※本記事は、株式会社クレハ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
クレハグループは、機能製品、化学製品、樹脂製品の製造・販売を主軸に事業を展開しています。これら主要事業に加え、建設関連や物流、環境対策などのサービスも提供しています。
単体従業員数は1,631名、連結従業員数は3,941名です。同社グループの事業セグメントは、機能製品事業、化学製品事業、樹脂製品事業、建設関連事業、その他関連事業の5つです。
また、樹脂製品事業では熱収縮多層フィルムの販売を終了し、関連する海外子会社は清算手続きを進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
クレハは、独自の技術力を活かした事業展開を通じて、社会課題解決と企業価値向上を目指す企業です。同社グループは、従業員一人ひとりの成長と活躍を重視し、多様な働き方を支援する環境整備に力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の長期的なキャリア形成を支援する環境が整っており、平均勤続年数から安定した就業傾向がうかがえます。また、平均年齢は働き盛りの世代が中心となっており、経験豊富な人材が活躍していることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,418,000円 |
| 平均勤続年数 | 19.8年 |
| 平均年齢 | 43.6歳 |
| 単体従業員数 | 1,631人 |
| 連結従業員数 | 3,941人 |
| 単体のグループ内比率 | 41.4% |
同社および一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付制度と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出制度を採用しています。退職一時金制度があり、退職給付として、給与と勤務期間に基づいた一時金を支給しています。積立状況は225.7億円の積立不足となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、クレハビジョン「独自技術でスペシャリティを追求し、未来を拓く社会貢献企業」の実現に向け、人的資本の強化を中長期の企業価値を左右する重要な経営課題と位置付けています。高度専門人財および高度マネジメント人財の獲得、育成、定着に注力し、人的資本経営を推進しています。
従業員の給与は、基本給、賞与、各種手当で構成されています。基本給は、年齢、性別、国籍等による差異を設けず、役割・職務およびその遂行状況に基づく人物本位の役割等級制度と評価・報酬制度により決定されます。賞与は個人評価結果に加え、幹部社員以上には会社業績が反映され、業績動向と連動性を持たせています。
人財の育成・活用においては、「知恵・情熱・共創の心」を持ち、自律的なキャリア形成意識を持つ人財の育成を基本方針としています。職場内教育、体系的な各種研修プログラム、自律的なキャリア開発支援を推進し、技術系人財育成委員会による専門性向上や技術・技能継承、女性活躍推進プログラムにも取り組んでいます。挑戦意欲の醸成のため、人事制度では「挑戦」「スピード」「成長」を実践し実績を上げる人財に厚く報いることを基本方針とし、エンゲージメント向上施策やキャリア開発支援、経営層と従業員との対話を通じて主体的な行動を促しています。働きやすい社内環境整備として、フレックスタイム制度、在宅勤務制度、半日・時間単位の年次有給休暇制度、配偶者海外転勤休職制度などを導入し、男性従業員の育児休業等および育児目的休暇の取得促進にも取り組んでいます。また、健康基本方針に基づき、グループ全体で健康経営を推進し、従業員の健康保持・増進を支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。賃金体系および制度上、男女の差異はありませんが、等級制度における人員構成や管理職比率等の違いにより、男女の賃金差異が生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 8.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 78.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 81.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用労働者) | 60.5% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱クレハ環境
賃金体系および制度上、男女の差異はありませんが、等級制度における人員構成や管理職比率等の違いにより、男女の賃金差異が生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 1.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 58.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 63.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用労働者) | 41.4% |
▼ 社団医療法人呉羽会
賃金体系および制度上、男女の差異はありません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 56.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 64.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 60.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用労働者) | 62.0% |
人財の育成・活用
