※本記事は、株式会社プロレド・パートナーズ の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
プロレド・パートナーズグループは、「価値=対価」を経営ビジョンに掲げ、コンサルティング事業とファンド事業を展開しています。コンサルティング事業では、大手・上場企業を中心に成果報酬型と固定報酬型(成功報酬型)のサービスを提供し、ファンド事業では非上場企業への投資を行っています。
単体従業員数は283名、連結従業員数は329名です。セグメントはコンサルティング事業、ファンド事業の2つです。
主な国内グループ会社は、ナレッジリーン(コンサルティング事業)、ブルパス・キャピタル、ドルフィン1号S投資事業有限責任組合(ファンド事業)などです。
同社グループは当連結会計年度より、新たなファンド組成に伴い、報告セグメントを従来のコンサルティング事業単一から、コンサルティング事業とファンド事業の2区分に変更しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
プロレド・パートナーズは、コンサルティング事業を主軸とする企業であり、従業員の平均年間給与は高い水準にあります。働き方においては、従業員一人ひとりの自律性を重視し、柔軟な勤務形態や多様なキャリア形成を支援する環境が整えられています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的若い年齢層の従業員が活躍しており、平均勤続年数からは活発なキャリア形成の機会があることがうかがえます。事業の拡大に伴い、従業員数は増加傾向にあります。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,074,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.8年 |
| 平均年齢 | 35.1歳 |
| 単体従業員数 | 283人 |
| 連結従業員数 | 329人 |
| 単体のグループ内比率 | 86.0% |
同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付制度と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出制度を採用しています。これらの制度は、同社及び連結子会社を対象としています。
なお、退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
プロレド・パートナーズグループは、コンサルティングサービスの提供において「人材」を最も重要な経営資源と認識し、社員一人ひとりが最大限パフォーマンスを発揮できる環境づくりを重視しています。全社的に自立推進型の組織開発を進め、働きがいと成果の最大化を両立するための施策を継続して実施しています。
同社グループのビジョンである「価値=対価」に基づき、事業においては成果測定を浸透させることで報酬体系を明瞭化しています。また、「Compassionate Leadership」を考え方の根底に置き、役職や立場によらず相手と誠実に向き合い、多様性を受け入れる文化が根付いています。
具体的な取り組みとして、自律的な働き方を推進しており、フルリモート勤務やハイブリッド勤務体制を整備しています。勤務時間についても、始終業時刻を社員自身が決定でき、コアタイムのないスーパーフレックスタイム制度を導入し、週休3日勤務も可能とするなど、多様な働き方を許容しています。休暇制度では、子どもの看護等休暇や介護休暇の時間単位での取得、中抜け勤務を認めることで、ライフステージに合わせた働き方を支援しています。副業制度も整備されており、社員の約10%が活用しています。
健康状況の把握にも力を入れており、毎月の役員会議で労働時間や休暇取得状況をモニタリングし、社員の健康状態を把握しています。心身の状態を定量的に把握するため、「パルスサーベイ」を毎月実施し、チーム単位での課題発見・改善につなげています。長期的なキャリア形成の支援としては、入社時の独自コンサルティング研修による基礎力の習得、オンライン研修プログラムを活用した継続的なスキル習得支援、資格取得支援制度による専門性向上と中長期的キャリア形成の後押しを実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の数値は本記事では取得できていません。
多様性・登用
当社の当期末において女性労働者比率は33.5%となっており、これはコンサルティング業界における候補者プールの構造を反映した水準です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性労働者比率 | 33.5% |
健康・安全
前連結会計年度の年間平均残業時間は20.8時間、有給休暇取得率は58.7%となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 年間平均残業時間 | 20.8時間 |
| 有給休暇取得率 | 58.7% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
プロレド・パートナーズは、「価値=対価」という経営ビジョンのもと、コンサルティング事業とファンド事業の二つの柱で事業を展開しています。広範囲にわたる大企業を顧客とし、成果にコミットするサービスを提供することで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、コンサルティング事業とファンド事業を通じて、企業価値の向上を目指しています。特に、コンサルティング事業では成果報酬型と固定報酬型(成功報酬型)のサービスを、ファンド事業では非上場企業への投資とハンズオンでの経営支援を行っています。
コンサルティング事業
同社グループのコンサルティング事業は、大手・上場企業やプライベート・エクイティ・ファンドなどを主な顧客としています。固定報酬型(成功報酬型)コンサルティングでは、有償契約の前に「投資フェーズ」を設ける独自のモデルを確立し、成長戦略、デジタル、人材・組織、オペレーション、環境といった幅広い領域でハンズオンでの課題解決にコミットしています。環境コンサルティングは株式会社ナレッジリーンが担っています。
