【平均年収554万円】アサヒペン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収554万円】アサヒペン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

アサヒペンは、塗料、DIY用品、ペット用品、時計用品の製造・販売をグループ各社とともに展開しています。直近期は売上高が減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。


目次

※本記事は、株式会社アサヒペン の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


アサヒペンは、塗料、DIY用品、ペット用品の製造及び販売を主な事業としています。当連結会計年度より、時計用品の販売を行う時計用品事業を新規事業として追加し、事業領域を拡大しています。

単体従業員数は139名、連結従業員数は375名です。同社グループの事業セグメントは、塗料事業、DIY用品事業、ペット用品事業、時計用品事業、その他の5つです。

主な国内グループ会社は、大豊塗料(塗料事業)、共福産業(DIY用品事業)、ザ・ペット(ペット用品事業)、アサヒロジスト(その他)、保土ヶ谷電子販売(時計用品事業)などです。

同社グループは当連結会計年度に保土ヶ谷電子販売株式会社とそのグループ3社を子会社化し、新たに時計用品事業を開始しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社グループは、DIY用品や塗料、ペット用品など幅広い事業を展開しており、従業員の働き方や成長を重視する姿勢が見られます。平均勤続年数や平均年齢からは、比較的長く安定して働ける環境であることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


アサヒペンでは、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、安定してキャリアを築ける環境が整っていると考えられます。経験豊富な人材が多数在籍し、長期的な視点で業務に取り組むことができるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 5,544,908円
平均勤続年数 16.6年
平均年齢 44.8歳
単体従業員数 139人
連結従業員数 375人
単体のグループ内比率 37.1%


同社グループは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型の両方の退職給付制度を採用しています。これらの制度は、同社グループ全体に適用されています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定給付制度における退職給付債務は6.1億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「企業は人であり、従業員の成長なくして会社の成長と発展はなしえない」という考えのもと、「人財の多様性を活かし、育成する」ことを人材戦略の基本方針としています。給与決定においては、法規制と市場競争力を踏まえ、必要な人材の確保と従業員の安心感醸成のため、適切なレベルの賃金を支給する方針です。

具体的には、採用活動の活性化やジョブローテーション、グループ企業間の人事交流を通じて、多様な経験を積む機会を提供しています。また、女性、高齢者、障害者が活躍できる環境整備を進め、自己啓発支援や研修機会の積極的な提供により、従業員の成長を支援しています。

安全で快適な労働環境の整備にも力を入れており、健康経営の推進、労災や傷病求職、残業時間の削減、福利厚生施策の推進にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 5.1%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%

人材育成・エンゲージメント


この指標は提出会社単体の数値です。

指標 数値
正規雇用労働者の有給休暇取得率 70.2%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アサヒペンは、塗料やDIY用品、ペット用品の製造・販売を主軸とし、近年では時計用品事業も展開する企業グループです。幅広い製品とサービスを通じて、人々の暮らしを豊かにすることを目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、塗料、DIY用品、ペット用品、時計用品の4つの主要事業と、物流・不動産賃貸のその他事業で構成されています。各事業は、製品の製造から販売、関連サービスの提供までを一貫して手掛けることで収益を上げています。特に、塗料事業とDIY用品事業が同社グループの収益の大きな部分を占めています。当連結会計年度より、新たに時計用品事業が加わり、事業領域を拡大しました。

塗料事業

同社グループの主力事業の一つであり、家庭用塗料や工業用塗料の製造・販売を行っています。塗装工事の請負や施工も手掛けており、塗料だけでなく塗装用品全般を取り扱っています。収益は、塗料や塗装用品の販売、塗装工事の請負から得ています。運営は、アサヒペン、大豊塗料、アサヒペン・ホームイングサービスが行っています。当連結会計年度の売上高は前期に比べて減少しました。

DIY用品事業

住宅メンテナンス用品や園芸用品など、家庭で使われるDIY関連製品の製造・販売を行っています。製品の内製化を進めるなど、経営の効率化に注力しています。収益は、インテリア・ハウスケア用品や園芸用品の販売から得ています。運営は、サンパペル、アサヒペン、共福産業が行っています。当連結会計年度の売上高は前期に比べて減少しましたが、セグメント利益は増加しました。

ペット用品事業

ペットフードやペット用品の販売を手掛けています。前期は好調でしたが、当連結会計年度は販売先の異動などの影響で売上高が大きく減少しました。収益は、ペットフードやペット用品の販売から得ています。運営は、ザ・ペットが行っています。

