【平均年収624万円】トビラシステムズ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年10月期)

【平均年収624万円】トビラシステムズ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年10月期)

トビラシステムズは、迷惑情報データベースを基盤に、セキュリティ商品・サービスの開発・提供を行う企業です。直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも増加となりました。


目次

※本記事は、トビラシステムズ株式会社 の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


トビラシステムズは、「誰かがやらなければならないが、誰もが実現できていない社会的課題の解決を革新的なテクノロジーで実現すること」を事業方針としています。迷惑電話や迷惑メッセージ等の迷惑情報に関するデータベースを基盤に、セキュリティ商品・サービスの開発・提供を行っています。年間50億件以上の電話・メール・SMSを判定する独自のデータベースは、同社の競争力を支える中核基盤となっています。

単体従業員数は114名です。報告セグメントはセキュリティ事業、ソリューション事業の2つです。

トビラシステムズは、迷惑情報データベースを基盤として、セキュリティ事業とソリューション事業を展開しています。

当事業年度より、報告セグメントを従来の「迷惑情報フィルタ事業」の単一セグメントから、「セキュリティ事業」と「ソリューション事業」の2区分に変更しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


トビラシステムズは、従業員一人ひとりの成長と挑戦を重視し、働きやすい環境づくりに力を入れている企業です。給与水準は個人の能力や貢献度に応じた評価が期待でき、多様なバックグラウンドを持つ人材が互いを認め合い、チームとして成長できる場を提供しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短めであることから、活発な組織であり、新しい人材が継続的に加わっている傾向が見られます。従業員数は100名を超えており、事業拡大に伴う人員増加も進んでいます。

項目 数値
平均年間給与 6,238,000円
平均勤続年数 3.74年
平均年齢 34.61歳
単体従業員数 114人


同社は2022年7月より、従業員の退職給付に充てるため、確定拠出年金制度を採用しています。この制度は、会社が拠出した資金を従業員が自ら運用する仕組みです。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、企業価値創造の最大の源泉はメンバーであると捉え、一人ひとりが失敗を恐れずに挑戦することが個人の成長を促し、ビジネス推進につながると確信しています。多様なバックグラウンドを持つメンバーがお互いを認め合い、チーム力を高め、課題を乗り越えていくことで成長していく場づくりに努めています。

行動指針には「自分と大切な人が幸せな時間を送れる環境であり続けることが、私たちの成長や世界中の人々の生活の向上につながっていきます」とあり、全ての人の人権を大切にし、差別やハラスメント等を受けずに自分らしく挑戦できる環境づくりに努めています。従業員が働きやすい職場環境を整備することで、優れた人材の流出リスクを低減しています。

加えて、従業員エンゲージメント向上を目的とした健康経営や個人スキルの向上施策を実施し、多様な人材が活躍できる組織作りを推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 7.7%

育児・介護支援


育児休業取得率については育児休業制度の社内周知を図るとともに、育児休業が取得しやすい社内体制の完備と上長の理解向上に努めています。

指標 数値
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
女性労働者の育児休業取得率 -

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
平均残業時間(月間) 15.5時間

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


トビラシステムズは、「私たちの生活 私たちの世界を よりよい未来につなぐトビラになる」という企業理念のもと、革新的なテクノロジーで社会的課題の解決を目指す会社です。同社は、迷惑電話や迷惑メッセージなどの迷惑情報に関する独自のデータベースを基盤とし、これらを活用したセキュリティサービスやオフィス業務効率化ソリューションを開発・提供しています。この迷惑情報データベースは、警察などの公的機関からの連携や利用者からのフィードバック、インターネットでの情報収集を通じて日々更新されており、年間50億件以上の電話・メール・SMSの判定処理を行っています。

同社は当事業年度より、報告セグメントを「セキュリティ事業」と「ソリューション事業」の2区分に変更しています。セキュリティ事業は、モバイル向け、固定電話向け、その他のサービスで構成され、通信キャリアとの提携による定額または従量課金モデルで安定的な収益基盤を確立しています。ソリューション事業は、オフィス電話の業務効率化を図る製品を提供しており、クラウド型ビジネスフォンなど多様な働き方に対応するサービスを展開しています。同社の主な顧客には、KDDI、ソフトバンク、インバースネット、NTTドコモといった企業が含まれており、特定の顧客への販売実績が確認できます。

