2024年10月期) | 営業収益(2025年10月期) |
|---|---|---|
| シニアライフサポートサービス | - | 15.5億円 |
| シニアホームコンサルティングサービス | - | 3.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
笑美面グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しており、直近の業績が初めて開示されました。営業収益は18.7億円、経常利益は1.2億円、親会社株主に帰属する当期純利益は0.9億円となっています。シニアライフサポートサービスはセグメント損失を計上しましたが、シニアホームコンサルティングサービスが順調に利益を伸ばし、グループ全体の利益に貢献しています。
| 項目 | 2021年10月期 | 2022年10月期 | 2023年10月期 | 2024年10月期 | 2025年10月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | - | - | - | - | 18.7億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 1.2億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 6.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 90百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 22.12 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
笑美面グループの従業員1人あたり営業収益は10.0百万円、従業員1人あたり営業利益は0.6百万円となっています。これは、同社グループがシニアホーム紹介サービスにおけるコーディネーターの積極採用を進め、従業員数が増加した中で達成された数値です。事業拡大に伴う人員増強と生産性の維持・向上が今後の課題となることが示唆されます。
| 指標 | 2024年10月期 | 2025年10月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり営業収益(連結) | - | 10.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 0.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で着実に資金を生み出している状況です。その資金を将来の成長に向けた投資に積極的に充当しており、成長フェーズにあることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均(非製造業)を上回る水準にあり、安定した経営基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な資本活用が進んでいる状況です。手元資金も一定規模を確保しており、事業運営の安定性につながると考えられます。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 7.2億円 | 8.1億円 |
| 自己資本比率 | - | 59.0% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 11.0% |
| 現金及び預金 | 7.6億円 | 6.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の営業活動で資金を生み出している状況です。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは76百万円のプラスとなりました。これは主に税引前当期純利益の計上や未払金・預り金の増加によるものです。
一方で、投資活動によるキャッシュフローは△201百万円のマイナスとなっています。これは主に関係会社株式の取得や敷金及び保証金の差入による支出が要因です。本業で得た資金を、将来の成長に向けた投資に積極的に充当していることがうかがえます。
財務活動によるキャッシュフローは13百万円のプラスであり、長期借入れによる収入が長期借入金の返済による支出を上回っています。結果として、営業活動で得た資金を上回る投資を行っているため、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。これは、同社グループが成長フェーズにあり、事業拡大のための投資を優先している状況を示しており、将来的な事業成長とそれに伴う雇用・給与の安定性につながる可能性があります。
| 項目 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 76百万円 |
| 投資CF | - | △201百万円 |
| 財務CF | - | 13百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △124百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、主にシニアホーム等を営む企業から手数料等を受領しており、顧客企業の経営環境の変化が経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、シニアホーム紹介サービスは比較的参入障壁が低い事業であり、多数の企業が参入し競争が激しくなった場合には、同社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、コーディネーターの課題対応能力の効率的な育成が重要であると認識しており、人材の育成に時間を要した場合や多くの退職を防げなかった場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
笑美面は、「高齢者が笑顔で居る未来を堅守する」というビジョンを掲げ、介護家族と高齢者の双方を支援する事業を展開しています。事業を通じて社会課題の解決とポジティブなインパクト創出を目指し、人的資本を重視した企業風土を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