管理職における女性割合は、有価証券報告書に記載の定義と同一です。教育満足度は、当社が実施するエンゲージメント調査において、「自身のキャリアに役立つ教育機会が与えられている」と回答した従業員の割合です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職における女性割合 | 8.3% |
| 教育満足度 | 47.3% |
働きやすい社内環境整備
男性従業員の育児休業等および育児目的休暇の取得率は、有価証券報告書に記載の定義と同一です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 年次有給休暇取得率 | 86.9% |
| 男性従業員の育児休業等および育児目的休暇の取得率 | 88.5% |
健康経営の推進
健康経営優良法人認定は、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人(大規模法人部門)」への認定です。プレゼンティーズムは、従業員が心身の不調を抱えたまま就業している状態を指し、数値が低いほど望ましい指標です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 健康経営優良法人認定 | 認定 |
| プレゼンティーズム | 21.7% |
エンゲージメントの向上
エンゲージメントは、「仕事に対する熱意や姿勢」を表す指標です。偏差値は、調査機関が設定する比較対象母集団を基準として算出しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| エンゲージメント(偏差値) | 51.5 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
クレハグループは、機能製品、化学製品、樹脂製品の製造・販売を主軸に、建設関連やその他関連事業も展開する企業グループです。幅広い分野で事業活動を行っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
クレハグループは、機能製品、化学製品、樹脂製品の製造・販売を主な事業内容としています。さらに、これらの事業に関連する設備の建設・補修、物流、環境対策、医療サービスなども手掛けています。収益は主に製品の販売、工事の施工請負、およびその他のサービスの提供から得ています。
同社グループの事業は、主に以下の5つのセグメントで構成されています。
機能製品事業
機能樹脂や炭素製品の製造・販売を行っています。機能樹脂分野では、PPS樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品などを手掛けています。炭素製品分野では、炭素繊維や球状活性炭などを提供しています。
収益は、機能樹脂や炭素製品の販売から得ています。運営は、クレハトレーディング、クレハエクストロン、クレハGmbH、クレハ・アメリカInc.、クレハ・ピージーエーLLC、クレハ・エナジー・ソリューションズLLC、呉羽(上海)炭繊維材料有限公司、呉羽(中国)投資有限公司、呉羽(常熟)フッ素材料有限公司などが行っています。
化学製品事業
農薬、医薬品、無機薬品、有機薬品の製造・販売を行っています。農薬・医薬分野では、農業・園芸用殺菌剤や慢性腎不全用剤「クレメジン」などを提供しています。工業薬品分野では、か性ソーダ、塩酸、次亜塩素酸ソーダ、モノクロルベンゼンなどを扱っています。
収益は、農薬、医薬品、各種工業薬品の販売から得ています。運営は、クレハトレーディングなどが行っています。
樹脂製品事業
食品包装材や家庭用品の製造・販売を行っています。コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」やフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」などを提供しています。業務用食品包装材分野では、塩化ビニリデンフィルムや自動充填結紮機などを扱っています。
収益は、家庭用ラップや釣糸、業務用食品包装材などの販売から得ています。運営は、クレハトレーディング、クレハ合繊、クレハ・アメリカInc.、クレハ・ヨーロッパB.V.、呉羽(中国)投資有限公司、クレハ・ベトナムCo.,Ltd.などが行っています。
建設関連事業
土木・建築工事の施工請負業務や工事監理業務を行っています。公共工事や民間工事の施工を請け負い、収益を得ています。
運営は、クレハ建設などが行っています。
その他関連事業
産業廃棄物の処理や環境関連処理設備の販売、運送および倉庫業務、医療サービスなどを提供しています。環境事業では、廃棄物処理や理化学分析・測定・試験・検査業務を行っています。
収益は、廃棄物処理や運送、医療サービスなどの提供から得ています。運営は、クレハトレーディング、クレハ運輸、クレハサービス、クレハ環境、社団医療法人呉羽会などが行っています。
同社グループの売上収益は、日本が最も大きく、次いでアメリカ、アジア、ヨーロッパ、その他の地域からも収益を得ています。特定の顧客への売上収益が連結損益計算書の10%以上を占める顧客は存在しません。
| セグメント | 売上収益(2025年3月期) | 売上収益(2026年3月期) | セグメント利益(2025年3月期) | セグメント利益(2026年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 機能製品事業 | 585億円 | 619億円 | △19.9億円 | 21.3億円 | 3.4% |
| 樹脂製品事業 | 409億円 | 370億円 | 71.0億円 | 69.1億円 | 18.7% |
| 化学製品事業 | 309億円 | 297億円 | 5.9億円 | 13.5億円 | 4.5% |
| その他関連事業 | 253億円 | 249億円 | 29.1億円 | 25.9億円 | 10.4% |
| 建設関連事業 | 224億円 | 229億円 | 13.9億円 | 15.3億円 | 6.7% |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
