【平均年収335万円】更生会社 トーシンホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年4月期)

【平均年収335万円】更生会社 トーシンホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年4月期)

トーシンホールディングスは、トーシンリゾート、トーシンコーポレーションなどを傘下に持つ持株会社です。移動体通信関連、不動産、リゾートと多角的な事業を展開しています。現在、会社更生法に基づく再建を進めており、直近期は売上高が微増し、経常利益は黒字転換しました。


目次

※本記事は、更生会社 株式会社トーシンホールディングス の有価証券報告書(2026年4月期、2025年5月1日 ~ 2026年4月30日、2026年7月31日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


更生会社 トーシンホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は28名、グループ連結従業員数は94名です。

同社グループは、移動体通信機器の販売を主とする移動体通信関連事業、賃貸ビル・賃貸マンションの不動産賃貸を主とする不動産事業、ゴルフ場の運営を主とするリゾート事業を展開しています。連結子会社4社を中心に、多角的な事業活動を行っています。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)トーシンリゾート(リゾート事業)、トーシンコーポレーション(不動産事業)、トーシンモバイル(移動体通信関連事業)などです。

同社グループは、継続企業の前提に重要な疑義が生じている状況を改善するため、会社更生法に基づく更生手続きを利用し、事業の再建を目指しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社グループは、人材を価値創造の源泉と位置づけ、人材への投資を通じて「人材が育ち、人材で勝つ会社」を目指しています。この方針は、組織能力の向上と事業戦略の実現、ひいては持続的な成長と価値向上に繋がるものとしています。転職を検討される方にとって、同社グループがどのような働き方を重視し、どのような環境を提供しているのかを理解することは重要です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社単体の平均勤続年数と平均年齢を見ると、従業員の定着状況と年齢構成の傾向がうかがえます。人材を価値創造の源泉と位置づける同社グループの方針のもと、従業員がどのようなキャリアを築いているのか、具体的な数値から確認できます。

なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 3,350,532円
平均勤続年数 5.8年
平均年齢 44.0歳
単体従業員数 28人
連結従業員数 94人
単体のグループ内比率 29.8%


同社グループは退職給付制度として確定給付型を採用しています。これは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。

適用範囲は同社及び連結子会社であり、退職金規定に基づく退職一時金制度を採用しています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、人材を価値創造と競争優位の源泉と位置づけ、人材への投資を通じて「人材が育ち、人材で勝つ会社」を目指すことを基本方針としています。人材の価値を高めることで、組織能力を向上させ、事業を強化し、持続的な成長と価値向上を実現するとしています。

人事制度の概要や給与・報酬の決定方針に関する具体的な記述は、有価証券報告書では確認できません。人材育成及び社内環境整備に関する方針において、従業員数の増加を育成の対象者数として重要な指標の一つと認識しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


更生会社トーシンホールディングスは、移動体通信関連事業、不動産事業、リゾート事業の3つを主要な報告セグメントとして展開する持株会社です。同社グループは、多角的な事業を通じて収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、携帯電話の販売から不動産賃貸、ゴルフ場の運営まで、幅広いサービスを提供しています。それぞれの事業が異なる収益源を持ち、多様な顧客層に対応しています。海外事業は展開しておらず、国内市場に特化しています。

移動体通信関連事業

この事業では、主に各通信事業者から仕入れた移動体通信機器を直営店で顧客に直接販売しています。また、携帯電話サービス契約の加入取次や各種サービス変更手続きの業務受託、販売代理店への機器卸売も行っています。法人・事務所向けの営業及びサービスも展開しており、収益は機器販売やサービス契約の取次から得ています。運営は、株式会社トーシンモバイルが行っています。

不動産事業

貸しビルや賃貸マンションの不動産賃貸を主たる業務としています。不動産販売事業も手掛けており、収益は賃貸収入や不動産販売から得ています。運営は、トーシンコーポレーション株式会社が行っています。

リゾート事業

ゴルフ場の運営管理を主たる業務としています。ゴルフ練習場の運営管理や、運営受託を対象とするゴルフ場の新規開拓も行っています。収益はゴルフ場の利用料や練習場からの収入が中心です。運営は、トーシンリゾート株式会社、株式会社伊良湖シーサイドゴルフ倶楽部が行っています。

その他の事業セグメント

飲料水の販売、太陽光発電事業、ゴルフレッスン施設「ゴルフリークス」の運営などを行っています。これらの事業は、報告セグメントには含まれないものの、同社グループの事業の一部を構成しています。