笑美面グループは、「高齢者が笑顔で居る未来を堅守する」というビジョンを掲げています。家族が心の介護に向き合い、高齢者が笑顔で居る社会の実現を目指しています。
同社グループは、事業成長とポジティブで測定可能な社会的・環境的インパクトの創出を意図する企業として「インパクトIPO」を達成しています。インパクト測定及びマネジメント(インパクト・メジャメント&マネジメント)、情報開示・発信、ステークホルダーとのエンゲージメント活動に継続的に取り組む方針です。
中長期的には、「マッチするシニアホームとの出会いにより、負担が軽減している介護家族が47都道府県で増加」と「自らの強みを伸ばしてサービスの質を上げ、介護家族に安心を提供しているシニアホームの増加」という二つの社会変化の実現を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
笑美面グループは、「世の中にあってはならない社会課題の解決」を起点に人間力を高め、誇りが生まれる場を企業風土としています。仕事を通じて周囲の幸せを願う想いを大切にしています。
「意志を持った言動と行動で、自分で未来を定める」「気づきから自分なりに考え、進化する」「私らしくプロフェッショナルに」という価値観に共感する仲間が集い、協働・協創を生み出すことを目指しています。
「社会課題の解決で世の中に恩返しをする」をミッションとし、多様な経験を持つ仲間が誇りを持って働き続けることを重視しています。異業界からの挑戦を歓迎する風土と育成体制づくりに注力し、リファラル制度も導入しています。
また、年功序列を排除した評価制度やリモートワーク、フレックス制度など多様な働き方を支援しています。ウェルビーイングサーベイを通じて従業員のコンディションをモニタリングし、安心して挑戦・活躍できる環境を整えています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
笑美面グループは、事業運営における複数の重点テーマを認識しています。シニアホーム紹介サービスの知名度と社会的信用を向上させるため、サービスの質向上と提携シニアホーム数の拡大を目指しています。
人材の確保と育成も重要な課題です。優秀な人材を継続的に確保し、CRMシステムを活用した顧客関係管理の質向上、動画コンテンツによる教育体制強化、従業員一人ひとりの自立を促すことで退職予防にも努めています。
情報管理体制の強化にも取り組んでいます。個人情報保護に関する諸規程を定め、適法かつ適正な情報取扱いの確保と個人の権利保護を図り、社内教育や研修を継続的に実施しています。
事業の拡大・成長に対応するため、内部管理体制の強化も進めています。経営の公正性・透明性確保のため、コーポレート・ガバナンスを強化し、適切な内部統制システムの構築を図っています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
笑美面は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が経営監視に重要な役割を担う体制を構築しています。これにより、経営の透明性・公正性・迅速性の維持・向上を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
笑美面の筆頭株主は創業者の榎並将志氏であり、個人株主が上位に複数名を占める資本構成となっています。その他、楽天証券株式会社などの機関投資家も上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 榎並 将志 | 39.93% |
| 楽天証券 | 3.74% |
| 金田 喜人 | 2.88% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性5名・女性2名)で構成され、女性役員比率は28.6%です。代表取締役社長は榎並将志氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 榎並 将志 | 代表取締役社長 | 2006年7月に南栄商事に入社し取締役、2010年9月にトータルプロデュース(現 笑美面)を設立。2011年6月より同社代表取締役社長、2024年9月よりケアサンク取締役より現職。 |
| 木下 裕司 | 常務取締役 | 1998年4月信州ミサワホームに入社、2005年2月リクルートに入社。2017年4月同社に入社し、2019年11月取締役COO兼シニアライフサポート事業部長兼事業企画部長。2025年11月より同社常務取締役より現職。 |
| 鎌田 将晴 | 取締役CFO (管理部門管掌) | 2017年3月有限責任監査法人トーマツに入所、2020年10月グッピーズ(現 メドレー)に入社。2024年3月パブリックテクノロジーズ取締役CFO。2024年12月同社に入社し、2026年1月より同社取締役CFO(管理部門管掌)より現職。 |
社外取締役は、宝田めぐみ氏(宝田グローバルアドバイザーズ代表取締役)、岩﨑良亮氏(LENZO取締役CFO・監査等委員)、牧野誠司氏(弁護士法人賢誠総合法律事務所代表社員・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が議決権を持つ意思決定者の立場から経営に意見や指摘を行うことで、コーポレート・ガバナンスの強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
笑美面の役員報酬は、月例の固定報酬を基本としています。役位、職責、職掌範囲、コンピテンシー評価を総合的に勘案して決定されており、業績連動報酬は採用していません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 37百万円 | 12.3百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.4百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 8百万円 | 2.8百万円 |
役員報酬の総額は54百万円であり、対象となる役員の員数は7名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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