また、成果報酬型コンサルティングでは、主に間接材のコストマネジメントに注力しており、コスト削減の成果に応じて報酬を得る仕組みです。多店舗展開企業の契約管理SaaSであるPro-Signとの連携も進めています。収益は、これらのコンサルティングサービスの提供による報酬から得ています。当連結会計年度においては、固定報酬型コンサルティングが堅調に推移し、事業全体の売上高を大きく牽引しました。
ファンド事業
ファンド事業では、主に非上場企業への投資を目的としてファンドを組成・運用しています。GP(ゼネラルパートナー)として案件の組成から評価、投資後の経営と運用、そしてExitの実現までを一貫して行い、キャピタルゲインを得ています。
LP(リミテッドパートナー)投資家としても自己資金をファンドに出資し、ファンドからの収益を享受しています。投資先企業に対しては、ファンド担当者が役員に就任するなど、戦略、実行、業務管理、財務面をハンズオンで支援しています。収益は、GPとして受領する分配金やキャリードインタレスト、LP投資家として受領する分配金(キャピタルゲイン)が主な源泉です。当連結会計年度では、保有株式の売却や配当の受取により、売上高が大幅に増加しました。
同社グループの売上高は本邦の外部顧客への売上高が90%を超えており、国内市場が事業の中心となっています。当連結会計年度においては、ファンド事業において伊藤忠建材株式会社、明和産業株式会社、株式会社223が主要な顧客となっています。
| セグメント | 売上高(2024年10月期) | 売上高(2025年10月期) |
|---|---|---|
| ファンド事業 | 15.5億円 | 81.8億円 |
| コンサルティング事業 | 32.1億円 | 41.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は直近の当連結会計年度で大幅に増加しています。経常利益も同様に大きく伸長しており、特に直近の当連結会計年度では前期から大きく改善しました。
一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度において前期から減少しています。これは税金等調整前当期純利益が大幅に増加したものの、法人税等合計やその他有価証券評価差額金が増加したことによるものです。
| 項目 | 2021年10月期 | 2022年10月期 | 2023年10月期 | 2024年10月期 | 2025年10月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 36.5億円 | 27.2億円 | 27.2億円 | 47.6億円 | 123億円 |
| 経常利益 | 5.2億円 | △2.1億円 | 43.8億円 | 12.8億円 | 49.5億円 |
| 経常利益率 | 14.3% | △7.7% | 161.2% | 26.8% | 40.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.3億円 | △8.7億円 | 8.2億円 | 3.2億円 | 2.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 48.13 | △79.78 | 74.95 | 29.28 | 18.85 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度において前期から大きく増加しています。これは、事業の拡大に伴う売上高の伸長が、従業員数の増加を上回るペースで進んだことを示しています。
また、従業員1人あたりの営業利益も、当連結会計年度で前期から大幅に向上しています。事業拡大に向けた積極的な人材獲得により従業員数は増加していますが、それ以上に利益創出能力が高まっている傾向が見られます。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 19.1百万円 | 37.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.0百万円 | 15.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社プロレド・パートナーズは、本業で得た資金を元手に事業拡大のための投資を行いつつ、財務基盤を維持している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の製造業平均と同程度であり、非製造業平均より高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均と比較すると低い水準となっています。手元資金である現金及び預金は前期から増加しており、不況時の耐性や事業継続性、将来の成長投資の余力につながります。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 113億円 | 119億円 |
| 自己資本比率 | 48.1% | 47.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.2% | 3.1% |
| 現金及び預金 | 55.2億円 | 58.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当期における営業活動によるキャッシュフローは、ファンド事業における株式の売却等により資金を獲得しました。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や敷金及び保証金の差入による支出があり、資金を使用しています。財務活動によるキャッシュフローは、非支配株主への分配金の支払いにより資金を使用しました。
当期は本業で得た資金が投資活動による支出を上回り、自由に使える余剰資金(フリーキャッシュフロー)も確保している状況です。前期は営業活動によるキャッシュフローが資金の支出となっていましたが、当期は大幅に改善し、本業で安定的に資金を生み出せる体制へと変化しています。資金の流動性が確保されていることは、事業の成長性や、結果として雇用や給与の安定性にも良い影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △1.0億円 | 54.1億円 |
| 投資CF | 2.9億円 | △4.7億円 |
