【平均年収750万円】日本ケミファ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収750万円】日本ケミファ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日本ケミファは、医療用医薬品を中核に、医療・健康・美容関連事業をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は約880名規模で、直近期は増収減益となりました。


目次

※本記事は、日本ケミファ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月15日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本ケミファグループは、医療用医薬品を中核に、医療・健康・美容関連事業を展開しています。医薬品事業ではジェネリック医薬品の製造・販売を主に行い、臨床検査薬事業も手掛けています。

単体従業員数は331名、連結従業員数は878名です。セグメントは医薬品事業、その他の2つです。

主な国内グループ会社は、日本薬品工業・3(医薬品の製造販売)、化合物安全性研究所(安全性試験の受託等)、シャプロ(健康・美容関連・事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本ケミファは、医薬品を中核としたヘルスケア事業を展開しており、社員の長期的なキャリア形成を支援する環境が整っています。人材の確保と育成を重視し、多様な働き方を尊重する方針が示されています。社員一人ひとりのスキル向上とエンゲージメントを重視した制度設計が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、社員の継続的なキャリア形成をサポートするため、人材の定着を重視しています。平均勤続年数や平均年齢から、比較的長く働く社員が多い傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 7,501,079円
平均勤続年数 14.1年
平均年齢 43.1歳
単体従業員数 331人
連結従業員数 878人
単体のグループ内比率 37.7%


退職給付制度

同社グループは、確定給付型の制度として確定給付企業年金制度と退職一時金制度を設けているほか、複数事業主制度に係る企業年金制度として厚生年金基金制度に加入しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度です。

退職一時金制度では、給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。

なお、確定給付制度に係る退職給付債務は29.3億円、年金資産は47.2億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、経営方針および中長期的な経営戦略に沿った専門人材の確保を適宜行い、長期的な事業継続の視点に基づく採用活動を行っています。社員一人ひとりのスキル向上が会社全体の業績向上に繋がると考え、教育体系を明示し経営上の重要課題と位置付けています。

社員の適切な評価および処遇設定がスキル向上・人材確保、会社全体の業績向上に直結するものと捉え、適切な評価を元に給与を設定しています。また、優秀人材確保のため、採用競争力のある賃金水準の維持(ベースアップの実施)を図っています。

人材育成においては、全社員を対象としたDX基礎教育の実施や、ビジネススクールへの派遣、MBAの資格取得支援など、継続的な基礎教育とリスキリングを推進しています。専門人材の育成として、継続的な階層別マネジメント研修も実施しています。

多様な働き方の受容にも力を入れており、中核人材育成のためのCareer Development Programの明示や女性管理職の積極的登用を進めています。育児休職制度の使用促進や、2歳未満の子を持つ男性社員の育児休業取得の義務化、有給休暇の使用促進、時間外労働削減の徹底など、キャリア開発とワークライフバランスの両立を支援する取り組みを行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 14.6%
男性労働者の育児休業取得率 75.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 79.9%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 75.1%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期雇用者) 77.3%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 日本薬品工業

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 14.8%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 73.3%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 86.0%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期雇用者) 62.6%

任意開示指標


同社グループが人材育成の方針及び社内環境整備に関する方針について、具体的な取り組みが行われている提出会社及び日本薬品工業㈱の実績を以下に記載しています。

▼ 提出会社

指標 目標 実績(当連結会計年度)
管理職に占める女性労働者の割合 15%以上を維持 14.6%
男性労働者の育児休業取得率 100%を維持する 75.0%
年次有給休暇取得率 2028年3月までに85%以上 66.9%


▼ 日本薬品工業㈱

指標 目標 実績(当連結会計年度)
管理職に占める女性労働者の割合 2028年3月までに15%以上 14.8%
男性労働者の育児休業取得率 100%を維持する 100.0%
年次有給休暇取得率 2028年3月までに85%以上 78.8%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本ケミファグループは、医療用医薬品を中核に据え、医療・健康・美容関連事業を幅広く展開しています。医薬品事業が収益の大部分を占め、その他の事業も行っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、医療用医薬品の製造・販売を主軸としています。これに加えて、安全性試験の受託やヘルスケア事業、不動産賃貸事業も手掛けています。

