【平均年収524万円】野崎印刷紙業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収524万円】野崎印刷紙業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

野崎印刷紙業は、印刷事業を主軸に、商業印刷物や包装資材、情報機器など多岐にわたる製品の製造・販売を手掛けています。連結従業員数は422名で、直近期の業績は売上高、利益ともに前期から減少となりました。


目次

※本記事は、野崎印刷紙業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


野崎印刷紙業は、印刷事業を主軸に、商業印刷物、包装資材、紙器、情報機器、サプライ品など多岐にわたる製品の製造・販売を手掛けています。同社グループは、幅広い印刷関連ソリューションを提供しています。

単体従業員数は377名、連結従業員数は422名です。セグメントは商業印刷部門、包装資材及び紙器、紙工品部門、情報機器及びサプライ品部門、その他の部門の4つです。

主な国内グループ会社は、旭ラベル(情報機器及びサプライ品)、早和製本(印刷、製本及び紙工品)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


野崎印刷紙業は、印刷紙器事業を主軸とする企業です。同社グループの給与水準や働き方については、安定した環境で長期的にキャリアを築くことができる傾向が見られます。従業員の定着を重視し、多様な人材が活躍できる職場環境づくりにも注力しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。安定して働き続けられる職場づくりに力を入れている傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 5,239,000円
平均勤続年数 21.2年
平均年齢 47.5歳
単体従業員数 377人
連結従業員数 422人
単体のグループ内比率 89.3%


同社グループは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型の両方の退職給付制度を採用しています。これらの制度は、同社および一部の連結子会社で採用されています。退職一時金制度も存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度に係る退職給付債務は11百万円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、企業理念に掲げる「ひとりひとりの挑戦を大切にすること」に基づき、従業員の主体的な挑戦と成長を促す環境づくりを推進しています。中期経営計画では「人への投資」を経営戦略の最重要事項の一つと位置付け、労働生産性とエンゲージメントの向上を目指し、「従業員の健康増進」と「人材マネジメント」を二つの柱としています。

報酬制度においては、年齢や年功にとらわれず、各自の「役割」や「成果」に応じた公正な評価と処遇の実現を目指した評価制度を採用しています。また、中長期的な企業価値向上への貢献意欲を高めるため、役員だけでなく従業員も対象とした「譲渡制限付株式報酬制度」を実施しています。

人材確保の課題に対し、多様な職務経験や価値観を持つ人材を幅広く受け入れる方針です。特に女性従業員の積極的な採用を推進しており、製造現場の労働環境改善により女性オペレーターの活躍機会も増えています。従業員が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、「従業員全員が明るく・元気に・いきいきと働ける職場づくりと人づくり」を目指し、2024年には「健康宣言」を策定しました。健康経営への投資を通じて、従業員の心身の健康保持・増進を図ることは、労働生産性とエンゲージメントの向上に直結する経営戦略と位置付けられています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
女性管理職比率 5.9%
男女賃金差異(全労働者) 67.2%
男女賃金差異(正規雇用) 81.7%
男女賃金差異(非正規雇用) 60.0%

多様性・登用


これらの指標は、同社単体として判断されています。

指標 数値
係長級に占める女性労働者の割合 8%

健康・安全


これらの指標は、同社単体として判断されています。

指標 数値
プレゼンティーイズム 18%

人材育成・エンゲージメント


これらの指標は、同社単体として判断されています。

指標 数値
19~39歳の従業員の直近3年間の定着率 45%
従業員の有給休暇取得率 56%
従業員エンゲージメント 60%
全社員の1ヶ月あたりの平均残業時間 3.9時間

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


野崎印刷紙業は、印刷事業を単一セグメントとして展開しています。同社グループは、商業印刷、包装資材及び紙器・紙工品、情報機器及びサプライ品、その他の部門を通じて多岐にわたる製品とサービスを提供しています。

主力商品である包装資材及び紙器・紙工品や情報機器及びサプライ品部門の売上成長に注力し、競争優位性の強化や生産効率の改善によるローコストオペレーションを追求しています。また、資本効率の向上と資産効率の最適化を通じて企業価値の向上を進めています。

同社グループは中期経営計画「nozaki2024/2026“SHINKA”」に沿い、「印刷×DX」や既存製品の高付加価値化の取り組みを進めています。国内の外部顧客への売上高が連結売上高の90%を超えるため、事業は主に日本国内に集中しています。

