【平均年収786万円】栄研化学 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収786万円】栄研化学 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

栄研化学は、がんや感染症対策に役立つ検査薬の製造販売を主な事業とし、グループ各社とともにグローバルに事業を展開しています。直近期は売上高が増加したものの、経常利益は減少となりました。一方で、特別利益の計上により純利益は大きく増加しました。


目次

※本記事は、栄研化学株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


栄研化学グループは、検査薬の製造販売を主な事業としています。がんの予防・治療、感染症撲滅・感染制御、ヘルスケアに役立つ製品・サービスの提供を注力事業分野としています。

単体従業員数は696名、連結従業員数は696名です。同社グループは検査薬事業の単一セグメントで事業を展開しています。

栄研化学は、連結子会社である栄研医薬(上海)有限公司とEIKEN MEDICAL AMERICA INC.の2社、および持分法適用関連会社1社とともに、検査薬の製造販売を主な事業としています。

同社グループは、当連結会計年度において連結子会社の持分譲渡を実施し、特別利益を計上しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


栄研化学グループは、ヘルスケア分野を通じて人々の健康を守るという経営理念のもと、従業員を「人財」と位置付け、その成長と活躍を重視しています。多様な働き方を支援する制度や、個人の能力開発を促す育成プログラムを通じて、従業員が長期的に働きがいを感じられる環境づくりに注力していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高いことから、従業員が安定して長く働き続ける傾向があると考えられます。経験豊富な人材が多数在籍し、組織の安定性や専門性の高さに貢献していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 7,856,285円
平均勤続年数 13年5ヶ月
平均年齢 41歳5ヶ月
単体従業員数 696人
連結従業員数 696人
単体のグループ内比率 100.0%


同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付企業年金制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出企業年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)、企業年金基金制度及び退職一時金制度を設けています。これらの制度は国内の従業員を対象としています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

確定給付制度における退職給付債務は23.0億円、年金資産は47.1億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


栄研化学グループは、人財を持続的な企業価値向上を支える重要な経営資本と位置付けています。給与その他の給付は、性別、年齢、国籍等による不合理な差異を設けず、各従業員の役割・職務内容、成果および能力の発揮状況等を踏まえ、公正に決定されています。給与は基本給および賞与等で構成され、業績や個人の貢献度が適切に処遇へ反映される仕組みです。

2023年度からは、役割・専門性をより重視した賃金制度と、従業員のチャレンジ志向を高める評価制度へ移行し、従業員のやりがい・働きがいを追求しています。同社グループは「人を活かした活力ある企業」を目指し、DEIB(Diversity:多様性、Equity:公平性・公正性、Inclusion:受容、Belonging:帰属意識)を重要な経営基盤の一つと位置付け、特に女性活躍推進を人財戦略の重点テーマとしています。

具体的な施策として、オフィス勤務と在宅勤務を組み合わせたハイブリッドな働き方や、コアタイムなしのスーパーフレックスタイムを推進しています。また、営業職を対象とした転勤免除制度の導入により、従業員のワークライフバランスを支援し、長期的なエンゲージメントの促進と労働生産性の向上につなげています。新卒採用では職種別採用を継続し、キャリア採用ではリファラル採用も活用して専門人財の確保を強化しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 18.7%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 68.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 87.5%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 53.3%

人権・多様性の尊重


女性管理職比率は、課長以上の役職者に占める女性の割合を示しています。

指標 数値
女性管理職比率 18.7%
採用に占める女性比率 30.4%
障がい者雇用率 3.2%
ハラスメントの撲滅 研修受講率 100%

従業員エンゲージメントと人財育成


育児休業取得率(男性)は、育児を目的とした同社独自の休暇制度を利用した者の数を含みます。

指標 数値
育児休業取得率(男性) 100%
育児休業取得率(女性) 100%
正社員一人あたり年間総実労働時間 1,835h
正社員一人あたり年次有給休暇取得率 70.7%
離職率 2.3%
従業員満足度スコア 80.6%
若手従業員のEGP受講率 20.6%

健康増進・安全衛生

指標 数値
定期健康診断受診率 100%
労働災害件数(通勤災害を含む) 10件

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


栄研化学は、臨床検査薬の製造販売を主軸とする事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、検査薬の製造販売を主な事業として営んでいます。中期経営計画に基づき、「がんの予防・治療への貢献」、「感染症撲滅・感染制御への貢献」、「ヘルスケアに役立つ製品・サービスの提供」の3つの注力事業分野を中心に事業を展開しています。