クレハグループの直近5期間の業績を見ると、当期は売上収益が前期からわずかに減少しました。営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益はいずれも損失に転落しています。これは、電気自動車市場の停滞によるフッ化ビニリデン樹脂事業に係る固定資産の減損損失や、慢性腎不全用剤製造設備の減損損失を計上したことが主な要因となっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1,683億円 | 1,913億円 | 1,780億円 | 1,620億円 | 1,617億円 |
| 税引前利益 | 204億円 | 230億円 | 139億円 | 102億円 | △183億円 |
| 税引前利益率 | 12.1% | 12.0% | 7.8% | 6.3% | △11.3% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 142億円 | 169億円 | 97.3億円 | 78.0億円 | △107億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 241.91 | 288.10 | 173.03 | 149.67 | △267.14 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
クレハグループの従業員1人あたり売上収益は、当期に前期からわずかに増加しました。一方で、従業員1人あたり営業利益は、前期のプラスから当期はマイナスに転じています。これは、減損損失の計上による営業損失が大きく影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 40.3百万円 | 41.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.3百万円 | △4.7百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、本業の収益性に課題が見られるものの、キャッシュフローはプラスで推移しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあり、安定した状態を示しています。しかし、ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスとなっており、収益性の改善が課題となっています。手元資金である現金及び現金同等物は増加しており、一定の流動性を確保している状況です。これらの財務状況は、同社グループの事業運営の安定性に関わる要素となっています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 2,094億円 | 1,652億円 |
| 自己資本比率 | 60.6% | 48.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.6% | △5.7% |
| 現金及び現金同等物 | 215億円 | 297億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュ・フローが280億円の収入となり、前期に比べて減少しました。これは主に法人所得税の支払額が増加したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは137億円の支出となり、前期に比べて支出が減少しました。これは有形固定資産及び無形資産の取得による支出が減少したことや、売却による収入が増加したことなどが要因となっています。この結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュ・フローは143億円のプラスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは79億円の支出となり、前期の収入から支出に転じました。これは短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減による収入が増加した一方で、自己株式の取得による支出が増加したことなどが影響しています。同社グループは、本業で安定したキャッシュを生み出し、投資を賄う資金力がある状況です。これは、事業運営の安定性や将来への投資余力があることを示しており、長期的な視点での雇用安定性や給与安定性につながる可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 295億円 | 280億円 |
| 投資CF | △394億円 | △137億円 |
| 財務CF | 84億円 | △80億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △99億円 | 143億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、グローバルに事業を展開しており、国内外の市場環境の変化や地政学リスクの顕在化、競合他社による生産能力増強や低価格販売等により、業績が影響を受ける可能性があります。また、セグメント別売上比率が高い機能製品事業では、技術競争力が激しい領域であるため、継続的な差別化への取り組みが不可欠であり、十分な差別化が図れない場合には競争力の低下につながるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループでは、事業環境の変化や技術革新に対応するため、専門技術に精通した多様な人財やマネジメント能力に優れた人材の確保・育成が重要となっています。しかし、国内外の雇用環境の変化により、人財の確保や育成が計画通りに進まない場合、事業展開や業績、事業の成長に大きな影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
同社グループでは、当連結会計年度末にリストラクチャリング引当金が25百万円計上されています。この引当金は、主に欧州の熱収縮多層フィルム事業撤退に伴う連結子会社の従業員の雇用契約終了に伴う支給見込額として計上されたものです。この費用は事業再編や人員削減等に伴うものであり、転職先を検討する際に留意すべき情報です。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
