【平均年収649万円】中越パルプ工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収649万円】中越パルプ工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

中越パルプ工業は、紙パルプ製品の製造販売と発電事業を主軸に、グループ各社とともに多岐にわたる事業を展開しています。連結従業員数は1,273名で、直近期は売上高が微減し経常利益は減少しましたが、当期純利益は増加となりました。


目次

※本記事は、中越パルプ工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、紙パルプ製品の製造販売と発電事業を主軸に、セルロース・ナノファイバー関連製品や紙加工品の製造販売、原材料供給、物流など多岐にわたる事業活動を展開しています。

単体従業員数は778名、連結従業員数は1,273名です。セグメントは紙・パルプ製造事業(発電事業含む)、その他の2つです。

主な国内グループ会社は、当社、三善製紙、O&Cアイボリーボード、、中越エコプロダクツ、(会社総数4社)、当社、(会社総数1社)などです。

なお、中越エコプロダクツは2026年3月31日付で解散し、現在清算手続きを進めています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


中越パルプ工業は、紙・パルプ製造を主軸とする企業であり、安定した事業基盤を持つことがうかがえます。従業員の平均勤続年数や平均年齢から、長期的なキャリア形成が可能な環境であると考えられます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員が長く働き続けられる環境を提供している傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、従業員の定着率が高く、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,489,988円
平均勤続年数 24.7年
平均年齢 46.9歳
単体従業員数 778人
連結従業員数 1,273人
単体のグループ内比率 61.1%


同社は、確定給付型の制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と、確定拠出型企業年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を設けています。これらの制度は国内の同社および一部の連結子会社に適用されています。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付型の退職給付債務は33.5億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、永続的な発展を目指す「中期経営計画2030」において、人材を企業価値を高める源泉と位置づけ、その育成と多様な人材の確保に重点を置いています。個々のレベルアップを図るため、職位・職能別に必要なスキル・知識を習得する研修や、自己啓発のための通信教育コースを提供しています。また、全従業員を対象に年1回、上司との個人面談を実施し、自律的なキャリア構築を支援しています。

報酬については、「従業員が長期勤続による生涯設計が描けること」「成果をあげた従業員に報いること」を基本方針としています。昨今の物価高騰に対応するため、ベースアップと定期昇給を実施し、若年層の待遇改善や初任給の見直しも行っています。

多様な人材の確保に向けては、女性活躍の推進や中途採用を積極的に進めており、2033年4月までに管理職に占める女性従業員・中途採用者の合計割合を25%以上とする目標を設定しています。職場環境の整備としては、三交替勤務部門の休日数増加やリフレッシュ休暇の取得回数増、育児休業の積極的な推奨(男女ともに取得率100%目標)に取り組んでいます。社長自らが「健康企業中パ」を宣言し、会社・労働組合・健康保険組合が一体となった「健康経営」も推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 3.6%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 64.6%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 65.8%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 56.5%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 中越ロジスティクス㈱

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%


▼ 中越物産㈱

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%

多様性・登用


連結グループに属する全ての会社での記載が困難なため、提出会社における指標と目標および実績について記載しています。

指標 数値
管理職に占める女性従業員・中途採用者の割合 16.7%

育児・介護支援


連結グループに属する全ての会社での記載が困難なため、提出会社における指標と目標および実績について記載しています。

指標 数値
女性育児休業取得率 100.0%
男性育児休業取得率 100.0%
育児休業取得率 100.0%

健康・安全


連結グループに属する全ての会社での記載が困難なため、提出会社における指標と目標および実績について記載しています。

指標 数値
健康診断および2次検診受診率 100.0%

人材育成・エンゲージメント


連結グループに属する全ての会社での記載が困難なため、提出会社における指標と目標および実績について記載しています。

指標 数値
コンプライアンスミーティング参加率 100.0%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


中越パルプ工業グループは、紙パルプ製品の製造販売と発電事業を主軸としています。これらを補助する様々な事業活動も展開しており、多角的な事業構造を持っています。同社グループの収益は、主にこれらの事業から得られています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか

紙・パルプ製造事業

紙製品や紙加工品原紙、パルプの製造・販売を行っています。新聞用紙、印刷用紙、包装用紙、特殊紙・板紙及び加工品、パルプなど幅広い製品を提供しています。収益は、これらの紙・パルプ製品の販売から得ています。

発電事業

売電を主な事業内容としています。収益は、電力の販売から得ています。

その他の事業セグメント

ナノフォレスト事業、紙加工品製造、造林・緑化事業、木材チップの購入・販売、運送、機械設備設計施工・修理、建設施工、工業薬品の購入・製造・販売、紙断裁選別包装、保険代理など、多岐にわたる事業を展開しています。これらの事業は、紙・パルプ製造事業や発電事業を補助する役割も担っています。収益は、各事業活動から得ています。

同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えています。そのため、海外市場への依存度は低い傾向にあります。特定の顧客への売上集中が見られ、新生紙パルプ商事、日本紙パルプ商事、国際紙パルプ商事の3社が主要な顧客となっています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
紙・パルプ製造事業 1,014億円 1,005億円
発電事業 56.2億円 56.6億円
その他の事業セグメント 39.8億円 42.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移

同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は概ね横ばいから微減の傾向にあります。経常利益は変動が見られ、直近の期では減少しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から増加しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 901億円 1,057億円 1,078億円 1,110億円 1,104億円
経常利益 30.8億円 34.0億円 68.2億円 51.1億円 33.8億円
経常利益率 3.4% 3.2% 6.3% 4.6% 3.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 12.7億円 30.5億円 37.0億円 17.6億円 24.4億円
1株当たり当期純利益(円) 95.02 229.06 285.85 136.66 194.34