商業印刷部門では、カタログ・パンフレット類などの一般商業印刷物を取り扱っています。展示会向けや官公庁関連の需要が増加する一方で、カレンダーの受注減少などの影響を受けています。

包装資材及び紙器・紙工品部門では、伝票類、紙器、軟包装、包装紙・紙袋類などを提供しています。物流部門の受注増や化粧品・食品業界向けの紙器受注が増加する一方で、同業他社との価格競争やペーパーレス化、物流業界向け特需の反動などの影響を受けています。

情報機器及びサプライ品部門では、タグ・ラベルや情報機器類を提供しています。食品業界向けやECサイト向けのデータプリント事業は堅調に推移していますが、輸送機器関連や物流業界向けラベルの減少が見られます。情報機器類では、小型・中型プリンターやカスタマイズ機の受注が伸びています。

その他の部門では、化成品などを取り扱っています。物流関係向けのチケットパック需要の減少や、感染症対策の衛生関連商品の受注価格低下などの影響を受けています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は前期に比べて減少しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、前期と比較して減少する結果となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 131億円 134億円 142億円 146億円 140億円
経常利益 1.4億円 3.7億円 6.7億円 7.5億円 5.7億円
経常利益率 1.1% 2.8% 4.7% 5.2% 4.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 10百万円 2.5億円 5.7億円 5.2億円 3.6億円
1株当たり当期純利益(円) 0.58 14.74 33.65 31.45 22.17

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高と営業利益は、前期と比較して減少しています。これらの指標は、同社グループの収益体質や組織の効率化の傾向を示すものとなります。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 34.7百万円 33.2百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.6百万円 1.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている段階を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


野崎印刷紙業の財務基盤を見ると、当期の自己資本比率は43.5%となっています。これは前期の41.3%から増加しており、プライム市場の製造業平均(46.8%)と比較するとやや低い水準です。

ROE(自己資本利益率)は当期8.0%で、前期の12.3%から減少しています。プライム市場の製造業平均(9.4%)を下回る水準となっています。

手元資金を示す現金及び預金は、当期末で14.0億円を確保しており、前期の14.3億円からわずかに減少しています。これらの財務状況は、同社グループが安定した事業運営を継続するための基盤を維持していることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 46.3億円 48.7億円
自己資本比率 41.3% 43.5%
ROE(自己資本利益率) 12.3% 8.0%
現金及び預金 14.3億円 14.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


野崎印刷紙業のキャッシュフローを見ると、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは4億62百万円の増加となりました。これは主に減価償却費や税金等調整前当期純利益、売上債権の減少により資金が増加した一方で、仕入債務の減少により資金が減少したことによるものです。

投資活動によるキャッシュフローは10億36百万円の減少となりました。これは有形固定資産の取得による支出が主な要因となっています。

その結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。財務活動によるキャッシュフローは5億39百万円の増加となり、長期借入れや短期借入金の純増加により資金を調達しています。

同社グループは本業で資金を生み出しつつ、積極的な設備投資を進めており、事業の成長に向けた取り組みを行っていることがうかがえます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 6.5億円 4.6億円
投資CF △10.6億円 △10.4億円
財務CF 2.1億円 5.4億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △4.1億円 △5.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは多くの企業と競合関係にあり、受注価格の低下が進む価格競争のリスクを認識しています。また、主たる原材料である原紙の価格上昇に対し、販売価格への転嫁が難しいことによる収益性低下のリスクも挙げています。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


野崎印刷紙業は、150年を超える歴史を持つ総合情報企業です。お客様への「+α」の感動提供を経営理念に掲げ、持続的な企業価値向上を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、印刷媒体を中心とする総合情報企業として、お客様の要望に応え、満足できる製品を提供することを経営の基本方針としています。企業体質の強化と収益の向上を目指し、全てのステークホルダーの信頼に応えるよう尽力する方針です。中期経営計画「nozaki2024/2026“SHINKA”」では、「進化」「深化」「伸化」の3つの「SHINKA」を通じて企業価値向上を目指すビジョンを掲げています。「進化」はアイデアと技術革新による新たな価値創造、「深化」は知識や技術に磨きをかけた組織・事業の成長、「伸化」は時代の変化に対応した成長分野の市場開拓を意味しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは150年余りの歴史の中で、自然環境や地域社会との共存を重視してきました。経営理念である「+αで応えることで小さな感動を提供する」を実践し、お客様満足度向上と地球環境の保全、健全な社会づくりへの貢献を目指しています。持続可能な社会の発展と企業責任を果たすため、高い倫理観と顧客満足度を重視した企業経営を行うことを大切にしています。