医薬品事業

医療用医薬品の製造・販売を主な事業内容としています。アレルギースクリーニング機器・試薬「ドロップスクリーン」の販売が堅調に推移しており、臨床検査薬の売上高は前期から増加しています。ジェネリック医薬品の拡販にも注力しており、近年発売された製品が収益に貢献しています。主力品・新薬の売上高は薬価改定の影響を受けています。
収益は、医療用医薬品、臨床検査薬、製造受託などから得ています。運営は、日本薬品工業、Nippon Chemiphar Vietnam、ジャパンソファルシムが行っています。前期と比較して売上高は増加傾向にあります。

その他の事業セグメント

安全性試験の受託、ヘルスケア事業、不動産賃貸事業を行っています。収益は主に安全性試験の受託事業から得ています。運営は、化合物安全性研究所、シャプロが行っています。前期と比較して売上高は増加傾向にあります。

同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、国内市場が中心となっています。主要な顧客としては、株式会社メディセオやアルフレッサ株式会社が挙げられます。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
医薬品事業 314億円 319億円
その他の事業セグメント 11.8億円 12.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で概ね横ばいから微増の傾向を示しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は変動が見られ、直近の2期は減少傾向にあります。第92期には経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益が損失を計上しました。一方で、当期における営業活動によるキャッシュ・フローは増加しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 325億円 316億円 307億円 326億円 331億円
経常利益 10.2億円 58百万円 △2.2億円 4.4億円 2.3億円
経常利益率 3.1% 0.2% △0.7% 1.4% 0.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 7.0億円 3.4億円 △1.8億円 2.9億円 2.0億円
1株当たり当期純利益(円) 194.33 94.07 △50.14 81.72 54.81

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較してわずかに減少しています。従業員1人あたりの営業利益も前期から減少しており、組織全体の効率性や収益体質を測る上で重要な指標となります。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 38.1百万円 37.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.7百万円 0.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を投資に充てている状況を示しています。これは、将来に向けた成長投資を行っている段階にあることを表しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は、プライム市場の製造業平均と比較すると低い水準にあります。ROE(自己資本利益率)も平均を下回る水準で推移しており、収益性には改善の余地があることを示しています。手元資金は減少傾向にあり、財務の健全性を維持しつつ、事業の安定性を高めるための取り組みが重要となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 192億円 195億円
自己資本比率 38.4% 39.0%
ROE(自己資本利益率) 1.6% 1.0%
現金及び預金 70.2億円 53.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフローがプラスに転じ、主に税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少により資金が増加しました。一方で、投資活動によるキャッシュフローは有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、引き続きマイナスとなっています。この結果、事業活動で得た資金を投資に充てた後のフリーキャッシュフローはマイナスを示しています。財務活動によるキャッシュフローは、主に長期借入金の返済により資金が減少しています。これらの資金の流れは、同社グループが本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を継続している状況を表しており、雇用や給与の安定性には、今後の事業成長と収益性の改善が重要となります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △2.7億円 6.2億円
投資CF △16.6億円 △6.6億円
財務CF △3.1億円 △16.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △19.2億円 △41百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、薬価制度・医療保険制度の変更による薬価引き下げのリスクに直面しています。また、ジェネリック医薬品市場では、薬価引き下げや他社競合品の市場価格競争により、収益確保が難しい状況が続いています。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、法令違反に関するリスクを認識しており、「日本ケミファグループ法令等遵守行動基準」の制定やコンプライアンス教育の実施を通じて、全役職員の法令遵守を徹底しています。法令違反が発生した場合には、社会的信用やブランドイメージの低下、損害賠償等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本ケミファグループは、「医薬品を中核としたトータルヘルスケアで人々の健康で豊かな生活に貢献する」ことを経営理念としています。この理念のもと、品質第一を掲げ、持続的な発展と企業価値の最大化を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは「医薬品を中核としたトータルヘルスケアで人々の健康で豊かな生活に貢献する」ことを経営理念としています。国内外において存在価値のある企業グループとして発展することを目指しており、継続企業として長期的に成長・発展し続けることを重視しています。

中長期的な経営戦略として、「ジェネリック医薬品」、「臨床検査薬」、アルカリ化療法剤を含めた「新薬開発」の3つの事業ドメインを構成しています。これらを海外にも展開することで、持続的な発展と企業価値の最大化を図る方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは「品質第一」を企業文化として重視し、従業員への継続的な教育研修やグループ横断的な品質保証体制を通じて、品質の維持・向上に努めています。サステナビリティ推進委員会を設置し、SDGsやTCFD提言に基づいた活動を推進するなど、持続可能な社会の実現への役割を果たすことを目指しています。