同社グループの売上高は、移動体通信関連事業が最も大きく、これにリゾート事業、不動産事業が続いています。当連結会計年度においては、移動体通信関連事業とリゾート事業の売上高は増加傾向にあり、不動産事業の売上高は減少傾向を示しています。主要な顧客としては、株式会社オーレンジ、ソフトバンク株式会社、KDDI株式会社への売上高が大きな割合を占めており、特に株式会社オーレンジへの売上高は当連結会計年度で全体の過半数を超えています。

セグメント 売上高(2025年4月期) 売上高(2026年4月期)
移動体通信関連事業 151億円 154億円
リゾート事業 14.7億円 15.3億円
不動産事業 9.2億円 8.4億円
その他の事業セグメント 11百万円 11百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は概ね横ばいから微増の傾向にあります。経常利益は変動が大きく、損失を計上した期もありますが、当連結会計年度では黒字に転換しました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度に大幅な損失を計上しています。これは主に減損損失や事業構造改善費用を計上したことによるものです。

同社グループは、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在しており、会社更生法に基づく更生手続を利用して事業の再建を目指しています。

項目 2022年4月期 2023年4月期 2024年4月期 2025年4月期 2026年4月期
売上高 181億円 164億円 171億円 175億円 178億円
経常利益 5.4億円 △1.5億円 2.8億円 △32百万円 71百万円
経常利益率 3.0% △0.9% 1.7% △0.2% 0.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 3.4億円 △2.1億円 1.4億円 △16百万円 △13.8億円
1株当たり当期純利益(円) 53.32 △32.43 21.99 △2.51 △212.86

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少傾向にありますが、従業員1人あたりの営業利益は大きく増加しています。これは、売上高の微増に対して営業利益が大幅に改善したことが影響しています。営業利益の改善は、組織全体の効率化やコスト管理の進展を示唆している可能性があります。

指標 2025年4月期(前期) 2026年4月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 227.0百万円 189.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.6百万円 2.8百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


財務の安定性の観点から、同社グループの現在の状況を把握することは重要です。資金の流れや財務基盤の状況から、同社グループの現在地を読み解きます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で4.9%となっており、前期の10.0%から減少しています。これはプライム市場の平均と比較して低い水準です。ROE(自己資本利益率)は当期で△78.2%と大幅なマイナスとなり、前期の△0.6%からさらに悪化しています。手元資金を示す現金及び預金は当期で26.5億円となり、前期の30.8億円から減少しました。これらの数値は、同社グループが継続企業の前提に関する重要な疑義を抱えている状況と関連しており、財務的な安定性には課題があることを示しています。

指標 2025年4月期(前期) 2026年4月期(当期)
純資産 24.9億円 11.3億円
自己資本比率 10.0% 4.9%
ROE(自己資本利益率) △0.6% △78.2%
現金及び預金 30.8億円 26.5億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に△5.5億円の使用となりました。これは前期の2.8億円の獲得からマイナスに転じており、主に訂正関連費用の増加、利息支払額、法人税等の支払額によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、当期に13.7億円の獲得となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入によるものです。財務活動によるキャッシュフローは、当期に△13.7億円の使用となり、主に社債の償還や長期借入金の返済による支出が影響しています。結果として、フリーキャッシュフローは当期に8.2億円のプラスとなりましたが、前期の18.6億円からは減少しています。営業活動による資金流出と投資活動による資金獲得、そして財務活動による資金使用の状況は、同社グループが事業再建を進める中で資金繰りに課題を抱えていることを示しており、雇用や給与の安定性にも影響を与える可能性があります。

項目 2025年4月期(前期) 2026年4月期(当期)
営業CF 2.8億円 △5.5億円
投資CF 15.8億円 13.7億円
財務CF △8.5億円 △13.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 18.6億円 8.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


同社グループは、手元資金を上回る多額な有利子負債を有しており、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しています。当連結会計年度において、子会社における不適切会計による決算訂正や監査報告書の意見不表明により、取引金融機関との借入契約のコベナンツに抵触しました。これにより、東京証券取引所から特別注意銘柄に指定され、上場廃止リスクが生じています。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループの主要な事業である移動体通信関連事業は、ソフトバンク株式会社及びKDDI株式会社の2社に依存しています。そのため、各通信事業者の経営施策や事業方針の変更により、予定した収益をあげられない可能性があります。また、代理店契約は1年毎の自動更新であり、受託業務の実績不振等により中途解約されるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループでは、過去の不適切な会計処理に関連し、元代表取締役会長の影響力と結果重視の企業風土、会社全体のコンプライアンス意識の不足が指摘されています。取締役会及び監査役会の実効性欠如も認められており、ガバナンスの機能不全に陥っていたことが明らかになっています。

