※本記事は、株式会社システム ディ の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
システム ディは、業種・業務特化型パッケージソフトウェアの開発・提供を主軸とする企業です。学園、公立小中高校、自治体、ウェルネス施設、調剤薬局など多岐にわたる分野でソリューションを展開しています。
単体従業員数は281名、連結従業員数は290名です。セグメントはソフトウェア事業、その他事業の2つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)シンク(ソフトウェア事業)、(連結子会社)中村牧場(その他事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社システム ディは、ソフトウェア事業を主軸とする企業です。従業員規模から見ると、個々の社員の専門性が重視される環境であると考えられます。働き方においては、従業員の定着を促しつつ、柔軟な制度も導入している傾向が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
システム ディの従業員は、平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も30代半ばであることから、一定の定着感がある組織であることがうかがえます。若手から中堅までバランスの取れた年齢構成となっていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,932,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.3年 |
| 平均年齢 | 36.5歳 |
| 単体従業員数 | 281人 |
| 連結従業員数 | 290人 |
| 単体のグループ内比率 | 96.9% |
同社は、1999年4月1日制定の退職金規程に基づく社内積立の確定給付型退職一時金制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
システム ディは、人的資本を経営資源の中核と位置づけ、その最大化を最重要課題としています。将来の事業成長を支える人材や専門性の高い人材の確保に努め、入社年数や年齢、国籍、性別を問わず優秀な従業員を評価する方針です。研修制度のさらなる拡充を通じて、従業員の成長を促しています。
また、従業員が能力を十分に発揮できるよう、時差出勤やリモートワーク制度を導入し、オフィス環境の快適化にも取り組んでいます。代表取締役社長を最高責任者とする健康経営を推進し、2025年には経済産業省より「健康経営優良法人」の認定を取得するなど、働きやすい環境整備に力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
システム ディは、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
システム ディは、業種や業務に特化したパッケージソフトウェアの開発・提供を主軸とするソリューション事業を展開しています。顧客のニーズに応じた付加価値の高いサービスを提供し、安定的な収益基盤を構築しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
システム ディグループは、業種や業務に特化したパッケージソフトウェアの開発・提供を核としたソリューション事業を展開しています。顧客の多様なニーズに対応するため、オンプレミス型とクラウド型の両方でシステムを提供しており、近年はクラウドサービスの拡大に注力しています。収益は、システム導入時の一括計上されるライセンス料やカスタマイズ、導入支援などによる収益と、システム運用サポートやクラウドサービス提供による継続的な収益の両方から得ています。
同社グループの事業は「ソフトウェア事業」と「その他の事業セグメント」の2つのセグメントで構成されています。
ソフトウェア事業
この事業では、学園トータルシステム『キャンパスプラン』シリーズや公立小中高校向け校務支援システム『School Engine』、地方公会計パッケージソフト『PPP Ver.5』など、特定の業種に特化したパッケージソフトを自社開発し提供しています。フィットネスクラブやレジャー施設向けの会員管理・チケット管理システム『Hello』シリーズ、保険薬局向けレセコンシステム『GOHL2』『OKISS』なども主力商品です。
収益は、ライセンス料、カスタマイズ、導入支援、サポートサービス、ソフト導入に関連するハード機器・他社商材の販売から得ています。運営は、システム ディおよび子会社のシンクが行っています。
その他の事業セグメント
この事業では、コンサルティング、テナント賃貸、各種広報宣伝の企画・制作などの業務を行っています。AIを活用したソフトウェアの受託開発やコンサルティングも手掛けています。
収益は、これらのサービス提供から得ています。運営は、中村牧場が行っています。
同社グループの売上高は、主に国内の外部顧客からの収益で構成されており、特定の顧客への売上高が集中している状況は見られません。
| セグメント | 売上高(2024年10月期) | 売上高(2025年10月期) |
|---|---|---|
| ソフトウェア事業 | 44.2億円 | 48.3億円 |
| その他の事業セグメント | 2.1億円 | 2.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
システム ディグループの直近5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向にあります。前連結会計年度に一時的な減少が見られましたが、当連結会計年度には回復し、売上高と営業利益は過去最高の水準を達成しました。
| 項目 | 2021年10月期 | 2022年10月期 | 2023年10月期 | 2024年10月期 | 2025年10月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 38.4億円 | 42.3億円 | 47.4億円 | 46.3億円 | 50.3億円 |
| 経常利益 | 8.1億円 | 9.0億円 | 9.2億円 | 8.3億円 | 9.4億円 |
| 経常利益率 | 21.1% | 21.3% | 19.3% | 17.9% | 18.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.7億円 | 5.9億円 | 6.3億円 | 5.6億円 | 6.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 89.33 | 92.39 | 98.82 | 86.78 | 97.92 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
システム ディグループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、生産性の向上がうかがえます。また、従業員1人あたり営業利益も同様に増加しており、組織全体の収益を創出する力が着実に向上している傾向を示しています。
| 指標 | 2024年10月期 | 2025年10月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 16.5百万円 | 17.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.0百万円 | 3.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社システム ディの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、将来への投資も行いつつ、手元資金を確保している状況を示しています。これは、同社グループの経営基盤の安定性を示すものです。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と安定した収益性によって強固な状態を示しています。自己資本比率はプライム市場平均と比較しても高い水準にあり、財務の健全性がうかがえます。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な資本活用ができていることを示しています。手元資金も潤沢に確保されており、事業運営における安定性が期待できるでしょう。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 45.1億円 | 50.1億円 |
| 自己資本比率 | 64.7% | 68.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 12.9% | 13.2% |