人的資本に関する方針では、「人財」を大切な財産と捉え、労働人口減少への対応や多様性の確保を重視しています。異なる職務経験や価値観を持つ人材を幅広く受け入れ、企業の活性化と社会の変化に対応できる企業運営を目指しています。「従業員全員が明るく・元気に・いきいきと働ける職場づくりと人づくり」を目標に掲げ、健康経営への投資を通じて従業員の心身の健康保持・増進を図る方針です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、原材料調達の不安定化や価格上昇など、厳しい経営環境に直面しています。このような状況下で、企業価値の向上に邁進する方針です。

サステナビリティに関する重点テーマとして、環境対応製品の提供や温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。また、女性や若手の活躍に向けた人材育成や従業員の健康増進、多様な働き方の実践を通じて、人的資本経営を推進しています。

健全な経営のため、リスク管理体制の強化やコンプライアンスの徹底、情報開示の充実により、コーポレート・ガバナンスの実効性確保に努めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


野崎印刷紙業は、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応できる組織体制の整備と経営の透明性向上をコーポレート・ガバナンスの重要課題としています。監査役設置会社として、経営の意思決定と監督機能の強化に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


野崎印刷紙業の株主構成を見ると、筆頭株主は同社の取引業者で組織する持株会である陽光会です。また、代表取締役社長である野﨑隆男氏が上位株主の一人であり、同氏が代表を務める翠洸興産も主要な株主となっています。このように、同社の経営は取引先や経営陣、関連会社によって支えられていることがうかがえます。

株主名 持株比率
陽光会 11.57%
野﨑 隆男 10.55%
翠洸興産 4.27%
みずほ信託銀行 3.52%
京都銀行 2.26%


なお、前事業年度末において主要株主でなかった野﨑隆男氏は、当事業年度末現在では主要株主となっています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は12名(男性12名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は野﨑隆男氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
野 﨑 隆 男 代表取締役 社長 1988年3月同社入社、2007年6月同社代表取締役社長に就任。旭ラベル、フェニックス電子、翠洸興産、ツバサ製作所、野崎カレンダーの代表取締役社長も務める。
夏 苅 崇 専務取締役 1984年10月同社入社、2009年6月同社取締役就任、2020年6月同社専務取締役より現職。
簗 瀬 昌 二 常務取締役 1977年4月同社入社、2015年6月同社取締役就任、2020年6月同社常務取締役より現職。
小 林 正 明 取締役 営業部長 兼近畿・中部統括担当 1983年4月同社入社、2011年6月同社取締役就任、2025年6月同社取締役より現職。
中 井 呈 取締役 生産部長 2003年4月同社入社、2024年6月同社取締役就任、同社生産部長より現職。
内 藤 孝 憲 取締役 管理部長 1997年5月同社入社、2024年6月同社取締役就任、同社管理部長より現職。


社外取締役は、鈴木一水氏(大学教授)、渡邊賢一氏(公認会計士)、木村規久男氏(元パナソニック電工株式会社執行役員)です。

同社は監査役設置会社であり、社内取締役と専門的知識を持つ社外取締役をバランスよく起用することで、経営の透明性と社外からの経営監視機能を確保しています。監査役会は3名中2名が社外監査役で構成され、独立した観点から取締役の職務執行を監査する体制です。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


野崎印刷紙業の取締役の報酬は、基本報酬、業績連動報酬である賞与、および非金銭報酬で構成されています。社外取締役を除く取締役に対しては、企業価値向上へのインセンティブとして譲渡制限付株式報酬も導入されています。業務執行から独立した立場にある社外取締役には、基本報酬のみが支給される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 80百万円 13.3百万円
監査役(社外除く) 1名 8百万円 7.7百万円
社外取締役 3名 15百万円 5.0百万円
社外監査役 2名 8百万円 4.0百万円


役員報酬の総額は1.10億円であり、対象となる役員の合計は12名です。

なお、取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役3名の使用人給与相当額は含まれていません。また、非金銭報酬として取締役(社外取締役を除く)に対して譲渡制限付株式が割り当てられており、金額欄には当事業年度において会計上の費用として計上された金額が記載されています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。