【平均年収530万円】菊水化学工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収530万円】菊水化学工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

菊水化学工業は、建築仕上塗材や建築土木資材の製造・販売、建築物の改修改装工事などを手掛ける企業です。直近期の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がいずれも前期から増加し、増収増益となりました。


目次

※本記事は、菊水化学工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


菊水化学工業グループは、建築仕上塗材、建築下地調整塗材、タイル接着材、建築土木資材の製造・販売、および建築物の改修改装工事(ビルリフレッシュ)を営んでいます。建物や構造物の「困りごと」を解決する高付加価値提案を通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。

単体従業員数は407名、連結従業員数は426名です。同社グループは製品販売・工事の単一セグメントで事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)ツーアールなどです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


菊水化学工業は、塗料・建材事業を通じて社会に貢献する企業グループです。同社グループでは、従業員の成長と働きがいを重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れています。安定した事業基盤のもと、社員一人ひとりが長くキャリアを築けるような制度設計が進められています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


菊水化学工業の単体従業員は、平均年齢が42.8歳、平均勤続年数が14.4年となっています。このデータからは、比較的落ち着いた年齢構成と、従業員が長期にわたって勤務する傾向がうかがえます。経験豊富な人材が多数在籍し、安定した組織運営が期待できる環境です。

項目 数値
平均年間給与 5,298,000円
平均勤続年数 14.4年
平均年齢 42.8歳
単体従業員数 407人
連結従業員数 426人
単体のグループ内比率 95.5%


同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)および確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の制度を採用しています。適用範囲は、同社および国内の連結子会社(建設業退職金共済制度に加入)です。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は4.1億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


菊水化学工業グループは、持続的な成長と企業価値向上を実現するため、人的資本を最も重要な経営資源の一つと位置づけています。従業員一人ひとりの成長と活躍が企業の競争力の源泉であるとの認識のもと、人材への積極的な投資と働きがいのある環境整備に努めています。

社員の自律的な成長とキャリア形成を支援するため、全社的な教育訓練計画を策定し、新卒社員から管理職まで各階層に応じた研修を企画しています。また、専門性向上を奨励する「資格取得報奨制度」を設け、公正かつ透明性の高い人事考課制度を運用しています。

多様な人材採用を推進し、次世代リーダーや管理職を育成する研修、専門知識・スキル習得教育を事業部ごとに最適化して進めています。働き方改革として、子育て支援の充実、女性活躍推進、健康経営への取り組みを推進し、社内環境の整備を進めています。特に健康経営には力を入れており、2023年3月には「菊水化学工業株式会社 健康宣言」を策定し、経済産業省の健康経営優良法人制度により2024年から3年連続で「健康経営優良法人」に認定されています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


女性管理職比率は、提出会社および主要な連結子会社(従業員が100人を超える連結子会社)の合算の数値です。算出にあたり、職責や部下の管理範囲が管理職として妥当と考えられる主任等を含めています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 3.0%
男性労働者の育児休業取得率 77.0%
男女賃金差異(全労働者) 69.1%
男女賃金差異(正規雇用労働者) 72.4%
男女賃金差異(非正規雇用労働者) 99.4%

人的資本に関する事項


提出会社および主要な連結子会社(従業員が100人を超える連結子会社)の合算の数値です。算出にあたり、職責や部下の管理範囲が管理職として妥当と考えられる主任等を含めています。

指標 目標 実績(当連結会計年度)
管理職に占める女性労働者の割合 2027年3月31日までに10% 3.0%
男性労働者の育児休業取得率 2025年3月31日までに50% 77.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


菊水化学工業は、建築仕上塗材や建築下地調整塗材、タイル接着材、建築土木資材の製造・販売、および建築物の改修改装工事(ビルリフレッシュ)を手掛けています。同社グループは、これらの事業を通じて、建物や構造物の「困りごと」を解決することを目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、建築物の美観回復や機能回復、環境対策、省エネ対策、剥落対策、漏水対策といった多様なニーズに対応する製品と工事を提供しています。特に、ストック物件の維持・メンテナンスを行う改修市場に注力し、製品販売と工事受注の拡大に努めています。

