※本記事は、フィットイージー株式会社 の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
フィットイージーは、フィットネスマシンにアミューズメント要素(スタジオ、ゴルフ、サウナ、セルフエステなど)を取り入れた「アミューズメントフィットネスクラブ」を日本全国で展開しています。会員が楽しみながら健康になれる「サードプレイス」の提供を目指し、フィットネスクラブ運営事業を単一セグメントとしています。
単体従業員数は65名です。セグメントはフィットネスクラブ運営事業の1つです。
フィットイージーは、2025年10月末時点で日本全国に238店舗(直営23店舗、フランチャイズ・チェーン(以下、FC)215店舗)を事業展開しています。直営店の運営とFC加盟店へのブランド使用権提供、システム利用料、広告負担金、加盟金、開業監修費、トレーニング機器等の販売を通じて収益を得ています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
フィットイージーは、フィットネスクラブ運営事業を展開しており、従業員の平均年齢や勤続年数から、比較的若く活気のある職場環境がうかがえます。人材育成や多様な働き方を支援する制度を通じて、従業員の成長と働きがいを重視する姿勢が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が30代半ばであり、平均勤続年数も比較的短い傾向にあります。これは、事業の拡大に伴う積極的な採用や、若手社員が活躍しやすい環境であることを示唆していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,680,326円 |
| 平均勤続年数 | 2.3年 |
| 平均年齢 | 34.7歳 |
| 単体従業員数 | 65人 |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
フィットイージーは、企業理念に基づき、事業を通じたサステナビリティの実現と社会課題の解決を目指しています。その中で、「優れた人材を採用し、育成する」ことを経営の重要課題の一つとして位置付けています。
適切な人材を採用するため、採用プロセスを透明かつ公正に行い、多様な人材を活かす取り組みを推進しています。また、社員のキャリア開発やスキルアップのための教育プログラムを提供し、成長と組織の持続的な発展を支援しています。
様々な人材が社内で活躍できるよう、育児・介護休業等に関する規程や従業員が働きやすい環境整備などを定めており、やりがいをもって働ける組織の構築を推進している状況です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
女性管理職比率、男性育児休業取得率、および労働者の男女の賃金の差異は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき算出されています。パート・有期労働者に賃金の差異はないため、正規雇用労働者の賃金の差異を記載しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 74.1% |
日本の健康を守る
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 店舗数 | 238店舗 |
優れた人材を採用し、育成する
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 中途社員の採用 | 27人 |
| フランチャイズ運営研修の実施 | 毎月 |
| 階層別研修の実施 | 4回 |
| eラーニングの受講 | 100.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
企業に勤めるひとの健康・安全に寄与する
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 法人契約数 | 586社 |
| 法人会員数 | 31,538人 |
| 当社の有給休暇取得比率 | 50.1% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
フィットイージーは、フィットネスとアミューズメントを融合させた独自のクラブを全国展開し、人々の健康的なライフスタイルをサポートしています。同社は単一セグメントで事業を展開し、多様な収益源を持つビジネスモデルが特徴です。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
フィットイージーは、フィットネスマシンに加えて、スタジオ、高濃度酸素ルーム、ゴルフ、ラウンジ、サウナ、セルフエステなどのアミューズメント要素を取り入れた「アミューズメントフィットネスクラブ」を全国に展開しています。会員は入会店舗に関わらず全店舗を相互利用でき、24時間利用が可能です。顧客層は、20代から30代の男性だけでなく、40代以降や女性の利用者の比率も向上しています。
同社の収益は主に「直営売上」「運営売上」「開発売上」の三つの区分から構成されています。直営売上は、同社が直接運営する店舗からの会費や販売商品によるものです。運営売上は、フランチャイズ(FC)加盟店から受領するロイヤリティ、システム利用料、広告負担金などが含まれます。開発売上は、FC加盟店からの加盟金、開業監修費、新規出店に必要なフィットネストレーニング機器や店舗運営備品の代金、および直営店のFC店化に伴う売却代金から得られています。これらの売上区分の中で、開発売上が最も大きな割合を占める傾向にあります。
同社は、居抜き物件の活用、建材や設備品の海外直接大量仕入れ、既存店設備の再利用、自社内製化による店舗プラン作成と空間デザインなどにより、低コストでハイクオリティな設計・施工システムを実現しています。また、AI顔認証システムやスマート入会システム、FOS管理システム、WEB予約などのDX活用により、店舗運営の省力化を図り、効率的な運営体制を構築しています。