製品別では、免疫血清検査用試薬が売上高の大部分を占めており、特に海外向けの便潜血検査用試薬が堅調に推移しています。また、医療機器や遺伝子関連製品を含む「その他」の分野も大きく伸長しています。このほか、微生物検査用試薬、尿検査用試薬、生化学検査用試薬、器具・食品環境関連培地なども提供しています。

収益モデルは、主に検査試薬や検査機器の製造販売によるものです。卸売業者を通じて病院等に製品を供給しており、ロイヤリティ収入も収益の一部を構成しています。海外向け売上高も堅調に増加しており、グローバルな事業展開を進めています。

主要な顧客としては、特定の卸売業者への販売が一定の割合を占める傾向が見られます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は直近2期で増加傾向にありますが、経常利益は減少傾向が続いています。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は直近で大きく増加しました。これは連結子会社の持分譲渡による特別利益の計上が主な要因となっています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 430億円 433億円 401億円 405億円 419億円
経常利益 85.1億円 75.7億円 35.7億円 32.0億円 28.4億円
経常利益率 19.8% 17.5% 8.9% 7.9% 6.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 62.2億円 57.4億円 26.3億円 22.3億円 37.1億円
1株当たり当期純利益(円) 168.28 155.17 71.69 64.82 112.52

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、生産性の向上が見られます。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期からわずかに減少しており、売上高の増加に対して利益の伸びが追いついていない状況を示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 57.7百万円 60.2百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.3百万円 4.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


財務の安定性は、企業の持続的な成長と従業員の雇用環境に直結する重要な要素です。栄研化学グループの財務状況とキャッシュフローから、その安定性を確認します。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


栄研化学グループの財務基盤は、自己資本比率と手元資金の状況から安定していることがわかります。自己資本比率はプライム市場の製造業平均を上回っており、不況時にも耐えうる財務体質を示しています。手元資金も増加傾向にあり、事業運営の安定性につながります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 436億円 440億円
自己資本比率 69.3% 70.1%
ROE(自己資本利益率) 5.0% 8.5%
現金及び預金 98.7億円 109億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


栄研化学グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは40.5億円の収入となりました。これは主に売上債権と棚卸資産の減少による収入、および税金等調整前当期純利益があったことによります。投資活動によるキャッシュ・フローは△34.2億円の支出となり、有形固定資産の取得による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは△3.2億円の支出であり、長期借入による収入があった一方で、自己株式の取得や配当金の支払がありました。フリーキャッシュ・フローは6.2億円の収入となっており、本業で得た資金で投資を賄い、余剰資金を生み出している状況です。これは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた投資も行いつつ、財務的な健全性を保っていることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 60.3億円 40.5億円
投資CF △45.0億円 △34.2億円
財務CF △48.6億円 △3.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 15.3億円 6.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、国・地域ごとの経済・景気の変化、パンデミックの発生や地政学的リスク等により、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、新製品・新技術の企画・開発の強化及び新規事業の創出を図っていますが、研究開発の不確実性や市場動向との不整合により、中長期的な事業計画が影響を受ける可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループでは、従業員退職給付費用及び債務が数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されており、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来の費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。また、割引率の低下及び年金資産運用での損失は、退職給付費用に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


栄研化学は、ヘルスケアを通じて人々の健康を守ることを経営理念に掲げ、検査のパイオニアとして信頼される製品・サービスを提供することを目指しています。持続可能な社会の実現と企業価値の向上を追求する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「EIKEN WAY」として経営理念、経営ビジョン、モットーを制定し、グループ全体で実践しています。経営理念は「ヘルスケアを通じて人々の健康を守ります」であり、経営ビジョンは「検査のパイオニアとしてお客様に信頼される製品・サービスを提供し、企業価値の向上を図ります」とされています。

また、2030年の目指す姿として「EIKEN Vision 2030」を設定しており、医療のプロセスにイノベーションを起こし、検査の未来を創っていくことを目指しています。注力事業分野として「がんの予防・治療への貢献」、「感染症撲滅・感染制御への貢献」、「ヘルスケアに役立つ製品・サービスの提供」の3つを掲げています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「EIKEN WAY」のモットーとして「品質で信頼され、技術で発展する“EIKEN”」を掲げています。これは、製品やサービスの品質を追求し、技術革新を通じて成長していくという価値観を示しています。