セキュリティ事業

同社は、迷惑情報データベースを活用し、電話やショートメッセージサービス(SMS)を利用した振り込め詐欺、特殊詐欺、フィッシング詐欺などの抑止に効果的なセキュリティ事業を展開しています。「トビラフォン」は、迷惑電話の判別や自動着信拒否、警告表示を行うシステムであり、公的機関や法人の電話番号もデータベース化し発信者情報を表示します。モバイル向けサービスでは、ソフトバンク、NTTドコモ、KDDIといった通信キャリアと提携し、各社のオプションパックに含まれるアプリとしてエンドユーザーに提供しています。固定電話向けサービスでは、電話機外付け型端末「トビラフォン」の提供や、IP電話向けの迷惑情報フィルタリングサービス、JCOM株式会社と提携した「迷惑電話自動ブロック」などを展開しています。収益は、主に通信キャリアが提供するオプションパックの契約数や利用者数に応じた定額または従量課金による契約から得ています。

ソリューション事業

同社は、オフィス電話の業務効率化を図る製品を開発、設計、製造、販売しています。通話管理ソリューションサービスの「トビラフォン Biz」は、迷惑電話や迷惑FAXの自動遮断、通話録音、IVR(自動音声応答システム)、通話音声のテキスト化機能などを備え、クラウド上で一元管理が可能です。クラウドPBXサービスの「トビラフォン Cloud」は、機器設置や工事を必要としないクラウド型ビジネスフォンであり、スマートフォンアプリやPC、IP電話機などのマルチデバイスに対応しています。収益は、主に「トビラフォン Biz」や「トビラフォン Cloud」といった製品の販売およびサービス提供から得ています。

セグメント 売上高(2024年10月期) 売上高(2025年10月期)
セキュリティ事業 18.4億円 19.1億円
ソリューション事業 5.6億円 9.0億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


トビラシステムズの直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。これは、中期経営計画に基づいた迷惑情報データベースの提供先拡大や、ソリューション事業における製品の販売体制強化などの取り組みが寄与したものです。特にソリューション事業は、前期に比べて大きく伸長しており、事業全体の成長を牽引しています。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社の財務状況は、事業活動による資金創出と将来への投資のバランスを示しています。手元資金の状況や自己資本の厚みから、経営の安定性を確認することができます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の財務基盤は、自己資本比率と手元資金の状況から把握できます。自己資本比率は、会社の安定性を示す重要な指標であり、手元資金は不測の事態への耐性や事業継続能力に関わります。これらの指標は、入社後の雇用や給与の安定性を考える上で参考となります。

指標 2024年10月期(前期) 2025年10月期(当期)
純資産 24.4億円 25.9億円
自己資本比率 56.0% 48.2%
ROE(自己資本利益率) 24.6% 24.1%
現金及び預金 32.2億円 30.3億円


自己資本比率は当期で48.2%となっており、前期の56.0%から減少しています。これはプライム市場の製造業平均と比較すると同程度の水準、非製造業平均と比較すると高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期で24.1%であり、前期の24.6%からわずかに減少していますが、プライム市場平均を大きく上回る水準です。現金及び預金は当期末で30.3億円となっており、前期末の32.2億円から減少しています。

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社のキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動における資金の動きを示しています。これらの資金の流れから、同社が本業でどれだけ資金を生み出し、それをどのように投資や返済に充てているかを確認できます。この資金の流れは、同社の成長性や財務の健全性、ひいては将来的な雇用や給与の安定性にも影響を与える要素となります。

同社の営業活動によるキャッシュフローは、当期に17.5億円の増加となり、前期の13.1億円の増加からさらに増加しています。これは主に、税引前当期純利益の計上や契約負債の増加などによるものです。投資活動によるキャッシュフローは、当期に△13.8億円の減少となり、前期の△0.8億円の減少から大幅に減少しています。これは主に、定期預金の預入による支出や有形・無形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。財務活動によるキャッシュフローは、当期に△5.5億円の減少となり、前期の△4.2億円の減少から減少幅が拡大しています。これは主に、自己株式の取得による支出や配当金の支払いによるものです。

営業活動で安定的に資金を創出している一方で、投資活動による支出が大きく増加していることから、同社は本業で稼いだ資金を将来の成長に向けた投資に積極的に充てている成長投資の段階にあると言えます。

