ReYuu Japan 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ReYuu Japan 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東京証券取引所スタンダード市場に上場するリユースモバイル端末の買取・販売事業者。スマートフォンやタブレットの中古端末を再生し、法人・個人向けに販売するリユース関連事業を主力とします。当期の売上高は前期比32.3%増の63億円と伸長しましたが、営業損失1.6億円、当期純損失2.3億円と赤字幅が拡大しました。


※本記事は、ReYuu Japan株式会社 の有価証券報告書(第38期、自 2024年11月1日 至 2025年10月31日、2026年1月30日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ReYuu Japanってどんな会社?


リユースモバイル端末の買取・再生・販売を主軸とし、循環型社会の実現を目指す企業です。

(1) 会社概要


1988年に日本テレホンとして設立され、1994年に携帯電話販売事業を開始しました。2005年にジャスダック証券取引所へ上場を果たします。2022年に東証スタンダード市場へ移行し、同年株式会社ショーケースが親会社となりました(現在は異動)。2024年に現在のReYuu Japanへ商号変更し、リユース事業への集中を鮮明にしています。

同社(単体)の従業員数は34名です。筆頭株主はシンガポールに拠点を置く投資会社のSEACASTLE SINGAPORE PTE. LTD.、第2位は投資事業等を行うShowcase Capital、第3位はモバイル事業等を手掛ける兼松コミュニケーションズです。

氏名 持株比率
SEACASTLE SINGAPORE PTE. LTD. 24.92%
Showcase Capital 7.46%
兼松コミュニケーションズ 6.87%

(2) 経営陣


同社の役員は男性10名、女性0名、計10名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長CEOは重富 崇史氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。

氏名 役職 主な経歴
重 富 崇 史 代表取締役社長CEO 株式会社NOVA、株式会社メディックスを経て2007年同社入社。リユース事業推進本部長等を歴任し、2025年1月代表取締役社長、2026年1月より現職。
吉 田 祥 生 取締役COO 株式会社サードウェーブエクスチェンジ、リーテック株式会社を経て2022年同社入社。LCM営業部長、商品統括部長等を歴任し、2026年1月より現職。
谷 口   領 取締役CFO兼CSO KOBE証券株式会社、三菱UFJ証券株式会社、ギークス株式会社等を経て2025年同社入社。企画管理部部長を経て2026年1月より現職。
川 俣 清 隆 取締役 株式会社FILLERS代表取締役、A.W株式会社代表取締役等を務め、2026年1月より現職。


社外取締役は、澤田 大輔(AIフュージョンキャピタルグループ社長)、Chow Cheuk Hang(Inception Growth Acquisition CEO)、松本 高一(株式会社アッピア代表取締役)です。

2. 事業内容


同社グループは、「リユース関連事業」および「その他の事業」を展開しています。

(1) リユース関連事業


スマートフォン、タブレット、パソコン等の通信端末機器について、リユース品を中心に売買する事業です。サプライヤーからの仕入や消費者・企業からの買取で調達した機器を、自社のモバイルリファビッシュセンターでデータ消去・クリーニング等の処理を施し、法人や個人に向けて販売しています。

収益は、MVNO事業者や販売代理店、一般消費者等への端末販売代金から得ています。運営は主にReYuu Japanが行っており、香港や中東などの海外市場への販売や、自社サイトおよび外部ECモールを通じた個人向け販売も展開しています。

(2) その他の事業


法人顧客に対して、リユース関連事業で調達・整備したスマートフォンやタブレット等の通信端末機器を貸し出すレンタルサービス等を行っています。

収益は、顧客から受け取るレンタル利用料です。運営はReYuu Japanが行っており、単発の端末売買だけでなく、ストック型の収益機会の拡大を目指しています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は第35期の決算期変更(6ヶ月決算)を経て、第36期以降は拡大傾向にあります。特に当期は売上高63億円に達しましたが、利益面では経常損失が続いており、当期は1.9億円の赤字となりました。売上拡大に向けた先行投資や調達コストの影響等が考えられます。

項目 2021年4月期 2022年4月期 2022年10月期 2023年10月期 2024年10月期
売上高 57億円 55億円 16億円 41億円 47億円
経常利益 0.7億円 -1.2億円 -1.3億円 -2.0億円 -0.8億円
利益率(%) 1.3% -2.2% -8.2% -5.0% -1.7%
当期利益(親会社所有者帰属) 0.7億円 -2.3億円 -1.8億円 -0.8億円 -0.9億円

