※本記事は、川口化学工業株式会社 の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月20日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
川口化学工業グループは、化学工業薬品事業と不動産賃貸事業を展開しています。化学工業薬品事業では、ゴム薬品、樹脂薬品、中間体、その他の関連工業薬品の製造販売を行っています。
単体従業員数は155名、連結従業員数は160名です。同社グループの事業セグメントは化学工業薬品事業と不動産賃貸事業の2つです。
川口化学工業は、連結子会社である開溪愛(上海)貿易有限公司と非連結子会社である㈲ケーシーアイサービスを含む計3社で構成されています。国内においては川口化学工業が化学工業薬品事業と不動産賃貸事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
川口化学工業は、化学工業薬品事業と不動産賃貸事業を展開する企業です。従業員数は連結で160名、単体で155名と、中規模ながら専門性の高い事業を担っています。同社グループの給与水準や働き方の特徴を、転職を検討する方が理解できるよう解説します。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定して働き続ける傾向が見られます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,780,000円 |
| 平均勤続年数 | 15.8年 |
| 平均年齢 | 41.7歳 |
| 単体従業員数 | 155人 |
| 連結従業員数 | 160人 |
| 単体のグループ内比率 | 96.9% |
同社は、確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を設けています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
退職一時金制度もあります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、当連結会計年度末時点の年金資産は718百万円、退職給付債務は693百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、従業員の最大限の能力発揮を重視し、人材の多様性確保と育成、社内環境整備を基本方針としています。各部門での1on1面談や内部監査室による全社員への個人面談を通じて意見をくみ上げ、社内外講習への参加を促し、活力ある職場環境と企業風土の醸成に努めています。
また、適性のある人材を管理職として登用していく方針です。従業員の人間的成長の促進、技術伝承、企業価値の向上を目的とし、教育体系や福利厚生の充実、モチベーション維持向上を図っています。組織活性化のための人事・評価制度の改定も進め、シニア世代の活躍の場を広げるため、定年延長(60歳から65歳へ)を検討し、移行に取り組んでいます。埼玉県による「多様な働き方認定制度」では、最高位のプラチナ認定を獲得しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
川口化学工業は、化学工業薬品事業と不動産賃貸事業の二つの柱で事業を展開しています。特に化学工業薬品事業が同社グループの主要な収益源となっています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
川口化学工業グループは、化学工業薬品の製造販売と不動産賃貸を主な事業としています。同社グループは、川口化学工業、連結子会社1社、非連結子会社1社で構成されています。主力である化学工業薬品事業では、ゴム薬品、樹脂薬品、中間体、その他の関連工業薬品を製造・販売しています。不動産賃貸事業も展開しており、安定的な収益確保に貢献しています。収益は、主に化学工業薬品の製造販売から得ており、不動産賃貸事業も収益の一部を占めています。
化学工業薬品事業
この事業では、ゴム薬品、樹脂薬品、中間体、その他の化学薬品の製造及び販売を行っています。同社グループの売上高の大部分を占める主要な事業です。収益は、多様な化学薬品の顧客への販売から得ています。当連結会計年度の売上高は前期と比較して減少しました。部門別に見ると、ゴム薬品は前期比でわずかに減少、樹脂薬品は増加、中間体は大きく減少、その他は増加となりました。
不動産賃貸事業
この事業では、不動産の賃貸管理を行っています。同社グループの売上高に占める割合は小さいものの、安定した収益源となっています。収益は、不動産の賃貸料から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から横ばいとなりました。
同社グループの売上高は、日本国内が最も大きく、次いでアジア地域からの収益が続いています。輸出販売も全体の2割程度を占めており、特にアジア地域への輸出が多い傾向にあります。特定の顧客への収益集中も見られ、山田化成株式会社が同社グループの主要な販売先の一つとなっています。
| セグメント | 売上高(2024年11月期) | 売上高(2025年11月期) |
|---|---|---|
| 化学工業薬品事業 | 88.8億円 | 87.8億円 |
| 不動産賃貸事業 | 38百万円 | 38百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で増減を繰り返しながらも、概ね横ばいから微減の傾向を示しています。当連結会計年度は前期と比較して減少となりました。
経常利益は、変動はあるものの、直近5年間で増加傾向にあります。当連結会計年度は前期と比較して増加しました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、変動が見られ、当連結会計年度は前期と比較して減少となりました。
| 項目 | 2021年11月期 | 2022年11月期 | 2023年11月期 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 79.4億円 | 83.7億円 | 86.1億円 | 89.2億円 | 88.1億円 |
| 経常利益 | 3.9億円 | 3.0億円 | 3.4億円 | 3.9億円 | 4.0億円 |
| 経常利益率 | 4.9% | 3.6% | 4.0% | 4.4% | 4.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.8億円 | 2.2億円 | 2.6億円 | 3.4億円 | 3.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 230.99 | 179.75 | 209.88 | 276.22 | 245.11 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたり売上高は、当連結会計年度に前期から増加しました。これは、従業員一人ひとりの売上貢献度が向上していることを示しています。
従業員1人あたり営業利益も、当連結会計年度に前期から増加しました。これは、組織全体の収益性が改善している傾向にあることを示しています。
| 指標 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 52.2百万円 | 55.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.2百万円 | 2.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出し、投資を上回る資金を確保している状況です。財務基盤の安定性から、安心して働ける環境が整っていることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較すると低い水準にありますが、ROE(自己資本利益率)は平均を上回っています。手元資金も増加傾向にあり、財務の安定性を示しています。