また、サステナビリティ経営の視点を取り入れ、ESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを強化することで社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しています。従業員を「人財」と表現し、「人を活かした活力ある企業」を目指す方針です。あらゆる多様性を尊重し、従業員の安全と健康に配慮した環境を整え、全ての従業員が活躍を実感できる組織風土を育むことを重視しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、事業を取り巻く環境変化に対応しつつ、「がんの予防・治療への貢献」、「感染症撲滅・感染制御への貢献」、「ヘルスケアに役立つ製品・サービスの提供」の3つを注力事業分野として重点施策を展開しています。特に「がん」の分野では治療に直結する領域に、「感染症」の分野では簡易な検査技術の確立に注力しています。

さらに、「ヘルスケア」の分野では遠隔健診や在宅での検査に対応できる製品・サービスの拡大を進めています。持続可能な社会の実現に向けて、優先的に取り組むべき11のマテリアリティ(重要課題)を特定し、具体的な行動計画に展開することで、社会課題の解決と企業価値の向上につなげていく方針です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


栄研化学は、指名委員会等設置会社として、迅速な経営判断と業務執行、そして透明性の高い経営体制を構築しています。取締役会は、社外取締役が過半数を占める構成となっています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの株主構成は、信託銀行や海外の機関投資家が上位を占めていることが特徴です。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つというよりは、幅広い投資家層に支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 12.70%
NIPPON ACTIVE VALUE FUND PLC 9.92%
AVI JAPAN OPPORTUNITY TRUST PLC 6.83%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は18名(男性16名・女性2名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表執行役社長兼CEO兼COOは瀨川雄司氏が務めています。社外取締役比率は70.0%です。

氏名 役職 主な経歴
瀨川 雄司 代表執行役社長兼CEO兼COO 1990年ソニー入社。2013年同社入社、研究開発統括部生物化学第二研究所第二部長。2022年同社執行役就任。2025年同社取締役就任、代表執行役社長就任。2026年同社CEO兼COO就任より現職。
納富 継宣 代表執行役会長 1981年同社入社。2009年同社執行役就任。2018年同社取締役就任、常務執行役就任。2020年専務執行役就任。2021年代表執行役社長就任。2025年代表執行役会長より現職。
森 安義 専務執行役 研究開発本部長 兼CTO 1995年同社入社。2021年同社執行役就任。2025年同社専務執行役就任、取締役就任。2026年同社CTO就任、研究開発本部長より現職。


社外取締役は、石井潔氏(元IHIエアロスペース代表取締役社長・指名委員会委員)、中村規代実氏(弁護士オリゾン法律事務所パートナー・日本甜菜製糖社外取締役・監査委員会委員長)、藤吉彰氏(Heartseed社外監査役・報酬委員会委員長・指名委員会委員)、松竹直喜氏(カズ・コーポレーション代表取締役・マミヤ・オーピー社外監査役・指名委員会委員長・監査委員会委員)、植木理恵氏(順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター副院長・診療部長・報酬委員会委員・監査委員会委員)、木野瀨祐太氏(コンチネンタル・インベストメント・グループ代表取締役社長・報酬委員会委員)、戸田達喜氏(平川商事財務執行役員・監査委員会委員)です。

同社は指名委員会等設置会社であり、執行役による迅速な経営判断と業務執行を実現しています。取締役会および指名委員会・報酬委員会・監査委員会の3委員会を通じて、業務執行の効率性を継続的に監視し、透明性と公平性の高い経営を目指しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社グループの役員報酬は、固定報酬、業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬により構成されています。執行役の報酬は、業績向上へのインセンティブを高めるため、固定報酬50%、業績連動報酬30%、譲渡制限付株式報酬20%をモデルケースとしています。社外取締役の報酬は、業務執行から独立した立場を考慮し、業績との連動を行わず、固定報酬90%、譲渡制限付株式報酬10%で構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 19百万円 3.8百万円
執行役 16名 2.4億円 15.1百万円
社外取締役 8名 76百万円 9.5百万円


なお、執行役を兼務する取締役4名の報酬等の額は、取締役としての報酬等と執行役としての報酬等を区分した上で、それぞれの報酬等の額に含めて表示しております。同社グループの役員報酬等の総額は3.37億円であり、対象となる役員の員数は29名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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