※本記事は、丸尾カルシウム株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
丸尾カルシウムは、合成樹脂、塗料、ゴムの補強充填剤、薬品、食品添加用など、幅広い用途向けの各種炭酸カルシウムの製造販売を主たる事業としています。化合炭酸カルシウムや重質炭酸カルシウムの製造・販売に加え、タルクやシリカなどの無機化学品も取り扱っています。
単体従業員数は215名、連結従業員数は239名です。事業セグメントは化合炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、全社(共通)の3つです。
主な国内グループ会社は、九州カルシウム(重質炭酸カルシウム製造)などです。
なお、連結子会社であった東莞立丸奈米科技有限公司は、2025年7月17日付で清算結了し、当連結会計年度において連結の範囲から除外されました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
丸尾カルシウムは、化学製品の製造を主軸とする企業であり、その事業特性から安定した環境で専門性を追求できる働き方が期待できます。社員の長期的なキャリア形成を支援する方針がうかがえ、腰を据えて働きたいと考える方にとって、魅力的な職場環境と言えるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数と平均年齢から、長期的にキャリアを形成している社員が多い傾向が見られます。これは、安定した環境で専門性を深めたいと考える方にとって、参考となる情報です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,735,596円 |
| 平均勤続年数 | 20.2年 |
| 平均年齢 | 45.6歳 |
| 単体従業員数 | 215人 |
| 連結従業員数 | 239人 |
| 単体のグループ内比率 | 90.0% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の制度を採用しています。同社は確定給付型として退職一時金制度及び確定拠出型として確定拠出年金制度を設けており、国内の連結子会社は確定給付型として退職一時金制度を設けています。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定拠出制度への要拠出額は、当連結会計年度で2百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
丸尾カルシウムグループは、「人」を最も重要な資本と位置づけ、個人と企業双方の成長を追求する経営を基本方針としています。この実現のため、「自動化・DXによる生産性向上と技術承継」「専門性の深化と戦略領域へのリスキリング・最適配置」「次代を担う社員の選抜・育成」の三位一体での人的資本戦略を推進しています。社員一人ひとりのキャリア自律を支援するため、リスキリングや能力開発投資を積極的に行っています。
また、社員が能力を最大限に発揮し、イノベーションを創出できる環境を整備するため、職場環境や労働条件の継続的な改善に努めています。女性社員や外国人社員といった多様な仲間を賞賛し、チャレンジ精神を尊重する文化の醸成にも取り組んでいます。
給与等の決定方針としては、公正かつ透明性の高い処遇を基本とし、職務内容・役割・成果に応じて給与及び賞与等の給付を決定しています。給与は職能資格制度を採用し、職務遂行能力と保有スキルを公正に評価するとともに、市場水準や物価動向を踏まえ適宜改訂を行っています。賞与は会社業績と個人評価を反映した業績連動型であり、個人評価は業績目標の達成度だけでなく行動特性やプロセスも対象としています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため記載を省略しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 12.2% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
丸尾カルシウムは、合成樹脂や塗料、ゴムなどの幅広い産業分野で使用される各種炭酸カルシウムの製造販売を主軸とする事業を展開しています。同社グループは、多様な用途に対応する製品を提供することで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
丸尾カルシウムは、合成樹脂、塗料、ゴムの補強充填剤、薬品、食品添加用など、幅広い用途に対応する各種炭酸カルシウムの製造販売を主たる事業としています。同社は化合炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムを製造し、子会社である九州カルシウムも重質炭酸カルシウムを製造しています。これらの製品は、同社および子会社の九州カルシウム、丸尾(上海)貿易有限公司を通じて販売されています。
また、同社グループは、関連当事者である中国砿業から重質炭酸カルシウムを仕入れ、販売も行っています。さらに、タルクやシリカなどの無機化学品を関係会社以外から購入し、同社および丸尾(上海)貿易有限公司が販売する事業も展開しています。収益は、主に化合炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、およびその他の製品・サービスの販売から得ています。用途別では、合成樹脂向けが最も大きく、塗料、輸出、食品・飼料、ゴム向けなどが続いています。
特定の外部顧客への売上高が連結売上高の10%未満であるため、特定の顧客への収益集中は見られません。海外売上については、中国、アジア、オセアニア、米州、欧州、アフリカなど多様な地域に展開していますが、日本国内の売上が大半を占めています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 化合炭酸カルシウム | 4兆6,769億円 | 4兆6,293億円 |