④ 雇用安定性・リストラ


同社グループでは、当連結会計年度において構造改革費用が計上されています。この費用は事業再編・拠点統廃合・人員削減等に伴うものであり、転職先を検討する際に留意すべき情報です。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


更生会社 トーシンホールディングスは、移動体通信関連事業、不動産事業、リゾート事業を展開する持株会社です。同社グループは、事業環境の変化に柔軟に対応し、企業価値の向上を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、事業の再建を目指し、上場を維持しながら会社更生法に基づく更生手続を利用して事業再生を図る方針です。企業価値及び業績のさらなる向上を目指し、お客様、取引先、従業員の安全を最優先に考えています。

関係機関と連携しながら様々な取り組みを実施し、安定的な再建を図ることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「人材」を価値創造と競争優位の源泉と位置づけています。人材に投資することで、「人材が育ち、人材で勝つ会社」を目指す方針です。

従業員一人ひとりが向上心を持って持続的に成長できるよう、様々な事業や業務にチャレンジできる環境の整備に取り組んでいます。多様な働き手を支援する環境を整備し、組織能力の向上と持続的成長、価値向上を実現していくことを重視しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる状況が存在していると認識しています。これらの状況を早期に解消し、事業価値の毀損を防止しつつ、安定的な再建を図ることが喫緊の課題です。

管財人体制により再建を図り、内部管理体制の改善をはじめとする諸課題に対処しています。サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視・管理するため、取締役会が役割を果たし、「リスク・コンプライアンス委員会」を設置して全社的なリスク管理体制を構築しています。太陽光発電事業への取り組み推進や、社内での電子化(ペーパーレス化)推進を通じて、気候変動対応への重要性の周知も進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


更生会社トーシンホールディングスは、東京地方裁判所より会社更生手続開始決定を受け、管財人体制により事業経営および財産管理処分が行われています。現在の取締役および監査役は、管財人の権限と抵触する範囲でその権限が制約されています。同社は取締役会設置会社かつ監査役会設置会社です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


更生会社トーシンホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるジェットです。また、個人株主である石田信文氏や石田ゆかり氏、さらにはトーシングループ従業員持株会も上位株主に名を連ねています。特定の個人や関連会社が上位に複数存在していることが特徴です。

株主名 持株比率
ジェット 33.60%
石田信文 6.25%
光通信KK投資事業有限責任組合 5.85%
石田ゆかり 4.72%
トーシングループ従業員持株会 2.33%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長は平塚栄氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
平塚栄 代表取締役社長 ヤナセ愛知株式会社入社後、ソフトバンクBB株式会社(現ソフトバンク株式会社)で東海営業本部長などを歴任し、アイ・スペース株式会社代表取締役社長を経て、2026年6月より同社代表取締役社長に就任しています。
石田ゆかり 取締役 有限会社石田興業の設立取締役を経て、1988年4月より同社取締役に就任し、総務部長、財務部長、常務取締役財務部長、管理部長(財務担当)などを歴任し、2026年1月より現職です。
旭萌々子 取締役 管理部長 2005年4月に同社に入社後、社長室部長、取締役社長室長兼総務部長、取締役副社長兼管理部長(総務人事担当)などを歴任し、2026年5月より同社取締役兼管理部長に就任しています。


社外取締役は、深谷隆雄氏(税理士法人タックス・ラボ在籍)、奥村竜弥氏(中京クライスラー代表取締役社長)です。

更生会社トーシンホールディングスは、会社更生手続開始決定を受け、管財人体制により事業経営および財産管理処分が行われています。同社は取締役会設置会社かつ監査役会設置会社であり、取締役5名のうち2名が社外取締役、監査役3名のうち2名が社外監査役です。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


更生会社トーシンホールディングスは、役員報酬制度において公平性、透明性、客観性の確保を重視しています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬と、会社業績に連動する賞与、非金銭報酬としてのストックオプションで構成されています。社外取締役の報酬は、その職務に鑑み基本報酬のみが支給される方針です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 85百万円 21.2百万円
監査役(社外除く) 1名 5百万円 4.7百万円
社外役員 8名 10百万円 1.3百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。