ReYuu Japan 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ReYuu Japan 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ReYuu Japanは東京証券取引所スタンダード市場に上場し、スマートフォン等のリユースモバイル端末を中心としたリユース関連事業を展開しています。直近の業績は販売台数の増加等により大幅な増収を達成したものの、各種施策の推進等に伴い営業赤字・経常赤字が継続しており、収益基盤の確立に取り組む局面です。


※本記事は、ReYuu Japan株式会社の有価証券報告書(第38期、自 2024年11月1日 至 2025年10月31日、2026年1月30日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ReYuu Japanってどんな会社?


同社はスマートフォンなどのリユースモバイル端末の売買およびレンタル等を行う情報通信関連事業を展開しています。

(1) 会社概要


同社は1988年に日本テレホンとして設立され、通信機器のレンタルから事業を開始しました。1994年に携帯電話販売事業を開始し、2005年にジャスダック証券取引所に上場を果たしました。2008年より中古携帯電話機の販売と買取を開始してリユースモバイル事業を本格化させ、2024年にはReYuu Japanへと商号を変更し、新たなスタートを切っています。

同社(単体)の従業員数は34名です。筆頭株主はその他の関係会社であるSEACASTLE SINGAPORE PTE. LTD.で、第2位はShowcase Capital、第3位は業務提携先の兼松コミュニケーションズです。

氏名 持株比率
SEACASTLE SINGAPORE PTE. LTD. 24.92%
Showcase Capital 7.46%
兼松コミュニケーションズ 6.87%

(2) 経営陣


同社の役員は男性10名、女性0名の計10名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長CEOは重富崇史氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。

氏名 役職 主な経歴
重富崇史 代表取締役社長CEO 2002年NOVA入社。2007年同社入社。2018年執行役員経理財務部長、2022年上席執行役員等を経て2026年1月より現職。
吉田祥生 取締役COO 2013年サードウェーブエクスチェンジ入社。2022年同社入社。2024年執行役員商品統括部長等を経て2026年1月より現職。
谷口領 取締役CFO兼CSO 2005年KOBE証券入社。三菱UFJ証券、ギークス等を経て2025年同社入社。2026年1月より現職。
川俣清隆 取締役 2015年FILLERS代表取締役就任。A.W代表取締役、LSB consult取締役等を経て2026年1月より現職。


社外取締役は、澤田大輔氏(DSG1代表取締役)、Chow Cheuk Hang氏(Inception Growth Acquisition CEO)、松本高一氏(アッピア代表取締役)、久保隆氏(天満総合法律事務所パートナー)、八角大輔氏(AIフュージョンキャピタルグループ常務取締役)、藪田晃彰氏(マリングロースエステート代表取締役社長)です。

2. 事業内容


同社グループは、「情報通信関連事業」の単一セグメントの中で、リユース関連事業およびその他の事業を展開しています。

(1) リユース関連事業


スマートフォン、タブレット、パソコン等の通信端末機器について、リユース品を中心に売買する事業を展開しています。サプライヤーからの仕入や消費者・企業から直接買取りを行い、自社のモバイルリファビッシュセンターで査定やデータ消去等の処理を施した上で、リユースモバイル端末として販売しています。

収益源は、MVNO事業者や携帯代理店、卸売業者、小売業者、一般企業、海外市場等への販売代金、および個人向けのオンライン販売代金です。運営はReYuu Japanが行っています。

(2) その他の事業


法人向けに通信端末機器のレンタルサービス等を提供しています。リユース関連事業において調達し、整備等を行った通信端末機器を、顧客である法人企業に対してレンタルする事業を展開しています。

収益源は、法人顧客から受け取る通信端末機器のレンタル利用料です。運営はReYuu Japanが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は需要拡大や調達ネットワークの拡充により増加傾向にあります。一方で、利益面は各種施策の実施等により赤字が継続しており、収益力の改善と黒字体質の確立に向けた取り組みが進行中です。

項目 2021年4月期 2022年4月期 2022年10月期 2023年10月期 2024年10月期
売上高 54.6億円 54.6億円 15.5億円 40.9億円 47.3億円
経常利益 -1.2億円 -1.3億円 -2.0億円 -0.8億円 -1.9億円
利益率(%) -2.2% -8.2% -5.0% -1.7% -3.0%
当期利益 -2.3億円 -1.8億円 -0.8億円 -0.9億円 -2.3億円