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る

同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期からほぼ横ばいで推移しています。一方、従業員1人あたり営業利益は、前期から減少しています。これらの数値は、同社グループの生産性が直近の期でやや低下していることを示しており、収益体質や組織効率の動向を把握する上で重要な指標となります。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 86.6百万円 86.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 3.8百万円 2.2百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


中越パルプ工業は、財務基盤の安定性と資金の流れを通じて、事業の健全性を示しています。本業で得た資金を適切に運用し、将来に向けた投資と財務のバランスを保っている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した経営状況を示しています。純資産は増加傾向にあり、手元資金も確保されています。ROEはプライム市場平均を下回るものの、前期からは改善しており、収益性の向上が見られます。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 559億円 600億円
自己資本比率 46.7% 50.3%
ROE(自己資本利益率) 3.1% 4.2%
現金及び預金 90.0億円 48.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは前期から減少したものの、当期もプラスを維持しています。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出があり、事業への投資を継続している状況を示しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払いによりマイナスとなっています。これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた基盤を築いていることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素と言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 103.6億円 46.7億円
投資CF △60.1億円 △40.0億円
財務CF △60.1億円 △47.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 43.5億円 6.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、売上高の大部分を占める紙・パルプ製造事業が内需型産業であるため、国内景気や市況価格の変動、紙の国内需要減少が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、チップや重油などの諸原燃材料の国際市況や国内市況の変動も、経営成績に影響を与えるリスクとして認識されています。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


中越パルプ工業は、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指し、人を大切にするものづくりを追求する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


中越パルプ工業は、永続的な発展のため、ひたむきに人を大切にしたものづくりに努め、国際競争を勝ち抜く強い企業創りを目指しています。経営理念には「愛され信頼される企業に」を第一に掲げています。

コンプライアンスを徹底し、品質第一主義と弛まざる技術革新で顧客満足を追求しています。また、地域社会との共存共栄を図り、環境と社会に貢献することで企業価値の向上を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


中越パルプ工業は、経営理念として「愛され信頼される企業に」「環境と社会に貢献する企業に」「向上心あふれる働きがいのある会社に」を示しています。同社グループの行動指針は「企業理念」および「中越パルプ工業グループ企業行動憲章」として定められ、全役職員に周知されています。

コンプライアンスをあらゆる企業活動の前提条件とし、グループ会社を含め各職場で毎月コンプライアンスミーティングを実施しています。最近ではメンタルヘルスや人権方針を重点テーマとして取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、『中期経営計画2030』において「GX推進」を重点テーマの一つとしています。製造工程における化石燃料由来のCO₂排出量削減や省エネルギーの推進、脱化石燃料への転換に取り組んでいます。

また、環境負荷の低い輸送手段を活用するモーダルシフトを推進しています。サステナビリティの取り組みとして、人材育成と多様な人材確保のため、教育や職場環境の整備を進めています。有給休暇制度やリフレッシュ休暇制度の見直しを実施し、従業員のキャリア形成と優秀な人材獲得に繋がる施策を推進する方針です。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


中越パルプ工業は、コーポレート・ガバナンスの強化と企業価値向上を基本方針としています。取締役会の監督機能強化のため、監査等委員会設置会社へ移行し、執行役員制度を導入しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


中越パルプ工業の株主構成を見ると、筆頭株主は王子ホールディングス株式会社です。上位株主には、日本紙パルプ商事株式会社や新生紙パルプ商事株式会社といった同社グループの事業に関連する企業が複数名を占めています。また、従業員持株会も大株主の一角を占めており、多様な株主によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
王子ホールディングス 21.91%
日本紙パルプ商事 5.65%
新生紙パルプ商事 4.49%
INTERACTIVE BROKERS LLC 4.48%
KPPグループホールディングス 4.25%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長兼社長執行役員は福本亮治氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
植松 久 取締役会長 東京事務所管掌 1980年4月同社入社。2013年6月同社取締役兼執行役員経営管理本部長、2020年6月同社代表取締役社長兼執行役員営業本部管掌、2025年6月同社取締役会長東京事務所管掌より現職。
磯部 勉 取締役兼常務執行役員 営業本部長 1988年4月同社入社。2017年6月同社執行役員高岡工場長兼営業本部副本部長、2022年6月同社常務執行役員営業本部長、2024年6月同社取締役兼常務執行役員営業本部長より現職。
下川 靖博 取締役兼常務執行役員 生産本部長、開発本部管掌 1989年4月同社入社。2018年6月同社執行役員川内工場長兼営業本部副本部長、2022年6月同社上席執行役員高岡工場長、2025年6月取締役兼常務執行役員生産本部長、開発本部管掌より現職。


社外取締役は、東勝次氏(公認会計士・公益財団法人千葉県市町村振興協会監事)、山口敏彦氏(弁護士・アルビス社外監査役)、櫻井佳世子氏(TMF Group在籍・米国公認会計士)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能強化とコーポレート・ガバナンスの向上を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


中越パルプ工業の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、株主利益と連動した体系を基本方針としています。報酬は、各取締役の職責に応じた固定報酬としての基本報酬と、譲渡制限付株式による非金銭報酬で構成されています。社外取締役および監査等委員である取締役には、その職務に鑑み基本報酬のみが支払われます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
社外取締役(監査等委員を除く) 1名 6百万円 6.0百万円
社外取締役(監査等委員) 2名 13百万円 6.5百万円
取締役 9名 1.8億円 20.0百万円
社外役員 3名 20百万円 6.7百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、同社は取締役の使用人兼務部分に対する報酬を支給していません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。