人材の確保を最も重要だと考えており、新卒採用に偏重しないキャリア採用や柔軟な処遇設計、外国人・女性の積極的な採用を進めています。また、全社員対象のDX基礎教育や専門人材育成のためのマネジメント研修を実施し、多様な働き方として女性管理職の積極的登用、男性社員の育児休業取得義務化などに取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、ジェネリック医薬品事業において「品質第一」の企業文化醸成とグループ全体の品質維持・向上を重要な課題としています。医療用医薬品の安定供給体制強化のため、人員確保や設備投資による増産、企業間連携を含めた製造効率化の推進に取り組んでいます。

営業活動の効率性を高めるため、営業支援システムSFAやAIを活用した顧客管理・MR活動計画の立案を進めています。新薬開発では、他の企業・研究機関とのアライアンスを積極的に推進し、イノベーティブな新薬を医療現場に届けることを目指しています。また、成長が見込まれる海外マーケットへの進出も必須と捉え、中国やベトナム、中東・アフリカなどでの販売品目拡充や新規進出の準備を進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本ケミファは、経営の意思決定・監督機能を取締役会に、業務執行機能は執行役員会議に分離しています。監査役会設置会社として、独立性の高い社外役員が経営の監視を担う体制です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日本ケミファの株主構成を見ると、筆頭株主はジャパンソファルシム、次いで公益財団法人山口記念科学振興財団、豊島薬品が上位を占めています。これらの主要株主は同社の代表取締役社長が代表を務める会社や、同社と関連の深い財団、取引先などが名を連ねており、安定した資本基盤を形成していることがうかがえます。

株主名 持株比率
ジャパンソファルシム 11.88%
公益財団法人山口記念科学振興財団 8.22%
豊島薬品 6.63%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長代表執行役員社長は山口一城氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
山口 一城 代表取締役社長 代表執行役員社長 1981年4月 ㈱第一勧業銀行入行。1985年4月 同社入社。1994年6月 代表取締役社長。2005年5月 代表取締役社長 代表執行役員社長より現職。
安本 昌秀 取締役 専務執行役員経営全般補佐 リスク管理・経営企画部・情報システム部・臨床検査薬事業部担当兼ヘルスケア部長 1991年4月 ㈱日本長期信用銀行入行。2005年4月 同社入社。2012年6月 取締役執行役員。2025年4月 取締役専務執行役員より現職。
速水 康紀 取締役 常務執行役員創薬研究所・開発企画部・製剤技術開発部・海外事業部・メディカルアフェアーズ部担当 1988年4月 山之内製薬㈱入社。2017年7月 同社入社。2019年4月 執行役員。2025年10月 取締役常務執行役員より現職。
中島 慎司 取締役 執行役員法令等遵守・総務部・法務部・グループ購買・営業管理センター担当兼管理部長 1986年4月 ㈱金門製作所入社。2000年4月 同社入社。2015年4月 執行役員。2026年4月 取締役執行役員より現職。


社外取締役は、吉野正己氏(吉野総合法律事務所開設・㈱新川 社外取締役・㈱パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 社外取締役)、大向尚子氏(西村あさひ法律事務所パートナー・大同生命保険 社外取締役)、成田学氏(銀泉 代表取締役社長・㈱バルカー 社外取締役・銀泉 取締役会長)です。社外監査役は、山口留美氏(山口留美公認会計士事務所開設・㈱小森コーポレーション 社外取締役)、柴毅氏(公認会計士柴毅事務所開設)です。

同社は監査役会設置会社であり、独立性の高い社外取締役3名が取締役会の意思決定に参画し、経営を監督しています。また、社外監査役2名を含む監査役会が、独立した立場から経営全般の監査機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日本ケミファの役員報酬は、企業価値と株主価値の持続的な向上を促すインセンティブ機能を重視しています。社内取締役には金銭固定報酬を基本とし、不定期に非金銭報酬を支給する方針です。社外取締役には基本報酬のみを支払い、また社外取締役を除く取締役には譲渡制限付株式を付与する株式報酬制度も導入しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 1.4億円 22.8百万円
監査役(社外除く) 1名 11百万円 11.0百万円
社外役員 6名 35百万円 5.8百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。