収益は主に製品の販売と工事の実施から得られており、当連結会計年度においては工事売上高が製品売上高を上回る結果となりました。同社グループは単一セグメントとして事業を展開しており、国内の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えているため、国内事業が中心となっています。主要な顧客としては、大和ハウスリフォーム株式会社への売上高が一定の割合を占めています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は変動しながらも、当連結会計年度においては前期から増加に転じています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、前期と比較して増加する傾向を示しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 222億円 224億円 224億円 214億円 216億円
経常利益 5.3億円 6.5億円 6.4億円 3.4億円 5.0億円
経常利益率 2.4% 2.9% 2.8% 1.6% 2.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 95百万円 2.5億円 3.8億円 1.7億円 2.7億円
1株当たり当期純利益(円) 7.56 19.66 29.98 13.17 21.53

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期と比較して増加しており、生産性の向上が見られます。これらの指標の改善は、組織全体の効率化が進んでいることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 48.4百万円 50.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.6百万円 0.9百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務基盤と資金の流れは、事業の安定性と将来への投資余力を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は当期で60.1%となっており、前期の58.7%から増加しています。これはプライム市場の製造業平均46.8%と比較して高い水準を示しています。

ROE(自己資本利益率)は当期2.7%で、前期1.7%から改善していますが、プライム市場平均9.4%を下回っています。手元資金である現金及び預金は当期末で45.2億円あり、前期末の40.6億円から増加しています。これらの財務指標は、同社グループが安定した財務基盤を維持していることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 96.7億円 104億円
自己資本比率 58.7% 60.1%
ROE(自己資本利益率) 1.7% 2.7%
現金及び預金 40.6億円 45.2億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当期の営業活動によるキャッシュフローは8億39百万円の増加となり、前期の4億95百万円の増加からさらに増加しています。これは主に税金等調整前当期純利益、売上債権の増減額、仕入債務の増減額によるものです。

投資活動によるキャッシュフローは3億30百万円の減少となり、前期の1億45百万円の増加から減少に転じています。これは主に有形固定資産の取得による支出の減少が要因です。

その結果、本業で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金を生み出すフリーキャッシュフローは5億1百万円のプラスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは3億98百万円の減少で、主に長期借入れによる収入、長期借入金の返済による支出、配当金の支払い額によるものです。これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定的に資金を創出し、財務的な健全性を維持しながら事業を運営していることを示しており、雇用や給与の安定性につながる基盤があると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 4.9億円 8.4億円
投資CF 1.5億円 △3.3億円
財務CF △6.8億円 △4.0億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 6.4億円 5.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループの主力製品である建築内外装製品は、住宅に関わる公共投資及び民間設備投資の動向の影響を受けます。景気後退による需要の縮小は、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、同社グループの属する建築仕上材業界は、特に汎用製品における価格競争が激しくなっています。この競争環境に的確に対処できない場合には、同社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループの更なる成長のためには、技術の改良・開発に努めるとともに、営業活動を展開していくための有能な人材を確保する必要があります。人材を十分に確保できない場合や現在在籍している人材が流出した場合には、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


菊水化学工業は、「みんなのために よりよい商品 ゆたかな愛情」という社是を掲げ、環境共生時代にふさわしいものづくりを通じて持続可能な社会への貢献を目指す企業です。未来を明るく塗り変える「Repaint the future」をサスティナビリティ方針として、人・自然・暮らしを大切にする価値観を重視しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「みんなのために よりよい商品 ゆたかな愛情」を社是としています。これは社会性、科学性、人間性の追求と、環境との調和を図ることを基本としています。
ビジョンとして「環境共生時代にふさわしいものづくりで、持続可能な社会に貢献する」ことを掲げています。人や社会、地球環境にとって大切なことを追求し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
サスティナビリティ方針は「Repaint the future」~未来に向けた私たちの思い~であり、未来を明るく塗り変えたいという思いと、人、自然、人々の暮らしや街を大切にしたいという思いが込められています。同社グループは、建物や構造物の長寿命化の一翼を担う総合仕上材メーカーとしての責務を認識しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、基本方針、品質方針、コンプライアンス宣言、安全衛生方針を行動基準としています。市場の変化に迅速に対応し、顧客、株主、取引先、従業員に必要とされる企業であり続けることを重視しています。
自力実行、科学性の追求、創造性の向上、そして『安全』『品質』『コンプライアンス』の最優先を掲げ、常にお客様目線で『業界№1品質』を目指す企業風土です。法令遵守、人権尊重、地域環境保全も重視しています。
人材育成では、多様な人材採用を企業価値創造の源泉と捉え、次世代リーダー育成や専門知識習得の教育を充実させています。働き方改革として子育て支援、女性活躍推進、健康経営にも取り組み、健康経営優良法人に3年連続で認定されています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、人手不足や原材料価格の高騰による需要低迷を経営課題と認識しています。この状況に対し、サスティナビリティ方針「Repaint the future」のもと、持続的な成長に向けた事業基盤の強化に努めています。
重点テーマとして「製品を通じた街づくり」「事業を通じて困りごとの解決」「安心して働ける環境づくり」「ガバナンスの強化と充実」をマテリアリティと捉えています。ニーズに合った製品開発、環境負荷低減、建物長寿命化への貢献、働き方改革の推進、多様な働き方ができる制度整備に取り組んでいます。
コンプライアンスの徹底、経営の透明性向上、地域社会への貢献も重視しており、これらはSDGs宣言にも含まれています。製品を通じた街づくり、働き方改革、健康経営・ダイバーシティーの推進、企業価値向上と社会貢献活動を促進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