安心・安全なクラブ運営を目指し、日本フィットネス産業協会(FIA)への加盟や、個人情報保護のためのPマーク取得にも取り組んでいます。会員に非日常で洗練された「サードプレイス」を提供するため、カラーコーディネーターの色彩理論に基づいた店内デザイン、アロマディフューザーの設置、空調管理など、五感で楽しめる空間づくりにこだわっています。同社は「フィットネスクラブ運営事業」の単一セグメントとして事業を展開しており、本邦以外の外部顧客への売上高はありません。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
フィットイージーは、事業拡大を続ける中で、財務基盤の強化と成長投資を両立させています。現在の財務状況から、同社の安定性と今後の成長に向けた資金の流れを読み解くことができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)からその健全性を確認できます。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を大きく上回っており、安定した財務体質を示しています。また、ROEもプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金である現金及び現金同等物も増加しており、不測の事態への耐性も備わっている状況です。これらの財務状況は、同社が安定した事業運営を継続し、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する基盤となっていることを示しています。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 29.8億円 | 58.8億円 |
| 自己資本比率 | 50.7% | 58.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 36.3% | 26.0% |
| 現金及び現金同等物 | 25.0億円 | 32.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
フィットイージーのキャッシュフローは、本業で得た資金を成長投資に積極的に充てている状況を示しています。当期の営業活動によるキャッシュフローはプラスとなっていますが、前期に比べると減少しています。これは主に、税引前当期純利益があった一方で、売上債権の増加額があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュフローは、差入保証金の差入や有形固定資産の取得による支出が大きく、大幅なマイナスとなっています。これは、同社が新規出店や設備投資を活発に行い、事業拡大に向けた積極的な投資を進めていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは、株式の発行による収入があった一方で、配当金の支払いがあったため、プラスとなっています。これらの資金の流れは、同社が事業拡大を推進しており、今後の成長とそれに伴う雇用機会の創出につながる可能性があります。
| 項目 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 17.6億円 | 13.5億円 |
| 投資CF | △5.5億円 | △16.7億円 |
| 財務CF | △0.5億円 | 10.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 12.0億円 | △3.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社はフィットネスクラブ運営事業の単一事業であるため、フィットネス産業の成長が想定通り進まない場合や事業環境の変化に対応できない場合に、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、競合の新規参入やオンラインフィットネスの増加により、価格競争の激化や顧客流出が発生し、業績に影響を及ぼす可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、優秀な人材の確保と育成に関するリスクを認識しています。専門的なノウハウを持つ人材の採用競争激化や従業員の退職により、新規出店の停滞や加盟店サポート体制の弱体化、事業拡大の制約となる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
フィットイージーは、フィットネスを通じて人々の生活を豊かにし、社会に貢献することを目指しています。顧客体験を重視し、革新的なサービスと強固な組織体制で成長を追求する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
フィットイージーは、MISSIONとして「新たなフィットネス文化の創造で世界を変えていく」を掲げています。VISIONは「FIT YOUR STYLE、FIT-EASYでは安心安全で楽しくご利用いただけるトレーニング環境を提供し、皆様の生活の一部となれる、世界一のフィットネスクラブを目指します。」です。
同社は、運動を続けることの重要性や人々の新たな生活基準に沿った生活スタイルを提案するため、企業理念を発信しています。「アミューズメントフィットネスクラブ」を独自に展開し、会員にとってのサードプレイス(自宅でもない職場でもない第3の場所)となることを目指しています。フィットイージーは自らも変化し、より良いフィットネスクラブへと成長していくことを決意しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
フィットイージーは、VISION「FIT YOUR STYLE」とVALUE(行動規範)に基づき、事業を通じたサステナビリティの実現と社会課題の解決に全社員で取り組むことを目指しています。