| 指標 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 28.8億円 | 31.3億円 |
| 自己資本比率 | 33.8% | 35.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 12.2% | 9.9% |
| 現金及び預金 | 7.4億円 | 12.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、棚卸資産の減少などにより増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得により減少しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が増加した一方で、長期借入金の返済や配当金の支払により増加となりました。
これらの結果、本業で得た資金が投資を上回り、自由に使える資金が増加している状況です。これは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた投資も行いつつ、資金的な余力を確保していることを示しています。
| 項目 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.4億円 | 8.3億円 |
| 投資CF | △3.1億円 | △7.4億円 |
| 財務CF | △1.4億円 | 3.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.6億円 | 0.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの製品は多岐にわたる分野で使用されており、国内外の経済情勢や需要変動が業績に影響を与える可能性があります。また、事業を展開する市場では国際競争が激化しており、価格競争にさらされるリスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、人材を重要な経営資源と認識しており、採用環境が厳しくなる中で人材の確保と育成が重要であると考えています。適切な人材を確保・育成できない場合、計画通りの事業活動が行えず、事業拡大に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
川口化学工業は、有益な化学品の研究開発、製造、販売を通じて社会に貢献することを経営の基本理念としています。事業の成長発展を通じて社員の生活向上を図り、株主の負託に応えることを目指す会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、有益な化学品の研究開発、製造、販売を通じて社会に貢献することを経営の基本理念としています。事業の成長発展を通じて社員の生活向上を図り、利潤の適正な配分をもって株主の負託に応えることを目指しています。継続的な収益基盤の確立と財務体質の改善を図り、収益構造の安定化に努めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、地球環境に関する課題として、環境汚染の予防、産業廃棄物の削減、省エネルギーによる環境負荷の継続的低減を社会的責務としています。また、従業員の最大限の能力発揮を重視し、各部門での1on1面談や全社員への個人面談を通じて意見をくみ上げています。社内外講習への参加を促し、活力ある職場環境と企業風土の醸成に努め、適性のある人材を管理職として登用することを基本方針としています。埼玉県による「多様な働き方認定制度」では最高位のプラチナ認定を獲得しており、仕事と家庭の両立支援にも力を入れています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、将来にわたり持続的な成長を続けるため、中期経営計画「ACCEL2026」を推進しています。最終年となる125期においては、人材戦略・組織力の向上を重点課題としています。具体的には、人材を重要な経営資源と位置づけ、教育・評価・処遇の一体運用を進め、人事評価制度の改定を通じてモチベーション向上とキャリアパスの明確化を図る方針です。情報共有・目標管理の標準化を推進し、組織力の底上げを目指しています。また、リスク管理・品質・環境マネジメントの強化にも取り組み、内部統制・コンプライアンスの継続的強化と事業運営の透明性・適正性の確保を図っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
川口化学工業は、取締役会と監査等委員会を設置し、社外取締役が経営の監督機能を強化する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
川口化学工業の株主構成は、事業会社が上位を占める特徴があります。筆頭株主は山田化成、次いで正喜商事が名を連ねています。創業家関係者も上位株主として名を連ねており、安定した資本基盤を形成していることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 山田化成 | 16.60% |
| 正喜商事 | 9.90% |
| いずも産業 | 3.60% |
| 山田史郎 | 2.30% |
| 今川和明 | 2.10% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は山田秀行氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山田秀行 | 代表取締役社長 | 2000年4月同社入社、2007年2月同社取締役総務部長、2009年8月同社常務取締役、2021年2月より同社代表取締役社長。 |
| 萱野高志 | 常務取締役 | 1981年4月同社入社、2009年12月同社研究開発部長、2013年2月同社取締役、2019年2月より同社常務取締役。 |
| 泉本 勝 | 常務取締役営業部長 | 1994年3月同社入社、2018年12月同社営業部専門部長大阪営業所長、2020年12月同社営業部長、2024年2月より同社常務取締役。 |
| 安藤博之 | 取締役 | 1985年4月同社入社、2010年12月同社業務部長兼生産物流グループリーダー、2018年2月より同社取締役。 |
| 本間義隆 | 取締役経理部長 | 2020年9月同社入社、2020年12月同社経理部専門部長、2021年3月同社経理部長、2023年2月より同社取締役。 |
社外取締役は、宮本浩士氏(高砂熱学工業内部監査室長・監査等委員)、石上尚弘氏(弁護士・アピリッツ監査役・監査等委員)、鈴木俊介氏(経営技法代表取締役・川金ホールディングス社外監査役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役を過半数とする監査等委員会を設置することで、取締役会の監査監督機能の強化と経営プロセスの透明性・効率性向上を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
川口化学工業の役員報酬は、取締役(監査等委員を除く)に対しては固定報酬である基本報酬と業績連動報酬である賞与、退職慰労金で構成されています。監査等委員である取締役に対しては固定報酬と退職慰労金が支給され、業績連動報酬は支給されない仕組みとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 97百万円 | 19.4百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 22百万円 | 7.5百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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