※本記事は、南海プライウッド株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
南海プライウッドは、木質建築内装材の製造・販売を主軸に、電線電気機器の販売や一般配管工事業も手掛けています。新築住宅市場が縮小する中、リフォーム市場や集合住宅市場の開拓にも注力しています。
単体従業員数は430名、連結従業員数は2,348名です。セグメントは木材関連事業、電線関連事業、一般管工事関連事業の3つです。
主な国内グループ会社は、ナンリツ(電線関連事業)、南海港運(木材関連事業)、南海化工(一般管工事関連事業)などです。
2025年10月1日には、フランスの大手合板メーカーであるETABLISSEMENTS GUY JOUBERTの株式を取得し、欧州合板市場のシェア拡大に向けた戦略的中心拠点としています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
南海プライウッドは、持続的な企業価値向上を目指し、人的資本を重要な経営基盤と位置付けています。多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境整備に注力しており、長期的なキャリア形成を支援する方針がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が44.8歳、平均勤続年数が16.8年となっており、従業員が比較的長く勤める傾向にあることがうかがえます。これは、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となる情報です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,789,489円 |
| 平均勤続年数 | 16.8年 |
| 平均年齢 | 44.8歳 |
| 単体従業員数 | 430人 |
| 連結従業員数 | 2,348人 |
| 単体のグループ内比率 | 18.3% |
同社グループは、積立型の確定給付制度として確定給付企業年金制度を、確定拠出型の制度として確定拠出企業年金制度を設けています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は、同社および一部の連結子会社、一部の在外子会社に適用されています。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度における退職給付債務は11.4億円、年金資産は10.5億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続的な企業価値向上に向け、人的資本を重要な経営基盤と位置付け、人材戦略と経営戦略の連動を重視しています。国内住宅市場の縮小や原材料価格等の上昇といった厳しい事業環境の中、収納建材分野の競争力強化に加え、リフォーム・リノベーション市場、集合住宅市場、海外市場の拡大を重要な成長戦略として推進しています。特に海外事業の強化を重要課題とし、海外子会社管理や国際事業運営に関する専門性を持つ人材の育成・確保に取り組んでいます。
従業員の給与その他の給付の額および内容については、各従業員の役位、職責、業績、経営環境および社会水準等を総合的に勘案し、適正な水準となるよう決定しています。また、従業員の安定的な資産形成および中長期的な生活設計支援のため、確定給付企業年金制度と確定拠出年金制度を併用しています。
同社は、性別や家庭環境に関わらず多様な人材が仕事と家庭を両立し、その能力を最大限に発揮できる環境整備に努めています。従来の性別による多様性だけでなく、経験やノウハウの多様性を強化するため、総合職における中途採用を加速させ、外部知見の積極的な活用を図っています。女性活躍推進においては、将来的な管理職登用を見据え、育児休業からの復帰率維持に加え、キャリアと育児の両立支援を拡充しています。男性従業員による育児休暇取得率の向上にも継続して取り組み、性別に関わらず働き続けやすいワークライフバランスの推進に努めています。
人材育成では、階層別・職種別研修の強化や自己啓発支援に加え、従業員エンゲージメントのさらなる向上に向けた施策を検討しています。社員一人ひとりが高い意欲を持ち、自律的に成長を実感できる組織風土を醸成することで、持続的な成長の源泉とすることを目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 4.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 54.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 64.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 76.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 51.4% |
育児・介護支援
| 指標 | 実績(当事業年度) | 目標(2030年度) |
|---|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 54.0% | 60.0% |
| 育児休業からの復帰率 | 100.0% | 100.0% |
多様性・登用
| 指標 | 実績(当事業年度) | 目標(2030年度) |
|---|---|---|
| 総合職新入社員における中途社員比率 | 22.0% | 30.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
南海プライウッドは、木質建築内装材の製造・販売を主軸に、電線電気機器の販売、一般配管工事を手掛ける同社グループです。複数の事業セグメントを通じて、多様な顧客ニーズに応えるビジネスを展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、木材関連事業、電線関連事業、一般管工事関連事業の3つの報告セグメントで事業を展開しています。主力である木材関連事業では、国内の新築住宅市場が縮小する中で、収納製品のラインナップ拡充やリフォーム市場、集合住宅市場の開拓に注力しています。海外市場においても、連結子会社の工場稼働や欧州企業の株式取得を通じて競争力強化を図っています。