| 現金及び預金 | 20.3億円 | 21.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを成長投資に充てつつ、財務の健全性を維持している状況を示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益やソフトウェア償却費の増加により資金が増加しました。一方で、法人税等の支払いや前受収益の減少などにより一部資金が減少しています。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産、ソフトウェア、有価証券の取得による支出が主な要因となり、資金が減少しています。これは将来の成長に向けた積極的な投資が行われていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払いにより資金が減少しており、自己資金で事業を賄う方針がうかがえます。
結果として、本業で得た資金が投資を上回るフリーキャッシュフローはプラスとなっており、事業の安定性と成長への余力を兼ね備えていると言えるでしょう。この資金の流れは、入社後の雇用や給与の安定性、そして会社の持続的な成長を支える基盤となります。
| 項目 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 15.0億円 | 10.8億円 |
| 投資CF | △4.0億円 | △7.4億円 |
| 財務CF | △2.7億円 | △2.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 11.0億円 | 3.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、学園、自治体、ウェルネス施設等を対象とした業種特化パッケージソフトの開発・販売等を行っていますが、いずれの分野も競合会社が存在しています。また、学園ソリューション事業では少子化が顧客対象である学園の経営に影響を与える可能性があり、学園の情報化投資が減少した場合には経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、業務拡大を想定した人員の増強及び内部管理体制の一層の充実を図っています。しかし、人材の確保及び内部管理体制の充実が円滑に進まなかった場合、経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
システム ディは、情報社会の発展に貢献することを目指し、顧客志向と特定分野での専門性を重視する企業です。持続的な成長と社会貢献を両立させることを経営の基盤としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
システム ディグループは、急激に変化する情報社会において、真に付加価値の高い情報とそのソリューションを提供することで、より豊かで創造的な情報社会の実現を目指しています。創業以来、「ユーザ志向、顧客優先」「パッケージソフトによる最適なソリューション」「業界No.1特定業種・業務ソフトウェア」の3点を立脚点として事業を展開しています。
特定業種・業務のソフトウェアに特化してデファクトスタンダードを目指し、市場におけるシェアを伸ばすことを目標としています。長期的には、市場が内包する課題を顕出して需要を創造できるソリューションプロバイダーへと発展することで、社会への貢献度を高めていく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
システム ディグループは、企業の成長と社会的責任をサステナビリティと捉え、経営基盤を支える重要課題としています。経営資源の中核を人的資本と認識しており、人的資本に投資し、その価値を最大化していくことが最重要だと考えています。
リスクマネジメントとコンプライアンスに関する基本的事項を定めた『リスク・コンプライアンス管理規程』に基づき、リスク・コンプライアンス委員会を設置・運営しています。役員および従業員には、業務上のリスクを予見し、リスク回避等の事項を事前に講じるよう努めることが求められています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
システム ディグループは、持続的な成長を可能にするビジネスモデルの強化と、パッケージソフトウェアの継続的な開発を優先的に対処すべき課題としています。中長期的な成長に向けた事業拡大戦略も重要なテーマです。
また、企業の持続的成長には従業員一人ひとりの健康が不可欠であると認識し、健康経営を推進しています。2024年には「健康経営宣言」を発表し、2025年には経済産業省より「健康経営優良法人」の認定を取得しました。今後は、生活習慣病予防、メンタルヘルス対策、働き方改革を含む施策の推進に取り組む方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
システム ディは監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会を中心にコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。経営に関する重要事項の審議・決定と業務執行の監督を行う体制となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
システム ディの株主構成を見ると、筆頭株主はUSBK NA JP I&W TSであり、トライがそれに続いています。代表取締役社長である堂山遼氏や堂山達子氏も上位株主として名を連ねており、創業家が一定の株式を保有していることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| USBK NA JP I&W TS | 18.54% |
| トライ | 14.03% |
| LICHFIELD LP | 6.16% |
| INTERACTIVE BROKERS LLC | 5.98% |
| THE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LTD -SINGAPORE BRANCH PRIVATE BANKING DIVISION CLIENT A/C 8221-563114 | 5.72% |
なお、MIRI Capital Management LLC社より2025年10月29日付で大量保有報告書が提出されており、2025年10月22日現在で1,514,600株を保有している旨が記載されていますが、同社として実質保有株式数の確認ができていないため、上記大株主の状況には含められていません。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
システム ディの役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は堂山遼氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 堂山 遼 | 社長 (代表取締役) | 2008年にNTTデータ関西に入社後、2013年に同社に入社。経営企画室長、管理本部長、専務取締役などを経て、2024年1月より代表取締役社長に就任し、現職。 |
| 江本 成秀 | 常務取締役 | 1989年にランドコンピュータに入社後、1997年に同社に入社。学園ソリューション事業部長などを歴任し、2022年1月より常務取締役に就任し、現職。 |
社外取締役は、奥野卓司氏(関西学院大学名誉教授)、井上幸雄氏(元日本鉄鋼連盟大阪事務所所長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会が経営の意思決定と業務執行の監督を、監査役会が取締役の職務執行の監査をそれぞれ行っています。社外取締役および社外監査役は、豊富な知識と経験に基づき客観的な視点から経営に意見を述べる役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
システム ディの役員報酬は、各役員の役割と職責に応じた水準を基本方針としています。取締役の報酬は、月額の固定報酬、業績連動報酬としての役員賞与、および非金銭報酬である株式報酬(社外取締役を除く)で構成されています。監査役の報酬は月額の固定報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 57百万円 | 18.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 11百万円 | 10.9百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 11百万円 | 2.8百万円 |
なお、総額には期中に辞任した取締役1名の報酬が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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