| その他 | 4兆2,027億円 | 4兆1,795億円 |
| 重質炭酸カルシウム | 3兆9,639億円 | 3兆8,302億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は概ね横ばいから微減傾向にあります。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は変動が見られますが、直近の当期においては大幅な増加となりました。特に当期は、営業利益が前期から大きく改善し、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も大幅に伸びています。これは、価格改定や製造工程の見直しによる原価削減、子会社の収益力回復、受取配当金や為替差益の増加、政策保有株式の売却益などが要因として挙げられています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 116億円 | 126億円 | 129億円 | 128億円 | 126億円 |
| 経常利益 | 2.9億円 | 2.5億円 | 3.6億円 | 2.0億円 | 3.2億円 |
| 経常利益率 | 2.5% | 2.0% | 2.8% | 1.5% | 2.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.9億円 | 1.2億円 | 2.5億円 | 1.5億円 | 2.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 85.74 | 52.33 | 111.40 | 67.52 | 137.70 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期からわずかに増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益は、前期と比較して大きく改善しました。これらの指標の動きは、同社グループが収益体質の強化や組織の効率化を進めている傾向を示しており、従業員一人ひとりの稼ぐ力が向上していることがうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 52.2百万円 | 52.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.0百万円 | 0.4百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、安定した財務基盤を構築しています。本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資も行いながら、手元資金を確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は58.6%と、プライム市場の製造業平均(46.8%)を上回る水準を維持しています。これにより、強固な財務基盤が確保されていることが示されます。一方、ROE(自己資本利益率)は3.0%であり、プライム市場平均(9.4%)を下回っています。現金及び預金は26.5億円と潤沢であり、不測の事態にも対応できる手元資金の厚みがあると言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 102億円 | 103億円 |
| 自己資本比率 | 57.8% | 58.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 1.5% | 3.0% |
| 現金及び預金 | 23.9億円 | 26.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当期の営業活動によるキャッシュフローは9.6億円の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益と減価償却費によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△4.7億円の減少を示しており、有形固定資産の取得や定期預金の預入による支出が主な要因となっています。財務活動によるキャッシュフローは△2.5億円の減少となり、長期借入金の返済や自己株式の取得による支出が影響しています。
フリーキャッシュフローは当期に4.9億円のプラスに転じました。これは本業で安定的に資金を生み出し、投資活動に必要な資金を賄った上で、手元に資金が残っている状態を示しています。このキャッシュフローの状況は、同社グループが事業活動を通じて着実に資金を創出し、財務的な安定性を保ちながら事業を継続していることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.5億円 | 9.6億円 |
| 投資CF | △11.7億円 | △4.7億円 |
| 財務CF | 1.2億円 | △2.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △9.3億円 | 4.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、原料の調達において特定少数の仕入先からの入手や海外からの調達があるため、仕入先の国の政治・経済や為替動向により仕入量及び単価が変動し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、独自の技術開発と知的財産権の保護に努めていますが、第三者による類似製品の製造販売や、同社グループの製品が他社の知的財産権を侵害するリスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