時計用品事業

当連結会計年度に新たに加わった事業で、時計用品の販売や時計の修理サービスを提供しています。保土ヶ谷電子販売グループの子会社化により、事業規模が拡大しました。収益は、時計用品の販売や修理サービスから得ています。運営は、保土ヶ谷電子販売、クレファー、サコム、テクノタイムサービスが行っています。当連結会計年度は株式取得関連費用等の計上によりセグメント損失となりました。

その他の事業セグメント

物流サービス業や不動産賃貸業など、同社グループ全体の事業を支えるサービスを提供しています。収益は、物流サービスの提供や不動産の賃貸から得ています。運営は、アサヒロジスト、オレンジタウンが行っています。当連結会計年度の売上高、セグメント利益ともに前期に比べて増加しました。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
塗料事業 76.4億円 73.2億円
DIY用品事業 49.1億円 48.2億円
ペット用品事業 43.7億円 33.8億円
時計用品事業 - 10.5億円
その他の事業セグメント 2.4億円 2.5億円


同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が主要な収益源となっています。特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、特定の顧客に収益が集中している状況は見られません。市場の動向や原材料価格、為替の動向、天候不順、自然災害などが経営成績に影響を与える要因として挙げられています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は前期に比べてやや減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は増加に転じています。経常利益は減少傾向にあります。当連結会計年度は、一部事業の売上減少や原材料価格の高騰により営業利益と経常利益が減少しましたが、特別利益の計上や税効果会計の影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は増加となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 142億円 171億円 171億円 172億円 168億円
経常利益 9.8億円 10.0億円 9.2億円 9.4億円 7.4億円
経常利益率 6.9% 5.8% 5.4% 5.5% 4.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 10.0億円 6.5億円 3.8億円 7.0億円 7.3億円
1株当たり当期純利益(円) 260.37 175.53 106.35 190.46 188.04

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しており、生産性指標に変化が見られます。これは、連結従業員数の増加が影響していると考えられます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少しており、収益性の改善が課題となっていることがうかがえます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 67.8百万円 44.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 3.4百万円 1.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


アサヒペンは、本業で得た資金を投資に回しつつ、手元資金を増やしている状況です。
財務基盤の安定性と資金の流れから、同社グループの現在地を把握できます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


アサヒペンの自己資本比率は57.7%であり、プライム市場の製造業平均(46.8%)と比較して高い水準にあります。
ROE(自己資本利益率)は5.0%で、プライム市場平均(9.4%)を下回っています。
手元資金である現金及び預金は42.8億円と増加しており、不況時の耐性を示す指標の一つとなっています。
これらの財務状況は、同社グループの雇用や給与の安定性に関わる重要な要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 142億円 150億円
自己資本比率 65.7% 57.7%
ROE(自己資本利益率) 5.0% 5.0%
現金及び預金 33.3億円 42.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


アサヒペンは当連結会計年度において、営業活動により資金を獲得し、投資活動では資金を使用しています。
営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、のれん償却額、売上債権及び棚卸資産の減少などにより増加しています。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や子会社株式の取得による支出が主な要因となり、資金を使用しています。
財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純増加により資金を獲得しています。
結果として、現金及び現金同等物は増加しており、同社グループは本業で得た資金を成長のための投資に充て、不足分を財務活動で補いながら手元資金を増やしている状況です。
この資金の流れは、同社グループが将来に向けた事業拡大を進めつつ、雇用や給与の安定性を維持する基盤を示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 9.7億円 12.4億円
投資CF △12.1億円 △9.1億円
財務CF △3.3億円 6.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △2.4億円 3.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、原材料価格の変動による影響を受ける可能性があります。
また、海外からの輸入商品が含まれるため、為替相場の変動も財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、労働組合は結成されていないものの、労使関係は円満に推移していると記載されています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


アサヒペンは、「暮らしを彩り 住まいをまもる」をトータルコンセプトに掲げ、住生活の質的向上と充実に貢献することを目指しています。誠意と信用を重んじ、積極的な経営姿勢で高収益・高賃金を実現する企業文化を大切にしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