クレハは、独自の技術力と組織力を活かし、社会課題の解決と企業価値の向上を目指す企業です。サステナビリティ経営を推進し、未来を創造する組織文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
クレハグループは、企業理念、クレハビジョン、経営方針に基づき、中長期的な企業価値向上と持続可能な社会貢献を両立するサステナビリティ経営を推進しています。
クレハビジョンは「独自技術でスペシャリティを追求し、未来を拓く社会貢献企業」です。
2035年長期経営計画「Technology to Value(技術の進化を更なる価値へ)」では、機能製品事業、樹脂製品事業、化学製品事業(ライフサイエンス領域)の3事業ポートフォリオ体制を確立し、独自の市場創出を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは「知恵・情熱・共創の心」を持つ人財を育成し、従業員一人ひとりが主体的に成長し、挑戦する活気ある組織・職場の構築に取り組んでいます。
人事制度は「挑戦・スピード・成長を実践しながら主体的に役割を遂行し、実績を上げる人財に厚く報いる」ことを基本方針としています。
年齢や性別、国籍を問わず人物本位で能力・実績を評価し、多様な人財が活躍できる会社を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、人的資本経営の推進をマテリアリティ(経営上の重要課題)に位置づけています。
中長期経営計画では「人財の育成・活用」「挑戦意欲の醸成」「働きやすい社内環境整備」「健康経営の推進」を重要施策とし、エンゲージメントの継続的な向上を目指しています。
低環境負荷社会への貢献も重点テーマであり、カーボンニュートラル実現や資源循環、環境負荷低減に継続的に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
クレハは、経営における監督責任と執行責任を明確にし、公正かつ透明性の高い経営を行うことで、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しています。取締役会は重要な経営事項の決定と業務執行の監督を担い、経営会議が効率的な意思決定を確保しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
クレハの株主構成を見ると、機関投資家や信託銀行が上位を占めており、幅広い投資家層に支えられていることがうかがえます。特定の創業家や事業会社が突出して高い比率を占める形ではなく、多様な株主によって資本が構成されています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 明治安田生命保険相互会社 | 9.52% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 9.27% |
| 東京海上日動火災保険 | 4.32% |
なお、2025年10月15日付の臨時報告書にて、前事業年度末時点において主要株主ではなかった明治安田生命保険相互会社は、当事業年度中に主要株主となりましたが、2026年4月8日付の臨時報告書にて当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長兼CEOは名武克泰氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小 林 豊 | 代表取締役会長 | 1974年4月同社入社、2012年9月同社代表取締役社長、2026年4月より現職。 |
| 名 武 克 泰 | 代表取締役社長兼CEO | 1985年4月同社入社、2016年6月クレハ環境代表取締役社長、2026年4月より現職。 |
| 西 畑 直 光 | 取締役専務執行役員PGA事業管掌、高機能製品事業部長、ライフサイエンス事業部長、新事業推進本部長 | 1987年4月同社入社、2019年4月クレハ・アメリカInc.取締役社長、2026年4月より現職。 |
社外取締役は、飯田修氏(元三菱マテリアル代表執行役副社長)、岡藤由美子氏(カルビー監査役)、西尾啓治氏(株式会社安川電機監査等委員である社外取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、経営における監督責任と執行責任を明確にしています。独立社外取締役は、経営への助言・監督機能、利益相反の監督機能、およびステークホルダーの意見を取締役会へ反映する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
クレハの役員報酬は、企業業績と中長期的な企業価値の向上を反映し、適切な人材の確保と維持を考慮した体系となっています。金銭報酬としての基本報酬と賞与、非金銭報酬としての事前交付型譲渡制限付株式報酬および業績連動型譲渡制限付株式報酬により構成されています。社外取締役の報酬は、その役割に鑑み基本報酬のみです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役 | 8名 | 1.9億円 | 23.6百万円 |
| うち社外取締役 | 4名 | 41百万円 | 10.2百万円 |
| 監査役 | 4名 | 56百万円 | 14.0百万円 |
| うち社外監査役 | 3名 | 34百万円 | 11.3百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、固定報酬としての非金銭報酬は、社外取締役を除く取締役3名に対して付与した事前交付型譲渡制限付株式報酬であり、当事業年度に費用計上した額を記載しています。業績連動報酬としての賞与は、算定方法に則り支給はありません。業績連動報酬としての非金銭報酬は、初回評価期間に係る株式交付について、各取締役が交付辞退の申出を行ったことから、株式の交付は行いません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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