項目 2024年10月期(前期) 2025年10月期(当期)
営業CF 13.1億円 17.5億円
投資CF △0.8億円 △13.8億円
財務CF △4.2億円 △5.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 12.3億円 3.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社は、特定の取引先への依存リスクを認識しています。主要取引先である国内大手通信キャリアへの売上依存度が約6割に達しており、契約更新や取引条件の変更が事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、技術革新や新技術による陳腐化のリスクも認識しており、AIを活用した迷惑電話・迷惑SMS対策の遅れや、OS等動作環境の仕様変更がサービスに影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は、雇用・人事リスクとして人材流出リスクを認識しています。これは、優秀な人材の獲得・維持に関するリスクに該当します。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


トビラシステムズは、ITテクノロジーの力で社会の未解決な課題に挑み、より良い未来を創造することを目指す企業です。人々の生活や世界を豊かにする「トビラ」となることを企業理念に掲げ、持続的な成長を追求しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は「私たちの生活 私たちの世界を よりよい未来につなぐトビラになる」を企業理念としています。この理念に基づき、「誰かがやらなければならないが、誰もが実現できていない社会的課題の解決を革新的なテクノロジーで実現すること」を事業展開方針の軸としています。ITテクノロジーを活用した様々な事業の創出と展開を通じて、企業としての持続的な成長を図ることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は、メンバー一人ひとりが「失敗を恐れず挑戦すること」を企業価値創造の最大の源泉と捉えています。行動指針として「自分と大切な人が幸せな時間を送れる環境であり続けることが、私たちの成長や世界中の人々の生活の向上につながっていきます。」を掲げています。多様なバックグラウンドを持つメンバーがお互いを認め合い、チーム力を高め、課題を乗り越えて成長していく場づくりに努めています。組織体制の強化に向けては、環境づくり、個人スキルの向上、チーム力の向上という3つの方針を定めて取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、優秀な人材の確保と組織体制の強化を重要な経営課題と認識しています。特にITエンジニアや営業メンバーの採用に注力し、適正な人事評価を行うための評価・報酬制度の構築を進めています。また、失敗を恐れず挑戦できる環境づくりや、メンバーの個人スキル・チーム力の向上にも取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、事業の成長スピードを加速させることを目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


トビラシステムズは、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置する企業統治体制を採用しています。また、取締役会の下に独立社外取締役で構成される指名・報酬委員会を設置し、重要な事項の検討を行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


トビラシステムズの筆頭株主は代表取締役社長である明田篤氏です。同氏が発行済株式の大きな割合を保有しており、経営に対する強い影響力を持つ資本構成となっています。上位株主には、海外の金融機関や信託銀行も名を連ねています。

株主名 持株比率
明田 篤 45.63%
INTERACTIVE BROKERS LLC(常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券) 7.78%
日本カストディ銀行(信託口) 6.31%
BNYM AS AGT/CLTS NON TREATY JASDEC(常任代理人 三菱UFJ銀行) 3.32%
有限会社石雄 1.74%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は明田篤氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
明田 篤 代表取締役社長 2006年12月に株式会社A&A tecnologia(現 同社)を設立し、同社代表取締役社長に就任、現職。
松原 治雄 取締役 2000年4月に東京コンピュータサービスに入社。2018年5月に同社に入社し、2022年1月より同社取締役技術部長、現職。
金町 憲優 取締役 2007年3月に防衛省航空自衛隊に入隊。2014年4月に有限責任監査法人トーマツに入社。2021年4月に同社に入社し、2025年4月より同社取締役最高財務責任者経営企画・社長室長、現職。


社外取締役は、田名網尚氏(カタリスト投資顧問監査役・監査等委員会議長)、中浜明光氏(中浜明光公認会計士事務所所長・監査等委員)、松井知行氏(弁護士法人三浦法律事務所パートナー弁護士・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会および監査等委員会を設置しています。監査等委員会は独立性の高い社外取締役3名で構成され、経営の監査・監督機能を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


トビラシステムズの取締役(監査等委員および社外取締役を除く)の報酬は、固定報酬と譲渡制限付株式で構成されています。譲渡制限付株式には、在籍条件型と、売上高および税引前当期純利益の業績目標達成を条件とする業績条件型があります。社外取締役の報酬は固定報酬のみとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 55百万円 18.2百万円
社外役員 3名 13百万円 4.4百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。