(2) 損益計算書


売上高は前期比で大幅に増加した一方で、売上総利益は減少しており、売上総利益率は低下しています。また、営業赤字幅も拡大しており、売上の拡大に利益が伴っていない状況が見受けられます。

項目 2024年10月期 2025年10月期
売上高 47.3億円 62.6億円
売上総利益 4.8億円 3.7億円
売上総利益率(%) 10.2% 6.0%
営業利益 -0.6億円 -1.6億円
営業利益率(%) -1.4% -2.6%


販売費及び一般管理費のうち、給与手当が1.7億円(構成比31.5%)、支払手数料が0.7億円(同12.7%)、役員報酬が0.4億円(同8.2%)を占めています。売上原価については、大部分が商品の仕入原価からなる差引売上原価(構成比99.0%)となっています。

(3) セグメント収益


主力のリユース関連事業では、国内外の市場拡大を背景に販売促進と調達力強化が奏功し、売上高が前期から大きく増加しました。その他の事業であるレンタルサービス等も順調に伸長し、全体として大幅な増収を達成しています。

区分 売上(2024年10月期) 売上(2025年10月期)
リユース関連事業 46.7億円 61.4億円
その他の事業 0.6億円 1.2億円
連結(合計) 47.3億円 62.6億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業CFがマイナス、投資CFがマイナス、財務CFがプラスとなっており、本業は赤字ですが将来成長に向けて借入や増資等による資金調達を行い、投資を継続している勝負型の局面と言えます。

企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は-20.5%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は58.8%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


「①『リユー』スの輪を広げる、②選ばれる『理由』がある、③『Re(何度も)』+『Yuu(結う=繋げる)』」という想いを込めた「ReYuu(リユー)」をコーポレート・アイデンティティとして掲げ、持続的な企業価値の向上に取り組んでいます。透明性と高い倫理観に基づく企業活動を通じて社会への貢献を果たし、求められるサービスや商品を迅速かつ確実に提供することを目指しています。

(2) 企業文化


同社は行動ポリシーとして「ビヨンド・イマジネーション」を掲げ、全ての役員および従業員が「法令と社会倫理の遵守」を企業活動の基本とすることを徹底しています。また、経営の透明性・説明責任・コンプライアンスを最重要視し、公正で高い倫理観に基づいた事業運営を志向する組織文化が根付いています。

(3) 経営計画・目標


同社は、社会全体の将来ビジョンに対応するため、中期経営計画および単年度の経営計画を策定しています。また、新たな成長領域の一つとして暗号資産に関する取り組みについても検討を進めており、既存事業の安定化と新たな収益基盤の確立を図ることを目的としています。

(4) 成長戦略と重点施策


事業基盤の強化と中長期的な企業価値向上を見据え、以下の課題に取り組んでいます。第一に、国内外の仕入先開拓やエンドユーザーからの買取強化による商品の安定的かつ継続的な調達体制の確保です。第二に、国内での総合端末サービスの提供や海外での取引基盤拡充による市場展開の強化です。第三に、DX化や業務フロー見直しによる業務効率化とオペレーション基盤の構築を進めています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


人材への積極的な投資を通じて、挑戦する姿勢と実行力を兼ね備えた社員の育成に取り組んでいます。求める人材像を「自発的に学び、考え、業務を確実に遂行するのみならず、新たな価値を生み出す改善や創意工夫を自律的・継続的に行う人材」と定義し、採用体制の強化、育成環境の整備、魅力的な職場環境の構築を推進しています。また、多様性の確保に向けた有能な人材の登用にも注力しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年10月期 41.6歳 7.1年 5,291,620円

※平均年間給与は賞与および基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) リユース関連事業への高い依存度


同社の売上高はリユース関連事業が約98%を占めており、当該事業への依存度が極めて高くなっています。そのため、為替変動による調達価格の高騰や、メーカー・通信事業者による新品価格の値下げ等によりリユース端末の価格優位性が損なわれた場合、同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 特定顧客への売上依存


同社は、インターネットイニシアティブおよびオプテージの2社に対する売上高の割合が相対的に高くなっています。各社の要望と提供可能商品が一致したことで売上が拡大しましたが、今後の取引方針の変更等が生じた場合、同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 商品の安定的かつ継続的な調達リスク


リユースモバイル端末は国内外のパートナー企業やエンドユーザーからの買取で調達していますが、安定的な供給が保証されているわけではありません。為替や国際情勢、資源価格の高騰による調達価格の上昇や、通信事業者の下取り施策の普及により市場流通量が減少した場合、販売に支障を来す可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。