電線関連事業では、四国エリアを中心に電線や電設資材の販売を行っており、大型物件の受注確保や新規顧客の開拓に積極的に取り組んでいます。一般管工事関連事業は、西日本エリアの化学プラント向け配管工事やライニング工事が中心であり、安定した需要がある一方で、人材確保が課題となっています。同社グループの収益は、これら各事業における製品・サービスの提供から得られています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 木材関連事業 | 223億円 | 264億円 |
| 電線関連事業 | 20.9億円 | 21.7億円 |
| 一般管工事関連事業 | 5.7億円 | 5.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績は、売上高が継続的に増加傾向を示しています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は変動が見られますが、直近の当期は大幅な増加となりました。特に親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の低い水準から大きく回復しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 219億円 | 231億円 | 238億円 | 249億円 | 291億円 |
| 経常利益 | 25.3億円 | 8.8億円 | 18.4億円 | 16.6億円 | 34.0億円 |
| 経常利益率 | 11.5% | 3.8% | 7.8% | 6.6% | 11.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 14.1億円 | 15.9億円 | 9.5億円 | 1.0億円 | 18.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 292.71 | 329.12 | 196.02 | 20.90 | 378.26 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から減少しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から増加しており、収益性の改善が見られます。これは、従業員数の増加があったものの、事業全体の収益性が向上したことを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 14.0百万円 | 12.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.5百万円 | 0.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出しながらも、将来に向けた積極的な投資を進めている段階です。現在の財務状況や資金の流れから、同社グループの経営の安定性や成長への姿勢を読み解くことができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、安定した事業運営を支える状況となっています。当期の自己資本比率は56.0%であり、プライム市場に上場する製造業の平均と比較しても高い水準を示しています。また、ROE(自己資本利益率)は7.2%となっており、自己資本を効率的に活用して利益を生み出す力が示されています。手元資金である現金及び預金は38.8億円に増加しており、事業活動に必要な流動性を確保している状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 245億円 | 268億円 |
| 自己資本比率 | 75.1% | 56.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 0.4% | 7.2% |
| 現金及び預金 | 33.1億円 | 38.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループは、本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた投資を積極的に行っています。営業活動によるキャッシュフローは23.0億円のプラスとなっており、税金等調整前当期純利益や減価償却費が主な増加要因です。一方で、投資活動によるキャッシュフローは△49.4億円のマイナスとなっており、子会社株式の取得や有形固定資産の取得による支出が大きく増加しました。これにより、フリーキャッシュフローは△26.3億円のマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは30.3億円のプラスで、長期借入れによる収入が主な要因です。これらの資金の流れは、同社グループが事業拡大のための投資を積極的に進め、その資金を借入れで賄っている成長フェーズにあることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 24.6億円 | 23.0億円 |
| 投資CF | △19.8億円 | △49.4億円 |
| 財務CF | △6.7億円 | 30.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.8億円 | △26.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主要な収益源である住宅向け収納建材の需要は、新設住宅着工戸数の動向に強く影響を受けます。新設住宅着工戸数は中長期的に減少傾向にあり、市況の悪化が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、フランス子会社のNP ROLPIN SASおよびROLKEM SASは業績の低迷が続き、債務超過の状態となっています。今後、これらの海外子会社の業績が回復しない場合には、追加で損失を計上するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
一般管工事関連事業においては、業界全体で人材不足が深刻な状況であり、現場管理の人員や体制の整備強化が課題となっています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