(2) 損益計算書


直近2期間の損益構成を比較すると、売上高は前期の47億円から当期63億円へと大幅に増加しました。しかし、売上原価も増加しており、売上総利益率は10.2%から6.0%へ低下しています。これに伴い営業損失は0.6億円から1.6億円へと拡大しました。

項目 2023年10月期 2024年10月期
売上高 47億円 63億円
売上総利益 4.8億円 3.7億円
売上総利益率(%) 10.2% 6.0%
営業利益 -0.6億円 -1.6億円
営業利益率(%) -1.4% -2.6%


販売費及び一般管理費のうち、給与手当が1.7億円(構成比32%)、その他が1.0億円(同18%)、支払手数料が0.7億円(同13%)を占めています。売上原価は商品仕入高が中心で、売上原価合計の99%を占めています。

(3) セグメント収益


当期は主力の「リユース関連事業」が販売台数・売上高ともに大きく伸長し、全社売上の98%以上を占めました。「その他の事業」も売上規模は小さいものの増収となりました。なお、同社は単一セグメントですが、事業部門別の売上高を開示しています。

区分 売上(2023年10月期) 売上(2024年10月期)
リユース関連事業 47億円 61億円
その他の事業 0.6億円 1.2億円
連結(合計) 47億円 63億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標

同社は、事業に必要な流動性と資金源泉の安定確保を基本方針としています。
営業活動によるキャッシュ・フローは、日々の事業活動から生み出される資金の流れを示します。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資や有価証券の取得・売却など、将来の成長に向けた投資活動による資金の増減を表します。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入や返済、増資など、資金調達や返済に関する活動による資金の増減を示します。

項目 2023年10月期 2024年10月期
営業CF -7.4億円 -1.3億円
投資CF -0.1億円 -0.9億円
財務CF 0.6億円 4.8億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は「ReYuu(リユー)」をコーポレート・アイデンティティとして掲げています。これは「リユースの輪を広げる」「選ばれる理由がある」「Re(何度も)+Yuu(結う=繋げる)」という想いを込めたものであり、リユースモバイル端末を中心とした事業を通じて、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しています。

(2) 企業文化


透明性と高い倫理観に基づく企業活動を重視し、社会への貢献を果たすことを行動の指針としています。また、市場環境や顧客ニーズの変化を的確に捉え、迅速かつ確実にサービスを提供する姿勢や、社員一人ひとりが自発的に学び考え、新たな価値を生み出すために挑戦する姿勢と実行力を尊重する文化を醸成しています。

(3) 経営計画・目標


同社は現在、業績目標を含めた中期経営計画を策定中としています。事業環境の変化に対応しつつ、リユースモバイル端末市場でのシェア拡大と収益安定化を目指しています。

(4) 成長戦略と重点施策


安定的な調達体制の確保、市場展開と事業基盤の強化、DX化と業務効率化を重点課題としています。特に、エンドユーザーからの直接買取強化や海外パートナーとの連携による調達網の拡充、レンタルや保証サービス等のストック収益の拡大、業務プロセスのシステム化による効率向上に注力していく方針です。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は、社員一人ひとりが自発的に学び、考え、新たな価値を生み出す人材となることを求めています。事業拡大を見据え、営業、海外事業、EC、管理部門等での採用体制を強化するとともに、多様な人材が能力を発揮できる環境づくりや評価制度の整備に取り組み、組織としての実行力を高める方針です。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2024年10月期 41.6歳 7.1年 5,291,620円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) リユース関連事業への依存


同社の売上の大部分はリユース関連事業が占めています。そのため、新品端末の価格変動や為替動向、メーカーの供給状況等によりリユース端末の価格優位性が損なわれた場合や、流通量の減少により調達価格が高騰した場合には、同社の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) リユースモバイル端末の調達


リユース端末は安定的な供給が保証されているわけではありません。特定の仕入先への依存や国際情勢の変化、半導体不足等により調達が困難になるリスクがあります。また、通信事業者の下取り施策等により市場流通量が減少した場合、十分な商品を確保できず販売に支障をきたす可能性があります。

(3) 特定販売先への依存


売上高の相対的に大きな割合を特定の通信事業者等の数社が占めています。これらの主要販売先との取引方針の変更や取引関係の悪化、相手先の業績不振等が生じた場合、同社の売上高や収益性に影響を与える可能性があります。

(4) 個人情報の取扱い


買取や販売、レンタル事業において顧客の個人情報を取り扱っています。管理体制の強化に努めていますが、万が一、盗難や不正アクセス等により個人情報が漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜により、同社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。