※本記事は、株式会社エクスモーション の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
エクスモーションは、ソフトウェア開発に特化したコンサルティング会社です。同社グループは、ソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)の実現に取り組む自動車業界を中心に、提案から課題解決までをワンストップで提供しています。組込みソフトウェアの品質改善コンサルティングや生成AI活用ソリューションなどを展開しています。
単体従業員数は76名、連結従業員数は88名です。同社グループはコンサルティング事業の単一セグメントです。
主な国内グループ会社は、ソルクシーズ(ソフトウェア開発事業)、bubo(コンサルティング事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
エクスモーションは、専門性の高いコンサルティング事業を展開しており、少数精鋭の組織で働く環境が特徴です。従業員の平均年齢や勤続年数からは、一定の経験を積んだプロフェッショナルが活躍している様子がうかがえます。専門性を活かし、長期的なキャリアを築きたい方にとって魅力的な環境と言えるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が40代半ばであり、平均勤続年数も一定の期間を示しています。このことから、経験豊富な人材が長く活躍できる環境が整っている傾向が見られます。専門性の高い分野でキャリアを築きたい方にとって、安定してスキルを磨ける職場環境が期待されます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,237,000円 |
| 平均勤続年数 | 6.5年 |
| 平均年齢 | 44.6歳 |
| 単体従業員数 | 76人 |
| 連結従業員数 | 88人 |
| 単体のグループ内比率 | 86.4% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
エクスモーションは、人材の多様性の確保を重視しており、採用や育成における多様性の確保の重要性を認識しています。中長期的な人材育成方針や社内環境整備方針の作成・実施については、今後必要に応じて検討し、具体的に取り組んでいく方針です。現状では、サステナビリティに関する基本方針は定めておらず、人材戦略における具体的な取り組みは検討中とされています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
エクスモーションは、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律および育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
エクスモーションは、組込みソフトウェア開発のコンサルティングを専門とする企業です。特に自動車業界において、ソフトウェアの品質改善や開発技術の導入支援を通じて、顧客の課題解決をワンストップで支援しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、コンサルティング事業の単一セグメントで事業を展開しています。組込みソフトウェアの品質改善に特化したコンサルティングを提供しており、提案だけでなく実際に実践して課題解決まで手掛ける実践的なスタイルが特徴です。モデリング技術を中心に、組込みソフトウェア開発に有効な多くの技術を得意としています。
特に自動車分野での実績が大きく、国内の自動車メーカーやサプライヤーに対し、モデルベース開発の導入や機能安全への対応などを中心に支援を行っています。また、プロフェッショナルの知見に基づくコンサルティングに生成AIを活用したソリューションや、生成AIを活用した要件定義支援サービス「CoBrain(コブレイン)」も提供しています。さらに、人材育成としてトレーニングサービスやオンライン学習プラットフォーム「Eureka Box(ユーリカボックス)」も展開しています。
収益は、これらのコンサルティングサービス、生成AI活用ソリューション、ツール提供、人材育成サービスから得ています。同社グループの売上高は本邦以外の外部顧客への販売がないため、海外比率は見られません。主要な顧客としては、株式会社SUBARU、トヨタ自動車株式会社、ウーブン・バイ・トヨタ株式会社への売上高が確認されています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去3期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、売上高、営業利益、経常利益がいずれも過去最高を記録しました。
| 項目 | 2021年11月期 | 2022年11月期 | 2023年11月期 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | 11.1億円 | 12.8億円 | 13.9億円 |
| 経常利益 | - | - | 1.3億円 | 1.6億円 | 1.9億円 |
| 経常利益率 | - | - | 12.2% | 12.3% | 14.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | 7百万円 | 99百万円 | 1.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | 2.24 | 32.90 | 42.24 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、従業員1人あたりの営業利益も同様に増加しています。これらの指標の推移は、同社グループの生産性が向上していることを示しています。組織全体の効率化が進み、従業員一人ひとりが生み出す価値が高まっている状況がうかがえます。
| 指標 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 15.1百万円 | 15.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.8百万円 | 2.2百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
エクスモーションの財務状況は、本業で安定的に資金を生み出し、投資を上回る余剰資金を確保している状態を示しています。これにより、事業運営の安定性がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
エクスモーションは、高い自己資本比率と潤沢な現金及び預金を保持しており、強固な財務基盤を築いていることがうかがえます。自己資本比率は89.9%と非常に高く、プライム市場平均と比較しても高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は7.8%であり、前期から改善しています。これらの財務状況は、事業の安定性や将来の成長に向けた投資余力につながる要素となっています。
| 指標 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 16.0億円 | 16.7億円 |
| 自己資本比率 | 90.5% | 89.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.3% | 7.8% |
| 現金及び預金 | 12.9億円 | 14.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
エクスモーションのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは2億5,232万円の収入となり、前期から大きく増加しています。これは主に税金等調整前当期純利益の増加と、契約短期化による売上債権の資金回収早期化が寄与しています。投資活動によるキャッシュフローは4,507万円の支出となっており、主に開発投資に伴う無形固定資産の取得による支出が増加しています。財務活動によるキャッシュフローは5,579万円の支出で、配当金の支払額が増加したことが要因です。本業で安定的に資金を生み出し、成長に向けた投資も行いつつ、それを上回るフリーキャッシュフローを確保していることから、事業の安定性と将来への投資余力を有していることがうかがえます。
| 項目 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 86百万円 | 252百万円 |
| 投資CF | △21百万円 | △45百万円 |