菊水化学工業では、取締役会と監査役会を設置しており、業務執行の決定と監督、監査を行っています。また、取締役会の任意の諮問委員会として指名委員会と報酬委員会を設置し、ガバナンスの強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


菊水化学工業の株主構成を見ると、筆頭株主は菊水化学工業取引先持株会であり、同社の事業活動を支える取引先が上位を占めています。また、菊水化学工業社員持株会も上位に位置しており、同社グループの関係者による安定的な資本構成が特徴です。

株主名 持株比率
菊水化学工業取引先持株会 8.34%
ティー・サポート 7.26%
菊水化学工業社員持株会 4.68%
名古屋銀行 4.15%
あいち銀行 3.23%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性9名・女性2名)で構成され、女性役員比率は18.2%です。代表取締役社長は遠山眞樹氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
遠山 眞樹 代表取締役社長 遠山有限会社(現:ティー・サポート)入社後、T・コーポレーション取締役、ティー・サポート代表取締役を歴任。2015年6月同社社外取締役、2019年6月同社監査役(常勤)を経て、2026年6月より現職。
今井田 広幸 取締役会長 1981年3月同社入社後、名古屋支店長、大阪市場開発第一部長、住宅事業本部長などを歴任。2021年4月同社代表取締役社長に就任し、2026年6月より現職。
中原 章義 常務取締役管理本部長 兼 建材塗料事業本部担当 1983年3月同社入社後、大阪支店長、経営企画室長などを歴任。2018年6月同社取締役に就任し、建材塗料事業本部長などを経て、2026年6月より現職。
稲葉 信彦 取締役生産本部長 兼 資材部担当 1988年3月同社入社後、管理本部副本部長、理事管理本部長などを歴任。2016年6月同社取締役に就任し、生産本部長などを経て、2026年4月より現職。
村山 直樹 取締役住宅事業本部長兼 品質保証部部長 兼 商品開発本部長 1988年3月同社入社後、品質保証部部長、理事品質保証部部長などを歴任。2023年6月同社取締役に就任し、2025年4月より現職。


社外取締役は、川合伸子氏(川合伸子法律事務所代表者・中日本高速道路社外監査役・住友不動産社外取締役)、浅賀哲氏(浅賀法律事務所所長)、中嶋善明氏(御幸ビルディング副社長執行役員・中京テレビ放送監査役・東栄取締役社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役3名と社外監査役2名を選任しています。社外役員は、それぞれの専門的な経験と見識に基づき、経営の公正性や内部統制の強化に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


菊水化学工業の役員報酬は、株主総会で承認された総額の範囲内で取締役会が決定しています。基本報酬は役位ごとの役割と責任に基づき、業績連動報酬は連結営業利益や親会社株主に帰属する当期純利益を勘案して支給されます。また、企業価値向上と株主との価値共有を目的とした譲渡制限付株式報酬制度も導入されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 1.2億円 24.9百万円
社外取締役 4名 10百万円 2.6百万円
監査役(社外除く) 2名 14百万円 7.2百万円
社外監査役 2名 6百万円 3.0百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。