| 財務CF | △0.8億円 | △46.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.9億円 | 49.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループのコンサルティング事業では、成果報酬型サービスにおいてコスト削減が困難な場合や案件規模・数の変動により業績が変動する可能性があります。また、競合のコンサルティングファームによる成果報酬型コンサルティングの導入やサービス品質の向上により、競争環境が激化した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
ファンド事業においては、投資活動において投資実行に至らない場合や投資先企業の事業が悪化した場合、投資資金の回収が困難となる可能性があります。Exitの時期及び対価が投資先企業の特性やその他様々な要因の影響を受けるため、会計年度ごとに業績が大きく変動する可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、高い能力を有するコンサルタントの獲得・育成・維持が課題であると認識しています。人材を適時に確保できない場合や能力開発が進まない場合、あるいは人材が大量に社外流出してしまった場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
プロレド・パートナーズは、「価値=対価」となるフェアな社会の実現を経営ビジョンに掲げ、コンサルティングサービスを通じて企業活動を支援しています。多様な人材が協働し、自律的な働き方を推進する文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
プロレド・パートナーズグループは、「価値=対価」となるフェアな社会の実現を経営ビジョンとしています。これは、人や企業が生み出す「価値」とそれに対して得られる「対価」が等しい状態を目指すものです。
このビジョン達成のため、中期経営方針としてコンサルティングサービスの事業拡大を掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
プロレド・パートナーズグループは、「Compassionate Leadership(役職や立場によらず、相手と誠実に向き合う姿勢)」を考え方の根底に置いています。社内外の多様性を受け入れ、対応する文化が根付いています。
同社グループは、性別、国籍、年齢といった個々の属性にとらわれず、多様な価値観や経験を持つ人材が協働し、能力を発揮できる組織づくりを目指しています。成果責任と自立性を重視したコンサルティング文化を基盤とし、全社的に自立推進型の組織開発を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
プロレド・パートナーズグループは、優先的に対処すべき課題として、コンサルティング品質の向上を挙げています。プロジェクト期間の短縮やサービス品質の向上に努め、クライアント満足度とリピート率の向上を目指しています。
また、優秀な人材の採用と育成も重要なテーマです。知識集約型ビジネスであるため、メンバーの質的向上と量的拡大の両面から施策を進めています。具体的には、充実した研修プログラムや多様なリクルーティングチャネルの活用、ストック・オプション制度の導入、安心して働きやすい環境・待遇の整備に取り組んでいます。
さらに、コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の強化も課題としています。経営の効率性と健全性を確保するため、監査体制や内部統制システムの整備、管理部門の増員に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
プロレド・パートナーズは監査等委員会設置会社であり、取締役会は社外取締役が過半数を占める構成となっています。これにより、監査・監督機能の強化を図る体制が構築されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
プロレド・パートナーズの筆頭株主は株式会社SHINKインベストメントであり、同社の代表取締役である佐谷進氏の資産管理会社です。佐谷進氏個人も上位株主として名を連ねており、創業家が同社グループの主要な株主となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| SHINKインベストメント | 43.93% |
| カプセルコーポレーション | 6.59% |
| 佐谷 進 | 5.77% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 4.81% |
| 山本 卓司 | 3.25% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は4名(男性3名・女性1名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役は佐谷進氏が務めています。社外取締役比率は75.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 佐谷 進 | 代表取締役 | 2002年4月ジェミニ・コンサルティング・ジャパン・インク入社。2008年4月同社設立、代表取締役より現職。 |
社外取締役は、押味由佳子氏(柴田・鈴木・中田法律事務所パートナー・監査等委員)、柳沢和正氏(合同会社ロゴス・パートナーズ代表社員・監査等委員)、若杉忠弘氏(グロービス シニア・ファカルティ・ディレクター・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役は取締役会における議決権を有しています。これにより、監査・監督機能の強化が図られています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
プロレド・パートナーズの取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、中長期的な業績向上と企業価値向上へのモチベーションを高めることを目的としています。報酬は固定報酬のみで構成されており、業績連動報酬や非金銭報酬は採用されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 1名 | 15百万円 | 15.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 18百万円 | 6.0百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。