アサヒペンは、「誠意を貫く 信用第一主義」「不可能を可能にする 積極経営」「高収益・高賃金を実現する 生産性向上」を社是の基本精神としています。
「暮らしを彩り 住まいをまもる」をトータルコンセプトに、優れた製品とサービスを提供し、住生活の質的向上と充実に貢献することを経営理念として掲げています。
この理念のもと、同社グループは社会、顧客、取引先、株主、社員それぞれに対する方針を定め、みんなが笑顔になれる社会の実現を目指し、持続的な事業価値と株主価値の創出に取り組んでいます。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


アサヒペンは、社是として「誠意を貫く 信用第一主義」「不可能を可能にする 積極経営」「高収益・高賃金を実現する 生産性向上」を基本精神としています。
この精神に基づき、社会、顧客、取引先、株主、社員それぞれに対する経営方針を定めています。

同社グループは「人財の多様性を活かし、育成する」をテーマに、採用活動の活性化やジョブローテーション、グループ企業間の人事交流を推進しています。
女性、高齢者、障害者が活躍できる環境整備、自己啓発支援、研修機会の積極的な提供にも取り組んでいます。

また、安全で快適な労働環境の整備として、健康経営の推進や福利厚生施策の推進も行っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


アサヒペンは、中長期的な戦略に基づき、グループ経営の強化と効率化を重点テーマとしています。
具体的には、グループ会社相互のシナジーが得られる事業展開、優秀な人材確保と育成、情報システムや物流等のインフラ拡充を通じて、グループ全体の経営力と効率の向上に努めています。
また、同社グループ全体として、内部統制システムの整備と運用を徹底する方針です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


アサヒペンは、社外取締役1名を含む7名の取締役で構成される取締役会と、社外監査役2名を含む4名の監査役で構成される監査役会を設置する監査役会設置会社です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


アサヒペンの株主構成を見ると、筆頭株主は一般財団法人アサヒペンひかり財団です。上位にはアサヒペン共伸会、アサヒペン共栄会といった同社グループに関連する団体が並んでいます。また、代表取締役社長の澤田耕吾氏や取締役相談役の田中弘文氏といった役員個人も上位株主として名を連ねています。これらの状況から、同社グループに関連する団体や役員が経営を支える主要な株主であることがうかがえます。

株主名 持株比率
一般財団法人アサヒペンひかり財団 12.46%
アサヒペン共伸会 5.33%
アサヒペン共栄会 3.84%
三井住友銀行 3.17%
三菱UFJ銀行 2.92%


(注)所有株式数は、千株未満を切り捨てて記載しております。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性11名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は澤田耕吾氏が務めています。社外取締役比率は14.3%です。

氏名 役職 主な経歴
澤田 耕吾 代表取締役 社長 2000年9月同社入社、2010年6月同社取締役、2018年4月同社代表取締役社長より現職。
田中 弘文 取締役相談役 1961年5月同社入社、1970年11月同社取締役、2004年6月同社取締役相談役より現職。
柊 英浩 常務取締役 営業本部長 1995年11月同社入社、2018年6月同社取締役、2021年4月同社常務取締役より現職。
石尾 維英 取締役 (管理部・システム部・総務部担当) 管理部ディビジョンマネージャー 広報担当 1989年4月同社入社、2018年6月同社取締役、2023年5月同社管理部ディビジョンマネージャーより現職。
松浪 由竹 取締役 総務部ディビジョンマネージャー コンプライアンス担当 2008年1月同社入社、2018年6月同社取締役、2022年4月同社総務部ディビジョンマネージャーより現職。
林 正明 取締役 (商品開発技術部・品質保証部・購買部担当) 品質保証部ディビジョンマネージャー 1984年3月同社入社、2020年6月同社取締役、2023年4月同社品質保証部ディビジョンマネージャーより現職。


社外取締役は、藤枝政雄氏(日本公認会計士協会近畿会副会長)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役1名と社外監査役2名を含む体制で経営の監視機能を確保しています。社外役員は独立した立場から、公正かつ客観的な職務遂行を通じて企業統治に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


アサヒペンの役員報酬は、固定報酬と譲渡制限付株式報酬で構成されています。業績連動報酬は含まれていません。譲渡制限付株式報酬制度は、取締役と株主の価値共有を一層高めることを目的に導入されており、2021年6月29日の定時株主総会で年額50百万円を限度とする決議がされています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 1.3億円 21.1百万円
監査役(社外除く) 3名 12百万円 4.0百万円
社外役員 3名 11百万円 3.5百万円


なお、取締役(社外取締役を除く)に対する非金銭報酬等の総額の内訳は、譲渡制限付株式報酬38,975千円です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。