丸尾カルシウムは、創業以来の社是と基本方針に基づき、炭酸カルシウムの新たな価値創造と持続可能な社会の実現を目指している会社です。社員一人ひとりの成長と多様性を尊重する企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
丸尾カルシウムグループは、1926年の創業以来、「創造 融和 誠実」の社是を掲げています。地球が作り出した安心・安全な素材である「炭酸カルシウム」の新たな価値を創造し、社員一同が助け合い、誠実なもの作りを通じて、人々の豊かな生活を支えることを旨としてきました。
1982年には「基本方針」を定め、誠実なもの作りとチャレンジ精神を発揮し、社会に信頼され、会社と社員がともに栄えることで企業価値の維持向上を目指しています。
今後も、社員、お客様、社会、株主等のステークホルダーとの「対話」を通じて、豊かな持続可能な社会の実現のための課題を発見し、その克服に努める方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
丸尾カルシウムグループは、「基本方針」として「信義を尊び誠実を旨として広く社会の信頼を得る」こと、「未知に挑戦し困難に立ち向かう勇気と力を持つ」こと、「良いものを造る」こと、「社の繁栄のもと生活の向上を図る」ことを掲げています。
持続的な成長を確保するため、女性や外国人をはじめとする様々な知見、経験を有する人材の採用を重視しています。中途採用においても多様性の確保を目的とし、その能力に応じて取締役や執行役員に登用する方針です。
「働いて楽しい会社」の実現を目指し、職場環境・労働条件の改善を進めると共に、チャレンジを賞賛する文化、仲間を支えることを評価する文化、多様な仲間の知恵を大事にする文化、チームワークを発揮して大きな成果の実現を目指す文化等の醸成を通じて、「人」を大事にする経営を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
丸尾カルシウムグループは、企業価値の維持向上・強靱化・社会貢献を目指して、複数の政策に取り組んでいます。
具体的には、2050年のカーボンニュートラル達成を既定路線とし、焼成技術の進化や工程の見直しを積極的に実施し、炭酸ガス排出量低減と生産コスト低減に取り組んでいます。
また、「働いて楽しい会社」を実現するため、職場環境・労働条件の改善を進めると共に、チャレンジを賞賛する文化、仲間を支えることを評価する文化、女性社員・外国人社員等多様な仲間の知恵を大事にする文化、共同体としてチームワークを発揮して大きな成果の実現を目指す文化等の醸成を通じ、「人」を大事にして、個人・企業双方の成長を目指す経営を進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
丸尾カルシウムは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の意思決定と監督を担う体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
丸尾カルシウムの筆頭株主は中国砿業であり、同社グループの事業に関連する企業が上位株主として名を連ねています。
また、代表取締役社長である丸尾治男氏も上位株主の一人であり、創業家や関連会社が同社グループの資本構成を支えていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 中国砿業 | 11.69% |
| 丸尾 治男 | 7.85% |
| 山陽化学産業 | 5.35% |
| 丸尾 政雄 | 4.33% |
| 今井 一史 | 3.41% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は丸尾治男氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 丸尾 治男 | 取締役社長 (代表取締役) 関係会社管掌 | 1999年6月同社入社、2001年6月同社取締役就任。2019年4月同社代表取締役社長就任、2021年4月同社関係会社管掌就任より現職。 |
| 深津 秀郎 | 専務取締役 営業本部長 経営企画室長 | 1988年4月アスモ株式会社入社、1994年4月同社入社。2010年6月同社取締役就任、2019年4月同社専務取締役就任、2025年2月同社経営企画室長就任より現職。 |
| 森下 俊哉 | 常務取締役 生産本部長 RC推進室長 | 1983年4月同社入社、2007年6月同社取締役就任。2017年6月同社生産本部長就任、2018年4月同社常務取締役就任、2020年4月同社RC推進室長就任より現職。 |
社外取締役は、久保眞治氏(元エーエスペイント取締役専務執行役員生産本部長)です。
丸尾カルシウムは監査役会設置会社です。独立した立場から社外取締役が経営の意思決定に関与し、取締役会の監督機能強化に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
丸尾カルシウムの役員報酬は、固定報酬である基本報酬、業績連動報酬である賞与、そして非金銭報酬である譲渡制限付株式で構成されています。
社外役員については、基本報酬と譲渡制限付株式により構成されており、企業価値の持続的な向上と株主との価値共有を図るインセンティブ設計となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 96百万円 | 23.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.3百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 16百万円 | 5.2百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。