南海プライウッドは、「経営ならびに製品の独自性と安定成長」を基本理念に掲げ、お客様の求める真の価値を創造し、社会との調和を重視する企業です。革新への挑戦を通じて、持続的な成長を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
南海プライウッドは、「経営ならびに製品の独自性と安定成長」を基本理念としています。メーカーとしての使命である製品の安定供給を続け、変化する外部環境に柔軟に対応できる経営体制を構築しています。
市場ニーズを先取りしたオリジナル製品の開発を通じて、顧客満足度の高い住宅内装メーカーを目指しています。新設住宅着工戸数に依存しない新たな事業に積極的に取り組み、持続的な成長と企業価値の継続的拡大を図る方針です。
同社は引き続き収納材のトップメーカーを目指し、強み・得意分野の拡充と新規市場での採算性向上に取り組んでいます。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
南海プライウッドは、経営理念の実現に向けた行動規範として「持続可能な社会の実現のための企業倫理の遵守」「顧客満足度の高い製品開発」「あらゆる環境の保全と持続」を掲げています。ESGを重視し、持続可能な発展を目指すサステナビリティ活動を推進しています。
同社は、異なる経験や価値観を持つ社員がお互いに刺激を受け合い、新たな価値を生み出すことを目指しています。性別や家庭環境に関わらず仕事と家庭を両立できる環境整備を推進し、社員が外部から新しい知見を取り入れ、多角的な視点を持って組織へ貢献できるような人材育成に取り組んでいます。
多様性の確保として、経験やノウハウの多様性を強化し、イノベーション人材として総合職における中途採用を加速させています。女性活躍推進や男性従業員の育児休暇取得率向上にも継続的に取り組み、働きやすいワークライフバランスの推進に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
南海プライウッドは、優先的に対処すべき課題として、製品の安定供給確保と製造原価低減、品質向上を挙げています。中期の経営戦略に定めたターゲットに向けた製品開発とアクションプランの確実な実施を目指しています。
経営の透明度を高め、効率性・健全性を追求するため、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。企業倫理および法令遵守の基本体制を構築し、コンプライアンス体制を強化しています。
また、海外情勢の変化や災害などに対するリスク分散を図り、事業の継続性を確保するための整備を進めています。サステナビリティに関する重要なマテリアリティとして、環境課題への対応、多様な人材の育成とイノベーションの創出、危機管理の推進による強固な事業体制の構築を掲げています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
南海プライウッドは監査役制度を採用しており、取締役会と監査役が経営を監視する体制です。また、執行役員制度を導入し、意思決定の迅速化と業務運営の効率化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
南海プライウッドの筆頭株主は南海興産であり、公益財団法人南海育英会がそれに続いています。これら上位の株主は同じ住所に所在しており、同社グループの創業家や関連会社が経営を支える資本構成となっています。特定の株主グループが経営に影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 南海興産 | 24.89% |
| 公益財団法人南海育英会 | 16.03% |
| 百十四銀行 | 4.82% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は丸山徹氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 丸山 徹 | 代表取締役 社長 | 1980年5月日本ビクター株式会社入社。1997年4月同社入社、管理本部副本部長。1997年6月同社取締役管理本部副本部長。2001年6月同社代表取締役社長より現職。 |
| 丸山 宏 | 取締役 開発部門担当 | 1993年4月住友林業株式会社入社。1996年1月同社入社。2003年6月同社取締役兼執行役員商品開発担当。2009年4月同社取締役兼執行役員開発部門担当より現職。 |
| 浮田 貴仁 | 取締役 営業部門 特需営業、営業推進担当 | 1987年4月同社入社。2013年6月執行役員営業部門特需営業、営業推進担当。2016年6月同社取締役兼執行役員より現職。 |
| 丸山 瑛 | 取締役 経営企画室 営業部門 新規開拓営業担当 | 2015年4月八千代エンジニヤリング株式会社入社。2020年5月同社入社。2023年6月同社執行役員経営企画室担当。2025年6月同社取締役兼執行役員より現職。 |
社外取締役は、村田剛氏(村田剛税理士事務所開業)です。
南海プライウッドは監査役制度を採用する会社です。社外取締役は、税理士としての経験と見識に基づき、経営全般に対する適切な助言と監視機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
南海プライウッドの役員報酬は、業務執行取締役に対しては基本報酬、業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬で構成されています。社外取締役には基本報酬のみが支払われる体系です。業績連動報酬は親会社株主に帰属する当期純利益を指標とし、各取締役の業績評価を加味して決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 1.1億円 | 18.7百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 4百万円 | 4.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 9百万円 | 2.9百万円 |
同社グループの役員報酬の総額は1億2499万円であり、報酬の支給対象となった役員の総数は10名です。
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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