| 財務CF | △54百万円 | △56百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 65百万円 | 207百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの売上高は、第18期連結会計年度において自動車業界向けで約73%を占めています。技術開発の進展や現場支援ニーズの減少により、依頼が大きく減少し、業績に影響を与える可能性があります。また、取引先上位2社に対する売上が全売上高の55%を占めており、当該ニーズが減少した場合も業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループでは、ソフトウェアエンジニアリングの理論と実践スキルを有する人材の確保が、大手メーカー等との人材獲得競争激化により困難になっています。必要な要員を十分に確保できない場合、新規顧客からの要請や既存顧客からの追加要請に対応できず、受注機会の損失により業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
エクスモーションは、組込みシステム開発の変革を支援するプロフェッショナル集団として、顧客企業の製品競争力向上を目指しています。高品質なソフトウェアを通じて、社会の進化に貢献する企業文化を築いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
エクスモーションは、大規模化・複雑化が進む組込みシステムの開発現場において、一刻も早い変革が求められていると認識しています。同社グループは、この変革に取り組む顧客を現場から支援し、成功に導くプロフェッショナル集団であることを経営方針としています。十分な実績と知見を持つコンサルタントが提供する「高品質なソフトウェア」により、効率的な組込みシステム開発への変革を成功させ、最終的に顧客企業の製品競争力向上へとつなげることを目指しています。
また、AIやIoTによる第4次産業革命の幕開けにより、ソフトウェアの重要性が増す社会において、同社グループの「高品質なソフトウェア」への期待は高まると考えています。主要顧客である自動車分野での最先端製品開発支援を通じてノウハウを蓄積し、建設機器、農機、医療、FA(ファクトリーオートメーション)など、あらゆる分野での開発支援に携わることで、事業の積極的な展開を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
エクスモーションは、組込みシステム開発の変革を支援する「プロフェッショナル集団」として、顧客企業の成功に貢献することを重視しています。同社グループは、サステナビリティに関する基本方針は現状定めていないものの、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンス体制を整備しています。
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針として、多様性の確保の重要性を認識しています。その確保に向けた目標設定と、中長期的な人材育成方針及び社内環境整備方針の作成・実施については、今後必要に応じて検討し、具体的に取り組んでいく方針です。また、全社的なリスク及び機会を識別し評価できるよう、リスク管理規程に基づきリスク管理体制を整備しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
エクスモーションは、持続的な成長のためにいくつかの経営課題に取り組んでいます。一つは「優秀な人材の確保」であり、ホームページのリニューアルや展示会への出展、採用メディアの活用を通じて知名度向上を図り、新卒・中途を問わず積極的に人員確保を行っています。人員不足による機会損失を防ぐため、専任者を設置して採用を強化し、即戦力となる人材の確保に努めています。
次に「収益基盤の拡充」として、自動車分野で培ったソリューションを新規分野(医療、建設機械等)へ展開することに注力しています。さらに、コンサルタントの人員数に制約を受けないストックビジネスとして、オンライン学習プラットフォーム「Eureka Box(ユーリカボックス)」と生成AIを活用した要件定義支援サービス「CoBrain(コブレイン)」の拡販にも力を入れています。また、「コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の強化」も重要な課題であり、経営の効率性・健全性確保のため、監査等委員会の設置や内部監査・内部統制システムの整備、管理部門の増員を実施しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
エクスモーションは、取締役会と監査等委員会を設置しており、経営の効率性と健全性の確保に努めています。独立性の高い社外取締役を含む体制で、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
エクスモーションの筆頭株主は事業会社であるソルクシーズです。同社はエクスモーションの子会社であり、ソルクシーズから役員を受け入れています。また、代表取締役社長や常務取締役といった同社の役員も上位株主として名を連ねており、特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ソルクシーズ | 52.89% |
| 渡辺 博之 | 4.50% |
| 芳村 美紀 | 3.97% |
| 井山 幸次 | 2.12% |
| 山崎 勝明 | 2.02% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
エクスモーションの役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は渡辺博之氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 渡辺 博之 | 取締役社長(代表取締役) | 1996年オージス総研入社。2008年同社専務取締役、2013年同社取締役社長を経て、2017年より同社代表取締役社長現職。 |
| 芳村 美紀 | 常務取締役管理本部管掌兼セールス・マーケティング本部管掌 | 1991年リコー入社。2008年同社常務取締役に就任。2025年より同社常務取締役管理本部管掌兼セールス・マーケティング本部管掌現職。 |
| 長尾 章 | 取締役会長 | 1983年トータルシステムコンサルタント設立取締役。ソルクシーズの代表取締役社長などを経て、2008年同社代表取締役社長に就任。2018年より同社取締役会長現職。 |
| 小濵 宗隆 | 取締役研究・開発本部長 | 1993年オージス総研入社。2009年同社に入社し、2016年執行役員研究・開発本部長。2024年より同社取締役研究・開発本部長現職。 |
| 斎藤 賢一 | 取締役コンサルティング本部長 | 1992年ケンウッド入社。2009年同社に入社し、2016年執行役員セールス・マーケティング本部長。2024年より同社取締役コンサルティング本部長現職。 |
社外取締役は、鷲﨑弘宜氏(早稲田大学理工学術院基幹理工学部情報理工学科教授)、水谷幸二氏(佃パートナーズ代表取締役・監査等委員)、中村渡氏(中村公認会計士事務所所長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役は取締役会において議決権を有し、経営陣に対する実効性の高い監督機能を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
エクスモーションの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして機能するよう設計されています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬と業績連動報酬等で構成されています。一方、監督機能を担う取締役会長および社外取締役には、その職務に鑑み基本報酬のみが支払われる仕組みです。業績連動報酬は、営業利益の目標達成度合いに応じて算出される現金報酬となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 64百万円 | 12.8百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 5百万円 | 1.7百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、無報酬の役員や期中に退任した役員を含みます。
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