同社は会員ファーストを重視しており、独自開発のデジタル意見箱「オピニオン・ボックス」を設置し、原則24時間以内の改善に活用しています。Google口コミの全店舗・全件管理、覆面調査、清掃の徹底、接客レベルの徹底といった戦略も実施しています。
適切な人材を採用するため、採用プロセスを透明かつ公正に行い、多様な人材を活かす取り組みを推進しています。社員がやりがいを持って働ける組織構築のため、育児・介護休業等に関する規程や働きやすい環境整備を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
フィットイージーは、顧客満足度向上と新規会員獲得のため、店舗業務やサービス改善、社員・スタッフの質の向上に取り組んでいます。デジタル意見箱「オピニオン・ボックス」の運用、Google口コミ管理、覆面調査、清掃・接客レベルの徹底といった会員ファースト戦略を推進しています。
また、AIヘルスケアオートメーションの展開も進めています。AI顔認証やAIカメラによるデータに基づき、フィットイージーアプリを通じて個々にAIトレーニングメニューを提供し、新たなライフスタイル提案を検討しています。
さらに、本部機能の充実と強固なFC管理体制の構築にも注力しています。リスク管理、コンプライアンス遵守、内部統制システムの強化を図り、FC加盟店や店舗責任者の育成にも力を入れています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
フィットイージーは、新たなフィットネス文化の創造を目指し、アミューズメントフィットネスクラブを国内で展開しています。株主をはじめとするすべてのステークホルダーの期待に応えるため、コーポレート・ガバナンスを通じて経営の透明性、効率性、健全性を高めることを重視しています。同社の取締役会は、社外取締役を招聘することで独立した見地からの経営監視を可能にする体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
フィットイージーの筆頭株主は、同社代表取締役社長である國江仙嗣氏の資産管理会社であるオリーブです。これに國江仙嗣氏個人が続き、創業家およびその関連会社が上位株主を占める資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| オリーブ | 45.39% |
| 國江 仙嗣 | 8.63% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 2.44% |
| 中森 勇樹 | 1.32% |
| 國江 紀久 | 1.21% |
なお、前事業年度末において主要株主であった國江仙嗣氏は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性10名・女性2名)で構成され、女性役員比率は17.0%です。代表取締役社長は國江仙嗣氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 國江 仙嗣 | 代表取締役社長 | 1983年4月 株式会社大岐インテリア入社、1994年4月 株式会社インテリアケイズ代表取締役就任、2018年7月 同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 中森 勇樹 | 取締役副社長 | 1993年4月 清水工業株式会社入社、2005年3月 FTC株式会社取締役就任、2021年12月 同社取締役副社長就任より現職。 |
| 藤原 祐次 | 常務取締役 経営管理本部長 | 1991年4月 松下電器産業株式会社入社、2011年7月 イノベーションラボ設立代表経営コンサルタント就任、2024年1月 同社常務取締役経営管理本部長就任より現職。 |
| 守田 拓記 | 常務取締役 営業統括本部長 | 2011年4月 株式会社帆風入社、2018年7月 同社入社、2021年12月 同社常務取締役営業統括本部長就任より現職。 |
| 國江 紀久 | 取締役 経営企画本部長 | 2004年4月 株式会社インテリアケイズ入社、2016年1月 同社取締役就任、2018年7月 同社取締役経営企画本部長就任より現職。 |
社外取締役は、新谷永氏(大洋ハウス代表取締役)、星野秀人氏(ダブリューズカンパニー取締役会長)、松浦陽司氏(元電算システムホールディングス取締役副社長)、森口祐子氏(プロスポーツ選手・大垣共立銀行社外取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会における経営上の意思決定の合理性・迅速性を確保しつつ、監査役会および内部監査担当による牽制体制を構築しています。社外取締役および社外監査役を選任することで、独立・公正な立場からの経営監視機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、株主総会で定められた報酬限度内で、個別の取締役の報酬額を取締役会決議によって決定しています。この際、各取締役の職務内容や成果を総合的に勘案しています。監査役の報酬については、監査役の協議を経て監査役会で決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.2億円 | 23.3百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 1百万円 | 1.2百万円 |
| 社外取締役 | 4名 | 14百万円 | 3.6百万円 |
| 社外監査役 | 2名 | 10百万円 | 5.0百万円 |
役員報酬等の総額は142百万円であり、対象となる役員の総数は12名です。同社は中長期的な企業価値の向上と株主との価値共有を報酬に反映させるため、株式報酬の導入を検討しています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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